「へぇ……これがオクト・エイプか。MSの操縦方法そのものは他の世界とそう違わないな」
そう呟きながら、俺はオクト・エイプを操縦する。
MSということなら、SEED世界、W世界、UC世界と色々と乗ってきたが、どの機体も操縦方法そのものは似ている。
いや、勿論全てが全く同じという訳ではなく、細かい場所では色々と違うのだが。
しかし……例えばPTやAM、VF、KMFといったような機体と比べると、MSはそのどれもが似たような操縦方法になる。
この辺は多分ガンダムシリーズといった感じなんだろうが。
俺が譲り受けたオクト・エイプは、背中に3本のスラスターが装着しているのが目立つ、高機動型だ。
普通に空を飛ぶ事も可能だというのは大きい。
固定武器として、胴体に50mmガトリングキャノンが装備されている。
これは基本的に頭部バルカンとかと同じような使い方をする為に装備された武器だと思うんだが、正直なところ微妙だ。
残弾が勿体ないからまだ少ししか撃っていないものの、口径が大きいということは当然ながら威力も大きい。
だが、それでもビームライフルとかに比べると当然ながら威力は劣る。
なら、頭部に20mm程度のバルカンを装備した方がいいと思う。
ミサイルの迎撃や対人、あるいは対車両といった事を考えても20mmくらいで問題ないと思うし。
とはいえ……50mmガトリングキャノンの威力を考えると、MSとかにもそれなりに効果のある武器として考えれば、使い道はない訳でもない。
ただし、胴体……人間で例えれば肋骨の辺りに装備されているので、当然ながら機体の正面しか撃てない。
頭部バルカンなら、頭部を動かすだけで射線を変える事が出来るんだが、胴体に内蔵されているとなると、射線を変える場合は機体の向きそのものを変える必要がある。
あ、でもUC世界のMSの頭部バルカンとかは60mmだったから、そう考えるとそこまで口径が巨大すぎるって訳じゃないのか。
SEED世界だと、20mmとかが普通なんだが。
いや、SEED世界のMSでも75mmとかのバルカンはあったから、俺の勘違いか?
ともあれ、ミサイルの迎撃や人、車両といった相手への攻撃という点では20mm程度で十分だと思う。
口径が小さくなれば当然のように搭載出来る弾丸も多くなるし。
まぁ、その辺は世界観の違いといったところで納得しておくとする。
次に、ビームライフル。
オクト・エイプの持つ武器の中で最強の威力を誇る武器だ。
後はビームサーベル。
今のオクト・エイプが持っている武器はこの3つだけだな。
気絶したモヒカンを連れて去った男が言うには、他にも100mmマシンガン、ジャイアントバズーカ、ヒートホーク、ヒートサーベルといったような武器が使えるらしいが、男は使っていなかったらしい。
あ、でも俺が貰ったジェニス……モヒカンの乗っていた、電子部品が壊れて動きに問題が出ているジェニスには100mmマシンガンとヒートホークがあるので、同じ宇宙革命軍のMSという事で武装を流用出来るらしい。
この辺もMS乗りやバルチャーが宇宙革命軍のMSを使っている理由なのかもしれないな。
ちなみに、当然だが宇宙革命軍と連邦軍という2種類の系統のMSがある。
そういう意味では、バルチャーなりMS乗りが組んで戦う時は、どちらかの系統だけを使った方が、部品の供給とかも出来るらしい。
とはいえ、腕利きのメカニックがいれば宇宙革命軍のMSで連邦軍系のMSの武器を、あるいは連邦軍のMSで宇宙革命軍系のMSの武器を使うといったような真似も出来るらしいが。
「うん、取りあえずこんなものだろ」
オクト・エイプを動かしていたのを止めて、地上に降りる。
正直なところを言わせて貰えば、T-LINKシステムを使っていない機体である以上、どうしても反応速度は遅い。
だが、それは仕方のない事だ。
シャドウミラー製の機体ではない限り、俺の反応速度にきちんと付いてこられる機体というのは基本的に存在しない。
そういうものであると認識して操縦するしかないのだ。
オクト・エイプから降りた俺が視線を向けたのは、ジェニス。
一応動く事は動くのだが、電子部品に受けたダメージのせいで動きにかなり問題がある。
だからこそ、あのモヒカンは自分との付き合いが長かった男のオクト・エイプを奪おうとしたんだし。
ここから一番近い街……サン・アンジェロ市にはそれなりに腕のいいメカニックがいるって話だったから、そこに行けばジェニスも修理は出来るだろう。
だが、戦後のこの世界では現在電子部品……それもMS規格の物は作れない。
そうなるとどこかの基地からMSを探し出すか……いや、駄目だな。
ジェニスは宇宙革命軍のMSである以上、地球にある基地ではジェニス用の部品を入手するのは難しい。
とはいえ、同じMSである以上は共用出来る部品もあるのだろうから、上手くいけばどうにかなるかもしれない。
……いや、もっと単純なのは、壊れたジェニスから部品取り用として電子部品を入手する事か。
そんな真似をするのなら、最初から完全に動くジェニスをどうにかして入手した方がいいと思うが。
幸い……って表現はどうかと思うが、さっき男から聞いた情報によればバルチャーやMS乗りの中には盗賊染みた連中も多いらしい。
向こうから襲い掛かって来てくれれば、それを撃退して相手のMSを奪ってもいい。
ちなみにバルチャーは基本的に地上戦艦……というか陸戦艇のようなものを使っているらしい。
具体的には、UC世界で使われていたビッグトレーやダブデ、ギャロップといったような奴。
何故かこの世界ではそういうのが使われているらしい。
……いっそUC世界からビッグトレーでも貰ってくるか?
