個性?こう見えて『百々目鬼』なんです。 作:れれれ
THE・謎報告
やっと主人公の魔眼全て考えましたよ!ちゃんとメモもしてバッチリだよ!
……はい、なんか全部考え切ったので調子乗って前書きに書き込んでしまいました。ただそれだけです。
ちなみに能力は原作で出ている個性と被らないようにはしました。
例えば相澤先生とか心操君とか。
そういえば、他作品を参考にしようとネット漁ってましたが、案外魔眼って見つかるものなんですね〜。
ちょっとパワーバランス崩壊しそうなやつありましたけども。
……あ、これ以上話すことも無いですね。
では、本編どうぞ〜!
「
金髪黒メッシュのチャラ男君がそう言う。
まあハナから見れば馬鹿な行為だろうが……
「先生、侵入者用センサーは!」
「もちろんありますが……!」
そう、センサーを切り本舎から離れたこの場所で僕らが来るタイミングをピンポイントで襲ってきた。
随分と作戦に自信があるようだ。
「現れたのはここだけか学校全体か……何にせよセンサーが反応しねぇのなら、向こうにそういうことが出来る個性がいるってことだな」
「だよな、校舎と離れた隔離空間にそこに入るクラス。あいつらはバカだろうけど、ただのバカじゃねぇよな。目的を以て用意周到に来てんだろうからよ」
おっと、僕が考えていた事を先に言われてしまった……
別にこの状態だと誰が言おうが関係ないけど。
「13号避難開始!学校に連絡試せ!センサー対策も頭にある敵だ、電波系の個性が妨害している可能性がある。上鳴、お前も個性で連絡試せ」
「っス!」
……ここでチャラ男君の名前が判明するか〜。
知れたのは普通に嬉しいが、そんな事言っている場合じゃない。
「あと目頭!本舎に行って助けを呼んで来い!」
「……残念ながら先生、連絡どころか個性による建物外への干渉自体出来ません。よって建物から一旦出ないと転移は無理です」
さっきから何度も試しているが、《千里眼》で外の風景を見ることすら出来ない。
多分相手にそういう個性があるんだと思う。
相澤先生は僕の言葉を聞いた後、首元の捕縛布を掴みながらヴィランの集団に向かって歩いていく。
「先生は!?一人で戦うんですか!?あの数じゃいくら個性を消すって言っても!!イレイザーヘッドの戦闘スタイルは敵の個性を消してからの捕縛だ。正面戦闘は……!!」
どうやら緑谷君は先生の戦闘スタイルを知っていたようだが……時にヒーローは、不利な状況でも戦わなきゃいけないんだよ?
ヒーローは逃げられない。
「一芸だけじゃヒーローは務まらん。13号、生徒を任せたぞ」
そう言うと相澤先生は攻撃しようとしてきたヴィランの個性を消し、捕縛布で的確にからめ取り対処していく。
個性も凄いが、一番凄いのはあの捕縛布の操作技術と身体能力だろう。
体格差があろうと捕縛布でヴィランを捕まえ引っ張り、他のヴィランに頭をぶつけて気絶や戦闘不能に陥らせている。
流石プロ、戦闘スタイルとは違っても鮮やかな戦闘だ。
「さぁ!行きましょう!皆さんこっちへ!!」
…少し相澤先生の戦闘を見てると、13号先生は指示された通り僕らを出口に避難させようとする。
この施設から出れば転移は出来ると思う。
なるべく早くしないと。
「……させませんよ」
僕らが出口に近づくと……今度は出口前に黒い霧が発生する。
その霧はぼんやりと人の形をとっており、声の低さと推定身長からして男性。
このヴィラン集団を連れてきた実行犯だろうか。
「初めまして、我々は
……は?
黒い霧のヴィランは、オールマイトを殺すと言うとんでもない目的を話してきた。
……これは……うん、ヴィランにはお生憎様だけど、まだオールマイトは死なないなぁ。
だって僕一人でも鎮圧出来る程に雑魚なんだもん。
それにオールマイトの力は衰え気味だけど、まだまだ現役で活躍出来るくらいだし。
オールマイトを殺したいなら、まだ力が著しく衰えるまで待ってないと。
「本来ならば、この中にオールマイトがいらっしゃる筈、ですが何か変更があったのでしょうか…。まぁそれとは関係なく、私の役目は……」
「…オラァ!!!」
ヴィランが霧を蠢かせる瞬間、二人の影がヴィランに襲いかかる。
爆豪君と切島君だ。
爆豪君が出した爆発により、辺りには土煙が舞い視界が悪くなる。
……えっと爆豪君……ちょっとそれは愚策だったかな…
体が霧でできているようでダメージが入った様子も無い。
その上唯一個性が効きそうな13号先生は、ヴィランの近くに二人が居る所為で個性が使えそうに無い。
ちょこっと相手の心を覗き見てみるが、体が霧になってて見づらい為か心も霧がかった状態でしか見れない。
『散らして』……『嬲り』…?『オール…イト……何処』?それに『脳…無……対オ…』??
