赤くて不死身のオレちゃんのヒーローアカデミア   作:きのこの山 穏健派

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APEXのシーズン2が始まったので初投稿です


へっ・・・汚ねぇ花火だな・・・・

 

爆豪side

 

 

爆豪勝己は苛ついていた。無個性だと思い見下していた少年(緑谷 出久)が雄英高校に合格した挙句、個性把握テストで『個性』を使って記録を出した。更には高校生活の中で、(短いながらも)自分の実力を脅かすほどにまで成長していく少年の姿を間近で目の当たりにして、爆豪勝己は少年への対抗意識と共に、自分が成長していないかのような焦燥感を募らせた

 

 

 

理由はこれだけではなかった。

半熱半凍野郎(轟 焦凍)武器人間(寺島 鏡)そして自己犠牲のイカレ野郎(宇井戸 翔)。この3人は今まで自分が最強だと思っていた自分の中の周りの評価を覆した。その時から少しずつ爆豪勝己のプライドは僅かではあるが少しずつヒビが入り始めた。最初は小さかったものが段々と大きくなっていき、今では軽く落としただけでガラスのように砕け散りかけていた

 

 

「俺が一番だ……!、絶対に……何だろうと俺が……!」

 

 

 

だが、自分より上だということを爆豪勝己のプライドが認めず許さなかった。そのおかげでなんとか保たれていたが決壊するのは時間の問題であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宇井戸side

 

 

ヤッホー俺ちゃん(以下略)。いよいよ最終ラップときたぜ、お前ら準備はいいか?俺は出来てる

 

 

「……早くゴールしてくれ」

 

「……(遠い目)」

 

 

うわーお、顔が凄えグロッキーになってる。さっさとゴールしないとな。そう思いながら、速度を上げる為再びエンジンを唸らせた瞬間

 

 

バキッ! カンカンカン……

 

 

初動でスピードを無理矢理出し過ぎた所為か、耐え切れず()()が折れ後方へと落ちていった

 

 

「……おいウェイド」

 

「なんだ?」

 

「今、なんか落ちてったっぞ?」

 

「まぁ確かになんか落ちたが大丈夫だr」

 

 

ビー!ビー!ビー!ビー!ビー!

 

 

突然、無機質な機械音が鳴り響いた

 

《警告 フロント・リアブレーキが破損、直ちに速度の減速を推奨》

 

 

どうやら先程落ちていったパーツはブレーキのようだった。うん、不味いな。例えるとサ◯スが地球滅ぼす準備してる感じぐらい。とりあえず携帯のバイブみたいに震えてる2人を落ち着かせるか

 

 

「なあに大丈夫だって安心しろ、クラッチを使えばゆっくりだが速度は落ちt」

 

 

バキャッ カランカランカラン……

 

 

またパーツが外れて落ちていったんだが……なーんか嫌な予感が

 

《警告 クラッチ破損、直ちに速度減速を推奨》

 

 

……マジか。い、いやまだ大丈夫だそうだアクセルを戻せb

 

 

パキャンッ カンッカンッカンッ……

 

 

……冗談だよな?いやいやいやそんなタイミングよく起こるはずないそうだ落ち着け考え過ぎた素数を数えろというか素数ってなんだっk

 

 

《警告 アクセルスロット破損、緊急停止を推奨》

 

 

……わぁ、空が青いなぁ(現実逃避)

 

 

なお数十秒後に異変に気付いたウィーゼルと耳郎はウェイドを叩き正気にさせるがもはや手遅れだった。スロットが戻らなくなり速度が限界まで上がり始めたバイクは死の片道切符へと化していった

 

 

「どうすんだよこれっ!おいウェイド!!」

 

「ハッ(現実帰還)、おれは 正気に 戻った」

 

「いやどうすんのよこれ!?」

 

「落ち着け大丈夫だ安心しろ、もうこの先は直線だ。だからこのまま行くぞ」

 

「その後はどうすんだ?」

 

「何が?」

 

「ブレーキが全部壊れてるのにどうやって止まるの?」

 

 

……あっ

 

 

「「「……」」」」

 

 

どうやら駄目みたいだなHAHA(白目)。再び現実逃避しようとしたがある作戦を思いついた。まだだ、まだ終わっちゃいねぇ

 

 

「……方法ならある、1つだけな」

 

「暴走したバイクでどう助かんだよ」

 

「まぁ聞けって。この作戦なら生き残れるぞ、ウィーゼルお前が最後の綱だ」

 

「……ほんとに大丈夫なんでしょうね?」

 

「ああこれなら()()()は助かる」

 

 

かなり大博打になるがこれしかねぇ、耳郎のこと頼むぜウィーゼル

 

 

Let’s do this!!(そんじゃ、行くぜ!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3人称side

