ソードアートオンライン:ユニコーン   作:ジャズ

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どうも皆さん!ジャズです。
では、フェアリィ・ダンス編第二話、スタートです!


第二十四話 妖精の世界

2025年1月11日

 

その日、和人は妹の直葉をつれて川越市駅に来ていた。理由はとある人物と待ち合わせをするためだ。

 

和人「あ、来た!」

 

和人は向こうから歩いてくる人物に気がつき、手を大きく振る。

 

和人「おーい!明日奈!」

 

明日奈はこちらに気がつくと、笑顔で駆け寄ってくる。

 

明日奈「こんにちは、和人くん。待った?」

 

和人「いいや、俺たちも今来たばかりだから……そうだ、紹介するよ」

 

そう言って、和人は直葉の方を見て、

 

和人「俺の妹の、《桐ヶ谷直葉》だ」

 

直葉「あ、は、初めまして!桐ヶ谷直葉と言います!」

 

明日奈は優しく微笑んで

 

明日奈「こんにちは。《結城明日奈》です。よろしくね、直葉ちゃん」

 

直葉「こ、こちらこそ!あの、えっと……SAOでは、二人の兄が本当にお世話になり……」

 

直葉はかなり緊張した様子で、かみかみで挨拶をする。

 

和人「スグ、落ち着けよ。そんなに緊張する必要はないぜ?」

 

明日奈「そうそう。それじゃ、早速行きましょうか?」

 

和人「ああ!」

 

そう言って、和人たち三人は並んで歩き出した。

駅の大通りを抜け、しばらく歩いていると雑然とした裏道に入る。

 

ちなみになぜこの場に直葉がいるのかと言うと、昨日エギルから届けられた画像を直葉にも見てもらったからだ。

バナージは和人の家族なので、妹の直葉に黙っておくわけにはいかないと思ったので、家に帰るとすぐに例の写真を見せた。直葉はこれを見た途端、「ALOの中だ!」と叫んだ。

 

詳しく話を聞くと、どうやら直葉は和人たちがSAOに囚われたのを機に、《自分も仮想世界を知りたい》と考え、当時SAOに次ぐ人気作となっていたVRMMORPG《アルブヘイム・オンライン》、通称《ALO》を始めたんだとか。

和人は最初こそ直葉がゲームをやっていることに驚いたが、もしこの写真に写っている人物がバナージで、それがALOの中だと言うのなら、その世界を詳しく知っている直葉に協力を仰げると考え、この場に同行してもらったのだ。

 

そして、少し寂れた裏通りを通っていくと、「Dicey Cafe」という看板のついた一軒の喫茶店兼バーへと辿り着く。

 

明日奈「ここなんだね……」

 

和人「ああ」

 

直葉「あ、あたし初対面だけど…うまくやっていけるかな……?」

 

和人「大丈夫だって!みんな優しくていい奴ばかりだ。すぐに打ち解けられるさ」

 

そう言って、和人は早速ドアを開ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには、和人のよく知る人物達がいた。

 

???「あっ、来たぁ!!」

 

店に入ってきた和人たちに気づいたのは、かつてSAOで《絶剣》と呼ばれたトッププレイヤーの《ユウキ》こと《紺野木綿季》だ。

 

???「遅いわよ、あんた達!!」

 

と、腕を組みながら姉御口調で言ってくるのは、SAOで鍛冶屋を営んでいた《リズベット》こと《篠崎里香》。

 

???「待っていましたよ、キリトさん、アスナさん!」

 

ユウキよりも少し年下のツインテールの少女はSAOでバナージが助けたビーストテイマーの少女、《シリカ》こと《綾乃珪子》。

 

???「久しぶりだね、二人とも!!」

 

奥のテーブルに座る、首元までのストレートの長髪に涙ボクロが特徴的なのは《サチ》こと《真田千尋》。

 

???「また会えたね!キリト!」

 

オレンジの髪が特徴的なのはSAOでトレジャーハンターだった《フィリア》こと《竹宮琴音》。

 

明日奈「みんな!全員来てたのね?!」

 

里香「あったりまえじゃない!」

 

木綿季「だって、バナージに何かあったんでしょ?放っておくなんてことできないよ!」

 

珪子「バナージさんのことを聞いて、居ても立っても居られなくて……」

 

千尋「SAOではバナージには何度も助けられたからね…だから、今度は私たちでバナージを助けないと!」

 

和人「みんな……ありがとう!」

 

和人は、協力してくれると言うみんなに頭を下げた。

すると、

 

琴音「で、和人。その子は……?」

 

和人「え?ああ、そうだ!紹介するよ。俺の妹の……」

 

直葉「《桐ヶ谷直葉》ですっ!よろしくお願いします!!」

 

直葉は名乗ると同時にぺこりとお辞儀をした。

 

琴音「へぇ〜!キリトに妹がいたんだぁ〜!」

 