ダメだ、解読不能。
《心理眼》ははっきり相手の姿が見えてないと正常に使えない。
こういうヴィラン相手だとまともに使えやしない。
「危ない危ない、生徒と言えど優秀な金の卵……私の役目は、貴方たちを散らして嬲り殺す!!」
効いてすらいないのに危ないなどとほざく。ウザい。
……そんな事を考えていると、次の瞬間に黒い霧があっという間に広まり、僕らを包む。
反射的にクラスメイトを見ようとするが、既に霧に囲まれてしまって誰の姿も見えない。
クラスメイトの小さな悲鳴が聞こえたかと思うと、突如浮遊感に襲われる。
まるで突然床が抜けたような、そんな感覚。
浮遊感が強まると共に霧が晴れていく。
次に見えた光景は……
……この施設を覆うガラスと遠く離れた地面、個性を使って飛んでいるヴィラン達だった。
情景反射で視界に入るものを自由に動かせる《念動眼》と《千里眼》を合成し、宙に浮く。
これ、他の生徒だと死んでしまうぞ……。
……さて、このヴィラン達をどうしようかな。
今僕が地上にいくと多分このヴィラン達もついてきちゃうし、ここで倒しておくか囮になっておくかした方がいい。
「ラッキー!!コイツすぐ落ちて死なねぇじゃねぇか!これで俺らの報酬もたっぷりだな!」
「ハハ!そうだな!飛べるのはいいが、どうせそれだけだろ?精々俺たちに嬲り殺しにされるんだなぁ!!」
流石チンピラヴィラン、僕の予想を裏切らないクズっぷりだ。
コイツら程度なら、僕も後先考えずに個性が使えるよ。
〜ヴィラン視点〜
俺らは空中での戦闘が可能な個性を持ってる。
それを生かそうと空中に配属されたはいいが、これで空中に出た生徒が死んだら俺らの報酬はどうなるんだ?と疑問を抱いた。
そしたらこの作戦のリーダーが『もしも生徒が落下死したら空中にいた全員に平等に報酬を渡す』と言ってくれた。
俺らはただの報酬欲しさでやってきたチンピラだ。生徒が落下死したら全員に報酬、生徒が飛べる個性を持ってても大人数でボコれば楽に殺せて報酬ゲット。
そんなうまい仕事、快く引き受けたさ。
で、やっと生徒が一人来た。
そいつはモノクロなヒーローコスチュームを着ており、個性で宙に浮けるようだった。
勿論生徒が落下死した時よりも直接殺した方が報酬も良かったし、他の奴もラッキーだと喜んでいた。
……あの時までは。
早速仲間の一人がナイフで生徒を刺そうとした時、ソイツのニヤニヤと浮かべた気持ち悪い笑みはこちらへ向き……何故か俺らを襲ってきた。
訳がわからない。
ソイツの目の前に標的は居たのに、何故か仲間である俺らを刺そうとこちらへ飛んで来る。
何人かは混乱してソイツから逃げられずに殺されてしまったが、ソイツはこの中でも弱い方だったのですぐに他の仲間に殺される。
元仲間だろうが、攻撃してくるなら慈悲は無い。
殺された元仲間達は、重力に逆らえずに落ちていく。
最初に生徒に近づいた奴はとんだ裏切り者だったが、今度は確実に標的を仕留めてやる。
そんな思いで俺は自分の武器である鉈を構える。
そして標的を睨みつける……が、すぐに驚きの表情へと変わった。
なんせ元仲間が死んだ所を目撃して、楽しげな笑みを浮かべていたからだ。
今回の標的は少々狂っている。
ヴィランの中でも、殺しを見てこんなに楽しげに笑う奴は少ない。その上コイツはヒーローの卵だ。
その事を理解したら、今の仲間にも怖気付いてしまった奴がしばしば出てしまった。
今回はラッキーだったんじゃ無い。
逆に不運だった。
「……ねえねえ、ヴィラン達?折角倒されちゃうんだからさ、ちょっと実験に付き合ってくれない?」
標的は笑みを浮かべながら楽しげな口調でそう言う。
「まあ強制なんだけどさ、言っておくのが様式美って奴じゃない?」
嫌な予感しかしない。
「……じゃあ、まずはこれから試そうっと!!」
……標的は近くの仲間に手をかざすと、
「あああああぁぁぁぁぁぁ冷たいつめたいツメタイぃぃぃ!!!」
「熱いアツイアツイア゛ヅイ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛」
一人は冷たいと叫び、もう一人は熱いとひたすらのたうち回った。
「……《灼熱眼》と《氷結眼》、あんまり使ったことなかったけど、こういった感じになったねー!」
あははと少し笑いながら、餌食になった仲間を見る。
早く逃げ出したい思いに駆られた。
「…あれ、逃げ出すんだ?じゃあこんな感じはどう?」
耐えきれずに仲間の数人が逃げ出すが、ソイツらは氷漬けにされてその場に留まる。
「僕もヒーロー志望だし、そんな落下させて殺すような真似はしないよ?ただちょっと動けないだけだからさ。
…アハハ!!楽しいねぇ、実験は!もっと楽しもうよ?遊ぼうよ?」
標的……いや、その生徒は標的とは呼べない。
ソイツはただ笑う。
狂ったように。
「まだまだやる事は一杯だよ!ほらほら!絶望して個性止めて落下死とかツマラナイよ?
