やはり一色いろはが俺の許嫁なのはまちがっている。   作:白大河

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いつも感想、評価、お気に入り、誤字報告、ここすき、メッセージ。ありがとうございます。

こちらでは約一ヶ月半ぶりでしょうか?
お久しぶりです白大河です。

今回は予告通り閑話となります。
予定では5000文字程度だったんですけど何故か1万文字超えました
おかしくね?


閑話
閑話 いろはにほへとばぁすでぃ


 昼休み、今日も俺はいつも通り人気のないベストプレイスへと向かう。

 学生の昼休みといえば授業という拘束から解放され、ほんの僅かな休息を得る最高の時間で、これから向かう場所も誰にも邪魔されず飯を食える最高の穴場スポット。

 当然足取りも軽くなりそうなものなのだが……、不思議と俺の足は重い。

 

「センパイ遅ーい! もう私お腹ペコペコですよー!」

 

 なぜなら、その日もベストプレイスには予想に違わず一色いろはが居たからだ。

 実のところ最近はもうずっとこんな感じなのである。

 俺の安息の日々はどこへ言ってしまったのか……はぁ……。

 

「……別に腹減ったなら、先に食ってりゃいいだろ……」

 

 どういうわけか、この子最近昼休みになるとずっとここに居るのよね。

 ここは俺が見つけた校内随一のベストスポットで、食べログにも載せていないはずなんだけどなぁ……。

 もしかして、どこかで晒されちゃった?

 それまで誰も見向きもしなかった自分だけの穴場店をテレビで紹介された気分。

 いや、まぁ行列が出来る程じゃないけどさ……。

 それにしたって、俺以外にここを利用する人間がいるとは思わなかった。

 この子友達いないの?

 

 流石に多少は付き合いも長くなってきたその、なんというか──い、許嫁が入学早々こんな感じだと少し心配になってしまう。一度保護者に報告した方がいいかしら?

 もしこれが一色ではなく小町だったらと思うとお兄ちゃんちょっと泣いてしまいそうだ。

 小町ちゃんは大丈夫なの? 家では明るく振る舞ってるけど学校では毎日便所飯とかだったらどうしよう?

 今晩辺り久しぶりに人生相談の場でも設けるべきかもしれない。 

 

「何言ってるんですか、ほらほらとにかく早く座ってくださいよ」

 

 そんなことを考えていると一色がそう言って自分の隣のコンクリート階段をパンパンと叩き『ここに来い』と誘導してくる。

 はぁ……。

 

 今年は俺が葉山と同じクラスになったので、ソレを利用して葉山に近づくのだろうと思っていたのだがなぁ。

 どういうわけか一色にソレを伝えても「へぇ、そうなんですか」と心底興味なさそうに返事をしたきり、何もアクションを起こそうとしない。それどころか、俺のクラスに近寄るのを避けているような素振りさえ見せ、こうやって毎日俺を待ち伏せている。

 一体コイツは何考えてるのだろう? 

 女子本当にわからん。

 

「えへへ」

 

 仕方なく、俺が一色の隣に座り買ってきた昼飯を袋から取り出すと、一色が嬉しそうに微笑みを浮かべ、俺との距離を詰めてくる。

 まずいな、許嫁という関係を続行することにしてしまった手前、油断してると本気で勘違いしてしまいそうだ……。

 意思を強く持て比企谷八幡、俺は名前だけの許嫁。葉山を見極め、将来的には引き渡す立場なのだ。

 深みにハマってはいけない。

 くそっ、許嫁続行したの早まったかもしれん、クーリングオフってまだ適用されるかしら?

 

「な、何? そんなくっつかないでくれる?  食べづらいでしょうが」

「まぁまぁ、良いじゃないですか。ってセンパイ今日もパンですか? 栄養偏っちゃいますよ? やっぱり私がお弁当作ってきましょうか?」

「いいよ別に、弁当食いたかったら小町に頼む」

「むー……」

 

 そうして、俺たちは昼食の準備をしつつ、最近ではお決まりの会話を繰り広げる。

 まぁ、小町が作ってくれるかどうかは正直微妙な所だが、弁当が食いたかったら自分で用意するとか、買ってくるとか色々選択肢はあるだろう。今の俺は結構懐に余裕もあるので、あえて一色に頼む必要もない。

 というか、一色に頼んだりしたら後が怖いまである。後から何か請求されそうだしな。

 それに何より、一色に弁当作らせてるなんて話がもみじさん辺りの耳に入りでもしたら面倒な事にもなりそうだ……。

 

「ところでセンパイ……」

「んー?」

 

 そんな事を考え俺が買ってきた焼きそばパンを一口頬張ると、一色が今度は少しだけしおらしく声をかけて来た。

 まるで小町が親父に何かをねだる時のような、そんな猫撫声だ。

 まあ……なんとなく予想はしているが……。

 

「……今日、何の日か知ってますか?」

「お前の誕生日だろ?」

 

 今日は四月十六日。

 一色本人からこう問いただしてくるという事も考えれば間違いなく一色の誕生日当日。

 一応喜劇王チャップリンの誕生日として有名な日でもあるが、一色がチャップリンの熱狂的大ファンという話はこの一年聞いたことがないので、一色本人の誕生日についての話題と考えるのが妥当というものだろう。

 

「!? お、覚えててくれたんですか?」

 

 しかし、その問いかけに即答した俺を一色は信じられないという顔で見てくる。

 なんだろう?

