無限航路~戦火の先へ真実の愛を~   作:空社長

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互角の戦力の戦いがしたかった……(独り言)


第8話 激戦

ガトランティスが惑星ゴッゾに襲来して2時間後

 

すでにゴッゾは壊滅している中

 

 

 

 

惑星ジェロン近傍

 

 

 

ここにエルメッツァ中央宙域のほぼ全艦隊が集結した

 

 

エルメッツァ中央政府軍連合艦隊

 

 

連合艦隊及び第零艦隊旗艦グロスター級戦艦『エルゲットバイヒ』艦橋

 

 

ルキャナン『頼んだぞ、ラファイエット大将。』

 

 

ドナール「もちろんです。長官。そして……」

 

後ろを振り向いた先の男に視線を変え

 

ドナール「バルト・アーモル中将。」

 

 

この男は眼鏡をかけ大体の髪は黒いが各所に白髪が目立つ、堂々とした顔立ちであった

 

 

バルト「よろしく。第零艦隊司令官のバルト・アーモルです。しかし、アトラテス砲を使えないのですか……」

 

 

ドナール「高望みはいけんよ。我々は最善を尽くすのみ……」

 

 

バルト「分かっているつもりですよ。この艦隊はあなたにお預けします。」

 

バルトは敬礼をし、ドナールも面と向かって敬礼を返した

 

 

オペレーター「司令、第二艦隊第14部隊旗艦『レナウン』より通信です。」

 

 

ドナール「その艦は……ヌーン大佐か。」

 

ドナールは思い出したかのようにその名前を言った

 

 

モルポタ『失礼……ラファイエット大将、アーモル中将。』

 

 

ドナール「大佐、君はその艦に乗ってるというが、司令部の監査将校かね?」

 

 

モルポタ『そのようなややこしいものでは無い。私はただの第二艦隊配下の部隊長だ。』

 

 

ドナール「……分かった。なら軍人として務めろ!」

 

 

モルポタ『はっ!』

 

 

 

 

その時、エルメッツァ艦隊前方に青い四角を重なりあわせたかのような輪を纏いながら、重厚な戦闘艦が多数出現する

 

 

帝星ガトランティス第8機動艦隊5万4000隻はエルメッツァ艦隊の前方に展開する

 

 

対するエルメッツァ中央政府軍連合艦隊は約4万隻

スカーバレル海賊団が壊滅した今、悩ましい海賊退治にリソースを割くことも無くなった

この総力戦の為、主力艦隊ばかりではなく惑星防衛部隊や余っていた海賊対策の艦隊もかき集めた結果だった

 

 

 

ドナール「……」

 

ドナールは『総力戦』という言葉が頭の片隅で引っかかり、最後に緊張していた

そのせいか、暑くないはずなのに汗が滲み出ていた

 

 

バルト「……ラファイエット大将……そこまで肩の荷を持つことは無いと思います。重責は私にも預けて欲しい。」

 

 

ドナール「ええ……ですが、ここは私だけに……。」

 

 

バルト「ラファイエット大将すまない……全艦隊攻撃用意!艦載機隊を発艦させろ!」

 

 

ドナール「アーモル中将!」

 

 

バルト「貴方に倒れては欲しくないのです。艦隊戦は任せます。」

 

 

ドナール「……分かった。」

 

ドナールは肩の荷が下りたかのように腕を伸ばす

 

そして、リラックスした

 

 

 

 

 

帝星ガトランティス第8機動艦隊

 

 

空母打撃群旗艦ガイゼンガン兵器群・アポカリプス級航宙母艦『イェルメート』

 

 

全長1000mを越え、巨大な甲板が上下から挟み込んだ形状をしている艦艇であった

 

メルナード「人間が我々と同じ数を集めようが無駄……叩き潰してくれる……メーザー提督に打電!」

 

 

メーザー『……計画通りに進めよ。』

 

 

メルナード「カタパルト回転!全艦載機発進!」

 

 

同時に

 

 

ドナール「全機突撃!」

 

と命令が重なった

 

 

 

『イェルメート』の巨大甲板が艦橋部を主軸に左回りに回転しだし、同時に甲殻攻撃機デスバデーター計600機が発艦開始

また、周囲のナスカ級打撃型航宙母艦50隻からもデスバデーター計1200機が発艦開始した

 

 

