転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2827話

 オーラバトルシップの件に関しては、機械の館をそのまま持ってくるというのは興味深かったので、そのまま進めて貰う事にし……そして、俺とマーベルはそれぞれサーバインとダンバインに乗った状態のまま、ミの国の中に姿を現す。

 とはいえ、ミの国についての情報はドレイクもあまり持っていなかった。

 いや、勿論ピネガンの一件があったので、多少なりとも情報はあるし、首都がどのような場所なのかといった事は分かっている。

 だが、今回俺とマーベルが行うのはあくまでも陽動だ。

 正確には、アの国の内乱に手を出させないようにミの国を牽制するという事なので、陽動という表現は合わないような気がしないでもなかったが。

 そんな訳で、ミの国の首都……ピネガンが住んでいる城を攻撃するといったような真似も、そういう意味では有効なのだろう。

 だが、もっと有効なのは、やはりミの国が所有する機械の館を破壊する事だ。

 そんな訳で、俺とマーベルがやるのはまず機械の館がどこにあるのかを調べるという作業になる。

 

「それで、どの辺りを探すの? やっぱり王都の近く?」

 

 森の中にダンバインを一時的に隠し、コックピットから降りてきたマーベルが俺に向かってどう尋ねてくる。

 王都の近くと口にしたのは、やはりルフト領ではラース・ワウに機械の館があったからだろう。

 つい先程まで俺達がいた、サーバインやダンバインを預けてあった場所がそれだ。

 勿論、ルフト領では他にも多数の機械の館がある。

 それこそドラムロを量産したりするには、ラース・ワウにある機械の館だけでは足りない。

 ナムワンを始めとしたオーラシップや、オーラバトルシップの建造ともなれば、それこそ同じ機械の館といった名前であっても、全く別の施設と言ってもいいだろう。

 その辺の事情を考えると、ミの国が持つ機械の館が王都にあるのは間違いないだろうが、それ以外の場所にも幾つか存在しているのは間違いないと思う。

 だとすれば、狙うのはそちらの方がいい。

 個人的にはいきなり王都……具体的には機械の館や王城を狙うというのもいいんだが。

 ただ、ミの国のオーラバトラーの製造能力を少しでも減らす方を優先した方がいい。

 どのみちミの国はアの国で下剋上したドレイクと戦いになるのだから、その辺を考えると、ミの国の機械の館を潰して回った方がいいだろう。

 

「いや、別の場所だな。幸い、殆どの機械の館は隠されていない……資材とかを運び込みやすい場所に用意されている筈だ。まずはそっちを叩く」

「そうなると、まずそちらを見つける必要があるけど……どうするの? 空から探す?」

「その方がいいだろうな。その行為そのものが、ミの国に対する牽制になるし、空を飛ぶサーバインとダンバインを攻撃するとなれば、それが出来るのはオーラマシンだけだ。ダーナ・オシーやドロ……いや、ドロは使わないか? ともあれ、オーラマシンがやって来れば、機械の館がある方向だけでも分かるし」

 

 とはいえ、ミの国にとっても機械の館というのは大きな意味を持つ。

 そうである以上、機械の館から出撃しても、真っ直ぐ空を飛ぶサーバインやダンバインに向かってこないとも限らない。

 そうなると機械の館を見つけるのは難しいが、どうだろうな。

 見つからないように遠回りをするということは、当然だがそれだけ俺達と接触するのに時間が掛かるという事になる。

 それはつまり、ミの国を……そしてミの国の国王であるピネガンの面子を潰すという事になる訳だが、あれだけピネガンを慕っている者達が、それを許容出来るか?

 とはいえ、普通に考えてピネガンがミの国の国民全員から慕われているなんて事は、まずない筈だと思う。

 ラウの国との関係が悪化した事で、損をした者は必ずいる筈だ。

 商人の類なんか、特にそうだろうし。

 そういう風に考えると、アの国の内乱が行われている間はミの国の反乱分子に武器を与えて、内乱をして貰っていた方がいいんだろうが……そう思いついたからといって、すぐにはいそうですかといったような真似が出来る筈もない。

 そもそも反乱分子と接触するのさえ難しいだろう。

 ああ、でも俺とマーベルが大々的に動けば、向こうから接触してくる可能性もあるか。……もし本当にそのような者達がいればの話だが。

 

「取りあえず、空を飛んでダーナ・オシーを引き寄せる方がいい。それに、俺達を倒しに来たダーナ・オシーを倒せば、それだけミの国の戦力が減るのも間違いないし」

 

