転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2979話

 クの国のオーラバトラーがやって来た。

 その報告に、取りあえず俺はヨルムンガンドに戻る。

 襲ってきたのがクの国のオーラバトラーであれば、もしかしたら説得が出来るかもしれない。

 というか、ラウの国のゴラオンやギブン家ならともかく、何でクの国がグランガランを襲撃しにくる?

 あるいは、グランガランじゃなくてヨルムンガンドでも狙ってきたのか?

 そう思うも、それはそれで考えにくい。

 少なくても俺はクの国と……そしてビショットと友好的な関係を築いていた。

 例えば、ラウの国と戦う時にビショットから護衛として雇われる……といったように。

 そのような状況を考えれば、俺がビショットに狙われるといったような事は、まず考えられない。

 何より、ヨルムンガンドとスプリガンがここに来てから、まだそこまで時間は経っていない。

 そうなると、やっぱり狙われたのは俺達じゃなくてナの国か。

 だが、問題なのは何故ナの国が襲われたのかだろう。

 ナの国は、当初こそラウの国と友好関係にあったものの、停戦交渉への襲撃でラウの国と距離を取った。

 つまり、今のナの国をクの国が襲う必要はないのだ。

 何かがおかしい。

 そう思いながらも、これからナの国と共に第三勢力として活動するつもりである以上、クの国の襲撃を黙って見ているといった訳にはいかなかった。

 であれば、俺がやるべきことはそう多くはない。

 つまり……

 

「キブツ、状況は既に分かっているな? オーラバトラー隊、出撃用意だ」

『了解しました、すぐに』

 

 格納庫の映像モニタにキブツが映ると、すぐにそう返事をしてくる。

 何気にこのオーラバトルシップ内での映像のやり取りというのは、バイストン・ウェルにおいてはかなり新しい技術だったりする。

 グランガランにも艦内で通信手段はあるが、電話に近い装置を使ってのものなのだから。

 それだけ貴重なシステムなので、当然のように相応のコストが必要となり、結果として使われている場所が少ないのは……まぁ、しょうがない。

 ともあれ、俺の指示に従ってブリッジから出撃命令が出される。

 出来ればヴェルビンに乗りたかったが、まだ改修中である以上、それは出来ない。

 というか、もし改修が終わったとしても、いきなり実戦に出す訳ではなく、まずはきちんと動くかどうかを確認する必要があるんだが。

 そんな訳で、俺が乗るのは今まで通りズワウスだ。

 コックピットに入り、すぐに出撃……しようとしたところで、マーベルのダンバインが俺の隣に来る。

 随分と早いな。

 

「マーベル、もしかして格納庫にいたのか?」

『ええ、ちょうどダンバインの調整をしていたところだったのよ。それで、クの国が来たという話だけど、何故?』

「そう言われてもな。実際に接触してみるまでは分からないというのが正直なところだ。……出撃するぞ!」

 

 そう言い、俺はズワウスでヨルムンガンドから出撃する。

 当然ながらダンバインは俺のすぐ後ろを追ってくる。

 そんな俺達から少し遅れ、他のオーラバトラー隊が出撃してきている様子も見えた。

 スプリガンからも、ライネックやガラバ、ブブリィといった戦力が出撃している。

 また、グランガランを含めたナの国のオーラシップからもボチューンやボゾンが出撃していた。

 ナの国の戦力は、その大半が最新鋭のボチューンで、ボゾンはかなり数が少ない。

 最初期型のダーナ・オシーに限っては、1機もいない。

 多分、一応予備としてダーナ・オシーの機体そのものはあるのだろうが、やはり性能が低いと判断されたのだろう。

 クの国となると、主力はライネックかビアレス、もしくはアルダムといったところだけに、ダーナ・オシーで勝ち目は全くないと判断してもおかしくはなかった。

 いや、おかしくないというか、その判断はまさに適切だろう。

 そんな風に考えながら、俺はヨルムンガンドの上空に移動する。

 すると、やがてライネックの群れが姿を現す。

 ライネックが殆どでビアレスの姿が少ないのは、やはりクの国のオーラバトラー隊の技量の問題だろう。

 ライネックは最新鋭量産オーラバトラーということで、遠距離攻撃用の火器も多数持つ。

 そんなライネックに比べ、ビアレスは遠距離用の武器も持つが、どちからと言えばやはり近距離戦に向いている形だ。

 言ってみれば、UC世界のグフカスタムといったところか。

 使いこなすのは難しいものの、それを実際に乗りこなせるようになれば、かなりの能力を発揮する。

 トッドやアレンが未だライネックではなくビアレスに乗っているのは、その辺も理由にあるのだろう。

 他にも運動性だったり、機動性だったり、もしくは機体との相性だったりと、他にも色々とビアレスに乗ってる理由はあるのだろうが。

 

