モンスターと共にハンターの頂点を目指す!   作:鼠岌 令獅隴
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どうも。新しく始めます。


出会いから成長までの軌跡
1.黄金の雄翼


俺たちの祖先の話をしてやろう。

いいか。よく聞くんだぞ?

 

俺たちの祖先は、ハンターだったんだ。

でも、ただのハンターじゃない。

 

『モンスターと共に』狩りをするハンターだったんだ―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このクエスト、お願いします」

「はい! 畏まりました!」

 

集会所でクエストの受注を済ます上位のリオレウス装備を着た若いハンター。

名前を『レミル』と言う。

 

青髪の細マッチョな体型で、

顔立ちも良い。

男性女性問わず人気の高い最近名を上げたハンターだ。

 

名を上げた原因の一つとしてあげられるのが、

やはり『裸一貫で古龍種、『ダレン・モーラン』を撃退した』と言うことだろう。

 

その後彼は驚異的なスピードで昇進していき、

現在のハンターランクは6だ。

 

 

そして、彼が今回受けるクエストは上位☆6の

ブラキディオスの狩猟。

これが終わればギルドマスターもHR7への昇格クエストを出してくれると言う。

 

しかし彼はまだ知らない。

このクエストが切っ掛けで、ただのハンターじゃない道を歩むことになるとは。

 

 

 

  ~レミル、移動中~

 

 

 

「制限時間は50分ニャ。それじゃ、頑張って下さいニャ」

「おう。ありがとう」

 

送ってきてくれたアイルーの言葉にお礼を返すと、

彼は地底火山に向かって歩き出す。

 

地底火山の方からは狩猟対象のブラキディオスが起こしたであろう

爆発音が聞こえてくる。

 

 

「鳥竜種と小競り合いでも起こしたのか……?」

 

 

 

 

彼は不審に思いながらも地底火山の奥部へと足を踏み入れる。

爆発音はどんどん近くなっていく。

そして、見つけた。

 

「ッ!? なんだあのモンスターは!?」

 

全身が棘の鱗のようなもので覆われており、

頭からは鋭利な刃物のような角が生えたモンスター。

それが、狩猟対象のブラキディオスと対峙している。

 

「キィィ……」

「グルルルル……グアッ!!」

 

ブラキディオスが棘のモンスターに襲い掛かる。

しかし、棘のモンスターはその場から動かない。

否、動けないのだ。

 

「まさか……後ろにいるのは子供か!?」

 

 

「キィィッ!!」

 

「グルアッ!!」

 

 

―――ズドンッ!! ドカンッ!! ズドォォン!!

 

 

そして、同時に彼は今目の前にいるブラキディオスの事も気が付く。

 

「あのブラキディオス……本当に上位か……?」

 

 

上位のブラキディオスにしては動きが早い。

しかも、見たこともない攻撃技を使ってくる。

いやでもしかし、ギルドには上位と書いてあった。

 

「………………これが上位の……ブラキディオスか!!」

 

彼は改めてハンターと言う職業がいかに命の危機と隣り合わせなのかを実感した。

そして、その時は来た。

 

「キィィィィ……」

「グルァァァァァ!!!」

 

親の棘モンスターが倒れた。

後ろの子供はカタカタと震えている。

それもそうだろう。

親が目の前で殺されたのだ。

 

彼は、自然界で生きる事の難しさをまた改めて感じた。

 

 

 

あの親子はここで死ぬ運命だったのだ。

 

そう割り切ろうと思ったその時。

 

 

 

子供の棘のモンスターと目が合った。

 

決して言葉なんか通じない。

そんなこと分かってるのに。

 

彼は感じ取った。

 

 

『助けて』

 

 

 

気が付いたら、彼はその子供を抱えて走っていた。

 

 

 

自分が今どれほど危険なことをしているのかは分かっている。

でも、自分の心の奥底で沸く感情には逆らえなかった。

 

 

『助けられる命を助けなくてどうする』

 

 

