転生とらぶる   作:青竹(移住)

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3248話

 襲ってきた連中は、その多くが死んだ。

 セプテムのパイロットのように偶然にも生き延びることが出来たといった者もいたが、その数は決して多くはない。

 ただし、それはあくまでもMS乗りを相手にしての話だ。

 ロッキー級を動かしていた面々は、MS隊が撃破されたことによって自分達に勝ち目がないと判断し、大人しく降伏した。

 そして、セプテムのパイロットが言っていた内容……『話が違う』というその言葉が少し気になったので、黒い三連星によって尋問をして貰う事になった。

 最初はモニクがやると言っていたのだが、相手はバルチャー……しかも大半が男だ。

 モニクに尋問をさせた場合、間違いなく甘く見てくるだろう。

 それでもモニクの性格なら足に銃弾を1発くらい撃ち込んで、尋問を成功させてもおかしくはないのだが……それなら自分達がやった方がいいとガイアが主張したのだ。

 まぁ、その気持ちは分からないでもない。

 外見が気の強そうな美人のモニクとは違い、ガイア達は見るからに荒くれ者といった印象を受ける。

 ……実際、ジオン軍にいた時もキシリアの配下の特務小隊として活動していたのだが、その性格から他の軍人と上手くいかないというのも、特務小隊となっていた理由だったのは間違いない。

 ましてや、ガイア、オルテガ、マッシュの3人は全員が強面だ。

 バルチャーの尋問をやるのに、これ以上優れた存在はないだろう。

 いざとなれば、狛治を召喚して……とも考えていたのだが。

 狛治は角だったり翼だったりがあるので、初めて見る者にしてみれば間違いなく驚く。

 まぁ、捕らえられたバルチャー達だけではなく、ガイア達を含めてUC世界から来た者達も驚くだろうが。

 ともあれ、結局ガイア達の尋問は成功したのだが……

 

「俺達にあの基地の情報を売った情報屋じゃなかったのか」

 

 てっきり、襲ってきたバルチャーはあの基地の情報を俺達に売った情報屋から俺達の情報を流されて襲ってきたのだと思っていた。

 だが、その予想は完全に外れてしまった形だ。

 

「ああ。襲撃するように話を持ちかけたのは、聞いた限りだと全く別人だ」

 

 そう言い、ガイアの口から出たその男の特徴は……身長180cmくらいのオールバックの髪型をしている、顔立ちの整った自信家の男。

 それを聞いた俺は、すぐにそれが誰なのかを予想出来てしまう。

 シャギア・フロスト。

 俺が乗っているヴァサーゴの、元パイロット。

 勿論実は特徴が似ているだけの別人という可能性も否定は出来ない。

 出来ないが、このタイミングを考えると恐らくシャギアで間違いないだろうと思える。

 だが、何でこんな真似をする?

 

「自分のMSをアクセルに奪われたんだから、何とか仕返しをしたいと考えてもおかしくないんじゃない?」

 

 呆れたようなクリスの言葉に、話を聞いていた他の面々も同意するように頷く。

 なるほど、言われてみればそうかもしれないな。

 だが、俺はまだシャギアという人物の性格についてはあまり知らないが、仕返しの為にここまでやるのか? という思いがある。

 正面から戦いを挑んでも、俺達に勝つのは無理だと知ってるからか?

 ヴァサーゴを奪われている今、シャギア達に残っているのはアシュタロンだけだ。

 いや、正確にはドートレスやジェニスといったMSはあるだろうが、それらは俺達にとって敵ではない。

 アシュタロンが出て来ても、ぶっちゃけ俺の前にまで到着出来るかどうかというのは正直分からないし。

 純粋に機体の性能なら、アシュタロンはガンダムだ。

 そうである以上、性能が上がったとはいえ、オクト・エイプよりも上の可能性が高い。

 だが、それはあくまでも機体性能だけの話だ。

 パイロットの操縦技術をそこに加味すれば……更に腕利きが多数揃っているこっちにしてみれば、アシュタロンが攻めて来たところで撃退するのは難しくない。

 それどころか、撃破したり鹵獲したりといった真似も可能だろう。

 だからこそ、こうした真似をしてもおかしくはない。おかしくはないのだが……違和感がある。

 

「シャギアが嫌がらせの為だけにこんな真似をする……か?」

「そう言われても、あたし達はそのシャギアという男の事を知らないんだから、何とも言えないわよ。アクセルの目から見て、そういう真似をするような相手に思えるのかい?」

「どうだろうな」

 