琴音が意外そうな顔でそう言う。

 

里香「あんた達も隅に置けないわねぇ〜?こんな可愛い妹を置き去りにしてSAOに来るなんて〜?」

 

里香がニヤニヤと笑いながら和人に肩を組んでくる。

 

和人「あ、いや……それは悪かったと思ってるから!」

 

そんな和人たちを見て自然と周りからは笑顔が溢れていた。

すると、店の奥から一人の男性が現れる。

 

???「…お?どうやらみんな揃ったみてぇだな?」

 

出てきたの は肌黒い巨漢の男性。

SAOで商人兼重戦士をやっていた《エギル》、そしてここ《ダイシー・カフェ》のオーナーでもある《アンドリュー・ギルバート・ミルズ》だ。

ちなみにエギルにはもう直葉のことは紹介済みだ。

 

エギルの登場に、皆は真剣な顔になる。

 

エギル「…俺が送ったメールはもう、見てくれたと思う。まあ、お前らはその写真を見て集まったんだろうが……」

 

和人「…エギル、教えてくれ。この写真は一体何なんだ?」

 

和人が問うと、エギルは手招きして俺たちをバーカウンターに集める。

そして、あるものを取り出してカウンターテーブルに置く。それは、ゲームカセットだった。

 

和人「これは……」

 

直葉「《アルブヘイム・オンライン》……」

 

和人と直葉がそう呟くと、エギル葉意外そうな顔をする。

 

エギル「何だ?お前ら知ってたのか?……なら話は早え。こいつはナーブギアの後継機である《アミュスフィア》って言うハード対応のゲームなんだそうだ。“妖精の国”という意味らしい」

 

里香「“妖精”…随分まったり系な感じじゃない?」

 

エギル「いや、そうでもないらしい…どスキル制だ。プレイヤースキル重視の、PK推奨」

 

直葉「レベルが存在せず、各種スキルが反復で上昇するんです。動きも、プレイヤーの運動能力に依存されているんです」

 

木綿季「おお……それはハードだねぇ〜…」

 

珪子「でも、よく売れましたね?あれだけ騒がれたSAO事件があったから、VRゲームなんて無くなりそうなものなのに……」

 

エギル「ところがどっこい。今や大人気ゲームなんだと。理由は、なんでも“飛べる”かららしいぜ?」

 

直葉「『フライトエンジン』という機能を搭載してて、疑似的ではあるんですが飛ぶことができるんですよ。慣れるまでにちょっとコツがいりますけど……」

 

和人「なるほどな…まあ、このゲームについては大体わかった。んで、この大人気ゲームとバナージと一体なんの関係があるんだ?」

 

エギルは二枚の写真を取り出す。

 

エギル「……どう思う?」

 

そこには、全身を純白の服で固めた少年が夜空を飛行しているのが映っていた。その体からは何やら赤い光が出ており、まるで赤い彗星のようだった。

もう一枚はそれをさらに拡大した画像。かなり粗くて顔が判別しにくいが、それだけでも彼らはそれが誰なのか容易に理解できた。

 

和人「…間違いない。バナージだ」

 

直葉「うん………絶対そうだよ」

 

エギル「やっぱりか……」

 

和人「早く教えてくれ。これがALOの中ってことはわかるが、一体どこで撮られた写真なんだ?」

 

和人の問いに、エギルはALOのカセットパッケージの裏側にある地図を見せ、ある一点を指す。

 

エギル「世界樹、というそうだ。なんでも、ここの上には伝説の城があって、九つの種族がそれを目指しているらしい」

 

千尋「羽があるんだから、飛んでいけばいいんじゃ……?」

 

直葉「それが出来たら苦労しませんよ。どの種族にも滞空時間があって、せいぜい十分程度しか飛べないんです」

 

疑問符を浮かべる千尋に、直葉が苦笑して答える。

 

エギル「そこで、とある五人が体格順に肩車して、多段式ロケットみたいに上を目指したんだと」

 

里香「なるほど……バカだけど頭いいわね」

 

琴音「……それって褒めてるのかな?貶してるのかな?」

 

エギル「さあなぁ。ま、ともかく一番下の枝にすら届かなかったが、到達高度の証にしようと何枚か写真を撮ったんだと。んで、その中に妙なものが映ってたんで、解像度ギリギリまで拡大したのがこれってわけだ」

 

和人はもう一度写真を見る。

 

珪子「でも、何でみんなそうまでして世界樹を目指すんですか?世界樹に何かあるんですか?」

 

珪子がここで疑問を呈する。

 

エギル「ありあり。これが大有りなんだ」

 

直葉「滞空時間があるというのはさっき話しましたよね?でも、世界樹の上には妖精王《オベイロン》という人物がいて、その人に謁見できた種族は、《アルフ》って言う種族に生まれ変わるんです。そうすれば、いつまでも自由に飛ぶことができるんですよ」

