ゼットに関しては、取りあえずヨルムンガンドのオーラバトラー隊の中からアルダムを数機護衛につけることに決め、また戦場に戻っていく。
とはいえ、ガラリアの一件を考えると次々に倒していくといったような真似が出来ないのは痛いな。
バストールに乗っていれば問題はないのだが、それ以外のオーラバトラーに乗っている場合、対処が難しい。
とはいえ、それでもまさかドラムロやビランビーに乗っているとは思えないので、警戒すべき相手はライネックとズワァースだけだろうが。
ドレイクの筆頭騎士という立場を考えれば、やはり新型であっても量産機であるライネックではなく、ズワァースに乗っている可能性が高い筈だ。
そしてこの戦場において、ズワァースの数はそこまで多くはない。
……そう考えると、さっき俺に死ねとか言って襲い掛かってきたズワァースは、ガラリアが乗っていなかったよな?
声からして男だったし、問題はないと思いたい。
ガラバにゼットが乗っているのを考えると、ブブリィはどうだ?
そう思って映像モニタで戦場の様子を確認すると、ブブリィは高速で戦場を動き回りながら、ドレイク軍のオーラバトラー隊を倒し続けていた。
ブブリィに乗っているのは、ミュージィ。
今はショットの恋人だが、以前はリムルの家庭教師をしていた経歴を持つ。
そういう意味では、ミュージィとドレイクの縁は深いし、直接ドレイクの顔も知ってるのだが……それは関係なく、ミュージィはドレイク軍のオーラバトラーを何機も撃破していた。
そんなブブリィの側には、数機のライネックがいる。
ミュージィの家族が一緒に行動しているのだろう。
そんな風に納得し……
「っと、そんな攻撃が俺に通じると思ってるのか?」
周囲の様子を見ていた俺に対し、ドレイク軍のドラムロがフレイボムを撃ってきたのを回避し、マジックソードライフルの射撃によって撃破する。
そんなヴェルビンの姿を見て、大将首だと判断したのだろう。
ライネック5機が、こっちに向かってミサイルを撃ちながら近付いて来る。
本来なら、近付いて来るライネックから距離をとってミサイルを迎撃する者もいるだろう。
だが……このミサイルは近付けばそれに反応して爆発する、いわゆる近接信管的な装置がある訳でもないので、ようは触れなければ爆発はしない。
そうである以上、距離を取らなくてもこちらから間合いを詰めた方がいい。
ライネックの集団に向かってマジックコンバータを全開にし、飛ぶ。
機体制御に気を遣い、機体がミサイルに当たらないように注意しながら進み……まさか、ミサイルの弾幕を突破してくるとは思わなかったのか、5機のライネックはヴェルビンの姿を見て動きを止める。
しかし、俺の前でそんな致命的な隙を見せるのは自殺行為でしかない。
真っ直ぐに突っ込み、先頭のライネックのコックピットをオーラソードで貫き、そのまま勢いを殺さないようにして、左手に持っているマジックソードライフルの先端から発生したエネルギーソードで俺が殺したライネックの側にいた別のライネックのコックピットを貫く。
そうして2機のライネックを倒しながら、複合兵装のオーラショットを使って更に追加で1機のライネックのコックピットを破壊する。
『馬鹿なっ! 一瞬で3機を撃破だと!? 化け物か!』
聞こえてきた通信は、俺がオーラソードかエネルギーソードでコックピットを貫いたどちらかのライネックから聞こえてきたものだろう。
勿論コックピットを貫かれている以上、パイロットは死んでいるので、残り2機のライネック、もしくはそれ以外のオーラバトラーの通信が、コックピットを貫かれたオーラバトラー越しに聞こえてきたというのが正解なのだろうが。
素早くエネルギーソードを引き抜き、マジックソードライフルのエネルギー弾を連射して残り2機も撃破する。
「っと……あー……畜生」
両手で1機ずつ、ショットクローで1機。
だが、そこまでやっても合計3機。
そして俺が戦っていたライネックは、全部で5機。
そうなると、当然ながら残り2機のライネックの機体は海に沈む。