エルメッツァ側からも多数の航宙機が出撃していた

最新鋭機LF-G-11レ・エール戦闘航宙機と量産機LF-F-035フィオリア、LF-F-033ビトン戦闘航宙機が護衛としLG-0015エルナーサやLG-0014ディミラ航宙攻撃機が護衛合わせ計2600機出撃した

 

 

1000機のフィオリア、ビトンはSSL対宙ミサイル2発を一斉に発射

また、200機程度のレ・エールはSGL空対空ミサイル1発を一斉発射

 

 

対するデスバデーターは対空戦闘の役割を与えられた600機が空対空ミサイル6発を一斉発射

さらに飛行形態のニードルスレイヴが腕を格納したまま、杭を前方に超高速で打ち出した

 

 

ミサイル同士が激突したり、杭がミサイルを貫いたり、また運悪くミサイルが命中する機体が現れるなど混戦となった

 

 

その間にほとんどの機体がミサイルを使い切り、ビトンやフィオリアはK133リニアガン、レ・エールはKW1リニアバルカンによる攻撃に切り替えた

デスバデーターも回転式ビーム砲塔と8丁の固定機関銃による攻撃に切り替えた

 

 

そのうち、1部の両軍の対艦攻撃機が混戦を突破、

 

 

エルナーサやディミラはT3及びT2対艦ミサイル2発をカラクルム級群に向けて一斉発射

 

艦体部を狙ったものは致命的なダメージを与えられず砲門一部損壊や対空砲損傷程度の損害しか与えられなかったが、艦橋部を狙ったものは行動不能に追い込んだ

 

だが、それでもそれは1部に過ぎず、多くのミサイルは猛烈な対空砲火に晒され、さらに母機でさえ多くが撃墜された

 

 

エルメッツァ艦隊に辿り着いたデスバデーターも対空砲火に晒された

しかし、それでも6発の空対艦ミサイルを一斉発射し駆逐艦や巡洋艦等数隻は次々と火だるまになりかなりの損害を負う艦艇もおり、撃沈される艦艇も出てきた

 

 

 

そして、両軍とも艦載機の数は減っていき、最終的に空戦を制したのは……

 

 

 

エルメッツァ側であった

 

しかしそれでも300機程度しか残っておらず壊滅状態ではあったが

 

 

 

『イェルメート』艦橋

 

 

メルナード「馬鹿なっ!!!デスバデーターが全滅したというのか!!ニードルスレイヴはどうなった?!」

絶対勝てると思っていた彼は大きな衝撃を受け、叫んだ

 

 

将校「少数が生き残っております。ですが……未だ300機程度の敵艦載機が残っている中、元々は地上用のニードルスレイヴでは勝てませぬ……」

 

 

メルナード「ぐ……ぐぐぐ……ぐぬぬ……」

 

彼は衝撃のあまり、歯ぎしりしか出来なかった

 

 

その時突然メーザーから通信が開かれる

 

メーザー『だから言ったであろう。人間を舐めるなと……』

 

 

メルナード「ふっ……艦載機等人も機体もいつでも生産できる。問題ない。最終的に艦隊戦で圧勝すれば問題ない……艦隊戦ではほぼ勝ち続き……苦戦する理由などない。」

 

 

メーザー『……メルナード。攻撃準備に入れ。』

 

 

メーザー「全艦隊突撃。」

 

 

 

 

『エルゲットバイヒ』艦橋

 

 

オペレーター「敵艦隊前進開始!」

 

 

ドナール「とうとうか。アーモル中将、艦載機隊の収容を頼んだ。それと、"あれ"も頼む」

 

バルト「……"あれ"も……分かりました。」

 

 

ドナール「……()()()()()()()、発射用意!」

 

 

 

 

カラクルム級群最前列は艦橋最下部の大型連装砲にエネルギーを集中させていた

 

まずカラクルム級3隻が最初の射撃を開始する

 

弾速は通常の砲撃に比べると遅いが一方で威力は高かった

 

とてつもなく大きい轟音と共にサウザーン級巡洋艦に直撃し一瞬にして轟沈した

 

 

 

バルト「…な、なんだあの威力は!報告にある攻撃方法とも違うぞ!」

 

彼以外に他の者もその攻撃に動揺し全く動けない者がいた

 

 

オペレーター「……え、えっと……サウザーン級が1発の射撃で轟沈したと思われます!」

 