 「お前記憶力とかあったの?」と遠回しにディスられているのだろうか?

 別に記憶力に自信が無いなんて話をした覚えはないのだが……。

 こいつの中の俺の評価についてはイツかじっくり話をさせてもらいたいモノだ。

 

「お前が忘れるなって言ったんだろ……?」

「それは……まぁ、そうですけど。まさか本当に覚えてくれてるとは思ってませんでした」

 

 あれは去年の俺の誕生日での事だ。まあ、当日ではなかったとはいえ、アノ日の出来事は俺の人生の中でもトップクラスに印象的なモノだったので。忘れるはずがない。

 だが、それは逆に大きな借りとも言える出来事だ。

 なので、俺もキチンとその義理を果たすべきだとずっと思っていた。

 そのチャンスがようやく巡ってきたのだ、忘れるはずがない。

 

「とりあえずコレ、ほい。誕生日おめでとう」

 

 だから俺は買ってきた昼飯の袋の中から予め買っておいた一本のペットボトルを取り出し、一色に渡した。

 

「へ? あ……りがとうございます? え?」

 

 ポンと突然目の前にペットボトルを渡され、一色が困惑したようにポカンと口を開き、俺とそのペットボトルを交互に見つめる。

 そんな一色を横目に、俺は俺で自分用に買ってきたマックスコーヒーの缶を取り出しプルタブを開け、一口啜った。

 だが、一色は相変わらずポカンと口を開けたまま、俺の方を見てくる。

 もしかして、一色もこっちの方が良かっただろうか?

 もー、先に言ってよね……。まだ一口しか飲んでないからいけるか? 

 いや、ダメだな『センパイの飲みかけとかキモ』とか言われそう。

 

「え? ……センパイ。まさかこれが……プレゼント、ですか?」

 

 俺が既に口を付けてしまったマッ缶を一色に渡すべきか悩んでいた僅かな沈黙の後、ようやく口を開いた一色がそんな事を口にしたので、俺は「一応な」と一言沿えて、再びマッ缶に口をつける。

 どうやら、マッ缶が欲しかったわけではなさそうだ、良かった良かった。だが、何故だろう?

 なんだか一色の額に漫画的表現の『ビキビキ』という怒りマークが見えるような気がする。

 

「一応ってこれ……! ただの水じゃないですか!」

「ただの水じゃないだろ、いろはすだぞいろはす」

 

 そう、俺が渡したのは一滴一滴森が育んだ天然水『い・ろ・は・す』だ。

 我ながら、洒落が効いていて中々良いプレゼントだと思う。

 一色いろはの誕生日にいろはす。

 しかも昨今流行りのラベルレスタイプ。

 捨てるときにラベルを剥がす手間もいらないというエコの最先端を行くラベルレス。

 なにげに今日初めて見つけてちょっと興奮してしまったまである。

 なんなら自分用に欲しかったまである。

 だが、どうにも一色のお気には召さなかったようだ。

 

 「むー……」と唸りながら俺の肩をバシバシと叩いてくる。痛い痛い。

 いや、そこまで痛くもないんだけど……。

 おかしいな。ラベルレスタイプだぞ? バーコードがついてないから所謂普通のコンビニとかでは売られていないんだぞ?

 購買で売ってたのも恐らくおもしろ商品が好きな仕入れ担当が試しに仕入れてみた程度のコトなのだと思う。明日以降も売ってるかは不明。

 そんなレア商品なのだが……やっぱり一色的には桃味とかの方がよかったのだろうか?

 いや、一色はどちらかというとみかんとかそっち系かもしれないな。コイツのイメージカラー的に。うん、来年は気をつけよう。

 

「納得できません」

「ん?」

「折角の誕生日プレゼントがこれだなんて納得いきませんー!」

 

 しかし、そうして俺が次のプレゼント候補『いろはす』に思いを馳せていると、一色がそう言って不服そうにいろはすを俺の頬にグリグリと突きつけそう叫んだ。

 まだほんのりと冷たい『いろはす』が俺の頬から体温を奪っていく。

 

「そもそもですね? センパイは私にこれを渡して『洒落が効いてるプレゼントだ!』とか思ってるかもしれませんけど。こんなの私小学校の頃から百万回やられてますからね!?」

「あ、そうなの……?」

「そうですよ! みんな私に『いろはす渡しておけば面白いだろう』みたいに安易に考えすぎなんです、毎年誕生日に水渡されるこっちの身にもなってください!」

 

