転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2991話

 ズワウスの放ったオーラソードにより、アルダムのコックピットが切断される。

 惜しい。アルダムは何気に希少なオーラバトラーなので、出来れば多く持って帰りたかったんだが。

 ビアレスはビランビーの発展系という事で、ドレイク軍でもそれなりに使っている者がいた。

 トッドやアレンが使っているのを見れば分かるように、飛び道具があまりない代わりに機動性や運動性が高いので、自分の実力に自信のある者が乗っていた。

 また、ライネックは最新鋭の高性能量産型オーラバトラーで、ズワァース程の高性能ではないにしろ、誰が乗っても一定の――それもかなり高い――性能を発揮出来るという事や、何よりドレイク軍とビショット軍の共同開発した機体という事もあり、双方の軍で使われている。

 それに対して、アルダムはクの国が最初期に開発したオーラバトラーだ。

 ドレイク軍も研究するという意味で多少は購入したのかもしれないが、実戦では使われてはいない。

 まぁ、ドレイク軍はただでさえオーラバトラーを開発したショットやゼットがいる。

 その2人が次から次に新型のオーラバトラーを開発していったのだから、アルダムを本格的に戦力として使うといった事はないのは当然だった。

 アルダムは高機動型のオーラバトラーで、そういう意味では初期のダーナ・オシーと同様の傾向でありながら、性能という点ではダーナ・オシーどころか、その後継機のボゾンをも上回っている。

 さすがにボチューンと比べれば劣るかもしれないが……ともあれ、最初期のオーラバトラーとして考えれば、その性能は突出していた。

 そんなアルダムは、何気にヨルムンガンドのオーラバトラー隊でも未だに使われていたりする。

 以前ライネックを貰ったが、ヨルムンガンドにいる全員分に行き渡る程ではない。

 そうである以上、それ以外のオーラバトラーを使うのは当然の事だった。

 おっとそっちに考えを集中している場合じゃないな。

 俺の役目はビショット軍をパリ上空から引き離し、海まで連れていく事だ。

 ルーザの存在を知り、更には言葉には出さなかったが黒騎士の存在を俺は知った。

 何気に黒騎士はドレイクにとっても間違いなく敵だ。

 和平会談を襲撃して、ドレイクやビショットの命を狙ったのだから。

 ……そう考えると、ビショットはよく黒騎士を近くに置いているよな。

 というか、そうなると和平会談を襲った黒騎士の背後にいたのはルーザで、一時期はビショットの命もルーザが狙ったという事になるんじゃないか?

 

「っと!」

 

 あの和平会談の襲撃がルーザの仕業だったと考えていると、ライネックのミサイルが飛んできたので回避する。

 幸いだったのは、技術的な問題なのかオーラバトラーのミサイルは撃ちっぱなしでこっちを追ってきたりしないんだよな。

 地上の技術を取り入れれば、その辺はどうにかなるのかもしれないが……まぁ、今はとにかくこっちが不利になるように見せ掛ける必要があった。

 こちらに向かってオーラソードを振るってきたビアレスの一撃を、何とか受け止めたように見せ掛け……そのまま吹き飛ばされたようにスラスターを使って移動する。

 攻撃してきたビアレスは、恐らく違和感があっただろう。

 自分の攻撃でズワウスを吹き飛ばしたにしては、手応えがなさすぎると。

 その後もこっちは5機のオーラバトラーを撃破しつつも、次第に押されているように見せる。

 ……それでもズワウスに致命的なダメージはないので、見る者が見れば見抜いてもおかしくはない。

 ただ、オーラバトラーの設計についても才能を持つビショットは、ドレイクに知られてはいけない事を色々と俺に知られてしまった以上、とにかく俺を逃がさずに殺す必要があった。

 黒騎士も開発者ではなく前線で戦う者としてズワウスの状況を見破ってもおかしくはないが、憎悪の強さから考えてそちらにまで気が回るかどうかは微妙なところだろう。

 ルーザは……特殊な趣味を持つビショットへの女としての手管はともかく、オーラバトラーについて詳しく知ってる訳がない。

 さて、そろそろいいか?