 ギブン家のような領主の1つであれば、オーラバトラーを製造するにしても、資金や資源的な問題でかなり制限されてしまう。

 それに比べると、ミの国は小国とはいえ一つの国だ。

 その国力は領主の1人でしかないロムン・ギブンとは大きく違い、ギブン家よりも多数のダーナ・オシーを製造することが出来る。

 だが、それでも限界があるのは間違いないのだ。

 倒してしまえば、少ないながらも間違いなくミの国にダメージを与えることが出来る。

 そう説明すると、マーベルも異論はないのか、取りあえず上空を飛びながら挑発がてら機械の館を探す事になるのだった。

 

 

 

 

 

 サーバインのコックピットに映し出されている光景は、ミの国のものだ。

 ちなみにこれ、別に映像モニタとかじゃなくて、実際の光景なんだよな。

 コックピットの装甲部分に使われている恐獣の甲殻は、いわゆるマジックミラー的な性質を持っている。

 外からは見えないが、中からは外が見えるといったような。

 そういう意味でも、他の世界の科学技術によって開発された人型機動兵器とは違うんだよな。

 そんな風に思いながら外の様子を見ているが、機械の館と思しき場所はそう簡単には見つからない。

 ただし、地上をユニコンで走っている兵士と思しき存在は何度か確認してるので、俺達の存在はもうミの国側には知られていると思ってもいいだろう。

 であれば、そう遠くないうちにダーナ・オシーが迎撃に出て来るのは間違いない。

 

「マーベル、そろそろ敵が迎撃に出て来てもおかしくない。気をつけろよ」

『任せておいて。そう簡単に負けたりはしないから』

「マーベルがそう言うのなら、俺の背中は預けるよ。その代わり、マーベルの背中も俺が守るから安心しろ」

『っ!? ……もう。お願いね』

 

 何故か一瞬言葉に詰まったマーベル。

 というか、動揺したのかサーバインの隣を飛ぶダンバインも動きを乱した。

 この辺りが、オーラバトラーを操縦する時にイメージが必要な欠点だよな。

 パイロットの動揺が、操縦に直接影響するのだから。

 

「どうした?」

『何でもないわよ』

 

 一応尋ねるが、マーベルはそんな俺の言葉に短く返すだけだ。

 とはいえ、多少動揺したくらいでマーベルがミの国の兵士に後れを取るとは思えない。

 マーベルは始まりの聖戦士と呼ばれており、戦いの中で一番重要な実戦経験を一番積んでいる。

 原作主人公のショウですら、今の状態ではマーベルに勝つのは無理だろう。

 もっとも、ショウの能力を考えればいずれ逆転されてもおかしくはないのだが。

 それでもショウはともかく、ミの国の兵士に負けるといった可能性はまずない。

 そんな風に思いながらミの国の上空を飛び続け……そして少し時間が経った頃、こちらに向かってくるダーナ・オシーの姿を確認する。

 

「マーベル、来た。見えてるか?」

『ええ。でも、随分と少ないわね。あれだけの数で私達をどうにか出来ると思ったのかしら?』

 

 そう返事をするマーベルの声には、既に先程までの動揺は全くない。

 この辺りの切り替えの早さも、実戦経験があってこそだろう。

 ちなみに、マーベルがあれだけの数と言ってはいるが、こちらにやって来るダーナ・オシーの数は10機を超えている。

 普通に考えれば、自国に不法侵入してきた相手を捕らえるなり撃破するなりすると考えると、十分な戦力と言ってもいいだろう。

 それでもマーベルがあれだけの数と言うのは、それだけ自分の力に自信があるからか、それとも俺とサーバインがいるからか。

 純粋に俺の意見としても、マーベルの言葉に頷くところが多かったが。

 

「そうだな。あの程度の数で俺達をどうにかしようとしているのは間違ってるって、教えてやる必要があるか。ただ、それをミの国の連中に知らせる為にも、1機は無事に帰す必要がある。全滅させないように気をつけるぞ」

 

 もし俺とマーベルの会話をミの国の連中が聞いたら、それこそふざけるな! と怒鳴りつけるのは間違いないだろう。

 だが、客観的に俺達とミの国の兵士の実力差……オーラバトラーの性能やパイロットの操縦技術を含めて考えた場合、総合的な実力差はマーベルが言ってる通り、圧倒的にこっちが有利なのは事実だ。