というか、ゲートを設置してしまうべきか。
とはいえ、一体どこにゲートを設置するかとなると、それはまた問題なんだよな。
何よりも厄介なのは、この世界ではバルチャーやMS乗りがいて、そういう連中が宝探しよろしく、色々な場所にいるという事だろう。
下手な場所にゲートを設置した場合、それを発見して奪いに来たバルチャーやMS乗りと戦闘になる可能性がある。
勿論、そんな連中を相手にしても負けるつもりはないが、そうなればなったで色々と面倒な事になるし……何より、この世界についての情報はまだ完全ではない。
オクト・エイプを持っていた男から色々と聞かせて貰ったのは間違いないが、それはあくまでも1人からだけだ。
出来ればもっと別の相手からも話は聞いておきたい。
それに……こう言ってはなんだが、あの男は俺が色々と怪しいと思いながら話している。
だとすれば、最悪あの男からの情報が全て嘘……といった可能性も否定は出来ない。
いやまぁ、話した感じだとそういう感じには見えなかったが。
本人もそれなりに長い付き合いだった相棒に殺されそうになって、やる気を失ったって言ってたしな。
やる気を失った以上、わざわざ俺を騙すといったような真似をするとは思えない。
……それも全て込みで騙していたという可能性もあるけど。
ただ、俺が気配遮断を解除してモヒカンの後ろにいきなり姿を現したのを、あの男は見ていた。
つまり、俺が何か特別な能力を……自分には理解出来ないような能力を持ってるのは、理解している筈なのだ。
であれば、わざわざそんな風に俺と敵対するような真似をするかと言われれば……その答えは否だと思う。
「そうだな。やっぱりサン・アンジェロ市に行くか。色々と情報を集める必要があるし、それにMSも出来れば大量に欲しいし」
このX世界のMSに、具体的にどんな特徴があるのかは分からない。
例えばW世界はガンダニュウム合金があり、それによって水中でも普通にビーム兵器が使える。
SEED世界はPS装甲やラミネート装甲がある。
UC世界は……サイコミュやルナ・チタニウム、ミノフスキー粒子があった。
なら、このX世界には一体どんな特殊技術の類があるのか、楽しみに思うなという方が無理だろう。
それに……今、レモン達は俺が渡した童磨や黒死牟、鳴女、鬼舞辻無惨といった鬼の身体を分析していたり、あるいはオーラマシンの技術に集中していたりする。
もう少し時間を置いた方がいいのは間違いないな。
そう判断して、ジェニスを空間倉庫に収納してオクト・エイプに乗る。
こっちに来た時はもう夜だったので、時差をどうにかする必要があるな。
そんな風に考えて、オクト・エイプでサン・アンジェロ市に向かう。
空を飛んでの移動なので、その移動力は地上を進むよりも早い。
とはいえ……問題なのは、俺がサン・アンジェロ市が具体的にどこにあるのか、分からないって事なんだよな。
大体の場所は教えて貰っていたので問題ないが……それでも北米大陸は広い。
何の頼りもなしにサン・アンジェロ市に行くのは難しいのだが……
「オクト・エイプのコンピュータにサン・アンジェロ市のデータがあったのは助かったな」
さっきの男も口にしていたように、サン・アンジェロ市というのはこの辺りではかなり大きな街だ。
そんな大きな街だけに、オクト・エイプにはしっかりとデータが入力されていた。
ちなみに入力されていたデータはサン・アンジェロ市だけではなく、セントランジェやセインズアイランドという場所も入力されている。
ただ、このセインズアイランド……地図データを見る限りだと、海の上なんだよな。
多分島か何かに街を復興させたと思うんだが。
機会があったら行ってみるとしよう。
そんな風に思いつつ、機体のデータを頼りにサン・アンジェロ市に向かうのだった。
「お、あれか」