 ライネックのオーラソードの一撃を受け損ねたように見せ掛け、オーラソードを吹き飛ばされる。

 複合兵装の盾はともかく、オーラソードは基本的に普通の物を使っているので、失っても痛くはない。

 いやまぁ、地上に出た事でオーラソードの素材も現在あるだけなので、本当に惜しくないかと言えば惜しいのだが。

 ともあれ、オーラソードを失ったことでズワウスは絶対的に不利になったように見えたのは間違いない。

 なら、そろそろ最後の一押しといくか。

 

「くそっ、今日はこれで退いてやる。だが、ルーザや黒騎士の件をドレイクに知らせれば、ドレイクはお前達を決して許さないだろうよ!」

 

 オープンチャンネルでそう叫ぶ。

 普通なら、これは負け惜しみにしか聞こえない。

 だが、ビショットとルーザは、ドレイクという人物を知っている。

 そしてもし俺が本当にこの件を知らせた場合、間違いなくドレイク軍がビショット軍を攻める為にやって来ると、そう判断するだろう。

 ……本来の、バイストン・ウェルにいた頃のビショットであれば、俺の言葉の裏に隠されたものに気が付いたかもしれない。

 しかし、ルーザに誑し込まれた今のビショットは、とにかく今の自分の状況をドレイクに知られるのは不味いと、そのようにしか思っていなかった。

 それだけに、ここで俺を逃がすというような真似は絶対に許容出来ず……

 

「掛かった!」

 

 オープンチャンネルを閉じた状態で、見事に餌に掛かったビショット軍を見て、快哉の声を上げる。

 ビショット軍の旗艦、ゲア・ガリング。それにナムワンやブル・ベガーといったオーラシップまでもが俺を追って移動を開始したのだ。

 当然ながら、オーラバトラー隊もこちらを追撃してくる。

 そんなビショット軍の様子に、ズワウスの速度を調整しながら逃げる。

 マジックコンバータを装備しているズワウスは、その気になればビショット軍のオーラバトラーを置き去りにするだけの速度を出せる。

 だが、そのような真似をすれば、ビショット軍が俺を追うのを諦める可能性があった。

 そうである以上、こちらとしては全速力を出す訳にもいかず、今はただ敵が絶対に諦めないような速度で逃げる必要があった。

 とはいえ、オーラバトラーとオーラシップでは、当然のようにオーラバトラーの方が移動速度は速い。

 ましてや、ゲア・ガリングはオーラシップよりも更に遅い以上、その調整はかなり大変なのは間違いなかった。

 こちらに攻撃をしてくるオーラバトラーの攻撃を回避し、あるいは防ぎ……そんな真似をしながら暫くの間逃げ続け、やがてズワウスの映像モニタに海が見えてくる。

 どうやら予定通りの流れで進められているらしい。

 映像モニタには、ヨルムンガンド、スプリガン、グランガランといった戦力が待機しているのが見えた。

 俺とショットはヨルムンガンドとスプリガンが1隻ずつだが、グランガランの場合はナムワンやグリムリーといったオーラシップも多数いる。

 そういう意味で、何気に俺達にとっての数の主力という点ではナの国なんだよな。

 そんな風に考えつつ、俺は真っ直ぐ目的の場所に進む。

 さすがにここまで来ると、俺を追撃していた者達の中にも罠に嵌められたといったように考えている者もいたが、それでも俺の撃墜がビショットの命令である以上、足を止めるといったような真似は出来ない。

 ビショットに通信を送っていたりするかもしれないが、とにかく俺を撃破するように急いで進んでいるのは間違いなかった。

 そして……

 

「やれ」

 