その後気づいたオペレーターが報告し始めたが、誰もが気づいてる内容であり、アーモル中将が叱りつけた

 

 

バルト「そんなことは分かっている!!」

 

 

オペレーター「す、すみません……」

 

 

 

その後しばらくその砲撃が続き、グロスター級戦艦でさえその砲撃の餌食となり、1発目は耐えたものの、2発目で轟沈した

 

 

 

メルナード「ふんっ、脆い……脆すぎる……!やはり、幾ら数が多かろうと我らの敵ではない!」

 

 

将校「メルナード様!エルメッツァ艦隊後方より高エネルギー反応!今まで観測されたものとは比べ物にならないものです!」

 

 

メルナード「何?」

 

 

 

数分前

 

 

 

バルト「ラファイエット大将、プランタット砲発射準備完了!」

 

 

ドナール「よし、撃てぇー!!」

 

 

 

わずか全長800mのグロスター級戦艦に外付けで搭載された1500mの『プランタット砲』の発射機構からエネルギーの奔流が前方に飛び出す……!

 

左右上下に射線を空けたエルメッツァ艦艇の間を通り、艦隊前方にて何十、何百、何千もの線に分かれ、ガトランティスを襲う!

 

 

 

 

ガトランティス艦隊は密集していた為、次々と被弾していった

 

 

 

その直後にエルメッツァ艦隊からの砲撃が襲う

 

先程の一方的な攻撃のお返しとばかりに猛烈に撃ち続けた

 

 

 

 

『イェルメート』艦橋

 

 

メルナード「ば、ばかな!」

 

メルナードは多数の艦艇がやられてる様子に 驚きが隠せなかった

 

 

将校「メルナード様、行動不能になった艦艇、1万隻を越えました……」

 

 

メルナード「……メーザー!!」

 

怒りという感情に囚われ、自分の上司の名を叫んだ

 

 

メーザー『呼んだか?』

 

 

メルナード「敵の艦載機隊をなぜ攻撃しなかった!」

 

 

メーザー『それとこれとは別問題だ。貴様こそ怒りという感情に汚れ、状況を見誤るな。』

 

メーザーは冷静に彼を、そして状況を見つめた

 

 

メルナード「……くっ」

 

 

メーザー『コズモダートを呼べ。』

 

 

 

 

ナスカ級打撃型航宙母艦『コズモダート』艦橋

 

 

コズモダート「何でしょう、メーザー提督。」

 

 

メーザー『艦載機は残っているか。』

 

 

コズモダート「いえ……いや本艦には数機は残っております。」

 

 

メーザー『……そうか。』

 

 

 

 

旗艦『ギルガメル』艦橋

 

 

 

メーザー「敵のあの砲撃は恐らく装填に時間がかかるはずだ……特科砲撃群を突出させろ。」

 

 

将校「それは……はっ!」

 

その将校は多少躊躇したものの、命令とあってすぐに従った

 

 

 

特科砲撃群・・・メダルーサ級殲滅型重戦艦改B(ヴェー)型を集めた第8機動艦隊の特殊戦力である

 

 

それらは10隻以上の単横陣が何列も並ぶ陣形で前進を開始した

 

 

 

 

『エルゲットバイヒ』艦橋

 

 

オペレーター「敵艦隊に変化あり!双胴型の艦艇多数が前方に突出しつつあります!」

 

 

ドナール「……『プランタット砲』の再装填は?」

 

 

バルト「……まだです。今さっき母艦を切り替えたとの報告がありました。」

 

 

ドナール「……グロスター級の全エネルギーを使用するからな……仕方ないか……」

 

 

バルト「どうします?」

 

 

ドナール「まだ艦載機隊は残っているな?」

 

 

バルト「補充も完了しているとの報告も来ました。」

 

 

ドナール「よし、全艦突撃!」

 

 

同時に

 

 

 

メーザー「全艦突撃せよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3万8000隻程度に減ってしまった帝星ガトランティス第8機動艦隊と戦闘途中で訪れた援軍含め3万2000隻となったエルメッツァ中央政府軍連合艦隊が本格的に衝突する

 

 

 

エルメッツァ側は本格衝突した際の作戦プランに基づき、ジェロン近傍に浮かんでる大小の多数の岩塊を利用していた

 

 

ガトランティス側は迂回もせず正面から突撃した

 

 