オクト・エイプが飛び続け、数時間。
やがて映像モニタに明かりが幾つも見えてきた。
まだ夜なんだが、それなりに賑わっているな。
人口の99%が死んだという割には、何だかんだと人の数は多いらしい。
人間は何だかんだとしぶとい生き物だし、それを思えばサン・アンジェロ市にこうして人が集まっているのは問題ないのだろう。
……そんな風に思っていたのだが、俺のオクト・エイプが近付くとサン・アンジェロ市から何機ものMSが出撃してきた。
殆どがジェニスだが、それ以外にも初めて見る機種もある。
ジェニスやオクト・エイプを見る限り、宇宙革命軍のMSはジオン系みたいに曲線的な外見をしているのだが、中にはそれとは全く違う直線的な構造を持ったMSもいる。
こうして見た感じ、どうやらそっちは連邦軍系らしい。
にしても、この世界でも連邦軍なんだな。
UC世界と同じなのを考えると、今はいいが将来的に少し混乱してもおかしくはない。
そんな風に思っていると、姿を現したMSの1機から通信が入る。
『何をしにサン・アンジェロ市に来た? 盗賊なら死んで貰うが』
最初の一言がそれ。
だが、考えてみれば当然か。
このX世界において、バルチャーやMS乗りというのは盗賊になる事も珍しくはない。
……そういう連中のせいで、真面目に仕事をしているバルチャー達も煙たがられているって言ってたな。
そんな世界で、夜に街に向かってくるMSがいると知れば、怪しむのもおかしくはない。
けど、こうして見るとMSはそれぞれ違う機種だし……動きに関しても、1つの集団というよりは小さな集団が幾つも集まっているように見える。
『どうした? 何故答えない。やはり盗賊か?』
再度の通信。
このままだと戦闘になってしまう。
いや、それは俺にとっても別に困らない。
戦後のX世界は弱肉強食。
強ければ生き、弱ければ死ぬ。
そんな世界なのだから。
とはいえ……サン・アンジェロ市はこの辺り一帯で最も栄えている街だ。
それだけに、ここにいられなくなるのは困る。
「違う。俺はフリーのMS乗りだ。サン・アンジェロ市には、MSの整備や武器の補充、食料とかそういうのを買う為にやって来た」
そう言ったところで、そう言えばこの世界の金はどうなってるんだ? と思う。
基本的に金……紙幣の類は、それを保証してくれる国や組織がいるからこそ、金として使える。
だが、現在のX世界においては地球を治めていた連邦はコロニー落としによって壊滅した。
それどころか、国はユーラシア大陸の方にあるという噂があるくらいだ。
このサン・アンジェロにしても、それはあくまで街の単位でしかない。
だとすれば……物々交換とかか?
俺にオクト・エイプを譲ってくれた男も、MSは譲ったが金とかそういうのは譲らなかった。
いやまぁ、あの男が生活することを考えると、その辺は当然だが。
だとすれば、宝石とかが役に立ってくれそうだな。
金銀宝石の類は何だかんだと結構な量が空間倉庫に中にある。
それにゲートを設置すれば、それこそキブツを使えば宝石は幾らでも入手出来るのだから。
『補給に……? わざわざこんな夜中にか?』
「そうだ。生憎と、こっちもMS乗りとして色々と忙しかったんだよ。それで一仕事終えて休もうとしたが、この時間になったんだ」
『……なるほど』
なるほどと言ってはいるが、映像モニタに表示された30代程の男が俺の言葉を完全に信じている訳ではないのは、その様子を見れば明らかだ。
であれば……そんな風に思っていると、不意にMSの1機が持っていたマシンガンの銃口をこちらに向けるのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1830
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1734