 

明日奈「すごい…それは魅力的だね!」

 

するとエギルがタブレット端末を取り出し、

 

エギル「実はな…お前らにもう一つ見てもらいてぇもんがあるんだ」

 

そう言って、エギルはある動画を再生する。

映っているのは、空中で赤い鎧に身を包んだ複数のプレイヤーに囲まれている一人の純白の少年。

そして、一人のプレイヤーが少年に背後から襲いかかるが、少年はまるで後ろに目が付いているかのように華麗に避け、そのまま剣で切りつける。

それに逆上したのか、囲んでいたプレイヤーが一斉に少年に飛びかかる。もう絶体絶命かと思われたその時、突如少年から赤い光が漏れだした。

そして、その光は瞬く間に少年の身を包み、次の瞬間、少年は消えた。

いや、正確には消えてなどいない。目にも留まらぬ速さで動き続けているのだ。赤い鎧のプレイヤー達はその速さについていけず、一人、また一人と消滅していく。まるで、少年以外がスローモーションで動いているかのようだった。

そして、最後の一人が切られた後、少年は瞬く間に大空へと飛び去って行った。

 

エギル「……とまぁ、こんな感じだ。この動画を撮ったのは、この赤いやつらに襲われそうになってた別のプレイヤーだったそうだ。するとそこへ、まるでヒーローのように現れたのがこいつだったんだと」

 

珪子「ヒーロー……ですか……」

 

千尋「なんか、ますますバナージみたいだよね?PKされそうな人を身を呈して守って、颯爽と去っていくなんて…」

 

エギル「違いねぇな…んで、キリト達はどうだ?俺には、こんな戦い方ができるやつは知り合いには一人しかいねぇ。SAOで、しかも最前線で戦ってきたお前さんらには、ますますこいつがバナージだと思えねぇか?」

 

木綿季「うん………間違いないよ。これだけのプレイヤーを、たった一人で圧倒するなんて、そんなことできるのはバナージとキリトくらいしかいないよ……」

 

直葉「……あの、一ついいですか?」

 

するとここで、直葉が疑問を呈する。

 

エギル「どうした?直葉ちゃん?」

 

直葉「このプレイヤーがバナージお兄ちゃんじゃないとしても、この人はどう考えても普通じゃありません」

 

千尋「普通じゃないって……どの辺が?」

 

直葉「まず言えるのは、普通のプレイヤーがこんな速さで飛べるのはおかしいんです。ALOの飛行には、滞空時間の他に速度制限があって、どんな種族でも出せるスピードは限られているんです。特に……」

 

そう言って直葉は、動画を少し巻き戻して、少年が大空へと猛スピードで飛び去っていくシーンを流す。

 

直葉「ここです!このスピード……仮に本当にこんな速さで飛べば、直ぐにシステムメッセージが来て警告が来るんです。私も一回どれだけの速さが出るのかやってみたんですけど、ある程度のところまで行くとシステムが自動でスピードを落としてくるんです」

 

千尋「つまり、この人はシステムを超えた速さで飛んでるってこと?」

 

千尋の問いに、直葉は頷く。

 

和人「……いや、多分一つだけ方法がある。システムを超えた速さで飛ぶ方法が……」

 

珪子「え?そんなのあるんですか?」

 

和人は頷き、

 

和人「ああ。SAOにもあった。システムも、仮想世界のルールや規則を、一切無視した圧倒的な力が……そしてこの赤い光…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こいつが使ってるのは、《NTーD》だ」

 

里香「えぬてぃー……でぃー?」

 

聞きなれない単語に、里香が疑問符を浮かべる。

 

和人「ああ、リズやシリカ達は知らないんだよな……

《NTーD》は、俺とバナージにのみ与えられた、プレイヤーのリミッター解除の類の力だよ」

 

琴音「そんな力が……あっ!もしかして、キリトが私を助けてくれた時に使ったのって……!」

 

和人「まさしくそれだよ。そして、数ある可能性の中で、こいつの正体は一つに絞られた……ここに写っているのは、間違いなくバナージだ」

 

明日奈「!……なら、和人君…」

 

和人「ああ。行こう!ALOへ」

 

里香「そうね、ここにバナージがいるんなら、さっさと見つけてとっ捕まえてやんないと!」

 

珪子「あたしも行きます!力になれるかは分りませんが……あたしにも、出来ることがあるならやりたいです!」

 

千尋「もちろん、私も行く。あの世界で、私は何度もバナージに救われたんだから!」

 

琴音「バナージは私達にとってかけがえのない存在だもんね!」

 

木綿季「うん!バナージがいないと、ボク寂しいし……」

 

直葉「あ、あたしも力になります!ALOは結構長くやってるので、皆さんのサポートが出来たら……」

 

和人「スグがいるなら心強いな!」

 