エルメッツァ側は残していたLF-G-11レ・エール戦闘航宙機1000機を残しており、全機を突撃させた

 

「いくぞぉぉ!!……」

 

「が……」

 

「うわぁぁぁー!!」

 

 

彼らは圧倒的なガトランティス艦隊の対空砲火に次々と撃墜されていくも

 

「全機、撃てぇ!」

 

 

残った機体は新型で試作型のT4対艦ミサイルを放ち、ガトランティス艦隊に損害を与えていく

 

そして、そのまま敵艦に追突し自殺攻撃を敢行した

 

 

 

あるカラクルム級1隻の連装大砲塔より砲撃が加えられ、サウザーン級巡洋艦が一撃で轟沈する

 

 

「サウザーン級が!」

 

 

「くっそ、敵艦艦橋に砲撃を加えろ!」

 

そこにグロスター級戦艦1隻の連装砲2基より砲撃が襲い、カラクルム級は艦橋部が潰され航行不能となる

 

 

「全門斉射!!」

 

そのグロスター級戦艦は艦体を斜めにし、連装砲4基8門により一斉射でさらにもう1隻のカラクルム級を撃沈させる

 

 

そこをメダルーサ級は見逃さず、5連装大砲塔と回転砲塔、量子魚雷という光弾による攻撃を食らわせる

 

比較的口径が小さい回転砲塔による射撃は耐えるも、5連装砲の射撃と量子魚雷による着弾は堪え、轟沈する

 

 

そしてあるサウザーン級は…

 

 

「敵艦、2連装砲こちらに向いています!」

 

悲鳴じみた声で報告する

 

 

「全力で回避しろ!急げ!」

 

 

即座に砲撃が襲う

 

しかし、後部に掠った程度でほとんどそのエネルギー弾は外れた

 

 

「よし、今のうちだ。砲撃から少しタイムラグがある、今のうちに横に回りこめ!」

 

艦長が命令を発し、回避機動を取りながら、砲撃を行ったカラクルム級の左側面に回り込むことに成功した

 

 

「なんて重武装だ……よし、全門斉射!!」

 

連装砲3基6門の全門から砲撃を加え、さらに右舷のミサイル発射管からミサイルを打ち付ける

 

 

カラクルム級は後部甲板の回転砲塔から砲撃を加えるも寸前のところで回避され主砲で滅多打ちにされ、航行不能へと追いやられた

 

 

「よし、次だ!」

 

 

「艦長、前方の敵艦が!」

 

 

「何……!」

 

 

前方にいたカラクルム級は雷撃ビットを超高速回転させてたが、頭頂部の発光部がさらに輝き出し、艦橋部の3連装砲3基9門を連射し始めた

 

 

その弾幕に避ける手段はなく、サウザーン級は次々と被弾していく

 

 

「ぐっ……艦長ー!」

 

 

「……最後のあがきだ!突撃せよ!最大出力!」

 

 

その弾幕に滅多打ちにされながらも進む…

そして、衝突し両艦ともに爆発の中で塵と消えた

 

 

 

 

『エルゲットバイヒ』艦橋

 

 

バルト「損耗率が馬鹿にならないぞ……これ。」

 

 

ドナール「プランタット砲はどうだ?」

 

 

バルト「まだ…」

 

その時、別の士官から報告を聞く

 

 

バルト「いや、発射準備完了との報告が入りました。収束モードで行きますか?」

 

 

ドナール「あぁ。やってくれ。」

 

 

期待を込めつつも、あまりの損害の大きさに二人とも気迫がなかった

 

それをお構い無しにプランタット砲の発射機構から再びエネルギーの奔流が発射される

 

 

放たれたエネルギー流は収束したまま、ガトランティス艦隊の中央にいた5000隻を消滅させた

 

 

しかしその大戦果とは裏腹に危機が迫っていた

 

 

 

 

特科砲撃群旗艦メダルーサ級殲滅型重戦艦改B型『ウランガル』

 

 

将校「ウランガル様!敵の決戦兵器と思われる発射地点を特定しました!」

 

 

「そうか……くくく……」

 

 

暗い艦内で黒い布で顔を隠したウランガルと呼ばれた男は気味悪く笑った

 

 

「ならば、片付けるまで。」

 

 

と一言発すると、ガトランティス兵士たちは動き出し、艦首両舷の突き出た部分から転送波が放射され、艦体下部の火焔直撃砲もすぐにエネルギー充填が完了した

 

