転生とらぶる   作:青竹(移住)

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3024話

 ダーナ・オシーについては取りあえず問題ないと判断したしのぶが降りてくると、再び柱合会議が始まる。

 いやまぁ、俺がこうしてここにいる以上、もしかしたら本当の意味で柱合会議はまだ始まってないのかもしれないが。

 

「さて、少し遅くなってしまったけど、アクセルに私の可愛い子供達の紹介をしておこう。蟲柱のしのぶと、水柱の義勇はもう知っているし……風柱の実弥も親しいみたいだからいいよね?」

「お館様!?」

 

 俺と親しいと言われた実弥が耀哉に向かってそう声を上げるものの、結局それ以上は何も言えないままで終わる。

 実弥にしてみれば、耀哉の言葉に不満を言うような真似はしたくないが、俺と親しいというのも否定したい……といったところなのだろう。

 つくづくイザークに似てるよな。

 

「ああ、それ以外の柱を紹介してくれ」

「ぐ……」

 

 実弥が不満そうにこっちを睨み付けてくるが、傷だらけの凶悪な顔もイザークのようなツンデレであると思えば、そこまで迫力はない。

 

「では、また自己紹介をお願いするよ」

 

 耀哉の言葉に真っ先に前に出て口を開いたのは、俺と何度か話している炎柱の男。

 

「もう何度か話しているが、改めて自己紹介しよう! 俺は煉獄杏寿郎。炎柱をしている! アクセル殿と言ったか。鬼舞辻無惨の討滅に力を貸してくれる事を深く感謝する!」

 

 そう言い、快活な笑い声を響かせると後ろに下がる。

 そして次に出たのは、背の高い男。

 

「俺は宇髄天元。音柱だ! 派手によろしく頼むぜ!」

「音柱? ……まぁ、蟲柱とかもあるんだし、音柱というのがあってもいいのか」

「あら、蟲柱というのが何かおかしいんですか?」

 

 俺の呟きが聞こえたのか、しのぶが満面の笑みを浮かべてそう言ってくる。

 呼吸を使ってダーナ・オシーを操縦したというのに、全く疲れた様子もない。

 そんなしのぶから視線を逸らし、耀哉に次の柱の紹介を頼む。

 耀哉は俺のそんな様子を雰囲気で感じたのか、笑みを浮かべながら次の人物に呼び掛ける。

 

「無一郎」

「はい。……僕は霞柱の時透無一郎。あまり長い間覚えていないかもしれないけど、よろしく」

 

 そう言ったのは、柱の中では一番年下の……先程、俺に模擬戦をやろうと言ってきた男だ。

 とはいえ、あの時の一人称は俺だったのに、今は僕になってるな。

 耀哉の前だからか?

 

「無一郎は、いわゆる天才でね。刀を握って僅か2ヶ月で柱になったんだよ」

「それは、また」

 

 この年齢で柱になっているという事そのものが驚きなのだが、たった2ヶ月で。

 耀哉が言うように、まさに天才という表現が相応しいのは間違いない。

 そうして無一郎の存在に驚いていると、次の人物が前に出る。

 色々な世界を体験してきた俺にしてみれば、そこまで驚くような事ではない。

 しかし、大正時代の人間にとっては間違いなく目に毒。

 更には大正時代の女とは思えないくらいの豊かな双丘の半ばを見せている女。

 桃色の髪の毛という特徴を持っているが、それに関してはレモンだったり、コーネアリアだったりで見慣れているので何とも思わない。……いや、コーネリアの髪は桃色じゃなくて赤紫か。

 

「恋柱をしている、甘露寺蜜璃です。よろしくお願いしますね」

 

 外見とは裏腹に、それなりに真面目な性格らしい。

 何故か潤んだ視線をこっちに向けているのが気になるが。

 というか、恋柱? 蟲柱や音柱はともかく、恋柱って……一体何がどうなってそういう柱になったんだ?

 恋柱って事は、もしかしたら恋多き女という奴なのかもしれないな。

 そう考えていると、何故か首に蛇を巻き付けている小芭内がこっちを険悪そうな視線で見ていた。

 これってつまり、そういう事なのか?

 まぁ、恋柱を相手に恋愛感情を抱いているとなると、色々と大変そうだな。

 蜜璃について考えていると、天元と同じ……いや、天元よりも背が高く、横幅も大きな……まさに巨漢と呼ぶべき男が前に出る。

 この男も、耀哉と同じく目が見えない、のか?