 どうやら、天然水『いろはす』のプレゼントは本人に結構なストレスを与えているらしい。

 まあ……百万回言われてたらそうなるか、そうだよな。案外そういうもんだ。

 ちょっと面白いと思ってすみませんでした。

 でもそれは、その商品が発売されている現代に、その名前で生まれてしまった事を恨んでもらうしかない気もするが……。

 

「す、すまん」

「いーえ、許しません、センパイには罰として放課後私とデートしてもらいます!」

 

 とりあえず謝ってみたものの、一色の怒りは収まらない。

 くそっ、出来心で洒落を利かせたのが裏目に出るとは……ここは何も渡さないが正解だったか。

 代わりにデートとか……本当女子わからないわ……。

 ん? ちょっと待て?

 コイツ今なんて言った? デート?

 え? おかしくない? プレゼントの代わりにデート?

 

「は? お前今なんて……」

「授業終わったら校門の前で待ってますから、寄り道せずちゃぁんと来てくださいね♪」

 

 どうにもプレゼントとデートという言葉が結び付かずポカンとしてしまう俺に、一色は質問や苦情は受け付けませんと言わんばかりの態度で最後にウインクを一つ俺に投げると、そう言って「いっただきまーす」と弁当に向き直りいろはすのキャップを開けたのだった。

 ──結局飲むのかよ。

 

 まぁ、放課後出かけるならちょうど良いか……“アイツ”にも連絡しておこう。

 

*

 

「で、……なんで“コイツ”がいるの?」

「知りませんよ! なんかずっと絡まれてるんです、助けて下さい!」

「ぬははは、ここで会ったが百年目! ようやく見つけたぞ! 我が心を乱せし悪魔め!」

 

 放課後、約束通り俺が校門へと向かうと、そこには一色とともに何故か材木座の姿があった。

 しかもコレまでとは違い、二人の間には少しだけ妙な空気が漂っている。

 材木座は中二モード全開といった感じで、対する一色の方はめちゃくちゃ不機嫌モードという感じ。一体どういう構図だ?

 

「さっきからずっとこの調子で離れてくれないんです……センパイ、なんとかしてくださいよぉ……」

「なんとかっていわれてもなぁ……」

 

 これまでの材木座は一色の前だと比較的おとなしかったが、元々材木座はこういう奴である。

 流石に何度も顔を会わせたことで慣れてきたのだろう。

 そして一色に絡む──我が心を乱した──理由も大方予測はつく。

 恐らくあの合格発表の日『一色が自分に惚れてる』なんて勘違いをしていた事に対して一言言いたいというところ。

 だが、それが一色にはなんら関係の無いことだというのも分かる。

 つまり今目の前で行われているのは材木座のタダの八つ当たりだ。

 さて、どうしたものか……。

 

「とりあえず拾った所に戻してくれば?」

「我を犬猫扱いするな!」

 

 そんな俺の提案に答えたのは一色ではなく材木座だった。

 最悪このまま無視してしまっても良かったのだが、どうにもこの感じだと徹底的に絡んでくるつもりらしい。

 うーん、面倒くさい。

 

「はぁ……仕方ないですね。えっと、なんでしたっけ……? ザ・将軍先輩? 今日は私忙し──」

「ちっがーう! 我の名は剣豪将軍 材木座義輝だ!」

 

 だが、そうして俺が頭を悩ませていると、一色が材木座と向き合うコトを決意した様子で、一度ため息を吐いた後、ビシッと材木座を正面から睨みつける。すると材木座は即座にその視線を逸し、何故か俺に自己紹介をかまして来た。

 おい。

 名乗るべきなのは俺じゃないだろう、そこの後輩女子だ。間違えるな。

 自分から絡んだんなら自分でちゃんと処理しなさい。

 慣れたのかと思ったのに今までのは虚勢かよ。

 

「……はぁ……、あー……前半無視するにしてもちょっと長いんですよねぇ」

 

 しかし、そんな材木座に一色はハァと再びため息を吐きトントンと頭を叩きながら「ザ・イ・モ・ク・ザ……うーん……」とブツブツとつぶやき始める。

 一体何が始まったのかと、俺と材木座は思わず視線を交わしてしまった。

 

「じゃあモザイク先輩!」

 

 やがて一色はさも妙案が思いついたと言わんばかりにポンっと手を打ってそう言うと自信満々に材木座を指差した。

 どうやら材木座のあだ名を考えていたらしい。

 まあ、コイツから考えれば確かに『材木座先輩』という呼び方は長ったらしいのだろう。

 あれ? となると俺も呼び方変更ありえるのだろうか?

