『鍵使い』が行くありふれた世界   作:星紡 粋蓮

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超お久しぶりです!
ようやくヨゾラ倒せました。

そして悲報なんですが、久しぶり過ぎて夜空のキャラや話の流れをド忘れしてしまいました。
申し訳ないのですが、本作は今回の投稿をもって未完とさせていただきます。

その代わりと言ってはなんですが、現在、本作のリメイク小説を筆記中です。夜空君も強化が入るのでお楽しみに。(KHの新作が出るまでには……)



第23話 ハウリア

 シア達、ハウリアと名乗る兎人族の一部族達は【ハルツィナ樹海】にて百数十人規模の集落を作りひっそりと暮らしていた。兎人族は、聴覚や隠密行動に優れているものの、他の亜人族に比べればスペックは低いらしく、突出したものがないので亜人族の中でも格下と見られる傾向が強いらしい。性格は総じて温厚で争いを嫌い、一つの集落全体を家族として扱う仲間同士の絆が深い種族だ。また、総じて容姿に優れており、エルフのような美しさとは異なった、可愛らしさがあるので、帝国などに捕まり奴隷にされたときは愛玩用として人気の商品となる。

 そんな兎人族の一つ、ハウリア族に、ある日異常な女の子が生まれた。兎人族は基本的に濃紺の髪をしているのだが、その子の髪は青みがかった白髪だったのだ。しかも、亜人族には無いはずの魔力まで有しており、直接魔力を操るすべと、とある固有魔法まで使えたのだ。

 当然、一族は大いに困惑した。兎人族として、いや、亜人族として有り得ない子が生まれたのだ。魔物と同様の力を持っているなど、普通なら迫害の対象となるだろう。しかし、彼女が生まれたのは亜人族一、家族の情が深い種族である兎人族だ。百数十人全員を一つの家族と称する種族なのだ。ハウリア族は女の子を見捨てるという選択肢を持たなかった。

 しかし、樹海深部に存在する亜人族の国【フェアベルゲン】に女の子の存在がばれれば間違いなく処刑される。魔物とはそれだけ忌み嫌われており、不倶戴天の敵なのである。

 故に、ハウリア族は女の子を隠し、十六年もの間ひっそりと育ててきた。だが、先日とうとう彼女の存在がばれてしまった。その為、ハウリア族はフェアベルゲンに捕まる前に一族ごと樹海を出たのだ。

 行く当てもない彼等は、一先ず北の山脈地帯を目指すことにした。山の幸があれば生きていけるかもしれないと考えたからだ。未開地ではあるが、帝国や奴隷商に捕まり奴隷に堕とされてしまうよりはマシだ。

 しかし、彼等の試みは、その帝国により潰えた。樹海を出て直ぐに運悪く帝国兵に見つかってしまったのだ。巡回中だったのか訓練だったのかは分からないが、一個中隊規模と出くわしたハウリア族は南に逃げるしかなかった。

 女子供を逃がすため男達が追っ手の妨害を試みるが、元々温厚で平和的な兎人族と魔法を使える訓練された帝国兵では比べるまでもない歴然とした戦力差があり、気がつけば半数以上が捕らわれてしまった。

 全滅を避けるために必死に逃げ続け、ライセン大峡谷にたどり着いた彼等は、苦肉の策として峡谷へと逃げ込んだ。流石に、魔法の使えない峡谷にまで帝国兵も追って来ないだろうという考えのもと、ほとぼりが冷めて彼等がいなくなるのを待とうとしたのである。魔物に襲われるのと帝国兵がいなくなるのとどちらが早いかという賭けだった。

 しかし、予測に反して帝国兵は一向に撤退しようとはしなかった。【ライセン大峡谷】には、東西それぞれの端に崖をそのまま削り出した階段が存在し、谷底へと下りる出入口がある。帝国の小隊は、大部分が帰還したものの、その出入口に一個小隊を陣取らせ、兎人族が魔物に襲われ出てくるのを待つことにしたのだ。

 そうこうしている内に、案の定、魔物が襲来した。もう無理だと帝国に投降しようとしたハウリア族だったが、峡谷から逃がすものかと魔物が回り込み、ハウリア族は峡谷の奥へと逃げるしかなかった。そうやって、追い立てられるように峡谷を逃げ惑い……

 

「……気がつけば、六十人以上いた家族も、今は四十人程しかいません。このままでは全滅です。どうか、どうかお願いです! 助けて下さい!」

 

 最初の残念な感じとは打って変わって悲痛な表情で懇願するシア。

 話を一通り聞いたハジメは、「へぇ」と納得したように頷いた。どうやら、シアは、俺やハジメ、ユエと同じ、この世界の例外というやつらしい。特に、ユエと同じ、先祖返りと言うやつなのかもしれない。

 話を聞き終えて、ハジメが出した回答は……

 

「集合、会議」

 

 俺達との話し合いだった。

 

「さて、どうする」

「問題は助けた後だな。さっきの話からすると、ハウリア族は戦う術がない。ということは、俺達がいなくなれば、また危険に晒される」

「……でも、樹海の案内にはちょうどいい」

「それなんだよなぁ……あ、ちょうどいい教育方法があった」

 

 どうやらハジメが良い案を思い付いたらしい。

 

「あー、じゃあハウリアはお前に一任していいか」

「おう」

 

 ハウリアはハジメに任せることにし、助けることになった。後に、俺はこの判断を後悔することになるとも知らずに。




前書きに書いた通り、本作は今回の投稿で未完とさせていただきます。

リメイク(?)は物語やカップリングが変わりますので、お楽しみに!

大群戦をいつやるか(ライセン大迷宮突入まで)

  • やらない
  • 三章(ウル防衛)
  • 四章(勇者一行救出)

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