 

将校「ウランガル様、本艦他全艦発射準備完了。」

 

 

ウランガル「よし……」

 

 

その時、『ウランガル』含め3隻の火焔直撃砲の砲身にエルメッツァ艦隊からの砲撃が偶然直撃し煙が吹いた

 

 

ウランガル「どうした?」

 

 

将校「はっ、本艦含め3隻の火焔直撃砲が敵艦隊からの砲撃により機能停止致しました。」

 

 

ウランガル「ふむ……3隻を除いた全艦は引き続き発射態勢を継続せよ。本艦含め3隻は雑魚敵の掃討にあたる。」

 

 

将校「では。」

 

 

ウランガル「うむ……火焔直撃砲、発射。」

 

 

特科砲撃群の最前列10隻の内、7隻の火焔直撃砲が発射され、エネルギーの奔流が転送される

 

 

数秒後、『プランタット砲』の発射機構の母艦含めその護衛群の前方に青い円が出現

火焔直撃砲のエネルギーが転送され、エネルギーの奔流が飛び出し、護衛群ごと飲み込んだ

 

 

 

『エルゲットバイヒ』艦橋

 

 

士官「緊急事態です!『プランタット砲』が消滅しました!」

 

 

バルト「どういうことだ!?暴走か?!」

 

 

士官「いえ、付近にいた艦艇によれば、『突然出現したエネルギーの奔流に飲み込まれた』と……」

 

 

ドナール「何……?」

 

ドナールは目を顰める

 

 

バルト「……まさか……ロウズにて調査艦隊がやられた攻撃と同じか……」

 

 

ドナール「……まさか、奴らはわざと攻撃させたのか……」

 

 

バルト「どうします?」

 

 

ドナール「……クソッタレが!!」

 

その時、目の前の机を叩き、思いっきり叫んだ

 

 

バルト「!?」

 

 

ドナール「すまない……部隊指揮官にまではこの情報を通達しろ。それ以外はダメだ。」

 

ドナールは顔を俯き、目を背けたまま話した

 

 

ドナール「全艦に通達、反撃をしつつ後退せよ。生き抜け。」

 

 

バルト「……それは……分かりました。」

 

 

すぐに命令が伝達され、エルメッツァ中央政府軍連合艦隊は攻撃しつつ後退を開始した

 

 

だが、ガトランティスがそれを見逃すはずもなかった

 

 

 

『ギルガメル』艦橋

 

 

コズモダート『メーザー提督。敵艦隊が後退に入ってる模様。やはり、敵にとっての決戦兵器をやられて勝ち目がないと判断したのでしょう。』

 

 

メルナード『メーザー殿。ここは追撃のチャンスだ。』

 

 

メーザー「分かっている。全艦、追撃せよ。1匹にも逃すなよ……」

 

 

 

特科砲撃群のメダルーサ級殲滅型重戦艦改B型百隻近くが連続で火焔直撃砲放ち、エルメッツァ艦隊に次々と穴を開ける

 

 

また、カラクルム級群も雷撃旋回砲を発射し、その猛烈な弾幕で次々とエルメッツァ艦隊を砕いていく

 

 

 

グロスター級戦艦『レナウン』

 

 

士官「第二艦隊旗艦が轟沈!」

 

 

モルポタ「くっ……」

 

 

艦長「大佐、配下の部隊が全滅した以上、本艦は単独行動が可能だ。どうする?」

 

 

モルポタ「砲撃を継続せよ。やれることはそれしかない……」

 

 

艦長「……そうか、なら私も従おう。」

 

 

モルポタ「一矢報いることが出来ればっ!」

 

モルポタは顰めっ面した顔を出した

 

 

士官「……艦長、敵艦隊に動きが。1000mを超える大型空母が接近中、大型砲を用い砲撃しています。」

 

 

モルポタ「……」

 

モルポタはその大型空母を見つめる

 

それこそアポカリプス級航宙母艦『イェルメート』だった

 

 

 

『イェルメート』艦橋

 

 

『イェルメート』は空母ながらも、メルナードの命令により最前列に展開していた

 

 

メルナード「雑魚敵は私が直接叩き潰さなければならん!」

 

 

『イェルメート』は回転砲塔を乱射し、量子魚雷を乱発して、それこそ射線の邪魔になる艦艇は味方であっても沈めていた

 

