転生とらぶる   作:青竹(移住)

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3198話

 ロッキー級3隻を引き連れて基地に戻ってくると、ロッソや先に到着していたバルチャーとの話し合いの末に、襲ってきたバルチャー達から賠償金としてMSや物資の類を貰うという事で話がついたらしい。

 個人的にはかなり甘い措置だと思うし、それは決して間違っていないのだろう。

 事実、ロッソの口から出たその提案に、先にここにいたバルチャーは不満そうな様子を見せていたのだから。

 そいつらにしてみれば、それこそ襲ってきた連中が使っていたロッキー級も自分達の物にして、襲ってきた奴は殺すといったように主張したかったのだろう。

 実際に向こうは殺すつもりで襲い掛かって来たのだから、こちらもまた殺すつもりで攻撃をしてもおかしくはない。

 それでも最終的にはロッソの言葉に従うことにした辺り、ロッソのバルチャーとしての影響力の高さを知る事が出来る。

 あるいはこういう風に襲ってきた相手を許すといったような真似をしていたからこそ、ロッソはバルチャーの中で大物になっていったのかもしれないな。

 器が大きいのは間違いないし。

 ……かといって、バルチャーの中にはこうして見逃されても、それだけで感謝する奴ばかりではない。

 それこそ命は助けて貰ったのに、それでも許せないと思う者がいてもおかしくはなかった。

 そういう連中が襲ってきた場合は……どうなったのかは、考えるまでもない。

 今もこうしてロッソが生きているのを見れば、それは明らかなのだから。

 こうして相手を許すことが出来るロッソも、再度自分の命を狙ってきた相手をそのまま許すようなことはしないというのは、バルチャーらしいのだろう。

 とはいえ、結局のところ俺はロッソの部下という訳ではなく、今回に限ってロッソに雇われたフリーのMS乗りだ。

 ロッソは気に入っているが、だからといって俺がそこまでロッソの命を心配してやる必要もないだろう。

 また、俺の報酬として、セプテムとドーレスを2機ずつ貰うことが出来たので不満はない。

 寧ろ1機ずつしか貰えないと思っていんだが、それが倍になったのは嬉しい限りだ。

 ……ただし、当然ながらロッソのロッキー級には現在すでにかなりMSが搭載されている。

 ある程度余裕があったので、2機は何とか乗せる事は出来たが。

 とはいえ、本当にそれは何とか乗せる事は出来たというもので、他のMSが出撃する時には邪魔になるし、ましてや報酬として貰ったMSを出撃させるのも難しい。

 それでも何とかMSを搭載出来たのは間違いない。

 ちなみに残りの2機は、ロッソと行動を共にした2隻のロッキー級に乗せて貰う事になった。

 向こうでも襲ってきた連中から奪ったMSとかがあったのだが、無理をしてどうにかしたらしい。

 てっきりロッソに対する好意からかと思っていたのだが、それだけではなく俺に対しての好意もあったらしい。

 好意というか、打算だが。

 俺の操縦するオクト・エイプは、今回の戦いでかなりの活躍をした。

 襲ってきたMSを何機も倒し、何より最終的にはロッキー級3隻を降伏させ、ここまで連れて来たのだから、バルチャーとして見た場合はもの凄い腕なのだろう。

 あるいはこれで俺が正式なロッソの部下なら、ここまで好意的に接するような真似はしなかったかもしれない。

 しかし、俺はフリーのMS乗りだ。

 そしてフリーのMS乗りであるという事は、当然ながらどのバルチャーでも俺を雇えるという事を意味している。

 バルチャーにしてみれば、フリーのMS乗り……それも腕がよく、ロッソが認めた相手というのは非常に希少なのだろう。

 いやまぁ、俺がロッソに雇われているのは間違いないものの、別にそれはロッソに認められているからという訳ではないんだが。

 ともあれ、そんな訳でバルチャーの一件は終わり、基地についての探索も無事に終わった。

 こっちでもMSを含む電子部品、その他諸々を入手し……取りあえずそれなりの収穫はあったらしい。

 そうして諸々が終わってサン・アンジェロ市まで戻ってきたのは……基地での出来事から5日くらい経ってからの事だった。

 

「おう、アクセル。MSはお前の言っていた工場に持っていったぞ。工場の親父が驚いていたんだが、本当にこれでよかったのか?」

「ああ。メンテ親父にはまた来るって言ってあったしな。そういう意味では、約束通りだ」

 

 ロッソは俺の言葉を聞いて、納得した様子を見せる。

 ……ただし、完全に納得したといった訳ではなく、メンテ親父を哀れに思っているようだったが。

 