 とはいえ、サーバインとダンバインの性能やパイロットの実力は、ギブン家経由……正確にはショウやリムル経由でミの国に伝わっていてもおかしくはない。

 にも関わらず、この程度の数でこっちに向かってくるのは一体どうなってるんだろうな。

 あるいは、ギブン家からの情報を信じていなかったのか、もしくは自分達の実力を過剰に信じているとか。

 その辺の理由は俺にも分からなかったが、少なくてもサーバインに関しては昨日の一件がある以上、強敵だと伝わっていてもおかしくはないんだが。

 あるいは、損傷が激しくて昨日俺と戦った連中はまだミの国に帰還していないという可能性も否定は出来ない。

 ああ、その可能性はあるか。

 指揮官と思しきダーナ・オシーを撃破したから、命令系統に多少なりとも混乱があってもおかしくはない。

 そんな事を考えていると、向こうは牽制射撃のつもりなのだろう。

 ダーナ・オシーの持つミサイルランチャーを一斉に発射する。

 ダーナ・オシーのミサイルランチャーは、オーラショットと違って腕に装備するといったようなものではなく、手で持って発射するタイプだ。

 使い捨ての武器であるが故に、気軽に使えて、使い終わったら捨てて身軽になるといった真似が出来る。

 勿論いい事だけではなく、使い捨ての武器であるが故にオーラショットのように予備弾倉を装弾するといったような真似も出来ない。

 

「当たるなよ」

『誰に言ってるのよ』

 

 そんな会話を交わしながら、多数のミサイルの間を縫うように移動していく。

 オーラソードで斬り落としてもいいのだが、回避すれば問題ない以上、無理にそんな真似をする必要もない。

 あるいはこれが地上のミサイルのように追尾機能だったり近接信管といったような機能があれば、また別の選択をしただろう。

 だが、バイストン・ウェルのミサイルの技術では、その辺を気にしなくてもいい。

 そして、ダーナ・オシー達にしてみれば、まさか1発も命中することなく、大量のミサイルの中を通りすぎてくるというのは、完全に予想外だったのだろう。

 何機か、動揺から空を飛びながらバランスを崩していた。

 

「甘いんだよ」

 

 そう言い、ミサイルランチャーに対する反撃として、オーラショットを放つ。

 滑腔砲とミサイルという違いはあるが、放たれる弾頭の速度は間違いなくミサイルよりも速い。

 真っ直ぐに向かったオーラショットの砲弾は、3機のダーナ・オシーに命中する。

 そして爆散。

 あるいは、これが重装甲のドラムロなら一撃で死ぬような事はなかったかもしれない。

 ドラムロと違い、ダーナ・オシーは高機動型だ。

 高機動型だけに、敵の攻撃を回避するといったような真似が出来るのなら、全く問題はない。

 だが、敵の攻撃を回避出来ないのなら、それは自殺行為以外のなにものもない。

 そういう意味では、高機動型のダーナ・オシーは、高い技量を持ったパイロット向けのオーラバトラーなのだろう。

 マーベルのダンバインが放ったオーラショットも、ダーナ・オシーを1機撃破する。

 オーラショットに予備弾倉で装弾し、だが次に発射するよりも前に、ダーナ・オシー達との間合いは詰まってきた。

 取りあえずオーラショットよりもオーラソードだな。

 そう判断し、オーラコンバータの鞘からオーラソードを引き抜く。

 マーベルのダンバインも、オーラショットではなくオーラソードを構えていた。

 ダーナ・オシーの方は、元々ミサイルランチャーが使い捨てなので、それを捨てており、オーラソードを構えている。

 そんな相手に向かい、俺はサーバインの左手を向ける。

 ただし、撃つのはオーラショットではなく、ショットクローだ。

 間合いが近くなったからこそ、ショットクローは大きな意味を持つ。

 真っ直ぐ進んだショットクローは、敵の先頭にいたダーナ・オシーの身体に巻き付き……それを確認してから電撃を流す。

 流された電撃によって、ダーナ・オシーは身体が硬直する。

 イメージが重要なだけに、パイロットの状況がダイレクトに表れるのだろう。

 そうして電撃で動けなくなったダーナ・オシーを、ショットクローで振り回し……そのまま鎖つきの鉄球……フレイルのようにして、近くにいるダーナ・オシーにぶつける。

 その衝撃によって、2機のダーナ・オシーは双方共に破壊されるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1495
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1667

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