時間は有限、ちゃっちゃとやろうか!」
そこからは地獄だった。
肌が紫色になりコポコポと肌から泡が出ている奴、突然強い恐怖に身を襲われて気絶する奴に、耐えられなくてアイツの個性を受けても尚逃げ出そうとする奴。
特に発狂して個性を暴走した奴は悲惨だった。
奴は足から炎を出して飛んでいた奴だったんだが、手のひらからも出せたようで炎がソイツを襲う。
何か個性でガードしたようで火傷はなかった……
……が、焼けたコスチュームから見えた肌には、びっしりと目玉が埋まっていた。
「……あはははははは!!見えました?見えましたよねぇ?ミチャッタねぇぇ!!」
ソイツの笑いは増していった。
目玉はずっと俺らを見ているようで、ぎょろぎょろと目玉は活発に動いている。
その目玉の色はそれぞれ違うように見える。
その目玉は果たしてソイツのものなのか、それとも他の奴のものなのか。
謎の恐怖が芽生える。
「アハハハハ!本っ当に…………笑えねぇよ」
ソイツはこのままずっと笑っているかと思えば、急に笑いが止まっている。
「なあ、俺が嫌いな事ってわかるか?」
ソイツはずっと笑みを浮かべていたが、相当キレているようだ。
目は仮面で見えないが、俺ら以上に濁っているのだろう。
「俺は、俺の目を見られるのが…………一番大っ嫌いなんだよ!!」
先程までの楽しげな笑みは狂気の笑みに変わり、個性を暴走させた奴の元へと飛んでいく。
「地雷踏んじまったなぁ?踏んじまったねぇ?なら先の事は見えてるねぇ!!」
ソイツは奴の頭を掴むと、奴の目は虚になる。
「…………あああああぁぁぁぁぁごめんなさいぃぃぃぃ!!!?!??!」
奴は何を見ているのかはわからない。
けれど、俺が見てきたどんな悪夢よりも酷かったのはわかった。
「そのまま眠っとれ…………さあて、まだヴィランは残ってるよね?」
動けるヴィランは大分減ってしまったが、それでもまだ数人残っている。
「もうこの際後先なんて考えない事にしましたー!!間違えて死なねぇようにしとけよ?」
……残ってしまった俺はどうなるのだろうか。
わからない。
俺は、ただこの地獄が終わるまで神に生き残れるよう願っていた。
THE・補足
新しい魔眼
《念動眼》:視界に入った物全てを自由に操れる。生物は自分以外動かせない。動かす物が多いと操る精度が下がる。
《幻覚眼》:目が合った相手に幻覚を見せる。今回はヴィランに『主人公が怖がりながら逃げ惑う』という幻覚を見せて同士討ちを仕向けた。
《氷結眼》:視界に入ったものを凍らせる、又は温度を下げる。使用時は何故か二つある内の一つの目玉が発光し、冷気を帯びる。
《灼熱眼》:視界に入ったものを燃やす、又は温度を上げる。使用時は何故か二つある内の一つの目玉が発光し、熱気を帯びる。
《透視》:しれっと《氷結眼》と《灼熱眼》と合成して使っていた。使用するとご察しの通り壁や物を無視して色んなものが見える。今回は透視して体内の一部を冷たく、又は熱くしていた。
《毒眼》:見た生き物を毒状態にする。物に毒を仕込む事は出来ない。毒は弱いため死にはしない。ただどんどん体力を奪いめっちゃ痛い。毒状態になると肌が紫色がかった色になり、何故かコポコポと泡が出る。
《精神眼》:精神の回復から汚染までなんのその。目が合った人にだけ有効。動物には使えないらしい。精神が強い人には効き目が滅茶苦茶薄い。というか効かない。
魔眼は殺傷性の低いものがほとんど。
実は魔眼は睨み返すと威力が少々弱まる。
対象の意思が強くても大体の魔眼は弱まる。
結論:かっちゃんが弱点