 

「そ、それだと我の存在そのものが卑猥みたいではないか……?」

 

 だがそのあだ名を聞いた材木座は、俺にチラチラと視線を向けながら否定の意思を示してくる。

 いや、だから俺のほうじゃなくて、一色の方見て言えよ。俺は助けないぞ。

 

「うーん、じゃあ材木先輩」

「あと一文字ぐらい入れられんのか……?」

「長くなるじゃないですか……じゃあメガネ先輩」

「それだとメガネが本体みたいではないか?」

「新八先輩」

「我の要素なくなったんだが!? しかも一つ前と意味ほぼ同じだろうそれ!」

 

 そうして一色は次々に材木座のあだ名を口にする。

 しかし、そのどれもが材木座のお気には召さないようだ。

 まあ、俺でもちょっと否定したくなるようなのばっかりだけどな……。

 

「なら、イモ先輩?」

「で、出来ればもう少しクールなあだ名の方が助かるのだが……」

  

 そのあだ名は俺としても辞めておいた方が良い気がする。

 一色が材木座をそう呼ぶと、なぜかストーカー被害に巻き込まれそうだし、不思議と腹が痛む気がする。超重量貫通撃(グランドペネトレイター)……うっ頭が……。

 

「えー、もう面倒くさいなぁ。じゃあ中二さんで!」

「先輩ですらなくなったが!?」

「あーもう! なら中二先輩! これなら満足ですか? はい決定! もうコレ以上はクレーム受け付けません! 今日は私の誕生日なんですからこれ以上時間取らせないで下さい!」

 

 やがて、一色はこれ以上あだ名を考えるのを放棄します、とお手上げポーズでそう言うと、流れるような動作で俺の手に絡みつき材木座にあっかんべと、舌を見せた。

 どうやら、材木座に付き合うのはここまでらしい。

 材木座から逃げるように、俺を引張り校門──総武高から離れていく。

 コマンド『逃げる』だ。

 

「む、誕生日かそれはめでたいな……ふむ。良かろう! そういう事ならばこの我も寿いでやろうではないか」

 

 しかし、いっしきはまわりこまれてまった。

 俺たちの進行を遮るように材木座が立ち塞がり、そんな材木座を一色が信じられない程低い声で威圧する。

 

「あ”?」

 

 あれ? おかしいな。

 一色の材木座に対する評価はもう少し高かった気がするのだが。

 好感度ダウンしてない?

 そのあまりの低音に思わず俺の背筋も震えるほどだ、いや、本当ちびるかと思ったわ。

 見れば材木座も冷や汗をダラダラと垂らしながら、徐々に壁際へと追い詰められていく。

 まあ……ほら一色さんもご立腹みたいですし、材木座にはここらで退場してもらうのがベストじゃないかな……なんか、ちょっと見てて可哀想になってきたし……。もうやめときなさい?

 

「お兄ちゃーん! いろはさーん! お待たせしましたー」

 

 そんな風に一色に睨まれる材木座を哀れんでいると、その空気を緩和するようにマイスイート妹小町がやってきた。

 まるでタイミングを見計らっていたかのような登場だ。

 いや、実際見計らっていたのかもしれない。

 ヒーローは遅れてやってくると常々教えてきたからな。素晴らしい兄の教育の賜物ともいえよう。

 

「え? なんでお米がここに……?」

 

 一瞬、一色の意識が材木座から逸れて、材木座が俺の背後へと避難する。

 いや、避難されても困るのだが。

 まあいい、とりあえず今は小町のことだ。

 

「俺が呼んだ」

 

 一色の問に俺がそう答えると、一色は信じられないという顔で俺を見たままパチパチと瞬きを繰り返す。

 どうやら、サプライズ成功のようだ。

 いえーい。

 

*

 

 それから俺、一色、小町、そして材木座の四人は小町の提案で駅前のカラオケボックスへとやってきていた。

 俺は「誕生日会ならサイゼでいいんじゃないか」と言ったのだが、「パーティーなんだからもっと騒げるところのほうが良い」という小町の提案だ。

 材木座はそんな小町に促されるまま、俺達の後を付いてきている。

 

「折角のデートだったのに……なんでコンナ事に……」

「まぁまぁいいじゃないですか、中二さんはお兄ちゃんの貴重なお友達みたいですし、ね?」

「う、うむ。我と八幡は前世からの盟友だからな!」

 

 未だ納得の行かなそうな一色だが、さすがの俺もココまでくれば材木座にだけ「帰れ」とは言い難い。

 そんな空気を察したのか、はたまた小町の言葉で諦めが付いたのかやがて一色は「仕方ないですね……」とため息を吐いて、案内された個室へと入っていく。

 

 用意された部屋は比較的広い『コの字』形に設置されたソファーとテーブルがあるパーティー用の個室だった。

 ムダに広い。部屋代が余計に取られたりしそうなんだが、間違ってない……よな? もしかしてこの後誰か合流する予定とかあるんだろうか?

 それとも単にここしか空いていなかった?