「とにかく、アクセルがいたおかげでこっちは楽に今回の仕事が出来た。もしアクセルがいなかったら、恐らくあのバルチャー達の襲撃でこっちにもそれなりに被害は出ていただろう」

 

 そう言うロッソだったが、本人にしてみれば被害は出ても負けるといったようなつもりはなかったのだろう。

 実際、ロッソの部下のMS乗りはそれなりの技量だ。

 少なくても、先に基地にいたバルチャーの中のMS乗りと比べると明らかに技量は上だった。

 バルチャーのMS乗りの操縦技術がどのくらいのものなのかというのは、正直なところ俺には分からない。

 しかし、もしあれが平均であったとすれば……平均的にかなり低いと思っても間違いはない。

 とはいえ、俺にしてみればそっちの方が都合がいいのも事実。

 それに平均的にパイロットの操縦技術が低いとはいえ、当然だがそんな中には腕利きのMS乗りもいる筈だ。

 特にガンダムの類に乗っているMSパイロットは間違いなく腕利きだろう。

 

「なら、また何かあったら呼んでくれ」

「あー……そうしたいところだが、今回の一件が終わったらちょっとサン・アンジェロ市を離れるつもりでな。大口の取引があるんだよ」

「そうなのか?」

「ああ。……ちなみに一応聞くが、お前も俺達と一緒に来る気はないか? お前みたいに腕利きのMS乗りは大歓迎だ。うちの連中とも上手くやれてるみたいだしな」

 

 ロッソの部下の中には、まだ俺に不満を持ってる奴もいる。

 だが、MS乗りとしての技量を示したことにより、今では多くの者が俺を認めていた。

 それこそ、俺を相手に襲撃してきた奴の中にも、今は俺と友好的にやっている奴がいるくらいだ。

 そういう意味では、ロッソの部下としてやっていくのも悪い話ではないのだろう。

 ないのだろうが……

 

「いや、やっぱり止めておくよ。俺はフリーのMS乗りとして活動する」

「そうか。……まぁ、何となくそう言うとは思っていたんだけどよ」

 

 ロッソは自分の誘いが断られてもそこまでショックを受けた様子はない。

 本人が言ったように、断られると思っていたのだろう。

 

「悪いな。どこか遠い場所に行くのなら、また戻ってきた時によろしくな」

「おう。お前が腕利きのMS乗りだというのは、俺の知り合いにも言っておいた。取りあえず仕事に困る事はないと思うぞ」

「それは助かるけど……何でわざわざそこまで?」

「お前を気に入ったからだよ。それにお前みたいな腕利きのMS乗りが金に困って盗賊になったりしたら、俺にとっては面白くないしな」

 

 ああ、なるほど。

 ロッソの言葉に納得する。

 ロッソにしてみれば、俺がバルチャーやフリーのMS乗りとして活動するのはともかく、盗賊となるのは困るのだろう。

 俺が腕利きのMS乗りで、しかも乗っているMSは自由に空を飛べて、性能も非常に高いオクト・エイプだ。

 それを思えば、ロッソの心配は納得出来るものがある。

 

「そうか。なら、その気持ちはありがたく受け取っておくよ」

 

 そう言い、俺はロッソと別れるのだった。

 

 

 

 

 

「おいおいおいおい、兄ちゃん一体どれだけMSを持ってくるんだよ!」

 

 メンテ親父が工場に姿を出した俺を見ると、そんな風に言いながら迫ってくる。

 まぁ、一気にMS4機が増えたのだから、メンテ親父にしてみればそう言いたくもなるのだろう。

 他に従業員がいるのならともかく、この工場はあくまでメンテ親父が1人だけでやっている場所だ。

 それだけに、一気に4機……いや、俺のオクト・エイプも含めて5機ものMSが増えるというのは、忙しさが洒落にならなくなるという事を意味していた。

 当然だが仕事をすればする程に稼げるのだから、嬉しい悲鳴を上げているのだろう。

 

「安心しろ……って言っても納得出来るかどうかは分からないけど、取りあえず急いでメンテや修理をしろとは言わない。期限には特に拘らないから、暇を見つけたらやってくれ。……勿論、半年や1年掛かるというのは困るが」

 

 まぁ、最悪の場合は俺が空間倉庫に入れておいて、ホワイトスターに戻ったら技術班に渡して修理して貰うという方法もある。

 ……もっとも、迂闊に技術班に渡すと魔改造されてしまいかねないのが難点だが。

 