「全機、油断をするな。だが、くれぐれもこちらから攻撃をするような真似もするな」

 

 全機に命令を出す。

 ヨルムンガンドやスプリガンのオーラバトラー隊はともかく、ナの国のオーラバトラー隊が俺の命令を素直に聞くかどうかは、正直なところ分からない。

 分からないが、それでも現在の状況を思えば、多分命令を聞いてくれると、そう思っていた。

 クの国のオーラバトラー隊が一体どのようなつもりでここに来たのかは、正直俺にも分からない。

 それでも、こちらから攻撃するといったような事になった場合、後々面倒になるのは間違いなかった。

 であれば、こちらとしても一応警戒をしながらクの国の様子を見極める必要がある。

 地上で暴れていたドレイク軍の兵士のように、攻撃性が増しているといったような感じにはなって欲しくないんだが。

 そんな風に考えていると、クの国のオーラバトラー隊が近付いてきて……そして、空中で動きを止める。

 ふぅ、どうやらいきなり攻撃をしてくるといったような事はないらしいな。

 とはいえ、それでも敵意を発しているのは、俺にもよく理解出来る。

 

「俺はアクセル・アルマーだ。乗っている機体はお前達が知っている機体とは違うだろうが、この顔には見覚えがある筈だな?」

 

 そう言い、動きを止めたクの国のオーラバトラー隊に通信を送る。

 すると、クの国のオーラバトラー隊を率いていると思われるライネックから通信が入った。

 

『アクセル王、何故ここに?』

「何故と言われてもな。俺がここにいるのは、特におかしな話ではないと思うが? タータラ城での戦いで地上に出て来たんだ。そしてナの国とは友好的な関係にあった。そのナの国のオーラバトルシップが存在するソ連……この国の名前だが、ここにいるのは当然だと思わないか?」

『ナの国? あのオーラバトルシップはナの国のオーラバトルシップなのですか?』

 

 心の底から驚いたといった様子を見せる。

 こう考えると、クの国ではこのグランガランの件を本当にどこに所属していたのか知らなかったのか?

 

「ああ、ナの国だ。そんな訳で、ここまで来たのは悪いが戻ってくれないか?」

 

 この言葉で、クの国のオーラバトラー隊は帰ると思った。

 俺とクの国との関係は、非常に友好的だ。

 ましてや、ビショットは俺の持つ力を全てではないにしろ、ある程度は理解している。

 そうである以上、このオーラバトラー隊は俺の要求に従うとばかり思っていたのだが……

 

「何のつもりだ?」

 

 腰にある連装ミサイルポッドを展開し、こちらにミサイルを発射する準備を整えたライネック……それも俺と話していた隊長格だけではなく、他のライネック達までもが同じように連装ミサイルの発射態勢を整えたり、オーラソードを構えたりするのを見て、そう告げる。

 

『ビショット王から、このオーラバトルシップは何としても手に入れるようにと命じられています。邪魔をする者は、誰であろうとも倒すようにと』

「それは、また。だが、そのビショットの対応は俺を想定したものではなく、ナの国のオーラバトラー隊を想定したものだろう? 今この状況で俺と敵対するような事は、ビショットも望んでいないと思うが?」

『どのような相手でも、と。そう言われています。ですので、アクセル王。ここは退いて下さい。私も、アクセル王を討ちたくはありませんので』

「へぇ。それはまた、随分と侮られたものだな。まさか、本当にお前達が俺をどうにか出来ると思っているのか?」

 

 ビショットが何をとち狂ってこんな命令をしたのかは、俺にも分からない。

 だが、そんなビショットの命令によって、向こうが完全に退けない状態にあるというのは、明らかだった。

 

『アクセル王が退いて頂けないのであれば、こちらも王命に従うまでです。……攻撃開始!』

 

 その言葉と共に、ライネックから多数のミサイルが発射され、同時にオーラソードを持ったライネックがこちらとの間合いを詰めてくる。

 王命とはいえ、ここまで予想外の出来事があったのなら、退いても間違いはない筈だ。

 そうである以上、退けないのは何らかの理由があると考えるべきか。

 だが、シーラと共に第三勢力を作ろうとしているこの状況において、ここで退くといった真似が出来る筈もない。

 であれば、こちらとしても迎撃するしかない。

 