 余計な金は払うつもりはないからな? という強い意志を込めて案内してくれた店員を見つめると、店員はにっこりと笑顔を浮かべ「何かございましたらフロントにご連絡下さい」と一礼して退出していった。

 しかし……流石にここまで広いとどうやって座ったものか悩むな。

 とりあえず一色はお誕生日席……?

 

 そんな風に俺が余りにも広すぎる部屋での席順を考えていると、何者かに俺の右腕を取られた、一色だ。

 一色は材木座と自分で俺を挟むと、そのままソファーに平行に進み、俺を使って材木座を奥の席へと追いやっていく。

 結果、材木座がお誕生日席に座ることになった。

 そして小町は特に気にした様子もなく、俺の正面へと座る。

 材木座の右前が俺、一色。左前が小町という構図だ。

 だが、やはり部屋は広く、それぞれのソファーにはかなりのスペースが空いている。

 なのに俺の右手側にはほぼ隙間なく一色が張りついていて少しだけ窮屈なのは何故だろう?

 

「あ、お兄ちゃんコレ」

「おう……」

 

 仕方なく俺が自分の左手側に鞄置くと小町がテーブル越しに自分の荷物を俺の方へと預けて来た。

 いや、小町ちゃんのソファー、一人しか座ってないんだから自分のところに置いておいても良いんじゃないかな?

 まあいいけど……。

 きっと、貴重品を兄に預けておきたいという妹心なのだろう。

 まったく、世話のかかる妹だ。

 

「お兄ちゃん、何ニヤけてるの? 気持ち悪いよ?」

 

 そんな事を考えていたら、久しぶりにゴミを見る目で見られてしまった。ちょっとショック。

 

「えっと……それで……中二さん? 改めまして、比企谷八幡の妹の小町です」

「うむ、我は剣豪将軍材木座義て──!」

 

 そうして俺が軽くショックを受けている間に、空気の読める妹小町が材木座に自己紹介を始めたので、俺は即座にそれを遮った。

 

「あんまでかい声だすなよ、ご近所迷惑でしょうが」

「う、うむ、すまん……ってここカラオケでは……?」

 

 こんな所で変なフラグ建てられても困るからな。

 昨今のフラグはどこで立つのか予測ができない場合も多いのだ。本当気を付けなきゃ……。

 

「お兄ちゃん、ちゃんと高校にお友達いたんだね、小町もう心配で心配で……」

「いや、材木座は別に友達ってわけじゃ……やめろ! 涙ぐむな!」

「こんな兄ですが、これからも仲良くしてあげてくださいね?」 

 

 しかし、俺のツッコミなど無視したまま、小町は「うっうっ」と芝居がかった仕草で目元にハンカチを当ててくる。

 完全に友達のいない子の親モードだ。

 やはり会わせるべきじゃなかったな……。いや、会わせようと思っていたわけじゃないんだけど。

 

「あ、う、うむ。良きにはからえ」

「何キャラだよ、ずいぶん偉そうだな」

「ふふ、そう固いことを言うな兄者」

「おい、兄者って呼ぶな」

「……そうか……お米に相手させるのは有りか……」

 

 仕方なく、俺が材木座とコント紛いの会話を繰り広げていると、突然横から不吉な言葉が聞こえてきた。

 一色だ。やけに静かだからメニュー表でも見ているのかと思ったが、どうもそうではないらしい。

 まるでイタズラを思いついた子供のような意地の悪い笑みを浮かべ、小町の方を見ている。

 

「一色……?」

「なんですか? センパイ♪」

 

 俺が問いかけると、一色はキュルン♪ と擬音が聞こえそうな程分かりやすく表情を変え笑顔を向けて来た。

 ……なんだろう、すごく胡散臭い。

 警戒だけはしておこう……。小町は俺が守る!

 

「あ、そうだ! センパイ何飲みますか? それとも何か食べます?」

 

 だが、そんな俺の心境を知ってか知らずか、一色はまるで何事もなかったかのようにそう言って俺にメニュー表を見せて来た。

 俺の……勘違いだろうか?

 俺は若干の警戒を残したまま、メニュー表に視線を落とし、ドリンクバーのラインナップを覗き込む。

 

「え? えっと……んじゃコーラで」

「じゃあ、私烏龍茶でお米ちゃんよろしく♪」

「へ?」

 

 俺が飲み物を決めると、一色は流れるように言葉を続けて小町にパシリを命じた。

 なんだ。さっきの「お米に任せる」っていうのはドリンクバーのパシリのコトだったのか?

 警戒するほどでもなかったようだ……まぁコイツの誕生日だし、それぐらいなら俺が行っても良いが。

 

「ほら、ここドリンクバーはセルフサービスだし、皆でぞろぞろ行ってもあれでしょ? だからお米ちゃんにお願いできないかなー? って」

「まあ……それはそうですけど……」

「いや、それぐらいなら俺が……」

 

 小町の代わりに俺が……と立ち上がろうとした瞬間俺の手を、何者かがぐいっと引っ張った。一瞬腕の筋に痛みが走る。

 

「いいから、センパイは座ってて下さい!」

 

 痛!?