 

将校「高速接近する敵艦を確認!」

 

 

メルナード「ふんっ、最後の抵抗か、面白い、沈めよ。」

 

メルナードは薄気味悪く笑った

 

だが、その直後に驚愕へと表情は入れ替わることとなる

 

その艦艇が明らかに突っ込んできていたからである

 

 

 

『レナウン』艦橋

 

 

艦長「大佐!まさか突っ込む気か!」

 

 

モルポタ「最後の最後に一矢報いねばと……」

 

 

艦長「もう、この戦いに負ければどうなるか分からんからか?」

 

 

モルポタ「ええ、愛国心に何故か目覚めてしまってね。」

 

 

艦長「……だそうだ、諸君。もう拒否権は無きに等しいが、一応聞こう。付いてきてくれるか?」

 

 

士官1「もちろんです!」

 

 

士官2「私も。」

 

 

モルポタ「感謝する。……」

 

 

「……エクシード機関、リミッター解除!最大出力!突っ込め!!」

 

 

 

『イェルメート』艦橋

 

 

メルナード「おとせぇ!!」

 

驚きと恐怖が入り交じった表情でメルナードは必死に命じていた

 

 

その気迫に押される様に射撃可能な全門が砲撃を『レナウン』へと向けた

 

 

しかし、エクシード機関を最大にしている為、当たらなく、さらに対艦攻撃能力は高くとも、対空能力は低く、高速航行する『レナウン』には効果がなかった

 

 

そして、グロスター級戦艦『レナウン』は高速航行状態でアポカリプス級航宙母艦『イェルメート』の正面から衝突した

 

800mの戦艦が1240mの空母にぶつかるのだ

 

 

速度差により、『レナウン』が『イェルメート』に潜り込む形となり、艦内ではバキバキッという破砕音が響き、『イェルメート』の上半分がえぐれていき、遂に『レナウン』が限界に達し、爆発した

 

抉り込んだ状態での爆発は『イェルメート』すらも大きな被害を蒙った

 

 

破損した『イェルメート』の艦橋では

 

 

ただ一人、メルナードだけが立っていた

 

 

その時突然正面に逆三角形のウインドウが現れ、メーザーの顔が映された

 

 

メーザー『ひどい破損状況だな。まあいい。上から見てるところ生きてるのはお前だけらしい。まあ、我らに生存も死亡もないがな。』

 

 

メルナード「で、どうするのだ?」

 

 

メーザー『それは私が言うべきことだ。その体をどうする?幼生体に記憶媒体を継がせるか?』

 

 

メルナード「無論、まだこの体で行くつもりだ。」

 

 

メーザー『では、修復の手配をしておこう。とりあえず、本艦に移乗せよ。』

 

 

 

 

旗艦『ギルガメル』艦橋

 

 

メーザー「やはり、まだ決定打が足りないか……」

 

 

???『お呼びかね?メーザー提督。』

 

 

メーザー「その声は……」

 

 

???『私だよ。』

 

突然逆三角形のウインドウが現れ、声の主が映された

 

 

メーザー「クライヴ提督か。それで、何をしようと?」

 

 

クライヴ『まあ、見たまえ。』

 

 

その言葉の直後、ガトランティス艦隊の中央に全長1500mの艦艇が出現した

 

 

その姿はカラクルム級等とは異なり、滑らかな印象を覚え、艦首には上下2つの白い突起物が存在しその間に大きな穴があった

 

 

クライヴ『メーザー提督。本艦、ルナバエル級の射線には入らないでくれよ。』

 

 

メーザー「はっ。」

 

 

クライヴが座乗する艦艇『ルナバエル』

 

その艦首に蒼白い光が灯り始める……

 

それはさらに輝きを増し、大きくなり……

 

そして一気に放出された

 

 

 

 

エルメッツァ艦隊旗艦『エルゲットバイヒ』艦橋

 

 

オペレーター「敵艦隊後方より高エネルギー反応!直撃します!……」

 

 

ドナール「……」

 

 

バルト「!?」

 

 

士官「……嘘……だろ……」

 

 

階級の関係なしに兵士達はそれぞれ絶望、悲しみ、怒り等様々な感情の篭もった表情を浮かべ……

 

 

 

蒼白いエネルギーの奔流に呑み込まれ、塵となって消えていった

 

