俺の空間倉庫の中からサーバインとダンバインを出し、それに乗ってナムワンの外に出る。
ちなみにサーバインとダンバインを空間倉庫に収納していたのは、当然ながら反乱軍のダーナ・オシーをナムワンに搭載させる為だ。
いっそダーナ・オシーを全部俺の空間倉庫に収納してもよかったのだが、空間倉庫に慣れていない反乱軍の面子には、空間倉庫という存在に拒否感があるだろうという思いもあった。
そんな訳で、結局空間倉庫に収納していたのはサーバインとダンバインだけだったんだが……こうして考えると、その選択肢も悪くなかったのかもしれないな。
『アクセル、それでどうするの? 敵が来るかもしれないという話だったけど、こうして見る限りだと、どこにもいないわよ?』
少し困った様子で通信を送ってくるマーベル。
まぁ、こうしてナムワンから外に出て、近くにいたブル・ベガー……ドレイクの旗艦の側に待機はしたものの、特にショウが襲ってくるといった様子もないのだから、そんな風に思うのは当然か。
「そうだな。今のところは襲ってくる様子はない。ただ、後方でゼラーナ隊が戦っていて、にも関わらずショウのダンバインの姿がないってのは、おかしいだろ?」
『それは……まぁ』
マーベルも、この状況でショウのダンバインがいないという不自然を感じているのか、俺の言葉に素直に頷く。
ピネガンやフラオンにしてみれば、ここがまさに正念場だろう。
そんな正念場に、最大の戦力たるショウを使わないという選択肢は存在しない。
であれば、やはり今回の一件を考えると奇襲を仕掛けるのは当然だと、そう思うんだが。
「なら、こうして待っていればいい。ショウもこっちを警戒しているだろうけど、最終的には攻撃をしてくる筈だ。あるいは、奇襲がないならないで構わない。その場合、ショウという向こうの最大戦力を何もせずに無力化したというだけの話だし」
マーベルのダンバインはともかく、ショウにとって俺のサーバインは警戒すべき存在なのは間違いない。
ショウがまだドレイク軍にいた時から、俺は何度もサーバインでショウの模擬戦の相手をしたが、ショウが勝つといった事は一度もなかった。
その後、ショウがギブン家に亡命した後であっても、何度か戦う機会はあったが……そちらでも、ショウが俺に勝った事はない。
それどころか、生け捕りにされたりもしている。……まぁ、その時は結果としてギブン家の夜襲によってショウを奪い返されたりしているが。
ともあれ、ショウにとって俺とサーバインは非常に強力な敵なのだ。
ショウもそれが分かっている以上、俺やマーベルがいる場所に向かって攻撃してくる可能性はそんなに高くはない。
ガラリア程ではないにしろ、地上から戻ってきて無傷だったという可能性は否定出来ないし。
とはいえ、向こうの目的はあくまでも俺やマーベルを倒す事ではなく、ドレイクを倒す事だ。
そうである以上、俺やマーベルを無視してドレイクのブル・ベガーを攻撃するという手段に出ても、おかしなところは何もない。
ただ、当然ながらそのような真似をしようとすれば、こっちもそんな相手の行動に気が付いて阻止するだろう。
唯一可能性があるとすれば、ブル・ベガーはウィル・ウィプスとは比べられないが、それでも結構な大きさのオーラシップだ。
だからこそ、俺やマーベルが気が付かないようにどこか別の場所からブル・ベガーを襲撃するといった方法が考えられる。
勿論、そうなった場合は俺達は気が付くのが遅れるだろうが、ブル・ベガーの周囲にいるドラムロがそんな相手に気が付き、すぐに対応するといったような事になるだろうが。
「ともあれ、今はショウが来るのを警戒して待機しているだけだな。マーベルも、何か気が付いた事があったらすぐに教えてくれ」
俺が気が付いた事が全てであるとは、限らない。
別に俺は全知全能といった訳でもないのだから。
そういう意味では、今回の一件はいい機会であるとも思えた。
……ブル・ベガーの周囲にいるドラムロからは、面白く思われていないのは間違いないだろう。
何しろ、自分達が守っている場所にこうして俺とマーベルがやって来るということは、それはつまり自分達だけではドレイクを守れないと、そのように認識されている事なのだから。
