鬼滅世界で竈門家の調査を頼んだ後、俺はホワイトスターに戻ってきた。
そうして今の状況で何をやるかと言われると……今の時点では特にやるべき事はないんだよな。
そんな風に考えつつホワイトスターの中を歩いていると、道の先から見覚えのある人物がやって来る。
いつもならホワイトスターで会うのは明日菜というパターンが多いのだが……
「ゆかり、どうしたんだ?」
「ちょっと暇な時間があったのよ」
俺の言葉に笑みを浮かべてゆかりがそう言ってくる。
ペルソナ世界でのゆかりは、現在高校3年だ。
とはいえ、ゆかりは推薦が決まってるって話だったので、高校は卒業出来ればいいのだろう。
「そうか。なら、デートでもするか?」
「ふふっ、それはそれで面白いわね。じゃあ、デートにしましょうか」
そう言い、ゆかりは俺に手を伸ばしてくる。
その手を握り、俺とゆかりは交流区画を見て回る。
「ねぇ、鬼滅世界に行ってたんでしょ?」
「ああ。ちょっと色々と見てきたんだ。鬼滅世界は色々と興味深いのは間違いないしな」
「私達もいずれ行くの?」
「どうだろうな。何人かは鬼滅世界に行って、ペルソナで鬼を倒せるかどうかを試したいとは思うけど。ただ、それはそれで荒垣がいるしな」
荒垣の現在の立場は、シャドウミラーの外部協力員といったような形だ。
シャドウミラーにとっても、ペルソナという能力は非常に興味深い代物なのだから、それを研究するのは当然だろう。
とはいえ、別に無償で協力させているといった訳ではなく、結構な報酬が出されている。
それこそ、1ヶ月で貰っている給料として考えた場合、その辺のサラリーマンよりも多く貰っているだろう。
……税務署とか、そっち関係がどうなってるのかは分からないが、恐らくその辺は桐条グループの方で何らかの手を回しているとか何とか。
そんな訳で、何気に荒垣は金持ちだったりするんだよな。
鬼滅世界での戦いも、荒垣と……他にも順平辺りはバイトとして雇ってもいいかもしれないな。
出来ればコロマルも連れて行きたいところだが……神社からあまり離れたくないだろう。
「荒垣先輩が? ふーん、そうなんだ。なら、私達は参加しなくてもいいの?」
この場合の私達というのは、ゆかりだけではなく同じペルソナ世界の美鶴のことだろう。
「行きたいのか? 行きたいのなら、俺としては全く構わないが。いや、寧ろ歓迎するぞ」
これが普通の女なら、鬼滅世界に連れて行って鬼と戦うといったような真似はしない。
しかし、ゆかりの場合は違う。
ネギま世界と同様に、生身での戦いに慣れている。
何しろタルタロスの攻略に参加し、そして最後まで戦い抜いた実力の持ち主なのだから。
また俺の恋人となってホワイトスターで泊まる事も多くなり、その際にはエヴァとの訓練に参加したりといったような事も珍しくない。
そういう意味では、寧ろ荒垣や順平よりも生身での戦いという点ではゆかりの方が上だったりする。
そんなゆかりが鬼滅世界での戦いに参加したいと言うのなら、俺としては問題ない。問題ないのだが……不安がない訳でもない。
ペルソナ世界で俺達が戦ってたのは、多少の例外はあれども基本的にシャドウだ。
様々な外見をしているが、基本的には人ではない。
いやまぁ、中には人型もいたが、それはあくまでも人型であって、人そのものではない。
しかし、鬼滅世界の鬼は違う。
シャドウとは比べものにならない程に人に近い。
そんな鬼と戦えるかとなると……実際に戦ってみないと何とも言えない。
不幸中の幸い、あるいはせめてもの救いは、俺達がしたいのは鬼を殺す事ではなく、鬼を生け捕りにするという事だろう。
とはいえ、鬼はそんなのは関係なくこちらを殺そうと、そして食おうとしてくる。
そうである以上、鬼と戦う際には最悪鬼を殺すといったことになる可能性も否定は出来ない。
だからこそ、ゆかりが鬼と戦えるかどうかは実際に戦ってみないと分からない。
純粋に戦闘力だけという点では、ゆかりは全く問題はないんだが。
「ゆかりが参加したいのなら、取りあえず問題はない。こっちも腕の立つ奴は大歓迎だしな。ただ……問題もある」
「問題?」
「ああ。基本的に鬼というのは日輪刀でなければ殺せないとされている。もっとも、これはあくまでも鬼滅世界の常識で、魔法とかペルソナの攻撃なら殺せる可能性はあるが」