 

 

 

クライヴ『どうだ、見たかね。()()()の力を。』

 

 

メーザー「凄い……クライヴ提督、流石です。」

 

 

旗艦を失ったエルメッツァ艦隊は後退から潰走へと変わり、総力を上げて追撃してくるガトランティス艦隊によって即座に殲滅された

 

 

 

この激戦でエルメッツァ中央政府軍連合艦隊は全滅

 

また、帝星ガトランティス第8機動艦隊は健全な艦艇が残り1万隻程度しかいなかった

 

 

 

 

エルメッツァ星間国家連合首都星ツィーズロンド

 

大統領官邸危機管理対策室

 

 

ヤズー「負けたか……」

 

 

ルキャナン「大統領……脱出し大マゼランへ亡命の用意を。」

 

 

ヤズー「私は行かん。」

 

 

ルキャナン「え?」

 

 

ヤズー「それよりもオムス・ウェル中佐を呼んでくれ。」

 

 

ルキャナン「はっ、ただいま。」

 

 

数分後

 

 

オムス「大統領、何でしょうか?」

 

 

ヤズー「長官……。」

 

 

ルキャナン「中佐、私はお前を中将に任じようと思う。」

 

 

オムス「!?……待ってください……三階級特進ですか?何故?!」

 

オムスは突然の事で驚いた表情をした

 

 

ルキャナン「先の敗北は聞いているな?」

 

 

オムス「ええ。」

 

 

ルキャナン「私は一般庶民に下り、再興の機会を図ろうと思う。現在高級将校が減ってる中、中佐に脱出の指揮をさせるのは見栄えが悪いと思い中将にしたまでだ。」

 

 

オムス「……大統領はどうなされるおつもりです?」

 

 

ヤズー「私かね。私は残る。この星に生を受けた者、そしてこの国の大統領となった者として最期まで見守りたいのだ。」

 

 

オムス「……」

 

 

ヤズー「大国エルメッツァ……この上に胡座をかいていたことは認めよう。だがね、最期の瞬間になると愛国心というものが芽生えるのだよ。」

 

 

オムス「……ところで私は……一般人を収容して大マゼランに向かうのが任務としてでよろしいでしょうか?」

 

 

ヤズー「いや、あと一つだけある。理不尽にも投入できなかった決戦兵器『アトラテス砲』の設計図を大マゼラン=ロンディバルト連邦国へと持って行って欲しい。そして、いつか大マゼラン諸国とともに我がエルメッツァを奪還して欲しいのだ。」

 

 

オムス「はは……重責ですな。ですが……やります。」

 

 

ルキャナン「それでは……」

 

ルキャナンはオムスの中佐の階級章を外し、中将の階級章を取り付けた

 

 

ルキャナン「……おそらく奴らはすぐに来る。首都星防衛隊と残存艦艇を率いて、民間人を可能な限り収容次第、脱出しろ!」

 

 

オムス「はっ!」

 

 

 

 

6時間後

 

 

オムス・ウェル()()率いる脱出船団500隻程度が首都星ツィーズロンドを出発

 

外交使節団としてはルロー・エンペンス副大統領、ベロヌ・フランクリン外務局長等が随伴した

 

 

 

 

そして、その2時間後

 

 

帝星ガトランティス第8機動艦隊1万2000隻が

首都星ツィーズロンドに到達

損害の多さによる艦隊の再編によって予定よりも時間がかかったが、予定通り占領統治の準備に入った

 

 

 

エルメッツァ星間国家連合政府代表のヤズー・ザンスバロス大統領は即座に降伏

その後、ガトランティス兵によってどこかに連れていかれ、後にその姿を見たものはいなくなった

 

 

 

 

ー彗星都市帝国ー監察の間ー

 

 

ズォーダー「やっと終わったか……」

 

 

ガイレーン「ですが、大帝。損害の大きさが気になるところなのです。」

 

 

ズォーダー「別に構わん……。さて、ネージリンスよ。どのように楽しませてくれるか?」

 

 

 

1つの国が今滅び、さらにもう1つの国が滅びを迎えようとしていた




『プランタット砲』はまさにヤマト2202の拡散波動砲の縮小版みたいなものです


次回予告

第9話 憎み合う両者の戦争

ネージリンス星系共和国とカルバライヤ星団連合はついに本格的に衝突する

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