それでも不満に思いつつ、俺やマーベルに向かって実際に不満を口にしないのは、俺がドレイクと対等な同盟関係を結んでいるからだろう。
対等の同盟関係という事は、つまり俺とドレイクは同等の存在なのだ。
そんな中で俺に不満を言うという事は、ドレイクに不満をぶつけるのと同じになる。
……いやまぁ、実際には同等の同盟を結んでるからといって、俺とドレイクを同一の存在と見る方が間違っているのだが。
そういう意味では、ドラムロのパイロット達も少し気にしすぎと言ってもいいだろう。
だからって、俺が素直にその辺について教えてやったりとか、そんな事をするつもりはないが。
そうして10分程、俺とマーベルはドレイクの乗っているブル・ベガーの周囲で様子を見ながら警戒する。
ただし、警戒をしつつも、会話を続けていたが。
こういうのは、警戒するのに集中し続けると、どうしても集中力が途切れる。
だからこそ、ここは適度にリラックスした方がいい。
とはいえ、こうして俺とマーベルが会話をしている間も、前方はではピネガン率いる正規軍と、そして後方ではゼラーナ隊を始めとしたフラオン軍との戦いが続いていた。
フラオン軍と呼んではいるが、実際にフラオンが戦場に出ているかどうかは分からないが。
ピネガンは恐らく戦場に出ていると思うけど。
ピネガンにしてみれば、ここで敗れると全体の戦局は一気にドレイク軍に傾いてしまう。
言わば、UC世界で行われた1年戦争のオデッサ作戦的な感じと言えばいいのか?
まぁ、あくまでそんな感じというだけで、実際には全く違うんだが。
ともあれ、ピネガンにとってこの戦いは絶対に負けられない戦いだ。
そうである以上、自分の国を守る為に自分が前線に出るというのは当然だろう。
だが……フラオンには、そんな勇気はない。
戦いに出れば、死ぬかもしれない。
そう思えば、フラオンにはとてもではないが戦いに参加するといったような真似は出来ないだろう。
フラオンは、言ってみれば我が儘一杯に育てられた子供がそのまま大人になったような感じだ。
王族という事で、小さい頃から何の我慢もなく、自分の思うがままの人生をすごしてきたのだろう。
だが、それがドレイクとの一件で意味がなくなった。
結果として、より臆病になってしまったといったところだろう。
であれば、そんな臆病者が実戦の場に出て来るというのは、ちょっと考えにくい。
恐らく、フラオンは戦場ではなく自分の陣地で大人しく勝利の報告が来るのを待っているのだろう。
そうなればなったで、そっちの護衛にも戦力を割かなければならず、結果として戦力が分割されているという事になるのだが。
『アクセル王、上空からオーラバトラーが1機、接近してきます!』
ナムワンのブリッジから聞こえてきたそんな通信。
どうやら、ショウも我慢出来なくなったらしい。
まぁ、ショウにしてみれば、このまま無駄に時間を掛けると挟撃を掛けた部隊が大きな被害を受けると、そう理解しているのだろう。
純粋に、戦力差という点ではドレイク軍の方が圧倒的に有利なのだから。
そうして双方どちらでも苦戦している以上、このまま時間が経過すれば不利になるのは自分達だけだ。
そう判断し、ショウは一発逆転を狙ってドレイクを討ち取ろうとして攻撃をしてきたのだろう。
その判断は間違っていない。
今の状況を思えば、ピネガンやフラオンが勝利するにはそのような手段しかないのだから。
だが……それでも、当然だがそんな一発逆転の手段となるドレイクの周囲には、相応の護衛がいる。
そして、ドレイクの部下ではない俺とマーベルもいる。
「マーベル、上だ。俺は上に行くから、お前はブル・ベガーの側で待機していてくれ。俺が抜かれたら、そっちで対処を頼む」
ショウも、俺とサーバインを相手に勝てるとは思っていない。
つまり、俺を回避して戦わないようにし、ブル・ベガーに向かって突っ込むという選択をする可能性も高かった。
まぁ、だからといってそう簡単にこっちも逃がすといったつもりはなかったが。
『ええ』
マーベルがブル・ベガーの側で待機しているのを確認してから、俺はナムワンからの情報に従って上にブル・ベガーの上に向かって進む。
そうして上空から降下してくるダンバインを……いや、あれは……形が違う? ダーナ・オシー?
