「ふむ、なるほど。情報提供感謝する」
「いえ、アクセル王からの命令なので」
ドレイクからの情報収集が一段落したところで、今日は取りあえずお開きという事になる。
ドレイクの言葉にキブツが俺からの命令だったと口にしたが、これは多分俺が命じたからこそ、ドレイクからの要望に素直に従ったといったことを言いたかったのだろう。
キブツにしてみれば、ドレイクに対して色々と思うところがあってもおかしくはない。
何しろ、キブツ……というかキッス家は、元々ギブン家に仕えていたのだから。
そんな相手だけに、キブツの態度にも納得出来る面がある。
それでも家を残す為に、キブツは俺に降伏するという道を選んだ。
……それでも、ドレイクに降伏するよりは俺に降伏した現在の状況の方が、まだマシだとは思うけど。
ともあれ、用事はもう終わったので俺は再び影のゲートを使って屋敷に戻る。
「慣れませんね」
キブツの呟きに、だろうなと頷く。
それでもいずれは慣れるだろうから、その辺に関しては特に気にするような事はないと思う。
それだけ言って、俺はキッス家の屋敷から影のゲートで移動する。
マーベルを待ってもよかったのだが、まだ戻ってきていないという事だったので、また後で迎えに来るとだけ伝言を残して。
マーベルにしてみれば、今回のように買い物をするのは気分転換に丁度いいのだろう。
そうである以上、それを邪魔する気はない。
もっとも、王都からラース・ワウまで戻るのに、俺の影のゲートがなければオーラマシンで移動する必要がある。
そう考えると、かなり不便な面があるんだよな。
何らかの連絡手段があれば、すぐに迎えに行ったりも出来るのだが。
一応この世界でも無線通信の類は存在する。
ただ、その無線通信の届く範囲はかなり狭いんだよな。
だからこそ、その辺の事情を考えると決定的な通信手段がない。
ゲートを設置してホワイトスターと繋がりさえすれば、ゲートを利用した通信装置を使える。
このゲートの通信装置はフォールド通信を利用したものなので、それこそ地球と火星……あるいはもっと離れた場所であっても、全くタイムラグなしに通信出来る代物だ。
それがあれば、かなり便利になるんだけどな。
ともあれ、ラース・ワウに戻ってきた俺は、そのままショットのいる機械の館に向かう。
昨日預けたボゾンの性能調査の方がどうなったのか、気になった為だ。
もしかしたら、何か別の仕事が入っている可能性もある。
だが、ショットはボゾンに興味を持っていた様子だったし、まずはそちらを重視するのは多分間違いない。
そう考え、機械の館にあるショットの執務室に向かう。
いつもは部屋の前に護衛がいるのだが、いない。
けど、部屋の中には人の気配がある以上、誰かがいるのは間違いない。
これ……もしかして誰かが盗みに入ってるとかじゃないよな?
ショットの執務室には、当然ながら機密文章の類もあるし、新型のオーラバトラーの設計図やら、オーラバトラーに使う部品やらといった諸々が置かれている。
それこそフラオン辺りにしてみれば、是非欲しいだろう。
あるいは、フラオンではなくてもピネガンの手の者だったり、ラウの国、あるいはそれ以外にも、ショットが持っている技術を欲する者は、それこそ幾らでも存在する。
そのような者が、ショットのいない中で忍び込んでいるとすれば……不味いな。
そう判断すると、俺はそのままショットの部屋の扉を開いて中に入る。
入る……入ったのだが……
「えっと……」
部屋の中にあったのは、俺にとって完全に予想外の光景だった。
ショットがいるのはいい。
だが、そこにミュージィがいて、更にはお互いに情熱的に舌を絡め合いながらキスをし、半裸の状態になっている。
それは、どう見てもそういう光景だった。
うん、なるほど。そう言えばショットとミュージィの関係は進んでいるのかどうか分からなかったが、どうやら予想通り進んでいたらしい。
「きゃあっ!」
入ってきた俺の姿に気が付いたミュージィが悲鳴を上げ、慌てた様子で半裸の状態から脱ぎかけていた服を身に纏う。
「あー……悪いな。部屋の外にいる」
俺もそのまま見るといったような真似をせず、一旦部屋から出る。
部屋の前に護衛がいなかったのも、納得だよな。
ショットにしてみれば、そういう行為をしている音や声を他人に聞かせたいとは思わないだろうし。
バイストン・ウェルの技術力だと、完全に防音にするといった真似は……どうなんだろうな。
出来ない訳でもないのかもしれないが、それをやる場合にはもの凄いコストが掛かりそうだ。
そんな訳で、ショットは護衛を遠ざけたのだろう。
それなら、そもそもこういう場所でそういう行為をしなくても、きちんと寝室でそういう行為をすればいいものを。
スリルを求めて……といったところか?