この戦いが終わった後で拾い上げる事が出来ればいいんだけどな。
ウィル・ウィプスも、撃破した後でサルベージ出来たら美味しいんだが……そっちは多分無理そうな気がする。
そんな風に思いつつ、俺は通信で近くにいたヨルムンガンド所属のライネックを数機呼び寄せ、撃破した3機を運ばせる。
……自分達が乗っているライネックを俺があっさり撃破した事で、微妙な表情を見せていたが。
「さて、そうなると……ん?」
戦場の中で縦横無尽に戦っている2機のビアレス。
ああ、勿論そのビアレス同士が戦っているという訳ではなく、2機のビアレスが協力しあってドレイク軍のオーラバトラー隊と戦っているのだ。
そしてこちらの戦力でビアレスを使っているのは、トッドとアレンの2人だけだ。
あの2人は色々と因縁があったりするんだが、ああして協力してオーラバトラー隊と戦っている……いや、圧倒しているのを見れば、さすがと納得するしかない実力を持っていた。
それこそ、2機のオーラバトラーで10機以上のオーラバトラーを相手にしており、その状況で敵を圧倒しているのだ。
さすが聖戦士といったころか。
にしても、スプリガンに乗っているアレンがビアレスで出撃してくるのは当然だが、ガラバをゼットに取られたジャバはどうしたんだろうな。
パイロットとして、ジャバは聖戦士に劣らない……どころか、トカマクやジェリルといった面々よりも操縦技術は上だ。
とはいえ、ジェリルと戦った場合はハイパー化を使われて負けるかもしれないので、純粋にどっちが強いといったような事は考えられないが。
ともあれ、ジャバは戦力として優秀である以上、戦場に出ていないとは思えない。
そんな風に考えていると……
『アクセル王、救援をお願いします!』
と、俺に向けて通信が入ってきた。
切羽詰まった様子からすると、強敵にでも遭遇したのか?
そんな風に思っていたが、映像モニタに表示された兵士は、特に怪我をした様子もない。
だが、その表情は本気で切羽詰まっているように思えた。
「何があった?」
『ゼット様がガラリア様と遭遇しました!』
その様子からすると、予想通りすんなりとゼットがガラリアを説得して無事にゴールインといった訳にはいかなかったらしい。
いやまぁ、ゴールインってのはちょっと違うかもしれないが。
「分かった。すぐに行く」
そう告げ、俺は通信の送られてきた方に向かって移動を開始する。
そうしながら、事情を聞く。
「それで? お前の様子だと、ガラリアがゼットの説得を素直に聞いたって風には思えないが?」
『はい。自分はドレイクに従う騎士の筆頭である以上、それを裏切るような真似は出来ないと』
「……だろうな」
ガラリアの言いそうな事ではある。
出世欲が強いのと同時に、騎士であろうという思いも強いのがガラリアだ。
それだけに、ガラリアには自分の事情でドレイクを裏切ってゼットに……スプリガンに合流するといった選択肢はないのだろう。
ゼットも、当然ながらガラリアがそういう性格をしているのは、分かっていた筈だ。
俺が分かっている以上、恋人のゼットが分からない筈がない。
その上、ゼットは……こう言ってはなんだが、パイロットとしては素人に毛が生えた程度の存在でしかない。
乗っているのが高性能で機動力の高いガラバだから、まだガラリアに撃墜はされてないんだろうが、それも時間の問題だろう。
ガラリアはオーラバトラーのパイロットとして高い才能を持ち、そして俺やマーベルと何度となく模擬戦を繰り返してきた。
そんなガラリアとゼットでは、技量が違いすぎる。
その状況でゼットが勝てるとすれば、ガラバの高性能を活かしての攻撃か……もしくは、ガラリアを説得するか。
ゼットとしては当然後者を狙っていたのだろうが、残念ながらそのような状況であってもガラリアは簡単に説得されるような真似はしない。
となると、やっぱりここは俺がゼットに協力して、ガラリアの機体の四肢と頭部を破壊して、それから胴体をゼットに持って帰らせるといったところか?