明日奈「私たちで見つけましょう、バナージ君を!」

 

エギル「……満場一致、みてぇだな」

 

エギルがニヤリと笑いながら言う。

 

和人「…となると、ハードも買わないとな」

 

エギル「心配無用だ。ナーブギアでも動くぞ。アミュスフィアはそれのセキュリティ強化版でしかないからな」

 

明日奈「それは助かるなぁ〜」

 

千尋「またナーブギアを被るのはちょっと複雑だけど……バナージを助けるためだもんね!」

 

珪子「あ、あの……これいくらでしたか?」

 

珪子が財布を取り出してカセットの代金を渡そうとするが、エギルがそれを拒んだ。

 

エギル「お代はいらねぇよ。その代わり、ちゃんとバナージを見つけ出してこいよ……あいつがいねぇと、俺たちの戦いは終わらねぇんだ」

 

和人「ああ!全部終わらせたら、みんなでオフ会をやろう!!」

 

そう言って、和人とエギルは拳を打ち付けあった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

あれから和人達は、各々がALOでのアバターを作ったら連絡すると確認して解散した。和人と直葉は今、自宅にいる。

和人は、昨日須郷伸之に言われたことを思い出し、それを直葉に話した。バナージを救うには、あまり時間が残されていないことを伝えるために。

 

直葉「バナージお兄ちゃんの脳を……そんなのダメに決まってるじゃない!!何でそんな勝手なことを……?!」

 

和人「あいつには、バナージと俺たちには血縁関係はないだろと指摘されたよ」

 

直葉「血縁関係……」

 

ここで直葉は、二年前に母親から伝えられた真実を思い出した。

バナージと和人、直葉は二人の兄がいるが、その二人はどちらも義兄だったのだ。バナージのことは最初から気づいてはいた。だがまさか、和人まで血の繋がりがないとは思っていなかったのだ。

 

直葉「……ねぇ、お兄ちゃん。あたしね、実は知ってるの……」

 

和人「知ってるって……何を?」

 

直葉は意を決し、親から伝えられたことを話す。

 

直葉「あたし達三人とも、血の繋がりは無いってこと……あたし達が本当の兄妹じゃ無いってこと……」

 

和人は驚いて目を見開く。

 

和人「……そっか……母さん、話しちゃったんだな……」

 

直葉「……あたし、それを聞いた時、少しショックだった。お兄ちゃん達は、あたしが本当の妹じゃないから、ゲームの世界に入り込んだんじゃないかって……あたしが本当の妹じゃないから、あの世界に行っちゃったんじゃないかって……そう思うと、なんだか悲しくて……」

 

言いながら、直葉は目に涙を浮かべる。

すると和人は、直葉の前に立って頭を撫で始めた。

 

直葉「……お兄ちゃん?」

 

和人「……スグ、確かに俺たちには血の繋がりは無い。俺も、最初それを聞いた時はかなり動揺したよ。まあ、バナージのことは俺も気づいてはいたんだけど……まさかスグも本当の妹じゃ無いって知った時は……なんか、他人との距離感がわからなくなった……」

 

直葉「……」

 

和人はここでふっ、と微笑み、

 

和人「……でもな、その時あいつが……バナージが言ったんだ。“それがどうした?”ってさ。“たとえ血の繋がりが無くったって、スグは……《桐ヶ谷直葉》は俺たちの妹だ。それでいいんじゃない?”って。血の繋がり以上に、大切なものがある。それをそれさえあれば、十分じゃないか?スグ?」

 

直葉「お兄ちゃん……!」

 

直葉はそれを聞いて晴れ晴れとした表情になる。

 

和人「……だから、絶対に助けよう……俺たちの、もう一人の兄妹を!!」

 

直葉「うん!!」

 

そして、彼らは自室に戻っていく。

それぞれが部屋に入る直前、

 

直葉「お兄ちゃん!あたし、ALOでは《リーファ》って言うアバターネームでやってるから、アカウントが出来たらメッセージ飛ばしてね!」

 

和人「《リーファ》か、了解だ!」

 

そして、部屋に入っていった。

和人は自室に戻ると早速、エギルにもらったカセットを装填しコードをつなぐ。そして、部屋に置いてあった黒いヘルメットーー《ナーブギア》を手に取る。

 

和人「……もう二度と、お前を使うことはないと思ってたよ……けど悪い、もう少し付き合ってくれ。相棒を、助けるために……!」

 

そういって、和人はナーブギアを被り、ベッドに横になる。

そしていよいよ、あの世界につながる言葉を力強く叫ぶ。

 

和人「リンク・スタート!!」

 

 

 

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和人は今、真っ暗な空間にいた。

ここは、ゲームを始めるにあたって必ず訪れる《プレイヤーアカウント登録ステージ》だ。

すると、無機質な電子音声が流れる。

 