そんな風に考えていると、扉が開いてミュージィが姿を現す。
そのミュージィは、俺を見ると顔を真っ赤にしてその場から走り去る。
あの手慣れている様子を見る限り、ショットとそういう行為に及ぶのは別に今日が初めてという訳でもなかったのだろうが、だからといって行為の最中に他人に見られるのが平気な訳でもない。
中には、そういうのが趣味といった者もいるが。
……一度に恋人全員とそういう行為をするって事は、俺も一応そういう趣味を持ってるのか?
そんな風に考えつつ、改めて扉をノックする。
「……入ってくれ」
不機嫌ですといった様子がありありと分かる、ショットの声。
そんな声を聞きつつ、部屋の中に入る。
「で、何の用件だ?」
「ボゾンの件を聞こうと思ってな。……まさか、こんな場所でああいう行為をするとは思っていなかった」
「ふん」
不満そうに鼻を鳴らすショット。
それでも、自分がこのような場所でああいう行為をしたのが悪かったというのは、分かっているのだろう。
不機嫌そうな様子を見せつつも、それ以上は俺を責めるといった様子を見せない。
「で? ボゾンの件だったか?」
「ああ。ショットの事だ。もう解析はしたんだろ? で、結果は?」
ダーナ・オシーの後継機である以上、どれだけ性能が上がっているのかと楽しみにしていたのだが……
「単刀直入に言えば、性能は低い。ダーナ・オシー以上、ドラムロ以下といったところか。甘めに見て、どうにかドラムロと互角だな」
「……本当か?」
正直なところ、ボゾンの性能に関してはそこまで期待していた訳でもない。
だが、それでもそこまで性能が低いというのは、俺にとっても完全に予想外だった。
「ああ。外見はそれなりに変わっているが、私から見た限りだと、ボゾンというのはダーナ・オシーの改修機といった程度の性能しかないな。少なくても、あの性能ではドレイク軍の脅威にはならない。……もっとも、ボゾンを使うのはラウの国だ。そう考えれば、脅威かもしれんがな」
所詮はアの国の領主の1人でしかなかったギブン家と、国であっても小国……それも反乱軍をその身に抱え込んでいるミの国と比べ、ラウの国は大国と呼ぶに相応しい国力を持っている。
当然、ラウの国の国民も、数としてはかなりの数になるだろう。
そう考えれば、ショットの言う事も分かる。
ミの国との戦いは終始アの国が有利ではあったが、局所的には複数のダーナ・オシーによって攻撃を集中され、撃墜されたドラムロも多少なりともいたらしい。
そう考えれば、ラウの国がダーナ・オシーよりも高性能なボゾンを開発したというのは、十分厄介な事なのも事実だ。
とはいえ、ドレイク軍の数も決してラウの国には劣っていない。
特にミの国では反乱軍として活動していた者達の多くがドレイク軍に組み込まれているし、給料の類も普通に働くよりはいいので、一般人でもドレイク軍に入隊する者はいる。
……まぁ、そういう連中を際限なく受け入れた場合、ピネガンに繋がっている者もいたり、もしくは妙な事を考えるような奴がいたりする可能性もあるので、そういう意味では結構面倒だったりする。
だが、ドレイクにしてみればそんなリスクを承知の上で戦力を充実させる方を選んだのだろう。
「ちなみに、生産性はどうなってると思う?」
これは結構重要な質問だった。
ダーナ・オシーが低性能のオーラバトラーにも関わらず、あそこまで大々的に使われたのは、生産性が大きな理由となっている。
つまり、ボゾンの性能がダーナ・オシーより若干高い程度でしかないとしても、その生産性が高い場合、それはラウの国……そしてフラオン軍にとっても、全般的に戦力が底上げされるという事を意味しているのだから。
「そちらに関しては、オーラバトラーを見ただけですぐに判断は出来ない。だが、ダーナ・オシーと共通の部品を使っているところも多い事から、ダーナ・オシーに近い……恐らくは同程度の生産性を持っていると思ってもいい」
「そうか。……そう考えると、厄介だな」
どういう目的でボゾンが開発されたのかは分からないが、恐らくその辺を狙ってというのもあるのは間違いない。
あれだ。UC世界における統合整備計画。
