転生とらぶる   作:青竹(移住)

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3229話

 あれがサテライトキャノンか。確かにもの凄い威力だな。

 アルタネイティブ社のある方に向かって放たれた、圧倒的なまでのビームの一撃。

 バルジやリーブラの主砲と同じ……あるいはそれ以上の威力を持ってるのではないかと思えるような、そんな強力な攻撃。

 とはいえ……問題なのは、アルタネイティブ社にはフリーデンからオルバに連れ去られたティファがいる筈なんだが。

 そのティファの病気……病気か? いや、その辺については俺も詳しくはないものの、とにかくそんな状況を何とかする為にジャミルはロッソを始めとした仲間に連絡をした筈だ。

 だというのに、そのアルタネイティブ社のある方を攻撃してもいいのか?

 それ以外にも、何故か戦いの終盤になって登場した2機のガンダムがいる。

 フリーデンのサラからの通信によると、どうやらこっちの味方らしいが……ガンダムという戦力があるのなら、何故ロッソ達を呼んだんだ?

 ガンダムというのは、この世界において高性能MSの代名詞だ。

 ……いやまぁ、MSのある世界においてはどの世界でもガンダムは高性能MSの代名詞なんだが。

 ともあれ、それだけの戦力があったのに更にロッソ達を応援に呼んだのは……ガンダムだけでは戦力が足りないと思ったのか?

 それとも何か別の理由があったのか。

 いや、それよりも今はまずヴァサーゴだな。

 折角鹵獲したMSだが、場合によっては自爆装置とか、何らかのトラップの類があってもおかしくはない。

 ヴァサーゴもガンダムの1機で、それもベルフェゴールの後継機……つまり新型だ。

 そうである以上、シャギアも降伏をすると決めた時に何らかの対処をしてもおかしくはない。

 とはいえ、実はそこまでの心配はしていないのだが。

 シャギアは俺達に降伏するつもりだった。

 ……実際にはアルタネイティブ社の攻撃と思しき爆発で吹き飛ばされ、それをオルバの操縦するアシュタロンによって救出されたものの、本来であれば捕虜になっていた筈だ。

 そんな状況でこっちが欲しているMSをわざわざ破壊するといったような真似をしたらどうなるか。

 考えるまでもなく明らかだろう。

 そう思うが、それでもシャギアに降伏を促した時になかなかこっちの言葉に反応しなかった。

 その時にヴァサーゴのコックピットで何をやっていたのかはきちんと確認しておく必要があった。

 

「シーマ、取りあえず周辺の警戒を怠らないようにしてくれ。アルタネイティブ社の攻撃が今回の件で終わった……とは限らないしな」

『分かったよ。アクセルはどうするんだい?』

「確保したガンダムを量産型Wに預けてくる。自爆装置とかそういうのが仕掛けられている可能性もあるしな」

 

 量産型Wは、疑似経験と疑似記憶によって全員が様々な能力を持っている。

 そんな中でもメカニックとしての技量は、シャドウミラーとして活動する以上は必須のものだ。

 もっとも、その能力は一流ではあってもそれを越える能力は持っていないが。

 それでも一流である量産型Wが多数いるのは大きい。

 あの短時間で自爆装置を設定していたりした場合、量産型Wなら対処出来るのは間違いない。

 

『アクセルなら大丈夫だと思うけど、気を付けるんだね。……それで、新たにやって来たガンダムは味方だと判断してもいいのかい?』

「フリーデンの方からはそう言われてる。向こうが妙な真似をしない限りは、こっちも手を出すような真似をしないでくれ」

『分かったよ』

 

 そうして通信を終えると、俺はヴァサーゴを持ってテンザン級に戻っていく。

 格納庫に入ると、すぐに外部スピーカーで量産型Wに呼び掛ける。

 

「このMSは敵から鹵獲したMSだ。一応問題はないと思うが、自爆装置……あるいは何か罠の類があるかもしれないから、そういうのがないか注意しろ」

『分かりました』

 

 量産型Wはすぐに俺の言葉に頷く。

 それを確認してから、ヴァサーゴを量産型Wの指示する場所に置く。

 さて、一応外でのやり取りはシーマに任せてあるが、それでも向こうで何か問題があったのかどうかを確認する必要がある。

 シーマの性格を考えると、問題が起きないとも限らないし。

 ……さすがにそれはないか?

