ペルソナ4 やはり俺がコミュを築くのは間違っている。   作:雪乃 宿海

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八幡初ベルベットルーム回です。
イゴールの話し方とても難しい。


3日目

4月12日~4月13日

 

 

変な夢だ。

 

そこは青い豪華な部屋、長鼻の男、青い服の女。

そして、窓から見える景色は霧に包まれている。

男は口を開いた。

 

「ようこそ我がベルベットルームへ。」

 

知らない場所だ。

 

「ベルベットルーム?俺はこれから異世界転生でもするのだろうか?」

「おや、お忘れですかな?貴方は一度もう既にこの部屋に来られている。貴方がこの町に来る途中で一度お呼び立て致しております。どうですかな?」

 

血走った目の男はそういった。

え、この街に来る途中?

この人今そう言ったよね。俺全然覚えていないんだけど。見た目すごい怖そうだしなぁ。もう1回教えてくれるのかなぁ。ダメもとで聞いてみるかぁ。

「すみません。この部屋はなんで、俺は一体どうなるんですか?」

よし聞いたぞ!俺はやってやったぞ!

男は笑顔で答える。

「やはり、お忘れになられたのですな?ここはベルベットルーム。夢と現実、精神と物質の狭間にある部屋。そして貴方は私共のお客様。別に何も致しませぬよ。私共はあなたの旅路のお手伝いをさせていただきます。どう言ったものかはそのうちすぐお分かりになられると思いますぞ。」

「そのうちってなんですか。」

「そのうちはそのうちです。では、約束通りこちらを。」

男が渡してきたのは紙とペン、そして鍵だ。

 

今まで黙っていた女が口を開く。

「そちらの紙にサインを。鍵の貸し出しの契約書でございます。」

え、過去の俺何をしたんだよ。今の俺がやばい契約しそうになってんじゃねえかよ。

どうしてくれんだ、後で請求とか来たら。

ふざけんな。

「怪しい契約書にはサインをしちゃいけないって母ちゃんに言われてまして…」

「大丈夫、決して損などは致しません。契約内容に目を通して頂ければお分かりいただけると」

契約内容はこうだ。

 

1つ目、鍵の存在を知られないこと。

2つ目、部屋の存在を知られないこと。

3つ目、鍵は旅の終了時必ず返すこと。

4つ目、旅の中で絆を育むこと。

5つ目、真実に到達すること。

 

以上の5つだった

夢とは不思議なものでまるで今が現実かのように意外とすんなり理解してしまうものだ。

どうせ夢なのだ、サインをしても変わらない。と俺はサインをした。

 

「ご契約ありがとうございます。最後に僭越ながらお客様の旅の運勢を占わせて頂きます。」

そう言って男がおもむろに懐から取り出したのはタロットカード。何故占う必要があるのかは分からないが、これでこの夢が終わるんだから占われるしかないだろう。

 

「お客様の旅路について、過去、現在、未来の3点を占わせて頂きます。まずは過去、悪魔の正位置。こちらは悪魔の囁きによる堕落や誘惑を表しております。お客様は過去に酷い裏切りに遭われたのでしょう。次に現在、隠者の逆位置。こちらは閉鎖的に自分の殻にこもってしまう事を表しております。普段のお客様は人を避けていらっしゃる。これは過去の出来事が原因かもしれませぬな。では最後に未来を、死神の正位置。これは物事の終わりを表しております。ふむ、何事にも終わりは付き物です。終わる時と言うのは諦めも肝心ですぞ。」

 

えぇ、俺最後どうなっちゃうのぉ…だが、

「意外と当たるもんなんですね。未来はともかくとして、過去と現在はあながち間違いでは無いですね。まぁ、俺の夢だし当たり前か。」

 

夢というのは記憶の整理作業だとどこかで聞いたことがあある。この占いもきっとそれの一つで、未来に関しても新生活の不安の表れだろう。まさか、俺の頭の中にこんな爺さんと無口な女が居るとは思わなかったがな。

 

「おや、まだこの部屋が夢だとお思いですか?現実の貴方は深い眠りについておられるが…まぁ、いいでしょう。そのうちお分かりになるはずです。そして占いに関しても、一つ。占いは致しましたが、旅の行く末はお客様の努力次第でございます。お客様が絆を育むことで幾千とも、幾万とも未来は分岐致します。その事を努々お忘れなきようお願い致します。」

夢ではないと言われつつも気が薄れていくのが分かる。

そろそろ夢から覚めるのか。

「最後に、申し遅れました。私の名前はイゴール。」

「従者のマーガレットでございます。」

「以後お見知り置きを」

そうして俺の意識が完全に薄れてなくなった。

 

4月13日:曇

変な夢を見た。

 

そこは少し慣れ始めた新しい自分の部屋で、隣には八雲、反対側には上行。窓の外は曇りだ。

俺は口を開く。

 

「知ってる天j…ゲフッ」

 

なんでまた起きたら足が飛んでくんだよ。




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