 

「岩柱を務めている、悲鳴嶼行冥と申す。共に鬼を滅することを目指す同志が現れるとは……」

 

 そう言いながら涙を流す行冥。

 行冥は炭治郎の時だったり、耀哉の話の時も泣いていたけど……随分と涙もろいな。

 ただ、こうして見た感じで鬼殺隊の柱の中でも、恐らく行冥が最強。もしくは明確に最強ではなくても、最強級なのは間違いない。

 行冥が後ろに下がり、最後に出て来たのは……小芭内だった。

 

「伊黒小芭内。蛇柱」

 

 短い言葉だったが、小芭内が未だに俺という存在を怪しんでいるのは間違いない。

 ダーナ・オシーの件や、耀哉が俺を友人だと言った事から、怪しんでいるとはいえ言葉に出すような真似はしていないが。

 ……いや、半ば睨むように俺を見ているのは、単純に俺を信じていないというだけではなく、蜜璃の俺への態度も関係しているのだろう。

 勿論、蜜璃が本気で俺を好きになった……といった訳ではないのは、俺も分かっているし、そこまで自意識過剰といった訳ではない。

 しかし、小芭内にしてみればとてもではないが俺のそんな様子は許容出来ないと、そう思うのだろう。

 これが仲間内だけなら、慣れもあって問題ないんだろうが。

 にしても、蜜璃……そこまで惚れやすいと、それこそ悪い男に騙されないかちょっと心配になってくるな。

 とはいえ、蜜璃は恋柱だ。

 鬼殺隊の中には、そんな相手を騙そうとする者は……いないとは限らないのが、人間の業だろう。

 中には蜜璃を利用しようと考える者がいても、おかしくはない。

 蜜璃は顔立ちも整っており、身体付きもかなり女らしい。胸の半ばまで見えている服を着ているのも大きいだろう。また、柱である以上は当然ながら強者で、金は……その辺は分からないが、鬼殺隊の給料ってどうなってるんだろうな。

 とはいえ、それでも柱という最高幹部である以上、他の剣士よりも給料を貰っていると考えても間違いではない。

 それでいて惚れっぽい……うん、まさにカモだな。

 その点、しのぶは蜜璃と同じくらい魅力的な容姿や身体付きをしていながら、男に騙されるといったようなところは想像出来ない。

 騙そうとした男が最悪の結末になるのは、容易に想像出来るのだが。

 

「ふふ」

 

 俺の視線を感じたのか、しのぶは笑う。

 それもただ笑うのではなく、思い切り意味ありげな笑み。

 うん、女の勘というのはやっぱり凄いな。

 

「柱というのは、色々な種類があるんだな」

「そうだね。それぞれが自分の実力を最大限に伸ばした、私の愛するべき子供達だよ」

 

 俺の言葉に、耀哉は自慢げに言う。

 子供達と言われた柱達は、耀哉のその言葉に全員が嬉しそうな様子を見せていた。

 行冥は本当に嬉しそうに泣いているものの、お前……年齢的には耀哉とそう変わらないんじゃないか?

 

「そうだな。全員が相応の技量を持ってるのは分かる。それで突然話は変わるんだが……」

 

 そう言い、実弥の方を一瞬見る。

 そんな俺の視線で、俺が何を言おうとしているのか察した実弥が口を開こうとするが……それよりも前に、俺は喋り始める。

 

「さっき、実弥が禰豆子の入っている木箱を刺そうとした時、その刀身を掴んだ結果、刀身の色が赤く変わったってのは知ってるよな?」

 

 目が見えるのなら、日輪刀の色が変わる……それも使い手の呼吸の色ではなく、全く別の色に変わるというのを、見逃すような真似はしないだろう。

 しかし、耀哉の場合は呪いで視力を失っている。

 あまねや子供達から事情を聞いてはいるのだろうが、それでも一応といったように尋ねると、耀哉は当然のように頷く。

 

「ああ、勿論聞いてるよ。ダーナ・オシーの件もあってそっちは後回しにしていたのだが……何か分かったのかい? 先程、実弥や杏寿郎と話していただろう?」

「軽く調べてみた限りでは、そういうのはなかったな。鬼殺隊の歴史でそういうのはなかったのか?」

「どうだろう。私が知る限りではないが……少し詳しく調べてみる必要があるね。実弥、もし君の日輪刀の色が変わったままであれば、別の日輪刀を用意する必要があるかもしれない」

「分かりました、お館様。……そこのアクセルが妙な真似をしなければ、こんな事にはならなかったのですが」

 

 不満そうな様子の実弥だが、俺もその言葉に黙っているような事はない。

 

「稀血を使えばいいだけなのに、禰豆子の木箱を刺そうしたお前が悪い。……ああ、稀血か。稀血……そうか……」

「おい、何か妙な事を考えてねえだろうなァ?」

「ちょっと思いついた事があるだけだよ。……まぁ、どうせなら鬼の専門家に聞いてみるか。お前達に呼吸があるように、俺には魔力があるというのは言ったな? で、俺の魔力はかなり強力だ。そして俺の血には濃厚な魔力が含まれている」

 