 え? 何今の握力? ゴリラ? 今一瞬ここにゴリラいなかった?

 信じられないぐらい強い力で引っ張られ、自分の右手がもぎ取られたのじゃないかと恐怖したほどだ。

 しかし、横を見てもソコにはゴリラなどおらず、相変わらず一色がニコニコと俺を見つめている。

 ふと気がつけば不思議と腕の痛みも消えていた。き……気の所為か?

 

「ほら、私今日お誕生日様だし? お願いお米ちゃん♪」

「はぁ……仕方ないなぁ……行ってきます……」

 

 一色にそう言われ、やがて小町は諦めたようにそう言って席を立つと、一瞬だけジロリと俺を睨んだ。

 いや、俺だって出来ることなら自分で行きたかったよ? でもほら、なんか立とうとするとゴリラのスタンドが出てきて動けないんだよね。本当に何をいってるか分からねぇと思うが、何もできないお兄ちゃんを許して欲しい。

 

 とはいえ、こうなってくると困るのは材木座だ。

 注文をし損ねた材木座が初対面である小町に注文スべきなのか、それとも自分も付いていくのがよいのか判断しかねた様子で「あ、わ、我は……?」と口をパクパクとさせている。

 多分、俺も同じ立場だったらそうするだろう。

 最悪自分だけ飲み物なしを覚悟するかもしれない。

 

「ほら、中二先輩? まさか女の子一人に行かせる気ですか?」

「む、むぅ、仕方あるまい我が護衛についてこよう」

 

 だが、一色はそれも計算済みだったらしく材木座にそう助け舟を出すと、材木座が小町の後に続き部屋を出ていった。

 いや、助け舟じゃないな。ここまでがきっと一色の狙いだったのだろう。

 その証拠になぜかニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべている、その狙いの意図するところはよくわからんけど……。

 

「ごゆっくり~♪」

 

 ギッと重いドアが閉まり、二人が部屋から居なくなると、広い部屋に俺と一色の二人が取り残される形になってしまった。

 なんだろう……なんだかとても気まずい。やはり俺が行ったほうが良かったんじゃなかろうか。

 

「やっと、二人っきりですね」

「そ、そうだな」

 

 しかし、一色は特に気にした様子もなく俺を見上げて来る。

 近い。無駄に広い部屋が二人きりというシチュエーションもあいまってさらに広く感じる。

 

 だから俺は少し座る位置をずらし一色から離れようとした……だが、ソコには先程置いた自分の鞄と小町の荷物がソレ以上の進行を防いでいる。

 まさか……小町の奴ここまで計算して!?

 こいつらグルか!?

 

「センパイ? 今日私の誕生日って言いましたよね? 中二先輩はともかく、なんでお米ちゃんまで呼んだんですか?」

「い、いや、誕生日だから呼んだんだが……」

 

 荷物でそれ以上逃げられない俺を追い詰めるようにずいっと顔を近づける一色に、俺はなんとかそう答える。

 もはや吐息が感じられそうな距離だが意識したら負けだ。

 負け……負け……。あ、なんかフローラルな女の子の匂い……。

 

「全く、折角の誕生日なんですよ? もっとこう……あるじゃないですか……」

「……?」

 

 しかし、一色はそんな俺の気など知らず、頬を小さくぷくっと膨らませると、そう言ってモジモジと身を捩り始めた。

 まあ、そりゃぁ、去年の俺の誕生日に比べれば用意できたものは少ない──だからこそ小町も呼んだのだが、誕生日といえば他になにかあるのだろうか?

 どうにも一色が何を求めているのかが分からない。

 誕生日に? もっとある……? 定番のもの? ああ、そうかプレゼントか。

 

「そういうことか。小町にはコレを持ってきて貰わなきゃいけなかったんでな」

 

 ようやくその事に思い至り、俺は先程小町から預かった荷物を漁り、後ろ手にその中から目当ての物を探した。

 コレは……俺の鞄だな。違う。

 コッチのコレ……は固い。違う。

 コレか? この大きさ、この柔らかさ、それとこのヒラヒラ……よし、コレだな。

 そうして、俺はようやく見つけたそれを自分の前に持ってきて、一色に手渡す。

 うん、間違っていない。やはりこれだ。

 

「ほれ」

「? これって……?」

 

 突然目の前に白い紙袋を出され、一色が一瞬キョトンと首をかしげる。

 だから、俺はその紙袋からさらに中に入っているものを取り出した。

 次にでてきたのはリボン付きの薄いオレンジのラッピングバッグ。

 紛うこと無きプレゼントだ。

 

「ほれ。その……お目当てのプレゼント? まあ、気に入ってもらえるかは……分からんけど」

「……用意しててくれたんですか!?」

 