 シーマの言葉にそう答える。

 この場にいる中で、シャギアと直接――通信でだが――会話をしたのは、俺だけなのは間違いない。

 だが、それでも実際に会話をした時間は短い。

 それも戦闘中の出来事であると考えれば、その短い会話だけで性格の全てを理解しろという方が無理だろう。

 

「私達をフリーデンの方に行かせないようにしてる……というのはどう?」

 

 マリューのその言葉に、なるほどと納得する。

 オルバがティファを連れ去ったという事を考えれば、ティファのいるフリーデンにシャギアやオルバがちょっかいを掛ける可能性は否定出来ない。

 そしてアルタネイティブ社の件で俺達が強い……それもちょっと強いといった程度ではなく、圧倒的な強さを持っているというのは、向こうも理解している。

 だとすれば、フリーデンにちょっかいを掛けている可能性は高い。

 

「どうするの?」

 

 クスコのその問いに、すぐに口を開く。

 

「向こうに行く。とはいえ、問題なのはフリーデンが具体的にどこで探索をしてるのかを知らないんだよな」

 

 俺から見れば、フリーデンはこのX世界にとって中心となる場所という認識だ。

 しかし、それはあくまでも俺から見ればの話で、フリーデンにしてみれば俺をそこまで完全に信じるという真似は出来ない筈だ。

 ましてや、俺達が異世界から来た存在だというのもあるだろう。

 戦後世界のこのX世界でバルチャーとして活動するのを考えると、ある意味でそれが当然の認識なのかもしれないが。

 

「場所が分からないのなら、フリーデンと合流するような真似も出来ないんじゃない?」

「そうだな。……サン・アンジェロ市に顔を出してみるか。あそこなら俺も知り合いが多い」

 

 ゲートを設置する前、フリーのMS乗りとして活動していた時、俺はサン・アンジェロ市を拠点としていた。

 そのおかげで、サン・アンジェロ市において俺はそれなりに有名だったりする。

 他のフリーのMS乗りよりも安い金額で仕事の依頼を受け、しかもその仕事は100%達成してきたのだから、当然だろう。

 ……安い金額で仕事を受けたという事で、俺を恨む奴もいたのは否定しないが。

 ともあれ、サン・アンジェロ市なら俺の知り合いも多い。

 そうである以上、フリーデンの情報を入手出来る可能性もあった。

 ロッソとかがいてくれれば、もっと大々的に情報を集められるんだが。

 

「でも、今から移動するには時間がかかるんじゃないの?」

「あら、クリスはアクセルの事を知ってるようで知らないのね。アクセルには転移魔法があるのよ? それを使えば、サン・アンジェロ市まではそんなに時間を掛けずに……というか、一瞬で移動出来るわよ」

 

 ミナトのからかうような言葉に、少しだけ悔しそうな様子を見せるクリス。

 とはいえ、UC世界で活動している時に、影のゲートは……いや、それなりに使ったか?

 まぁ、1年戦争中はルナ・ジオンの建国だったり、その後の諸々であったり、色々とあったしな。

 それを思えば、もし影のゲートについて知っていてもすぐに思い出せないと言うことはあってもおかしくはない。

 

「任せろ。サン・アンジェロ市にだったら、すぐに行ける。正確にはサン・アンジェロ市の中に移動するといった真似は出来ないけどな」

 

 テンザン級がいきなり街の中に現れれば、間違いなく騒動となる。

 そうならないようにする為には、サン・アンジェロ市から少し離れた場所に転移し、そこからサン・アンジェロ市に向かうというのが最善だろう。

 

「その前に、降伏した人達はどうするんですか?? このまま解放するのでしょうか?」

 

 マリオンのその言葉に、当然といった様子で俺は頷く。

 

「こっちを殺そうとしてきた連中だ。いっそ殺してしまった方が手っ取り早いんだろうが……生かして帰すか」

 

 殺しても構わないとは思う。

 しかし、悲しそうな表情を浮かべているマリオンの様子にそう告げる。

 とはいえ、別に殺す必要がある訳ではない。

 生きて帰しても、殺しても、正直なところどちらでもいい。

 殺してしまえば面倒がなくなる。

 生かして帰せば、俺達に下手に手を出すとどうなるのかという情報を広める事によって、余計な手出しを出してくる奴が減るというのは利益だろう。

 それに、人口の99%が死んだX世界において、その人口を更に減らすというのは……いやまぁ、今まで俺はそれなりに殺してきたし、そう思えばこの決断はそこまで間違いではないのかもしれないが。