『アルブヘイム・オンラインへようこそ!まずは、貴方のプレイヤーネームを登録してください』

 

俺はその時、名前を何にしようか少し悩んだが、すぐに決意する。

迷うことなく、キーボードをタッチし入力していく。

『Kirito』ーーやはり、俺といえばこの名前だろう。

それに、もしバナージに会うことになれば、あいつも気づきやすいだろう。

次に、種族選択の画面に映る。

九つの種族を順番に見ていくが、ふとある種族が目にとまる。

 

ーーそれは、全身を黒を基調とした格好の種族だった。

名前は『影妖精族(スプリガン)』。

 

和人「…これにするか」

 

俺は決定ボタンを押す。

 

『スプリガンですね。では、これにて初期設定は終了です。アバターはランダムで生成されます。では、ホームタウンへ転送します。幸運を祈ります』

 

そして、和人の周囲を光が包み、肉体が再構築される。

 

次の瞬間、和人はーーいや、キリトは夜空にいた。

そのまま真っ逆さまに落ちていく。視線の先には遺跡のような建物があり、そこがスプリガンのホームタウンなのだろう。

周りには森林が広がっており、SAOとは違う幻想的な景色を醸し出していた。それを見てキリトは思わず顔が綻ぶ。

 

ところが、突然周りの景色が歪んだ。

目の前の遺跡が消え、真っ暗闇が映る。そしてその中に、キリトは落ちていった。

 

キリト「な、なあぁぁんじゃこりゃあぁぁぁぁ!!!!!」

 

そしてしばらくすると、突然森林の中に落下した。

 

キリト「グハァッ?!」

 

キリトはエビゾリの状態で落ちていたが、直ぐに仰向けになる。

落ちたのはどことも知れない森の中だった。

横たわっている草の感触、鳥のさえずり、虫の鳴き声、それらがすべて、キリトがよく知る仮想世界の感覚だった。

 

キリト「また来ちゃったな……あんな目にあったのにさ……」

 

キリトは自嘲するように笑いながらそう呟いた。

そして飛び上がると、右手を振ってメニューを引き出そうとする。しかし何も起きないので、今度は左手を上下に振る。

すると、聞きなれた鈴のような音と共にメニュー欄が開かれる。そしてキリトは、真っ先に確認したい項目を見る。

そこには、《LOG OUT》と表示されていた。

それはつまり、以前のデスゲームではなく、ちゃんとこの世界から出られることを意味していた。

キリトはそれを見て安堵のため息をつくと、今度はステータスを確認しようとするがーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「いやあああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

突如として、女の子の悲鳴がこだまする。

キリトは大慌てであたりを見渡すが、少女らしい姿は見当たらない。

 

ふと、キリトは上を見上げた。

少女はそこにいた。上から自分に向かって落下してきているのだ。

 

キリト「ええぇぇぇぇぇぇぇぇ?!!!」

 

キリトは急いで彼女を受け止めるために両手を広げるが、少し遅かった。

 

???「きゃあっ?!」

 

キリト「へぶっ?!」

 

女の子はキリトの上にのしかかる形で落下した。

 

キリト「…………ん?」

 

キリトの手に、何やら柔らかい感触があった。

 

キリト「なんだ……これ?」

 

キリトはそれがなんなのか確かめるために指を少し動かす。

 

???「やっ…………!!!///」

 

キリト「え?」

 

次の瞬間、キリトは真横にぶっ飛んでいた。

少女がキリトの顔面を思い切り引っ叩いたのだ。

そのままキリトは転がっていき、大木の幹に衝突する。

 

キリトが目を開けると、そこには水色の長髪に、白を基調とした服に青いラインの入った服を着た少女が、両腕を胸の前で交差させ顔を真っ赤にしてこちらを睨んでいるのが見えた。

 

キリト「(……あれ?なんかデジャヴが……?)」

 

キリトは以前にも似たような出来事があったのを感じ、記憶を探ってみる。

あれは……そう、SAOでのことだったか。S級食材を手に入れ、アスナとユウキ、バナージとキリトの四人で晩餐を楽しみ、次の日迷宮区の攻略をすると約束し解散した。

次の日アスナを待っていると、後ろから突然アスナが現れ、キリトの上に覆いかぶさるように倒れこんだ。その時キリトは、何が起きたのかわからず、右手にあった柔らかい感触を…………

 

そこまで思い出したキリトは、改めて目の前の少女を見やる。

……非常によく似ている。彼がよく知るアスナに。いや、そっくり、何から何までアスナの容姿をしていた。

キリトはある確証を持って、

 

キリト「……あ、アスナ?」

 

と呼びかけてみる。

すると目の前の少女は目を見開き

 

???「……キリト君?」

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

アスナはキリトの隣で、頬を膨らませてそっぽを向いて座っている。

それをキリトが、苦笑いで謝り続けるという状態が続いていた。

 