「全機、攻撃開始。ただし、出来れば殺さずに捕らえろ」

 

 そう命令し、戦闘を開始する。

 ここで敵を捕虜にすることに成功すれば、現在のビショットがどのような状況なのかを理解する事も出来る。

 それに生け捕りにすれば、それだけライネックを確保出来るという事でもあった。

 勿論、完品のままでライネックを入手出来るとは思っていないが、小破や中破であれば、機械の館があり、ショットやゼットがいる現状なら修理が出来る。

 大破になっても、壊れていない部品を予備部品として使う事も可能だった。

 であれば、ここで撃破という選択肢をわざわざ選ぶ必要はない。

 ……もっとも、撃破しても予備部品用には使えるかもしれないが。

 オーラバトラー隊を率いている隊長格が、ミサイルを発射した後でオーラソードを手に突っ込んでくる。

 最新鋭の量産型オーラバトラーのライネックだったが、当然のようにズワァースよりも性能が低い。

 そして俺のズワウスは、そんなズワァースの改修型であり、性能が極端に上がっている。

 そうである以上、当然のように機体性能という点では俺の方が圧倒的に勝る。

 ただし、それはあくまでも1対1の場合での話だ。

 俺に向かっている隊長と思しきライネックは、背後に2機のライネックを引き連れていた。

 3機で俺をどうにかするつもりらしい。

 普通であれば、それでどうにか出来るだろう。だが……

 

「甘い!」

 

 マジックコンバータを噴射させ、一気にライネックとの間合いを詰める。

 向こうはいきなりここまで間合いを詰められるとは思っていなかったのか、一瞬驚いた様子を見せるものの、すぐにオーラソードを振るってくる。

 だが、その時既にズワウスは敵の攻撃を回避し、右手と右足をオーラソードで切断し、返す刃で左足と左手を切断した。

 ライネックが1の行動をする間に4や5、場合によっては6の行動をしているのは、ズワウスという俺の専用機だからこそだろう。

 とはいえ、ライネックは胸や腰にミサイルがあり、オーラコンバータにはショットクローがある。

 そういう意味では、四肢を切断しても攻撃手段が残っているのだが……それでも四肢がない以上、オーラコンバータで空を飛ぶのも難しい。

 この辺がオーラバトラーという兵器の短所だよな。

 イメージで動かしている面が強いので、手足を失ったと認識すれば、オーラコンバータが無事であっても空を飛ぶのが難しくなる。

 これがPTとかなら、四肢が切断されてもテスラ・ドライブが無事なら問題なく空を飛べるんだが。

 あるいは、イメージの力でその辺りを無視することが出来るのなら、それはそれで対処出来たりもする。

 

「次!」

 

 ライネックが地上に落ちていくのを後ろに、他の2機も同様に四肢を切断して倒す。

 3機揃ってパイロットは生きているので、撃墜数の数値は上がらないものの……ぶっちゃけ、現在PPが溜まってもそこまで使い道がないんだよな。

 PPを大量に消費する事で、新たなスキル欄を解放するといったような真似が出来ればいいんだが、そういうのも出来ない。

 スキル欄の解放については、あくまでもレベルによるものでしかない。

 だが、そのレベルに関しても正直いつ上がったのかといったように思えてしまう。

 ……いや、本当に最後にレベルが上がったのはいつだ?

 そんな風に考えつつ、戦場を見渡す。

 既に戦いの趨勢は決まっていた。

 こう言ってはなんだが、クの国のオーラバトラー隊というのは、決してレベルが高くない。

 一応ドレイク軍と行動を共にしてはいたものの、最初からオーラバトラーを使って戦いを行っていたドレイク軍の兵士に比べれば、どうしても劣ってしまう。

 基本的に模擬戦しかやっていなかったナの国のオーラバトラー隊と比べれば、上なのは間違いないだろうが。

 それ以外にも、こちらはマーベル、トッド、アレンといった聖戦士がおり、実戦経験は少ないが強いオーラ力を持つジャバもいる。

 また、ショットやゼットが開発したガラバやブブリィといった次世代の兵器がある。

 そんな状況で負ける筈もなく……結果として、こちらの圧勝で戦いは終わったのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1605
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1689

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