 少し泣きそうな表情を浮かべる一色に、俺は思わず鼻を掻いた。

 当然プレゼントは用意はしていた。

 『いろはす』はもし学校で一色に何か言われた時、何も用意してないと思われたら面倒くさいと思ったので保険で用意しておいたモノ。まぁラベルレス見つけて少しテンションが上がったというのもあるが……。

 こっちのプレゼントは少し嵩張るので学校で渡すのもどうかと思い、イツ渡したら良いか前日から小町に相談していたのだ。

 当然だ、去年の俺の誕生日にも小町はいたからな。

 やはり一色の誕生日を祝うなら兄妹一緒に、と考えていた。

 そして、昼休みに突然放課後の予定が決まったので、小町に連絡を取り、持ってきてもらった。というのが真相である。 

 

「あ、開けてみてもいいですか?」

「まあ、お前にやったもんだからな、好きにすれば」

 

 俺の言葉を聞くと、一色は一拍置いてからまるで壊れ物を扱うかのようにゆっくりとそのリボンをほどき始めた。

 中から出てきたのは……。ピンク色のニット。いわゆるスクールカーディガンという奴だ。

 ブレザーとブラウスの間に着るオシャレ防寒着。

 まあ……もう春だしちょうど使わなくなる時期なんだけど……。

 

「これ……」

「この前お前が買おうか悩んでた奴……、まあいらないっていうなら小町にでも──」

 

 そう、それは先月のデー──映画鑑賞の時に一色がずっと店で悩んでいたものでもあった。

 確かあの時はこのピンクと薄いオレンジの二択で悩んでいたと思うのだが、どちらにしたら良いか分からず、先日小町についてきてもらい最悪一色が要らなかったら小町が受け取るというのも了承してもらっている。

 

「いります! 絶対いりますから!」

 

 だが、一色は俺の言葉を言い終わるより早く、両手でそのニットを握りしめ再びグッと俺に顔を近付けてそういった。

 

「お、おう。そうか、良かった」

「ちゃんと、見ててくれたんだ……」

 

 どうやら、お気に召してもらたようだ。一色が今度は抱きしめるようにそのニットを胸元に寄せる。

 

「ありがとうございます、絶対大切にしますね」

「まあ、これから暑くなるからそんな使わないとは思うけどな」

「そんな事ないです! ちゃんと使います!」

 

 そう言われても、もうこれからは暖かくなっていくのでそれほど出番はないだろう。それでも結構値は張ったから使ってくれるのはありがたいが……。本当バイト代入った後で良かった……。

 

「……そりゃ一年中は無理かもですけど……。でもセンパイ? これ、意味分かってます?」

「意味?」

 

 そんな事を考えながら、一色の手元のニットを見ていると一色がふわりとそのニットを広げ、自らの体に当てながら、そんな事を言ってきた。

 まあサイズは大丈夫そうだ。多分。

 しかし、意味? 意味とは?

 誕生日プレゼント以外に意味なんてないが……?

 買う時なんか言われたっけ?

 

「はい。私に服を贈る意味ちゃんと分かってますか? って聞いてるんです」

「……いや、だから誕生日プレゼントだろ?」

 

 それ以外に何か意味があるのだろうか?

 一色に服を贈る意味?

 これが合格前とかだったら「絶対合格しろよ」とかそういう圧にはなりそうだが……他に?

 

「違いますよ、男の人が女の人に服をプレゼントするのはですね──」

 

 全く検討が付かず、俺が首を傾げていると、一色はそう言って人差し指を一本立て、少しだけ意地の悪い笑みを浮かべた。

 なんだか、嫌な予感がする。

 

「『その服を着たお前を脱がせたい』っていう意味なんですよ」

「は? ……はぁ!?」

 

 は?

 いや、本当に「は?」としか言えなかった。

 え? 何それ? どこの国の風習?

 いや、待て確かになんかそんな話を映画か何かで聞いたことがある気がする──!

 まずい、俺やらかした?

 もしかしてセクハラ案件ですか?

 

「いや、別に俺はそんな──!」

 

 そんな意図は決して無い。

 無いのだが、どうしたら信じてもらえるだろうか?

 そうだ、いっそこれは小町からのプレゼントってことにすれば……!

 

「ふふ、心の準備ちゃんとしておきますね♪」

「あー、ほら、それは実は俺からじゃなくて小町からってことで……」

「駄目でーす。もう変更ききませーん♪」

「ちょ、とりあえず一回貸せ、な?」

「きゃー♪」

 

 俺がそう言って手をのばすと、一色がソファーにゴロンとその身を横たえる。

 その顔はとても楽しそうだ。

 くそっ、完全に俺をからかってやがる。

 こうなったら……!