後ろからはブラキディオスがすごい剣幕で追いかけてくる。

子供の棘のモンスターは彼の腕の中でまだ小刻みに揺れている。

しかし先ほどよりかは安心しきった様子で落ち着いている。

 

 

「グルァァッ!!」

 

 

ブラキディオスが自身の粘菌を活性化させて飛び掛かってくる。

 

 

「危なっ!!」

 

彼はそれをギリギリで躱すと、エリア1の上にあるベースキャンプまで急ぐ。

この世界はゲームなんかと違い、モンスターはベースキャンプ以外ならどこまでも追いかけてくる。

 

 

 

彼は子供を抱えながら片腕で崖を上る。

下からはブラキディオスが登ってくる。

 

「グアァァッ!!」

 

 

崖が爆発し、崩落する。

しかしそれを好機とみた彼は、その落ちてくる岩に飛び乗り、

跳躍。

 

そのまままた崖に捕まり、ベースキャンプへと帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここまで来ればもう大丈夫。恐かったな」

 

彼はいつ襲い掛かってくるとも分からない棘のモンスターに向かって優しく語り掛ける。

すると驚いた事に棘のモンスターは敵対するどころか、

顔を彼に擦り付けて眠ってしまった。

 

「キュー……キュー……」

 

規則正しい寝息を聞いていると、

彼の心も安らぐ。

 

 

しかし、この子供の棘のモンスター、改めて見ると所々怪我をしている。

彼はポーチから回復薬を取り出すと、眠っている棘のモンスターに飲ませた。

 

 

「グググ……キュー……」

「染みるか? もう少し頑張ってな。

……しかし、どうするか……この子……。ギルドに見せてもいいものなのか?

あ。そうだ。団長に見せてみよう」

 

実は彼はとある旅団に所属しており、

世界各地を歩き回っているのだ。

 

そして、彼の言う団長とは、彼が所属する旅団の団長の事だ。

本名は不明。

聞き出そうとすると、話を逸らされるのだ。

 

 

おっと。こちらも話が逸れたな。

 

 

彼は、この棘のモンスターを、その信頼できる旅団の団長に見せようと言うのだ。

無謀に見えるが、団長ならば最善を尽くしてくれる。

そう直感で感じたから。

 

 

「そうと決まれば!」

 

 

彼はクエストをリタイアし、

ネコタクで帰った。

 

 

 

そして、ギルドにて。

 

 

 

 

「レミルさん! 申し訳ございませんでした!!」

「へ? 何が?」

「レミルさんが受注されたクエスト、実は大老殿に送るはずだったG級のクエストでして……」

「………………そうか。どうりで……」

「本当に申し訳ありませんでした!! ……あの、それと、一つ聞きたいのですが……」

「ん? 何だ?」

 

「その腕に抱えている黄色いモンスターは……?」

 

 

受付のお嬢にそう言われた途端、急に周りのハンターの視線が集まる。

 

「おいおいおいおい。モンスターに情でも移っちまったのか?

幻滅したぞ? 若手のルーキー君」

「おい……嘘だろ? こいつある地方にしかいないレアなモンスターの幼体じゃねぇか!!

いい餌を持ってきてくれたじゃねぇかよ! おい! そいつ寄越せ!」

 

彼よりハンターランクが上の人たちに絡まれ、

立ち往生していると、一人の屈強な人が現れた。

 

 

「おいテメェら……誰の許可を得て俺の一番弟子に罵声浴びせてんだ? アン?