 その一言と共に、ヨルムンガンド、スプリガン、グランガラン、ナムワン、グリムリーから、一斉に艦砲射撃が開始される。

 当然のように、その攻撃に命中すればズワウスも大きな被害を受ける可能性が高い。

 だが、ようはその攻撃に命中しなければいいだけの話だ。

 密度が高い砲撃ではあったが、それを回避するのはそこまで難しい話ではない。

 コックピットの中で俺が思うように機体を動かし、こちらに向かってくる砲撃を次々に回避していく。

 ビショット軍のオーラバトラー隊やドロ、タンギーといったオーラボムは、集中された艦砲射撃を回避することは出来ず、次々に被害を増していく。

 勿体ない。

 そう思わないでもなかったが、とにかく今はビショット軍をどうにかする必要がある。

 しかし……当然の話だが、艦砲射撃というのはこちらの専売特許といった訳でもない。

 こちらに向かって追いついてきたナムワンやブル・ベガーから、次々と射撃が行われ始めた。

 最初はこちらだけが一方的に攻撃をして敵の数を減らすといったような真似が出来ていたのだが、向こうもオーラシップがやってくれば話は違う。

 ましてや、ブル・ベガーはナムワンを攻撃方向に進化させたオーラシップだ。

 グリムリーはナムワンを補給や空母的な使い方をするように改修したのだが、ブル・ベガーは改修ではなく、ナムワンをベースに新規開発されたオーラシップだ。

 そういう意味では、純粋な攻撃力という点ではビショット軍の方が強い。

 強いのだが……ヨルムンガンドとスプリガンがその差を埋めていた。

 しかし、そんな半ば拮抗していた状態も、ゲア・ガリングが姿を現した事で戦局が再び変わる。

 

『アクセル、オーラバトラー隊を出すぞ。このまま艦船同士での戦いを行っていれば、こちらが不利だ!』

 

 ショットの言葉に頷く。

 元々艦砲射撃でどうにかなるとは思っていない。

 こちらの部隊の中で、やはり主力となるのはオーラバトラーだ。

 

「全機出撃して、ビショット軍を倒せ! この中には、ビショット軍と親しい者もいるだろう。だが、ビショットは地上に出た事で変わった。ドレイクの妻のルーザと不倫したのが影響しているのだろう。ルーザという悪しきオーラ力に感染したビショットを殺す事こそが、ビショットを救う事だと思え!」

 

 オープンチャンネルで、そう告げる。

 この言葉は、オーラバトラー隊に対する演説であると同時にビショットに対する挑発でもある。

 ビショットがルーザとそういう関係になり、ルーザによって操られているのは公然の秘密ではあった。

 だが、公然の秘密ということは、一応の秘密でもある。

 それがこうして公の場で公言されたというのは、ビショットにしてみればこれ以上ない程に顔を潰された形だろう。

 先程は俺を殺せば、それでドレイクについて自分とルーザの件を報告される事はないと思っていた。

 しかし、こうしてオープンチャンネルで事実を暴露された以上、ビショットとルーザの関係を隠し通すのは無理だ。

 それこそ、ここで俺だけではなくこちらの勢力全員を殺すといったような真似をしない限り、いずれこの件はドレイクの耳に入ってもおかしくはない。

 まさに、ビショットを……そしてルーザを挑発するという意味では、これ以上ない通信だった。

 そんな俺の予想を裏付けるかのように、ゲア・ガリングからの砲撃が俺に向かって集中してくる。

 ビショットとルーザ、どちらの仕業かは分からないが、俺に真実を暴露された事が許せなかったのだろう。

 俺に攻撃を集中する可能性はあると思っていたものの、予想していた以上に攻撃が集中されている。

 そのおかげで、ヨルムンガンドを始めとしたこちらの艦船はゲア・ガリングというビショット軍唯一のオーラバトルシップの攻撃に晒される事はなくなった。

 こちらにとって上手い具合に話が流れているのは、間違いない。

 そうして俺がゲア・ガリングに集中攻撃されている間に、出撃したオーラバトラー隊がこちらに向かってくる。

 中にはオーラバトラーだけではなく、ガラバやブブリィの姿もあった。

 ……ただし、俺のズワウスはゲア・ガリングに集中攻撃されている為に、こちらに近付いてくるオーラバトラーはいなかったが。

 俺に近付いてくるオーラバトラーがいないというのは、味方だけではなく敵のオーラバトラーもだ。

 そういう意味では、こちらもそれなりに楽な状況ではあった。

 ただし、オーラバトラーは近付いてこないだけで俺に向かって攻撃をしてきたりといったような真似はするが。

 オーラショットやミサイルといったような遠距離攻撃で。

 ただし、ゲア・ガリングの砲撃を考えればそちらを回避するついでにオーラバトラー隊の攻撃を回避するのは難しい話ではない。

 また、俺が反撃せず回避に集中しているのは、ビショット軍のオーラバトラー隊にとってはこちらだけに意識を向けているという事になり……

 

『アクセル、無事ね?』

 

 遠くからオーラコンバータを全開にしてやって来たマーベルの白いダンバインが、俺に向かって攻撃をしていたオーラバトラーを撃破していく。

 その勢いは、普段のマーベルとは明らかに違った。

 

『愛されてるな』

 

 トッドがその言葉と共にビアレスの独特な鎌のオーラソードでビショット軍のオーラバトラーを撃破するのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1670
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1702

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