 

「ただいまー……何やってんの二人共? もしかして……お楽しみ中?」

 

 だが、タイミング悪く俺が一色の胸元のニットに手を伸ばしたところで、小町と材木座が戻ってきた。

 どうやら、ドリンクバーでのお使いが終わったらしく、それぞれの手にはカラフルな液体が注がれたコップが握られている。

 

「ち、ちが!」

「あーあ、もう時間切れみたいですね。残念」

 

 慌てて一色から離れる俺とは真逆に、落ち着いた様子でゆっくりと服を正す一色。

 そんな一色をジト目で見ながら小町が席へとつき、材木座も「そ、そういう関係だったのか?」と俺の方を見ながら驚きの表情を浮かべている。

 断じて違う! 違うからな?

 

「はぁ……一応言っておくけど、この部屋防犯カメラ付いてるからね? 出禁食らうよ? はい、いろはさんの烏龍茶。お兄ちゃんには小町特製ミックスジュース♪」

 

 ようやく息が整ってきた俺に、小町はそう言って。俺の前におどろおどろしい色の液体が入ったコップを置いた。

 これはあれだ、ドリンクバーでついやりたくなってしまう、色々なジュースを混ぜてミックスジュースを作る奴だ。

 一応自分でやる時はそれなりに量少なめで、いけそうな組み合わせを選ぶのだが、小町特製ミックスジュースはコップ一杯分しっかりと入っている。

 

「いや、俺そんなの頼んだ覚えないんだけど……? お兄ちゃんいつも『食べ物で遊んじゃいけません』っていってるでしょ?」

 

 しかし、小町は俺の注意など『聞こえません』とでも言いたげに、テヘッと舌を出すと、ちょこんと席についた。

 くそぅ、可愛いなぁ。やはり小町に頼んだのは失敗だったか。

 ええ……なにこれ……何入ってるの?

 この色、どう見ても毒じゃないの?

 

「せめて口直し用も用意しといてくれよ……」

 

 まあ、死にはしないだろうが……。食べ物を粗末には出来ないので、飲むしか無いのだろう。

 『この後スタッフが美味しく頂きました』は嘘であってはいけないのだ。

 仕方ない、覚悟を決めるか。

 そう思い、すぅっと息を吸う。

 だがその瞬間、トンっと隣に透明な液体が入ったコップが置かれた。

 材木座だ。

 

「そう言うと思って、一応水も持ってきてやったぞ? どうだ我は気が利くだろう? 兄上様」

「材木座さんきゅ。でも兄上様も駄目だ!」

 

 例え気が利く男アピールをされうようと、お前に小町はやらん。

 そう言いながら材木座を一度睨むと、視界の端で小町が一色の方を見て「ええー!?」と叫んでいるのが見えた。今度は一体何だ?

 

「食べ物まだ頼んでないんですか!? 待ってる間二人で何やってたんですか!」

「あー、それは……その……ま、まぁいいだろ」

 

 ジト目で睨んでくる小町に俺は思わずたじろぐ。

 俺と一緒にいたはずの一色は何故か「何してたんでしょうねぇー?」と楽しげに俺を追い詰める側に回っているし……くそっ。味方ゼロかよ。

 別に俺は悪いことはしてないはずなのだが……小町の非難がましい目に耐えきれず、思わず小町特製ドリンクを持ち上げ、一口口に含んだ。

 あれ、意外と美味いなコレ……後でレシピ教えてもらおう。

 

「ちょっとお兄ちゃん! 乾杯する前に飲まないでよ!!」

 

 だが、それは小町をより怒らせる結果となってしまったようだ。

 そうだった、今日は誕生日会なのだった。

 これは完全に俺の失態。

 

「あー、悪かったよ。とにかく何頼む? ポテト? ポテトでいいな?」

「あ、私ハニトーお願いします!」

「小町パフェ食べたい! 今日ってお兄ちゃんのおごりだよね?」

「ピザとかも良いのではないか?」

 

 仕方なく俺が注文を取ろうと、部屋に備え付けの電話に手を伸ばすと皆がメニュー表に群がり、好き勝手に叫び始める。

 全く、俺は聖徳太子じゃないっつーの……。

 はぁ……今日は疲れる誕生日会になりそうだ。




というわけで第二部へと続く日常
アニメでいろはが着てるアレ、八幡からのプレゼントってことにしちゃおうぜ回でしたーでしたーでしたー(エコー)

そして今回、材木座の名前の件で他作品に(分かりづらく)言及するメタネタのような部分がありますが
そちらに関しましては「そうして、一色いろはは本物を知る」の作者である達吉先生に許可を頂いて書かせていただくコトができました!
達吉先生本当にありがとうございます。
より詳しいことは活動報告にて書かせていただければと思いますので
興味のある方は是非そちらもご一読下さい。

感想、評価、お気に入り、メッセージ、ここすき、誤字報告。
何でも良いのでリアクション頂けますととても嬉しいです。
何卒よろしくお願いいたします。

それでは次回第二部でお会いしましょう~


※騎空士の皆様へ
初日エラーでインターバル無くなりましたが
本戦頑張りましょう!(フルオートしながら)

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