まさか二度も転生する事に成るなんて   作:静かなるモアイ
<< 前の話 次の話 >>

2 / 5
海軍の黒龍

カズマ君は無事にカエルを20匹倒すことが出来た。主に、カエルを覇王色の覇気で気絶させたアイン中将のお陰である。

日も暮れだし、アイン達は戦場と成り…多くのカエル達の血で濡れてしまった草原を見詰めている。多くのカエルは死んだことに気付いておらず、覇王色で意識を飛ばされた時にカズマに脳天を剣で刺されて死んだのだ。呆気ない幕切れであったが、それとは少し離れた所のカエル達は刃物ではなく、鋭利な鉤爪や手刀や足刀で倒されており、そちらはアインが倒したカエル達だ。

合計40匹のカエルを討伐したアインのパーティーだが…未だクエストは終らない。クエストの内容は3日でジャイアントトード5体の討伐であり、明日に報酬が手渡されるのだ。

 

「グスン…生臭いよ…」

 

ギルドの職員に回収されていくカエルの亡骸を眺め、アイン達は草原に座っていた。しかし、カエルに頭から飲み込まれたアクアはカエルの唾液や胃液でネチョネチョとしており、ヌメヌメとしている上に生臭い。

 

「だいたい…お前がカエル相手に殴り掛かるからだろ?アインさんだって言ってたじゃないか。カエルは頭頂部以外、打撃が効かないってさ」

「そんな事言ったって…てか!アインもパンチやキックでカエルを粉砕してたじゃない!アレは何なの!」

 

アクアはそう言うと、明らかに拳や蹴りで粉砕されて破裂しているカエルを指差す。そのカエルはアインが変身能力を使わずに倒したカエルであり、彼は武装色の覇気を用いて攻撃したのだ。これにより、本来は打撃が効かないカエルも見事に粉砕できるのである。

 

「アレだろ…アインさんが初日に教えてくれた武装色の覇気って奴だろ?お前のゴッドブローとか言う必殺技でカエルを倒したかったら、覇気を覚えろって事だ。

アインさんのお兄さん…えーと、エースさんか。エースさんも覇気が使えるじゃないか。アインさん程じゃないけど」

 

そう、この世界にはアインの兄であるエースも来ているのだ。兄弟は転生の特典として、生前に持っていた悪魔の実の能力を指定した。故に…実質だが転生特典は無しと言えるだろう。

 

「嫌よ!修行なんてめんどくさい!」

「スキルで覇気が覚えれたら楽だったんだけどな…アインさん?」

 

カズマは先程から、一言も喋っていないアインを見る。アインは見事に涎を滴、鼻からは鼻水の風船を作って見事に寝ていたのだ。

 

「寝てる!?」

「ふぁ!?あぁ~眠った。アレ、カズマ君、どうしたんだい?」

「アンタ色んな所で寝過ぎだろ!話してる最中や、食事中も寝るし!」

「ドハッハハ!アレは昔からの癖でさ。治ることは無いね」

 

アインはそう言うと、立ち上がる。そして、アインの身体がボコボコと筋肉が盛り上がっていき…みるみる内に大きな二足歩行のドラゴンへと変化した。

ゾオン系悪魔の実 リュウリュウの実モデル バハムートのドラゴン形態である。腕などは太く逞しく、背中には大きな輪が浮かんでいる。色は濃い紺色で、翼は大きく色は鮮やかだ。全長は数メートルは軽く有り、アインは四つん這いの体勢に成った。

 

「さあ…乗ってくれ。アクセルに帰ろうか」

「デケェェェ!?ドラゴンに成っても喋れるんですか!取り合えず、お言葉に甘えて…あの何処から乗れば?」

「ジャンプで背中に乗って」

「出来るか!!俺達の身体能力を考えて下さいよ!」

 

海軍時代は超人達が回りに多かった為か、彼等は普通にジャンプで背中に乗ってくれた。しかし、カズマは元ニートの少年、ジャンプで背中に乗ることは出来ないのだ。

 

「それは仕方無い。取り合えず、腕からよじ登って背中に掴まってくれ」

 

アインに言われ、カズマとアクアは腕から背中によじ登る。鱗が部厚いお陰か…カズマ達は滑らずによじ登る。待つこと3分で、カズマとアクアは無事にアインの背中に辿り着いた。