 そんな風に思いながら、俺は格納庫から出るのだった。

 

 

 

 

 

「うわ……まさかジャミルの言ってる事が真実だったとは思わなかったな」

 

 ベルフェゴールのコックピットでそう呟く。

 映像モニタには、建物の大半がサテライトキャノンで消滅している光景があった。

 そして消滅していない建物からは、1人の少女が姿を現す。

 オルバに連れ去られたティファだ。

 ヴァサーゴを渡した後で外に出ると、まずは色々と説明したい事があるが、ティファの安全を確認したいというジャミルの言葉に従い、フリーデンを含む全ての陸上戦艦でアルタネイティブ社のある場所までやって来た。

 ……ちなみにジャミルが俺と話したのはGXのコックピット。

 そのコックピットにはもう1人10代半ば男の姿があった。

 恐らくその人物がキッドが言っていたガンダム坊やなのだろう。

 何故そんな事になっているのかは分からない。

 無理にその件で突っ込むような真似をした場合、向こうに何故そのような事を気にする? といったように思われる可能性もあった。

 で、それとは別に最後の最後、戦いが終わった後でやってきた2機のガンダム。

 実はあのガンダム、元々フリーデンに雇われていたフリーのMS乗りだったらしい。

 ある意味、少し前までの俺と同じ立場だった訳だ。

 それがアルタネイティブ社を襲撃するという計画をジャミルから聞いて、それに反対してフリーデンから出ていったらしい。

 そんな状況で何でまた戻ってきたのかは分からない。

 一度は断ったが、それでも何か思うところがあったのか。

 それとも他に何か理由があるのか。

 それはともあれ、そうして2機のガンダムがいなくなった代わりに援軍を求めたのがロッソ達だった訳だ。

 ガンダム2機……可変型のエアマスターに乗ってるのがウィッツで、W世界のヘビーアームズと似たコンセプトのMSに乗ってるのがロアビィらしいが、その2人は自分達でフリーデンを助けるとやって来たのだが……その結果が、実際に戦場に到着したら既に戦闘は終わっていたという……居心地を悪そうにしていてもおかしくはないよな。

 ともあれ、そんな諸々の事情は軽く説明するだけにして、アルタネイティブ社のあった場所にやって来たのだが……

 

『青春ね』

 

 クリスの呟きが聞こえてくる。

 いやまぁ、これを青春と言ってもいいのか?

 見た感じだと、かなり物騒な青春なんだが。

 とはいえ、X世界は戦後世界だ。

 そう考えると、ある意味この物騒な青春というのは当然なのかもしれないな。

 ……さて、それはそれでいいとして、俺の方もこれからどうするのか考える必要がある。

 具体的には、テンザン級を擁するバルチャーとしてどう行動するのか。

 個人的には、フリーデンと一緒に行動したいと思う。

 しかし、それをどうフリーデンに説明するか。

 まさかフリーデンがこのX世界の原作の主要人物であるというのは、さすがに説得出来ない。

 だとすれば、ニュータイプであるというのを示した方がいいか?

 幸い……という表現はどうかと思うが、クスコとマリオンがいる。

 であれば、この世界についてのニュータイプを調べる為にというのであれば、ガンダムを有するフリーデンと一緒に行動してもおかしくはない。

 ただし、この世界のニュータイプというのはフラッシュシステムを使える者がニュータイプという認識だ。

 そしてクスコとマリオンはUC世界ではニュータイプではあるが、ベルフェゴールのフラッシュシステムを使うことは出来なかった。

 そうである以上、クスコとマリオンはニュータイプであるとは認識されない可能性がある。

 それにガンダムを持っているので、純粋にそれだけでも興味深い。

 その辺の事を考えれば、諸々でどうにかなりそうな気はする。

 

 

 

 

 

「今回の件は非常に助かった」

 

 フリーデンの会議室で、ジャミルがそう言って頭を下げる。

 会議室にいるのは、アルタネイティブ社との戦いの前にブリーフィングを行った時にいた面々にプラスして、ガンダム坊や……もとい、ガロード。そしてウィッツとロアビィの3人が追加された形となっている。

 ティファは残念ながら、現在フリーデンの医者の検査を受けているところなので、この場にはいない。

 

「よせよ、俺とロアビィは戦いに間に合わなかったんだ。そんな中で感謝の言葉を言われても、みっともねえだけだ」

「そうそう。いざって時にやって来たら……もう戦いが終わってるんだもんね。まさか、ジャミルにこんな強力な援軍がいるとは思わなかったよ。それに……こんな魅力的な人もね」

 