キリト「な、なぁアスナ……いい加減機嫌を直してくれないか?」

 

アスナ「ふんっ!」

 

アスナは尚もそっぽを向いている。

 

キリト「あのさ、あれは……そう、事故だ。不可抗力だったんだよ。まさか上から落ちてくるなんて思わないからさ……」

 

アスナ「……だからって……その……幾ら君でも……こんなの、恥ずかしいんだから……///」

 

アスナはわずかにキリトの方へ顔を向け、頬を真っ赤に染めて言う。

 

キリト「ご、ごめん……」

 

そしてキリトは、少し咳払いをして

 

キリト「……にしても、アスナのそれは何の種族なんだ?」

 

アスナ「《水妖精族(ウンディーネ)》って言うの。回復支援に特化した種族なんだって」

 

キリト「回復か……なんか意外だな。アスナはてっきり、もっと前線で戦うタイプだったのに」

 

アスナ「まあ、確かにね……でも、私思ったの。今まではキリト君を戦闘面でしかサポート出来なかったけど、今度は“ヒーラー”として、キリト君を支えられたら…って」

 

キリト「アスナ……」

 

アスナはニコッと笑い、

 

アスナ「……それより、ここってどこなんだろ?」

 

キリト「さあ……スプリガン領に転送するってメッセージがあったんだけど……落ちる途中でなんかバグが起きて……」

 

アスナ「キリト君もだったの?私もなのよ〜、途中まではそれらしい場所に向かってたのに、いきなりノイズが走って……まあでも、そのおかげでこうしてキリト君に真っ先に出会えたんだし、よしとしましょうか」

 

キリト「そうだな……っと、それよりステータスを一応確認しとかないとな」

 

キリトは左手を上下に振って、メニュー欄からステータス画面を見る。

 

キリト「……ん?」

 

するとキリトは、途端に難しい顔をする。

 

アスナ「どうかしたの?キリト君」

 

キリトの様子に、アスナが訝しんだ顔で尋ねる。

 

キリト「いや……ステータスなんだけどさ……何だこれ?片手剣スキルが1000とかあるんだけど」

 

アスナもはっとした顔でメニュー欄からステータスを確認する。

 

アスナ「私も……ん?何これ?細剣スキル?この世界にログインしたばかりなのに何でこのスキルが……これじゃまるで、SAOのステータスじゃ……」

 

アスナがそこまでいったところで、キリトも目を見開き

 

キリト「そうか……これはSAOのデータなんだ!だから、この世界に来たばかりなのにこんなにステータスが高いんだ!」

 

アスナ「じ、じゃあアイテムも……ああ、だめだ……全部文字化けしてるわ……」

 

するとキリトは、何かを思い出してアイテム欄を上下していく。

 

キリト「頼む……あってくれ……!」

 

全てが《???》となっている中、《MHCP001》と言う名のアイテムが目につく。

キリトは迷わずそれをタップすると、目の前に水晶のような涙石が出てくる。

 

アスナ「キリト君!それって……!」

 

アスナも何かを思い出しキリトに駆け寄る。

キリトはその涙石に指先で恐る恐る触れる。

すると次の瞬間、涙石を中心に眩ゆい光が二人を包み込む。

キリトとアスナが目を開くと、そこには1人の小さな女の子がいた。白いワンピースに黒い長髪。彼らがよく知る少女だ。

しばらくすると、少女はゆっくりと目を開ける。

キリトはその少女に向かって両手を広げて、

 

キリト「俺だよ…ユイ……わかるか……?」

 

アスナも両目に少し涙を溜めて

 

アスナ「ユイちゃん……私だよ……ママだよ……?」

 

するとユイも、泣き笑いで

 

ユイ「また……会えましたね……パパ……ママ…!」

 

ユイはそのままキリトとアスナの元へ飛び込む。

キリトとアスナはそれを優しく抱きとめる。

 

アスナ「…奇跡って……起きるんだね……!」

 

キリト「ああ……!」

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

しばらくして、三人は近くの小川のほとりに腰掛けていた。

 

キリト「…で、これは一体どう言うことなんだ?」

 

ユイ「?」

 

キリトの言葉に、ユイが疑問符を浮かべる。

 

アスナ「ここはね、ソードアートオンラインとは違う、アルブヘイム・オンラインっていう世界なの」

 

ユイ「ちょっと、待ってくださいね」

 

するとユイは目を閉じて、耳をすませるように両耳に手を当てる。

 

ユイ「…ここはソードアートオンラインの世界の、コピーサーバーだと思われます」

 

アスナ「コピー?」

 

ユイは頷いて

 

ユイ「はい。基幹プログヤムや、グラフィック形式は完全に同一です。ただ、カーディナルシステムのバージョンが少し古いですね」

 

それを聞いたキリトは納得したように頷いて

 