事実、俺はゲイ・ボルクを使って鬼を……それも十二鬼月という、鬼の幹部を殺している。
そうである以上、今まで鬼滅世界にはなかった何らかの要素を使えば、鬼を殺せる可能性はある。あるのだが……実際にペルソナで殺せるかどうかは、試してみる必要があった。
基本的には殺すのではなく捕らえるのが最優先とはいえ、それはあくまでも出来ればの話だ。
もし何かあった時、鬼を殺さなければならないとなり……その時、ペルソナでは鬼を殺せないとかなったら、洒落にならないし。
そんな訳で、参加する者達には可能な限り日輪刀を持たせたいと思うのだが、ゆかりの場合は武器が弓なんだよな。
そうなると、この場合は鏃を日輪刀と同じ金属で作った矢が必要になるのだが……そうなると、矢を1本作るのに結構な時間や労力を必要とするのは間違いない。
「うーん……それは私の方では何とも出来ないわね。考えられるとすれば、その日輪刀だっけ? それを持った人と私が一緒に組んで戦って、ペルソナが効果がなかったら援護に徹して日輪刀を持ってる人に任せるといったところかしら」
「それが一番手っ取り早いのは間違いないな。何なら俺がゆかりと一緒に組んでもいいし」
ゲイ・ボルクが鬼に対して有効であるというのは既に明らかになっている。
そうである以上、ゆかりと協力するのは別に鬼殺隊の剣士ではなく、俺であっても構わないのだ。
勿論、そうなったらそうなったで鬼殺隊と協力する必要が出て来るだろうけど。
「アクセルと? そうね、うん。……そうなったら、少しやる気が出るかも」
いや、それどうなんだ? と突っ込もうかと思ったが、実際俺もゆかりと一緒に行動すればやる気が上がるのは間違いない。
「とはいえ、その辺は政治班が決める事だしな。本当に参加したいのなら、エリナやあやか、千鶴辺りに話を通しておいた方がいいぞ」
「……凛は?」
「ああ、そう言えば凛もいたな」
「あのね、そういう扱いをしていると、凛にガンドを撃たれるわよ?」
「それはちょっと遠慮したい」
量産型Wもガンドを撃てるものの、その威力は凛のガンドと比べれば天と地の差がある。
本来、ガンドというのは相手を病気にするといったような呪いの一撃だ。
何だかそれだけを聞くと、耀哉の状況を思い出すな。
ともあれ、そんなガンドだが量産型Wの放つガンドは拳銃程度の威力はある。
しかし、凛のガンドは拳銃どころか重機関銃くらいの威力を持つ。
それこそ生身の人間を殺すには十分すぎる威力なのだ。
とはいえ、シャドウミラーの人間の多くは生身でも普通の飛び道具を回避したりといったような真似が容易に出来るので、それを思えば凛のガンドもそこまで致命的ではないのだが。
「なら、凛に対しても気をつける事。……とにかく、後でエリナに話を通してくわ。ネギま世界からも結構な人数が来るかもしれないし、負けてられないわね」
何だかんだと、ゆかりは負けず嫌いなんだよな。
そこが好ましいと思っているのは事実なのだが。
「そうしてくれ。……っと、ちょっとあの店に寄ってもいいか?」
ゆかりと話しながら歩いていると、ふと目に入った店があった。
売っているのは、色々な世界から仕入れた雑貨。
ホワイトスターにある店としては、そこまで珍しい店ではない。
ホワイトスターの特徴として、様々な世界に対するハブ的な場所というのがある。
だからこそ、様々な世界から多くの者がホワイトスターにやって来る。
そうなると、当然ながら自分の世界だけではなく他の世界から仕入れた物を売るといった考えを持つ者も出て来る。
他の世界からどのような物を仕入れるのかは、その店を経営している者の才覚に任されるが、上手くいけば一攫千金になってもおかしくはない。
実際、ホワイトスターでその手の商売をして、数千万どころか数億単位で売り上げたといった者がいるという報告を以前書類で見た記憶がある。
そのような店に比べれば、俺が気になった店は雑貨の類を扱っており、客の数もそこまで多い訳ではない。
しかし、それでも何故か俺はその店が気になったのだ。
「いいけど、何かあるの?」
「分からないけど、何となく気になった。それに、久しぶりにゆかりとデートしてるんだから、こういう店に入るのもいいだろ?」
実際には夜中……どころか朝になるまでゆかりを含めて他の恋人達との逢瀬を楽しんだのだが、それはあくまでも他に何人も恋人がいる状態での話だ。