「っ!? マーベル、下だ、下に注意しろ! こっちも囮だ!」
上空からブル・ベガーに向かって降下していたのがダーナ・オシーであると判断した瞬間、俺は即座にマーベルに通信を送る。
考えてみれば当然だが、以前にも向こうは同じような戦術をしてきた事があった。
……とはいえ、以前と今回ではかなり状況が違うが。
そうである以上、そのまま同じ方法で攻撃をしてくる筈もない。
かといって、戦力で圧倒的に負けているピネガンやフラオンにしてみれば、まともにドレイク軍と戦っても勝ち目はなく……結果として、出来るのはドレイクを倒すという事だけだ。
そうである以上、結果として向こうはどうしてもドレイクを狙う必要がある。
それで考えたのが挟撃して戦力を分散させ、これ見よがしにドレイクのいるブル・ベガーに向かって突っ込む様子を見せて、俺のような護衛を引っ張り出す。
そして戦力を極限まで削ったところで……どこか他の場所、この場合は恐らく下から一気にドレイクを狙う。
そうなると、つまり向こうはブル・ベガーのいる場所を予想していたという事になるのか。
そんな風に思いつつ、上空からの落下速度も活かして真っ直ぐこっちに突き進んでくるダーナ・オシーの攻撃を回避しつつ、オーラソードで胴体をコックピット諸共真っ二つにする。
撃墜したダーナ・オシーをそのままに、即座にブル・ベガーのいる方に……いや、ブル・ベガーの下方向に向かう。
サーバインの性能を思えば、ここからそのような場所にまで向かうのはそう長い時間は掛からない。
しかし、問題なのはショウが一体どのような反応をするかといった事だろう。
マーベルの実力なら問題ないとは思うが、それでもショウの実力を考えれば一体どのような対応になるのか分からない。
その為、急いで移動し……ブル・ベガー横を通りすぎ、オーラコンバータを使って強引に軌道方向を変える。
本来なら、ブル・ベガーの近くをこんな猛スピードで移動するというのは、危険行為だとして不満を抱かれてもおかしくはない。
だが、マーベルの身とドレイクからの不満のどちらを優先するかとなれば、考えるまでもなく明らかだ。
そうしてブル・ベガーの下に向かうと、そこではマーベルのダンバインがショウのダンバインとオーラソードで斬り合っている。
驚くべきなのは、周辺にいたドラムロの数がかなり減っている事だろう。
恐らく、既にショウのダンバインに撃墜されたといったところか。
そんな状況でマーベルはショウと戦い、互角に近い戦いを繰り広げている。……いや、違うな。ショウのダンバインは無傷に等しいが、マーベルのダンバインは手足こそ切断されてはいないものの、装甲に幾つかの傷がある。
少し前まで、ショウはマーベルに勝つなどといったことは絶対に無理なくらいに実力が離れていた。
にも関わらず、今はもう互角に戦えるまでの実力になってるのか。
この辺りはショウが実戦を積んできたからというのが、大きいのだろう。
実戦は訓練をするよりも技量を上げるのに有効だという事の証だ。
とはいえ……
「そこまで、だけどな!」
オーラコンバータを全開にして、一気にショウのダンバインに向かう。
急速に近付いてくるサーバインの姿に気が付いたのか、マーベルのダンバインと戦っていたショウのダンバインは一瞬動きを止め……作戦は失敗したと判断したのか、すぐにその場から脱出を試みる。
『逃がさない!』
意図的なものか、それとも何らかの理由があってか。
その辺は俺にも分からなかったが、マーベルはオーラショットを逃げ出したショウのダンバインに向かって放つ。
だが、ショウのダンバインはそんなマーベルの行動を予期していたかのように、右に左にといった感じで回避し、そのままブル・ベガーから離れていった。
『アクセル、追うわ!』
「いや、追わなくてもいい。ショウで最後とは限らない。ここまで囮を重ねた以上、あのショウも囮という可能性がある」
ピネガンやフラオンの持つ最大の戦力は、間違いなくショウだ。
だが、だからといってドレイクを殺すのはショウでなくてもいい。
一定以上の実力があれば、そのくらいは出来るだろう。
そうである以上、ここでショウを追うというのは敵の策に嵌まるという可能性もあるので、俺としては深追いはしたくなかった。
そう説明すると、マーベルも不承不承ながら納得するのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1560
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1680