キリト「なるほどな…SAOを運営していた『アーガス』の事後処理は『レクト』に委託されている。つまり、『アーガス』の技術資産を『レクト』が吸収し流用したってとこか……でも、何で俺たちの個人データが?」

 

ユイ「ちょっと、パパとママのデータを確認させてくださいね」

 

ユイはキリトとアスナの額に手を添えて目を閉じる。

 

ユイ「…間違い無いですね…これはパパとママがSAOで使っていたキャラクターデータそのものです。セーブデータのフォーマットが同一なので、二つのゲームに共通するスキルの熟練度が上書きされたのでしょう」

 

キリト「そういえば《二刀流》は無くなってたな」

 

ユイ「アイテムも破損してしまっていますね……エラー検出プログラムに引っかかる前に、全て破棄したほうがいいでしょう」

 

そう言い切るとユイは目を開く。

キリトとアスナはメニュー欄を開き、アイテム欄から破損したアイテムを全て選択し、破棄ボタンを押す。

 

アスナ「それと、ユイちゃんはこの世界では、どんな扱いになってるの?」

 

ユイ「えっと……プレイヤーサポート用の疑似人格プログラム《ナビゲーション・ピクシー》に分類されていますね」

 

そう言うと次の瞬間、ユイは光に包まれる。

そして、その中から現れたのは、約10センチくらいの身長でピンクの花を模したワンピースに薄いピンクの翅が生えた、まさしく妖精と呼べるものがそこにいた。

 

ユイ「これがピクシーとしての私の姿です」

 

キリト「おお……!」

 

アスナ「ユイちゃん……か、可愛い〜!!」

 

アスナが小さくなったユイを両手で包み込む。

そして、親指でユイの頭をゆっくりと撫でる。

 

ユイ「く、くすぐったいです〜」

 

キリト「じゃあ、前みたいに管理者権限があるのか?」

 

ユイ「いえ、出来るのはリファレンスと広域マップデータへのアクセスくらいです」

 

少しシュンとした顔でユイはそう言う。

 

アスナ「そっか……」

 

キリト「実はな…ここに、バナージがあるかもしれないんだ」

 

ユイ「えっ、にぃにが?!どういう事ですか?」

 

ユイはキリトの肩に乗り、疑問符を浮かべる。

 

キリト「バナージは、SAOが終わっても現実世界に復帰しなかった…」

 

アスナ「それで、知り合いからこの世界にバナージ君がいるって情報を得て、ここに来たの」

 

ユイ「そんなことが……」

 

キリト「でも、大体の場所は目星がついてるんだ。あそこ……世界樹って言うんだが、あそこの近くでバナージを見たって言う情報があってな……」

 

そう言って、キリトは遥か遠くに移る大きな影を見つめた。それは、空高く伸びる大きな大木だった。その様は、まさしく世界樹と呼ぶにふさわしいだろう。

 

キリト「そういや、何で俺たちはこんな森の中にログインしたんだ?本来なら、それぞれの種族のホームタウンに転送されるはずだったのに…」

 

ユイ「さあ…位置情報が破損したのか、あるいは混信したのか……私にはなんとも言えません……」

 

キリト「どうせなら、世界樹の近くに落ちてくれればよかったんだけどな……」

 

そう言いながらキリトとアスナは立ち上がると、背中に意識を集中する。すると、2人の背中にそれぞれ黒と青の半透明の翅がハの字に四枚出現する。

 

アスナ「へぇ〜、これが翅なんだ!」

 

アスナが感嘆の声を上げる。

 

キリト「でも、どうやって飛ぶんだ?」

 

ユイ「補助コントローラーがあるみたいです。左手を立てて、軽く握るような形を作ってみてください」

 

キリトとアスナは言われた通りに左手を立てて軽く握る。

するとその手の中に、コントローラーが出現する。

 

ユイ「えっと…手前に引くと上昇、奥へ押し倒すと下降、左右で旋回、押し込むと加速、離すと減速になっています」

 

キリトとアスナは試しに色々な角度で飛んでみる。

最初は慣れずに明日の方へ飛んで行ったりもするが、直ぐに順応し安定して食べるようになる。

 

キリト「なるほど、大体わかった」

 

アスナ「とりあえず、近くの街に行ってみましょうか。ユイちゃん、どこが近いかわかる?」

 

ユイ「この近くに《スイルベーン》と言う街があるみたいです。そこが一番……!」

 

ユイは言い切る途中で何かを察知し、険しい顔で空を見た。

 

アスナ「ユイちゃん?」

 

ユイ「近くにプレイヤーがいます。これは……5人が1人を追いかけていますね!」

 

キリト「5対1か……ちょっと行ってみるか!」

 

キリトは言いながら飛び去って行く。

 