 そう言い、ロアビィは俺の隣に座っているモニクに視線を向ける。

 うーん……どうやらこうして見たところではロアビィは随分と女好きらしいな。

 ……いやまぁ、女好き云々って話だと、俺がそれに突っ込むような真似をすればお前はどうなんだと突っ込まれそうなので、俺からは特に何も言わないが。

 ただ、こうして見た感じではモニクはロアビィの視線を完全に受け流している。

 モニクにしてみれば、ロアビィは趣味ではないのだろう。

 

「正直なところ、私もアクセルが来るとは思わなかった。何しろ私が知っているアクセル・アルマーというのは、腕利きのフリーのMS乗りではあっても、テンザン級を持っていたり、あれだけの腕利きのMSパイロットを有していなかったしな」

「アクセル・アルマー……か。噂には聞いてるぜ」

 

 ウィッツが興味深そうに俺を見てくる。

 ウィッツとロアビィもフリーのMS乗りとして活動していたらしいから、同じフリーのMS乗りという事で俺の情報は知っていたのだろう。

 とはいえ、俺はサン・アンジェロ市を拠点にしていたので、ウィッツやロアビィとの接触は今までなかったが。

 情報のインフラの類も半ば壊滅しているこのX世界において、情報というのは口コミで広がる事が多い。

 あるいは、もっと積極的に情報を集めたいのなら情報屋を使うという手段もあるが。

 だが、俺の場合はわざわざ情報屋を使ってウィッツやロアビィの情報を集めるといった真似はしていなかった。

 ウィッツやロアビィの様子を見ると、フリーのMS乗りとしての俺の噂くらいは聞いていたらしいが。

 ……それでもテンザン級を使って、シーマを始めとした腕利きのMS乗りを多数抱え込んでいるという情報はなかったらしい。

 いやまぁ、テンザン級を入手したのはそんなに前じゃないし、それを使ってシーマ達を率いてバルチャーとして活動するようになったのは、本当に数日前といったところなんだから、その情報を持っていれば寧ろ俺の方が驚く。

 

「そうか。俺の噂を知ってるようで何よりだ」

「もっとも、俺が知ってるお前の噂はガンダムじゃなくて、オクト・エイプに乗ってるって話だったがな。……一体何がどうなってこんな状況になってるんだ?」

「簡単に言えば、連邦軍の基地を見つけたんだよ。それもちょっとやそっとじゃない、かなり巨大な。それを見つけて、モニクを始めとする他の仲間達を呼び寄せて、フリーのMS乗りじゃなくてバルチャーとして活動することにした」

 

 色々と端折った言い方だったが、嘘は吐いていない。

 

「そうなのか。じゃあ、あのガンダムもその基地で見つけたのか? ……何だかその……」

 

 何と表現すればいいのか、ウィッツは迷う。

 とはいえ、俺もその気持ちは分からないでもない。

 実際にベルフェゴールは色々と特殊な外見をしてるのは間違いないのだから。

 

「ゲテモノガンダムか?」

「あー……うん。お前が自分で乗っているMSをそんな風に表現するのはどうかと思うが、確かに言われてみればゲテモノガンダムというのが一番似合いそうだな」

 

 ウィッツのその言葉に、ロアビィも同意するように頷く。

 それだけではなく、ガロードもまた納得したように頷いていた。

 俺が付けた名前だが、何だか微妙な感じがするな。

 いやまぁ、それはそれでいいのかもしれないが。

 

「とはいえ、俺としてはベルフェゴールから鹵獲したヴァサーゴに乗り換えるつもりだけどな。……ヴァサーゴもベルフェゴールの後継機だから、ゲテモノガンダムと呼んでもおかしくはないのかもしれないが」

 

 ベルフェゴールのフラッシュシステムは、念動力か魔力か、はたまたそれ以外の要素なのかは分からないが、俺に適合してきているというのが技術班の意見だった。

 それは事実なのだろう。

 だが、フラッシュシステムがいつ完全に俺に適合するのか分からない以上、俺としてはその日を待ってる訳にはいかない。

 そんな中でヴァサーゴを入手したのだから、そちらに乗り換えるというのは当然だった。

 ……まぁ、そのままというのはちょっとどうかと思うから、色々と改修はしたいところだが。

 そんな風に考えていると、不意に部屋の扉がノックされ……ティファが姿を現す。

 

「ティファ!」

 

 ガロードがティファの名前を呼び、ティファもまたガロードを見て嬉しそうにし……だが、次の瞬間半ば反射的に俺の方を見ると、その顔に恐怖を浮かべるのだった。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:1910
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1750

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