こうしてゆかりと2人きりというのは、それなりに久しぶりになる。
「……そうね」
俺の言葉に照れたのか、ゆかりは頬を薄らと赤くしながらそう言ってくる。
そうして店の中に入ると、色々な世界の雑貨が置かれていた。
置かれていたのだが……
「これは、また……」
雑貨屋の端の方には、プラモデルのコーナーがあった。
当然そのようなコーナーで売ってるのはプラモデルだが、PTやMS、KMF、VF、ちょっと珍しいとこでは、ナデシコ世界のエステバリスとかもある。
「凄いでしょう? これ、実は私が契約して作って貰ったプラモデルなんですよ」
そのコーナーに目を奪われていた俺に、声を掛けてくる人物がいた。
当然ながら、そのような言葉を発するのだからこの店の店長なのだろう。
「素直に凄いな。今まで人形とかはあったけど、プラモデルは初めて見た」
人形の中で最も有名なのは、めぎろーと君だろう。
SEED世界で開発されて大ヒットした人形で、何気に他の世界でもかなりの売れ筋商品だ。
だが、プラモデル……それも側にある見本を見る限り、かなりリアルに作られているようなのは、今までなかった筈だ。
いやまぁ、俺もホワイトスターに出ている店の全てを完璧に把握している訳ではない為、もしかしたら他にもプラモデルを売ってる店というのはあるのかもしれないが。
「でしょう? とはいえ、これもアクセルさん達のおかげですよ。ホワイトスターといったような場所がなければ、とてもではないが異世界のロボットのプラモデルなんて作れませんでしたし」
どうやら俺の事は分かってるらしい。
まぁ、UC世界の時とは違って、別に変装している訳ではない。
そうである以上、俺を見てアクセルと認識する者がいるのは当然の事だった。
それでも俺に言い寄ってくるような奴がいないのは、そんな真似をすれば自分や出身世界に迷惑が掛かると理解しているからだろう。
「そう言って貰えると、俺も頑張ってる甲斐があるよ。……そうだな、いい事を教えてやろう。近々、このプラモデルの種類はまた新しい1種類が加わるぞ」
「え? 本当ですか!? それは、アクセルさんが行っていた世界の?」
「あー……そう思ってくれていい」
微妙に言葉を濁らす。
オーラマシンを根こそぎ持ってきたのはいいが、ダンバイン世界に行くといったような真似は出来ない。
そうである以上、実際には俺が戻ってきたのは鬼滅世界から、という事になる。
その辺、どう説明するか迷うな。
後でエザリアやレオンに相談しておいた方がいいか。
とはいえ、下手に隠すと色々と不味いだろうから、最終的には何があったのかといった事はきちんと説明した方がいいのだろうが。
「それで、次はどんなロボットが?」
「今までとはちょっと違うな。人のオーラ力……まぁ、気に近いそれを使って動かすし、部品も恐獣という生物の素材を使っている、一種の生体兵器だ」
「生体兵器……」
科学で作られたロボットが増えるのかと思っていたところに、オーラバトラーという生体兵器だ。
店長と思しき男が意表を突かれるのも当然の話だろう。
「安心しろ。外見は若干生物っぽいけど、お前の言うロボットなのは間違いない」
その言葉に安堵する店長。
実際には多少生体兵器っぽかったとしても、それをプラモデルとして作るのは不可能ではない。
不可能ではないものの、だからといってそれが簡単にどうこう出来る代物ではないのは間違いないのだが。
一体どんな伝手があってこんな風にプラモデルを売ってるのやら。
「ちなみに、ニーズヘッグはあるか?」
「あー……いえ。その、売り切れです」
これは喜べばいいのか、それとも自分の機体を買えなかったと悲しめばいいのか。どっちなんだろうな。
そんな風に考えつつ、取りあえずそうかと納得する。
「ニーズヘッグは、かなり複雑な構造なのでどうしても高額になるんですよ。その上でシャドウミラーの象徴なので、数が少ない割に欲しい者が多いんです」
それはフォローだったのか真実だったのかは分からないが、とにかく俺はその言葉に納得するのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1810
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1730