 どれくらい濃厚かというと、血を通して魔力を回復するエヴァが飲んだところで、魔力が濃すぎると、とてもではないがそのまま飲めないような、そんな濃度だ。

 とはいえ、薄めればエヴァにとっては魔力を回復するのに十分な濃さに調整することも出来るんだが。

 しかもエヴァが俺の血を直接飲んだのは、俺がネギま世界にいる時だ。

 あの時と比べると、今の俺の魔力はかなり上昇している。

 ……今の俺の魔力を飲めば、エヴァはどうなるんだろうな。

 ふとそんな事を思うが、実行した場合は間違いなく魔法が飛んでくる。

 いや、最初は俺の魔力に酔ってろくに身動きも出来なくなるだろうが、それから回復したら……うん、居住区画辺りが吹き飛びかねない。

 

「で、俺の血が鬼に対してどう影響するのか、ちょっと気になってな。実弥の稀血程ではないにしろ、大きな効果があるのは間違いないと思うが」

「うん? 何故そう言い切れるのかな?」

 

 断言する俺の様子に、疑問を覚えた耀哉。

 いや、耀哉だけではなく他の者達も同様に俺を見ている。

 それも興味本位といったものではなく、真剣な表情でだ。

 鬼殺隊の者達だけに、鬼に対する攻撃手段は幾らあっても困る事はないのだろう。

 

「これはまだ言ってなかったけど、俺は魔法を使える。こんな風にな」

 

 右手が白炎と化し、その白炎は十匹ほどの炎獣へと姿を変える。

 

『っ!?』

 

 いきなりの炎獣の姿に、柱達がいつでも戦えるような体勢を取るが、それに声を掛ける。

 

「安心しろ。これは炎獣といって、白い炎で出来た獣だ。ある程度の知能もあるが、人に危害を加えるような真似はしない」

 

 あくまでも俺が命じない限りは、の話だが。

 そこについては黙っておき、実際に炎獣を適当に遊ばせる。

 蜜璃や耀哉の子供達、そしてあまねが、そんな炎獣の姿にどこか癒やされたような表情を浮かべ……それを確認してから、指を鳴らして炎獣を消す。

 

「ああ……」

 

 誰かの口からそんな声が漏れたが、あまねに話を聞いている耀哉に向かい、口を開く。

 

「ともあれ、これは手品でも何でもなく、俺が使う魔法だ。そして俺が使う魔法の一つに、召喚魔法というのがある」

 

 召喚魔法という言葉に、炎獣に目を奪われていた者達がこちらに視線を向けてくる。

 これが平成とか……いや、昭和の後半とかなら、召喚魔法と言っても意味が分かるんだろうけど、大正時代となると難しいらしい。

 とはいえ、召喚魔法を分かりやすく説明する例には覚えがあるので、実はあまり問題がなかったりする。

 

「これはモンスター……お前達に分かりやすく言えば、妖怪とかそういうのだな。そういうのと契約して使役する魔法だ。陰陽師の前鬼や後鬼と表現すれば分かりやすいか?」

 

 分かりやすさ優先でそう言ったものの、実際には召喚魔法と陰陽師の前鬼後鬼はかなり違う……と思う。

 具体的に陰陽師がどんな風に契約するのかは、俺にも分からないし。

 

「で、ここからが本題だ。俺がモンスター……妖怪と契約する時は、相手に俺の血を一滴でいいから飲ませる必要がある。だが、俺の血に宿っている魔力は膨大だ。大抵の相手は俺の血の魔力に耐えきれず……ボン、となる」

 

 ボンという表現で何を想像したのか、何人かの柱が嫌そうな表情を浮かべていた。

 実際、血に耐えきれない相手の最期というのは決して見て面白いものではない。

 

「ただ、もし俺の血に耐えられる器がその存在にあった場合は、かなり強化された上で俺と召喚魔法の契約を結ぶ事になる。そんな訳で、俺の血というのは鬼に対しても多分有効なのは間違いない。問題なのは、一体どうやって相手に血を飲ませるかだが」

 

 注射器の類を使うという方法もあるが、それはそれで難しいんだよな。

 となると……

 

「ここは私の出番でしょうか」

 

 日輪刀で首を斬って鬼を殺すのではなく、毒で鬼を殺す蟲柱のしのぶが、そう告げる。

 

「だろうな、俺も任せるのはしのぶが最適だと思っていた」

「ありがとうございます。アクセルさんの血が、本当にそれだけの力があるのなら……もしかしたら、短剣にアクセルさんの血を塗って投擲するだけで鬼を殺せるという可能性も否定は出来ませんね。とはいえ、血に耐えると強化されるというのは……どうなるのか分かりませんが」

「ん? なら、ちょっと見てみるか? ……グリを呼ぶのはちょっと難しいけど」

 

 そう言い、俺は召喚の意思を込めて自分の影を軽く蹴るのだった。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:1810
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1730

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