ジオン軍で行われたその計画は、ジオニック、ツィマッド、MIPという3つの兵器メーカーで共通規格のパーツを使い、生産効率を上げるというものだ。
それ以外にも損傷時のパーツを共有出来たりといったように、他にも色々とやるべき事はある。
ちなみにシャドウミラーの場合は、メギロート、イルメヤ、バッタ、シャドウ……といったように、基本的に使用機種が限定されているので、その辺はあまり考えなくてもいい。
幹部陣とかが乗っている機体も、技術班が頑張っているおかげで、何気に同じ規格だったりするし。
ニーズヘッグの場合は、完全に俺専用の機体なので例外だが。
「そうだな。オーラバトラーとしての特性という点で考えると、生産性が全てだろう。そしてこのボゾンを開発した者達も、性能は多少低くてもいいので、その生産性を最優先にするといった感じで開発したのだろう」
「フラオンを受け入れた時点で分かっていた事だったが、ラウの国もアの国と戦うつもり満々といったところか」
「そうらしいな。だが……幾ら数がいようと、このような性能の低いオーラバトラーでは、一般の兵士はともかく、聖戦士達に対処するのは難しいだろう」
「それに関しては、俺も同意見だ」
聖戦士に対抗出来るのは、やはり聖戦士だけ。
ショウのダンバインが厄介な相手なのは、間違いなかった。
そして、そんなショウもトッドを含めた聖戦士達が全員協力すれば対処出来るのは、ミの国の戦いで判明している。
残る問題はゼラーナだが……正直なところ、ゼラーナはナムワンよりも高性能なオーラシップではあるものの、ナムワンの後継艦であるブル・ベガーと比べると性能は劣る。
ナムワンしかなかった以前はともかく、現在はブル・ベガーも結構な数がドレイク軍にも配備されている。
そう考えれば、ゼラーナ1隻とナムワン数隻しか持っていないフラオン軍は、ドレイク軍を相手に対処するのは難しいだろう。
そうなると、ラウの国でどれだけの戦力があるのかが問題だが。
ラウの国は強国で、オーラマシンについての研究もしっかりとしている。
そう思えば、ラウの国では独自のオーラシップを開発していてもおかしくはない。
あるいは……オーラバトルシップを開発している可能性もあるのか?
「ショット、ラウの国でオーラバトルシップを開発しているといった可能性はあるか?」
「ラウの国がオーラバトルシップを……? それは……どうだろうな」
ショットも、俺の口から出た言葉には首を傾げる。
オーラバトルシップというのは、アの国で開発された分類だ。
いやまぁ、それを言うのなら現在バイストン・ウェルで使われているオーラマシンの全ての分類はアの国……というか、ドレイク。より正確に言えばドレイクの命令で動いていたショット達が作ったものだ。
そうである以上、オーラバトルシップをラウの国が作るというのは、ショットにしてみれば予想外の意見だったのだろう。
「いや……だが……ガロウ・ランがいれば、あるいは……しかし、ラウの国だとすると……」
ショットの言葉で、何を考えているのかは分かった。
ラウの国は伝統を重要視する国だ。
それだけに、ドレイクやギブン家のようにガロウ・ランを使うといった事はやろうと思っても出来ないのだろう。
ガロウ・ランでウィル・ウィプスの情報を探り出したといったように、ショットは思ったのだろうが。
「いや、待て。そうなると……クの国から情報が流れた可能性もある」
「クの国?」
「うむ。現在、クの国でもオーラバトルシップを建造中なのだ」
「それは、また……よくドレイクがクの国にオーラバトルシップの情報を流したな」
「国王として、色々とあるのだろう。それにオーラバトルシップを建造中といっても、それはあくまで概要を教えただけだ。よって、クの国はそれを理解した上で、独自のオーラバトルシップを開発しているだろう」
そう満足そうに告げるショットからみて、恐らくはデータ収集的な意味も含めてクの国にオーラバトルシップの情報を流したのだろうなと、そうしみじみと思うのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1560
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1680