「う、うーん。それなら何とかなるか。ああ、兄ちゃん。俺の知り合いにもそれなりに腕のいい奴がいるんだが、そいつらを呼んでもいいか? そうすれば、その分だけ早く終わるけど」

「それに関してはそっちに任せる。けど、呼んだ以上はしっかりと責任を持ってくれよ。MSを奪って逃げたりしたら……」

 

 そこで言葉を切る。

 メンテ親父は暫く俺の言葉を待っていたが、俺が何も言わないでいると恐る恐るといった様子で口を開く。

 

「奪って逃げたりしたら?」

「さて、どうなるんだろうな。それは実際にそうなった時のお楽しみだ」

 

 そう言う俺の顔を見て、メンテ親父は何を思ったのか真剣な表情で頷く。

 

「わ、分かった。その辺はしっかりと注意する。ただ、人を呼べばその分だけ値段も高くなるんだが……構わないか?」

「常識の範囲内なら構わないぞ」

 

 メンテ親父が一体どのくらいの人を呼ぶのかは、生憎と俺にも分からない。

 まさか10人、20人といったような事はないと思うけど。

 ……というか、MSのメカニック技術を持っているのが10人も20人もいるのか? というのがある。

 

「そうか。なら、こっちで手を回しておく。……それにしても、まさか一気にこれだけ稼いでくるとは思わなかったな。これはどうするんだ? オークションでも売るのか?」

「いや、修理したら以前のジェニスと同じように知り合いに渡す」

 

 実際には空間倉庫に収納するんだが、まさか空間倉庫について話す訳にいかないので、そういうカバーストーリーにしてある。

 

「そうなのか? ドートレスはともかく、セプテムはお前さんの乗っているオクト・エイプ程じゃないにしろ、高性能なMSなんだぜ? 売ればいい金になるんだが」

「稼ぐだけなら、それこそフリーのMS乗り何だからどうとでもなる。最悪、盗賊をやっているバルチャーを倒して装備品を根こそぎ奪って売ってもいいし」

「おいおい……」

 

 呆れた様子のメンテ親父だが、実際に盗賊狩りはかなりいい稼ぎになると思う。

 バルチャーだけに陸上戦艦やMSは持ってるのを、自分の物に出来るのだから。

 それにそういう連中を狩れば、普通の村や街が襲われるといったような事もない。

 何だか考えれば考えるだけ問題ないような気がしてきた。

 とはいえ、そんな真似をしているとそのうち盗賊喰いとか言われそうな気がする。

 

「基地の情報とかがあっても、フリーのMS乗りだとそういうのに参加するのはあまり稼ぎにならないしな」

 

 陸上戦艦の類がないから、持ち帰る事が出来るお宝は限られてしまう。

 俺には空間倉庫があるので、それを使えば問題なくお宝を持ち帰る事も出来るのだが。

 しかし、それを公開する訳にはいかない以上、どうしても人に言える事ではない。

 そうなると、やっぱり陸上戦艦の1隻でも持っていた方がいいんだろうが。

 だが、当然ながらそうなると艦長とか艦を運用する人材とかを用意する必要もあり、色々と面倒な事になりそうだ。

 やっぱりフリーのMS乗りの方がいいな。

 俺の秘密を知ってる奴となら……ああ、なるほど。

 ゲートを設置したら、ホワイトスターにいる面子と一緒にバルチャーをやってみるのもいいかもしれない。

 とはいえ、ロッソの部下も何だかんだと50人以上いたんだよな。

 ロッキー級を動かすのにそれくらいは必要なのだろう。

 そうなるとシャドウミラーの場合は量産型Wを使う事になる。

 人に見せられないのが問題か。

 

「兄ちゃん、どうした?」

「ん? ああ、いや。何でもない。これからの仕事について考えていたんだよ」

 

 そう、俺はメンテ親父に告げるのだった。

 

 

 

 

 

 それから俺は盗賊狩りをした……訳ではなく、フリーのMS乗りとして色々と仕事をする事になった。

 ロッソが俺を腕利きのMS乗りだと宣伝したことにより、結構な量の仕事も来るようになって、盗賊狩りをしている暇がなかったんだよな。

 とある村の護衛だったり……中には岩が移動出来ないからどうにかしてくれといったような依頼もあった。

 基地を見つけたということで、フリーのMS乗りとして雇われた事もある。

 そんな感じで1ヶ月程が経過し……初めての依頼が舞い込んできた。

 サン・アンジェロ市からそう離れていない場所……セインズアイランドという場所までの護衛。

 それが俺が請け負った依頼だった。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:1840
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1736

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