 

「そうね。MSとか陸上戦艦とか、そういうのはこっちで奪うんでしょう? なら、またバルチャーになったりしない……とは限らないけど、それでもまたバルチャーになるにはMSとかを用意するのは難しいでしょうね」

 

 そう告げるマリューの言葉で、捕らえた者達をどうするのかは決まるのだった。

 これがファンタジー世界とかなら、奴隷売買とかそういうのをやってるので、そっちに奴隷として売り払うといった選択肢もあるんだろうが。

 あ、いや。でもX世界は戦後世界だしな。

 もしかしたら、そういう奴隷を扱っているところもある可能性はある……のか?

 とはいえ、ファンタジー世界によくあるような奴隷の首輪とかは、当然この世界にはない。

 ネギま世界の魔法界には、その手の魔法はあったが。

 ともあれ、そういうのがない以上、もし奴隷として扱うにしてもすぐに逃げられたりしかねない。

 足首に鉄球が繋がっている鎖でもつけておくとか?

 やっぱりそういうのはちょっとこの世界には合わないよな。

 

「じゃあ、そんな感じで頼む。ただ……ここから戻るにも歩いてとなると厳しいだろうから、車とかの移動手段は少し渡してやってくれ」

「あら、随分と寛大ね。アクセルの事だから、歩いて移動しろと言うかと思ったんだけど」

 

 俺の言葉に、意外そうな様子で告げたのはミナト。

 ミナトにそんな風に言われるってのは……俺は一体どういう風に思われているんだ?

 いやまぁ、それを聞けば後悔しそうなので止めておくが。

 後悔というのは、後で悔やむと書いて後悔だ。

 後で悔やむかもしれないのなら、それについては最初から気にしないでおいた方がいいのは間違いない。

 

「せっかく生かして返すと決めたんだから、多少はな。歩いて移動している途中で、他のバルチャーに遭遇したりしたら、生かして帰した意味がないだろ?」

 

 それに、シャギアと思しき相手に雇われて俺達を……何も知らなければ、善良なバルチャーを襲うなんて真似をする連中だ。

 色々な相手から恨みを買っている可能性は十分にある。

 もし移動中にそのような相手に遭遇してしまったら、間違いなく死んでしまうだろう。

 そのようなことにならない為には、素早く移動する手段は必要となる。

 武器の類は……どうだろうな。

 渡した場合、こっちに攻撃をしたり、人質を取ったりと妙な考えを起こしそうだ。

 量産型Wや精霊の卵のエルフ達は、シャドウミラー基準で考えた場合でもそれなりの強さを持っている。

 しかし、それに比べるとUC世界から来た者達は違う。

 黒い三連星やシーマは戦闘慣れ、喧嘩慣れをしているだろう。

 しかし、バルチャー達も戦闘慣れという意味では相応の経験があるのだ。

 そしてマリオンのように生身では決して強くない者もいる。

 もしマリオンに手を出そうものなら、オルテガが怒り心頭になるだろうが。

 面倒な事にならないようにする為には、やはり武器を渡すのは止めておいた方がいいだろう。

 

「武器の類は渡さなくてもいいか」

「そうね。妙な事を考えても大変だし」

 

 マリューが俺の言葉に賛成するようにそう言うが、マリューって実は生身での戦闘であってもバルチャー全員を簡単に制圧出来る程度の力は持っているんだよな。

 この場合のバルチャー全員というのは、それこそ銃火器の類を持っている連中でもだ。

 

「じゃあ、そういうことで話は決まったな。バルチャー達を解放して、バルチャー達の使っていたロッキー級やMSの類を確保したら、サン・アンジェロ市に影のゲートで向かう。異論がある者は?」

 

 一応そう尋ねるも、誰も反対はいない。

 シャギアによっていいように操られているのが面白くないのだろう。

 もっとも、だからこそこっちにも対処のしようがあるのは間違いないのだが。

 

「じゃあ、早速行動に移るとするか。シャギアが……あるいはシャギアの背後にいる組織が何を企んでいるのかは、分からない。ただ、フリーデンにちょっかいを出してるのは確実だろう。なら、その企みを潰して悔しがらせてやるとしよう」

 

 その言葉にも、当然誰も反対はしなかった。

 ちなみに基地でマリオンが見つけたと言って俺に渡してきたのがGX用のGコンだったんだが、これは一体どうすればいいんだろうな。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:1910
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1750

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