 

「それじゃあ…行くよ」

 

アインことバハムートは強靭な翼を羽ばたかせ、強風を巻き起こして飛び上がる。その力は凄まじく、何故か一緒に大きくなった海軍の外装に掴まらなければ、カズマ達は吹き飛んでしまうだろう。

アインは高度を上げると、もうスピードで加速していき…彼等が拠点としている町に向かって行く。やがて、30秒程で彼等が拠点としている町…アクセルが見えてきた。アクセルは城壁で囲まれた町であり、駆け出し冒険者の町として有名だ。

 

アインは高度をゆっくりと下げていく。急降下しても良いのだが、そうするとカズマ達が落ちてしまう可能性が有るからだ。事実、過去にコビー君とその相方は落下した。

 

アインはアクセルの城壁前に着地すると、カズマ達を背中から下ろす。そして、アインは元の人間の姿に戻った。

 

「いやあー。この世界に来てから初めてドラゴン形態で飛んだな!

ギルドの職員には能力を話してるけど、ドラゴンに成ると驚いちゃうからね!」

 

アインはそう言うと、アクセルの城壁の門を潜り中に入っていく。カズマとアクアも後に続いて城壁の中に入った。

 

その後、カエルの粘液ネチョネチョに成ったアクアは公共の銭湯に向かい、カズマとアインは先に冒険者ギルドに到着した。

冒険者ギルドは冒険者へのクエストの斡旋、冒険者の為の銀行や食堂等が有る。此処で出来るのは報酬の受け取りや倒したモンスターの換金、食堂での食事も食べることが出来るのだ。

 

今日討伐したカエルは食料として重宝されており、1匹5000エリスという金額で取引される。エリスとはこの国の国教の神様であり、通貨の単位でも有るのだ。

 

「はい。此方がジャイアントトードの売却金額です。お確かめ下さい」

 

ギルドの職員から、150000エリスという大金を受け取ったアインとカズマ。勿論、カズマに取っては今までの人生で最も高額なお小遣いだろう。因みに売却不可まで粉砕されたカエルも居るためか、貰える金額は少な目だ。

 

「殆ど…アインさんのお陰ですけどね」

「いやいや。20匹はカズマ君だよ」

「倒せたのはアンタが覇王色を使ったお陰なんですけど…」

 

何はともあれ、大金を手に入れた二人。カズマとアインは食堂のテーブル席に座り、飲み物を飲みながらアクアを待つことにした。飲み物はカズマがオレンジジュース、アインが大ジョッキのビールである。

 

「そういや…アインさんの世界って海賊とか居る漫画のような世界なんですよな?」

「まあね…僕は海軍、エースは海賊。向こうで生きている筈の弟は海賊、祖父は海軍だ。家族で所属がバラバラでね。前に話した悪魔の実を食べることで、変わった力を手に入れた人が多かったな」

「そうなんですか…」

「うん。僕の食べたゾオン系の幻獣種やエースの食べたロギア系は希少らしくてね、珍しいんだ。あと…僕と同じ名前の女の子も結構、チートな実を食べてたな…」

 

アインはそう言って…ビールをゴクゴクと飲む。飲むスピードは早く、瞬く間に大ジョッキのビールは空に成ってしまった。

 

「ふー、おかわり」

「飲むの早!?」

 

アイン中将…速やかに店員にお代わりをねだる。

 

「そういや…アインさんって向こうでどのぐらい強かったんですか?」

「階級は中将。大将の一個前だね、爺ちゃん曰く…大将の一歩手前程度の強さで…近々に最年少の大将に任命されるかもって言われたな」

「ウルトラエリート!?」

 

それに比べてカズマ君はニートである。

 

「そういや…カズマ君、君は魔王を倒したいんだね?だったら、仲間は誘うべきだ。僕は勿論、手伝うし…エースも協力してくれるかも知れない。

だけど、他にも仲間は必要だ。先ずは掲示板に仲間を募集するチラシを貼ろう……Zzzz」

「寝ちゃったよ!この人!」

 

だが…カズマは知らない。集まってくるメンバーは何れもが個性的で愉快な仲間達で有ることを。




次回!めぐみん、降臨!?

めぐみん…悪魔の実に惚れる!?




感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。