こいつに罵声を浴びせると言うことはこいつを一番弟子に取った俺に罵声を浴びせているのと同等。

お前ら、俺とやるのか……?」

 

「ア、アベルさんっ!! ま、まさかぁ……なぁ、お前ら……」

 

 

この屈強な男性は彼の師匠、『ウェルキュール・アベル』である。

この辺りで唯一のG級ハンターである。

彼にハンターとしてのノウハウを教えたのもこの男性である。

 

「師匠……!」

「レミル……何か訳があるんだろうが、まずは団長に報告しとけ。

話はそれからだ。お前ら。道を開けろ」

 

 

アベルがそう言うと君たちの世界で言う『モーゼの十戒』のように道が開いた。

 

「悪ィなお前ら。さぁ。早く行け。レミル」

「あ。はい! 有難うございます!」

「フン。感謝なんかいらねぇよ」

 

 

彼はペコリと頭を下げ、道を歩いて行った。

 

 

余談だが、彼の腕の中にいた棘のモンスターも一緒に頭を下げていたらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………成程。それでコイツを連れて帰ってきたと……」

「はい。この子は俺たちとも敵対する気がないようだし、一緒にいても大丈夫だと判断しました」

「はァ……そいつを、お前の手で狩れと言ったら、できるか?」

「ッ! で、できません……」

「なら、ダメだ」

「な、何故!?」

 

団長は鋭い目付きで彼を見る。

そして、こう続ける。

 

「もしそいつが自我を無くして暴れまわってみろ。

一番被害が出るのは俺たちだ。もしその時アベルが居たら別だが、

基本は家のハンターはお前さん一人。その時、お前はそいつを狩れるか?」

 

彼は腕の中にいる棘のモンスターの顔を見る。

くりくりとした目に、黄色ではなく黄金に輝く体。

到底これが襲い掛かるなんて思えない。

そんな事を彼が考えていると、

 

「そいつはなァ、『セルレギオス』と言って、

普段は火竜の巣なんかを堂々と荒らしたりする獰猛なヤツなんだ。

それを、幼い頃から調教したって、本能は変わらない。

いつ襲い掛かってくるか分からないんだ。言うならば、ラージャンに30cmまで近づく

ようなもんだ。万が一襲い掛かってこなくたって、それが保証できるまではギャンブルだ。

そんな大タル爆弾Gを抱えて旅を続けるわけにもいかない。だから、ラージャンならば

氷の武器。大タル爆弾Gなら水。と言うように、ストッパーが必要なわけだ。それが、お前さんだ」

 

 

俺がこの子のストッパー……

 

 

そんなことできるのか?

いや、俺ならできる。

本当に?

 

 

と彼は自問自答を繰り返す。

そして、彼は腹を括った。

 

 

「………………やります。もしもこの子が暴れた時は、

俺がやります。氷の武器にも、水にもなります。

だからこの子を飼わせてください。このまま見放せません」

 

 

そう言うと、団長の目付きが今までのものへと変わった。

 

「よォし! その意気だ! そうこなくっちゃなァ! 我らのハンターは!」

 

 

団長は豪快に「ワハハ!!」と笑うと、酒を飲みほした。

そして、こう言った。

 

「そいつを飼うんだったら、そいつと一緒に最強のハンターになって貰わなくちゃなァ!」

「………………えぇ!?」

「キュウ!?」

 

 

彼と棘のモンスター……否、セルレギオスが同時に反応する。

この二人、案外相性がいいのかもしれない。

 

「そうと決まれば、まずはギルマスに報告だな!」

 

 

そう団長は言うと、彼の腕を引っ張ってギルドの方に歩いて行った。

そして、それを見るめる影が二つ。

 

 

「あの人、モンスターとハンターをやるそうですね……」

「あの人となら、私たちも……!」

 

 

ジャギィ装備の二人組は団長と彼のことを追いかけてギルドへと入っていく。

 

彼らは双子のハンター、『ゴール』と『シルバ』。

後に、『モンスターハンターの一番弟子たち』と呼ばれる、

以外と凄いハンターの『卵』だったりする。

 

そう。まだまだ修行中なのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フム。成程。お主が言うのならば信用しよう。

それ、史上初の『モンスター(と狩りをする)ハンター』の誕生じゃ」

 

「わっはっは! いい称号じゃないか!」

「なんか、()が付くとダサい気が……」

「ピギュウ……」

 

 

 

 

こうして、彼とセルレギオスのハンター生活が幕を開けたのだった。

 

二人の冒険はまだ始まったばっかり……

 

 

 

          ~To be dontinued~

 




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