「ガラリアの機体はなんだ? バストールのままか?」
「いえ、ズワァースです」
やっぱりか、と。
そう納得してしまう。
ガラリアにしてみれば、ズワァースは純粋に高性能なオーラバトラーであるというのもあるが、何よりもバストールはゼットがガラリアの為に開発した機体だ。
純粋に性能が高かったので、少数の生産はされたが。
ともあれ、バストールに乗っているのは言ってみれば一種の愛の証といった理由もあったのだろう。
だが、ドレイク軍は俺達と戦う事を決意した。
そしてガラリアはドレイクに従う騎士の筆頭である以上、敵であるゼットが自分の為に開発した機体に乗るといったような真似は出来なかったのだろう。
俺の仲間にゼットがいるというのをどうやって知ったのかと思えたが……そもそも、ゲア・ガリングにルーザが乗っていたという情報をドレイクは知っていた。
そうである以上、ゼットが俺と一緒に行動しているという情報を知っていても、おかしくはない。
「そうなると、ゼットがガラリアを抑えるのは余計に難しくなるな。……ちなみに、お前達の被害はどうなっている? 撃墜された奴はいないか?」
『は。2機が小破といったところですが、移動するのにあまり支障はありません』
「そうか。ならいい」
ヨルムンガンドのオーラバトラー隊という事は、俺の部下だ。
この先、地上でどういう風に行動する事になるのかは分からないが、それでも戦力は多い方がいい。
欲を言えば、小破すらしないで欲しかったのだが……ズワァースに乗っているガラリアを相手にしていると考えれば、それは仕方のない事でもあるか。
寧ろその程度の被害ですんだことを褒めてやりたい程だ。
「それで、まだ着かないのか?」
『いえ、そろそろの筈です。……え?』
何故か間の抜けた声を発する兵士。
とはいえ、俺もアルダムの顔が見ている方を見ると、何故兵士が間の抜けた声を発したのかを理解してしまう。
何故なら、その視線の先……ヴェルビンの映像モニタに表示されているのはガラバとズワァース、それにゼットの護衛のアルダムがいるのはいい。
いるのはいいのだが……ガラリアが乗ってると思しきズワァースの両腕が切断されているのは何でだ?
いや、何でだ? と疑問に思っても、そのズワァースの側に白いダンバインがいて、オーラソードをズワァースに向けているのを見れば明らかだった。
白いダンバインというのは、バイストン・ウェルにおいて始まりの聖戦士たる、マーベルの象徴なのだから。
『あら、遅かったわね、アクセル。分からず屋はこっちでこらしめておいたわよ?』
映像モニタに表示されたマーベルが、満面の笑みを浮かべてそう告げてくる。
うーん、これは……
いや、元々マーベルとガラリアの間には力の差があった。
それでもガラリアは持ち前の向上心と才能により、マーベルとの差を縮めるべく訓練を重ねていた筈だった。
だというのに、そんな2人の実力差は今となっては予想以上に開いていた。
ゼットの護衛につけたアルダムが俺を呼びに来てから、俺がここに到着するまでの時間はそうなかった筈だ。
そもそもマーベルがゼットに協力をしていたのなら、俺を呼びに来るといったような真似は必要なかったのだから。
そう考えると、俺がここに来るまでの短時間でマーベルはガラリアを……それもオーラバトラーの中では最高峰の性能を持つズワァースを、こうしたのだ。
「マーベル、お前の操縦技術……明らかに以前よりも上がっていないか?」
『いいえ。操縦技術そのものは上がっていないわ。けど、オーラ力は別でしょう?』
ああ、と。そんなマーベルの言葉に納得する。
マーベルが俺に対してオーラ力が上がってるといったような事を示したのは、別にこれが初めてではない。
具体的には、俺とシーラをくっつけようとして暗躍――という表現は大袈裟かもしれないが――していたのを見れば、明らかだった。
なるほど。元々ダンバインというのは、聖戦士のオーラ力を最大限に発揮出来るように開発されたオーラバトラーだ。
ショットやゼットによって改修された今のダンバインは、そんなマーベルのオーラ力を最大限に発揮し、その結果が今こうして俺の前の光景な訳だ。
「一応聞くけど、ガラリアは生きてるよな?」
『当然でしょう? ガラリアは私の友達なのよ?』
いや、友達の乗っているオーラバトラーをそこまでボコボコにするのはどうかと思うんだが。
そんな風に考えつつも、その事は指摘しないようにして口を開く。
「なら、いつまでもそうしてないで、スプリガンまで連れていけ。ゼット、お前もスプリガンに戻って、ガラリアを説得するなりなんなりしろ。いいな?」
『お、おう……それにしても……』
映像モニタに表示されたゼットは、若干怯えた表情を浮かべながらも俺の言葉に頷くのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1750
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1718