アスナ「ちょ、ちょっとまってよキリト君ー!!」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

とある森の中。

黄緑の装備に身を包み、金髪を後ろで纏め上げたポニーテールの少女が、赤い装備に身を包んだ男性五人に囲まれている。

少女の名は《リーファ》。ALOが始まった頃からこの世界でプレイしている古参メンバーの1人だ。

 

???「流石は《風妖精族》の五指に入る実力者だな。リーファといったか…?」

 

そう言いながらリーファに歩み寄るのは、《火妖精族》の《カゲムネ》と言う男だ。

 

カゲムネ「悪いがこちらも任務なんでね……金とアイテムさえ置いていけば見逃すが?」

 

その言葉とともに、カゲムネの左右に控える4人のサラマンダー兵士も、手に持った大型ランスを構える。

5対1、絶望的な状況だが、リーファは臆せず長刀を構える。

 

リーファ「…あと1人は道連れにするわ。デスペナルティの惜しくない人からかかって来なさい!」

 

それを聞いてカゲムネは嘆息すると、

 

カゲムネ「気の強いお嬢さんだ……仕方ない」

 

そして、5人の兵士がリーファに飛びかかろうとしたその時だった。

 

???「うわああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

突如、リーファの背後から絶叫を上げて、黒い少年が落ちてくる。

 

???「いてて……着地がミソだな、これは……」

 

頭をさすりながら少年は起き上がる。

 

するとその直後、

 

???「きゃああぁぁぁぁぁぁぁ!!避けてえぇぇぇぇ!!」

 

今度は水色の髪の少女が少年が北方向からとっしんしてくる。

少年がサッ、とその場から飛びのくと、先ほどまで彼がいた場所に少女が顔面から地面に衝突する。

 

???「……ってちょっと!なんで避けるのよ?!ちゃんと受け止めてよ!!」

 

???「ええっ?!いや、アスナが避けろって言うから……」

 

アスナと言われた少女は顔を真っ赤にして

 

アスナ「それでも男ならちゃんとキャッチしてよキリト君!!」

 

キリトと言われた黒い少年は申し訳なさそうに頭をさすりながら

 

キリト「あ、ああ……ごめん」

 

そして冷静になった2人は周りを見渡す。

 

キリト「ふうん……男五人で女の子5人を襲うなんて」

 

アスナ「あまり、褒められたことじゃないわね」

 

不敵に笑ってそう言った。

すると我に返った1人のサラマンダーが

 

???「んだテメェら!!初心者がノコノコと出て来やがって!!」

 

言いながらランスをキリトとアスナの方に突きつける。

 

リーファ「ちょっと何してるの?!早く逃げて!!」

 

しかし、キリトとアスナは微動だにしない。

 

???「やろう……なら、お望み通り殺ってやんよぉ!!」

 

そう言って、勢いよくアスナの方へと飛んでいく。

リーファは思わず目を閉じた。

しかし目を開けると、信じられない光景が目に飛び込んできた。

キリトがアスナの前に立ち、右手一本でランスを止めていたのだ。

 

キリト「ほい」

 

キリトはそれを軽く放ると、サラマンダーは後ろへ吹き飛んでいく。

目の前で起きていることに、リーファもカゲムネも唖然としていた。

すると、キリトが右肩をぐるぐると回し、アスナが指をポキポキと鳴らしながら

 

キリト「えっと……あの人達、斬ってもいいのかな?」

 

アスナ「というか、もう斬っちゃおうよキリト君」

 

アスナは笑いながらそう言うが、どうもその目は笑っていない。

リーファはアスナの雰囲気にやや押されながら

 

リーファ「えっと……いいと思います。少なくとも向こうはそのつもりみたいだし……」

 

と答える。

するとキリトは背中の剣を、アスナは腰の細剣を抜き、

 

キリト「んじゃ……」

 

アスナ「……遠慮なく!」

 

と言って、構える。

次の瞬間、土煙とともに彼らの姿が消えた。

 

???「ぐわあぁっ?!!」

 

???「ギャアァァッッ?!!」

 

2人のサラマンダー兵士の悲鳴が響き、そしてその体が炎に包まれて消滅する。

そしてその向こう側には、剣を振りかぶった後の体制のキリトとアスナがいた。

彼らはゆっくりと振り返ると、不敵な笑みでこう告げた。

 

キリ・アス「「次は誰かな?」」

 




お読みいただきありがとうございます!
祝え!VR最強夫婦が妖精の世界に降り立った瞬間である!!
やっぱりキリアスコンビはいいですよね〜!そこにユイちゃんを加えた家族は、いつも見ててほっこりしますよね!

それと、原作ではリーファとキリトの間に少々揉めることがあったのですが、本小説ではそのような展開は無しで行きたいと思います。理由は、この世界ではリーファにはキリトとバナージの2人の兄がいますからね!
では、次回はいよいよリーファとキリト、アスナの出会いです。お楽しみに!

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