 

 

『おい相澤、マジでお前らのクラスどうなってんだ?』

 

『知らん、勝手にアイツらがやってるだけだ』

 

『相変わらずドライだなお前は……って、おいおいマジかよっ!?もう最終関門かよ!?さあ、いよいよフィナーレだリスナー供!!最終関門[怒りのアフガン]だ!一見何もないように見えるが一面地雷だらけだ!地雷はよく目を凝らせば見えるようになってんぞ!目を酷使しろ!足を止めるな!地雷は音と衝撃がやべぇぞ!!場合によっては失禁必至だぜ!!』

 

『……にしては速度が落ちてないが』

 

『はあ?そんなわけ……おいおいまさかっ!?』

 

 

宇井戸一行は速度を落とすどころか速度を上げながら地雷源に突っ込む気だった

 

 

 

速度を落とさずそのまま地雷源へと侵入し

 

 

()()()()()()()()()()()()進んでいった

 

 

『おいおいおいおい、おい!?一体全体どうなってんだ!?』

 

『……俺の予想だが多分アイツらは()()()()()()()()()その場から過ぎ去っている……つまりアイツらが通り過ぎた後に地雷が爆発してるってことだ』

 

『嘘だろっ!?なんつー速さで通過してんだ!?まだ後続は地雷源の手前だぞ!?つーか全関門無傷で突破とか歴史に残るぜコイツはぁ!!』

 

 

雄英高校の歴史上で初めて無傷で全ての関門を突破したことにより全観客のボルテージが最高潮になる

 

 

ある1人の教師を除いて

 

 

(だが……もうすぐゴールするが一向に速度が落ちてない。どういうことだ?)

 

 

不安は時として現実になる。その意味を実感する羽目になるとはこの時、誰も思ってもいなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

耳郎side

 

 

まさか無傷でゴール出来るなんて思ってもなかった。途中でパーツが外れまくって止まることができなくなったけど翔がこの作戦なら大丈夫って言ってたし(不安しかないけど)。ともかくこのままゴールすればウチらが1位になるのは確定だった。あ、けどウチと鏡は翔に乗ってるから1位じゃなくて2位か3位なのかな

 

そんな事を考えてると翔が何故か重々しく口を開いた。また無茶するのかな?心配だからやめてほしい。この思いが言えたら苦労しないのになんで言えないのだろうと自分自信に苛立つ

 

 

「そろそろだ、後は頼む」

 

「……本当にいいのか?まだ今なら」

 

「どうせいつかバレる、なら今注目されてる時に自らバラしちまえば()()()()()()()()()()()ぜ?俺やお前らにとってもな」

 

「だがウェイド、お前「ウィーゼル、頼んだぞ」……耳郎、俺にしっかり捕まれ」

 

 

翔と鏡の話を聞いていく内に聞き逃せない言葉がある言葉が出てきた。どうせいつかバレる、なら自分からバラす。この言葉から思い浮かぶのは……

 

 

「足枷が少なくなる……まさか!?待って翔!?」

 

「後は頼むぜ!!」

 

「……チッ」

 

 

気付いた時には遅かった。ゴール目前となった瞬間にウィーゼルが軽く舌打ちするといつの間にかパラシュートが展開され耳郎と共に暴走したバイクから離脱する

 

 

「ちょっと鏡!?なんで!?なんでまた翔を!?」

 

「……これがアイツの考えた作戦だ。いいか?よく考えてみろ。止まることができなくなったバイクからどうやって降りんだ?時速200kmどころか400kmオーバーしてるバイクから身を投げ出せってのか?そんなの自殺行為だ」

 

「けど!!」

 

「諦めろ、これがアイツの考えた作戦なんだ。全員が犠牲になるより1人が犠牲になればいいって考えてるアイツは自分より俺達の身の安全を優先したんだ。それにこうすればアイツが1位になるし、なによりこの作戦が上手くいくかわからなかったんだぞ」

 

 

鏡曰く、時速200km程度じゃパラシュートがちゃんと展開するかどうか怪しいと知った翔は速度を更に上げれば問題ないと言った。だがこれ以上、上げ過ぎるとオイルタンクに引火し爆発する可能性があった。それを知った上でなお、翔は自爆する覚悟で博打に出たらしい

 

 

 

 

(なによそれ、なんでまた無茶するの。ウチらを少しぐらい……ほんの少しでもいいから頼ってよ)

 

 

手を胸に当てギュッと祈る耳郎。願わくば()が無事であることを

 

 

 

 

 

しかし、その想いは届くことはなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3人称side

 

 

 

『序盤からトップを独走!更には無傷で全関門クリアし、我が雄英高校の歴史に名を刻んだこの男!一体誰が予想したか!?勝利の為に何でもするクレイジーボーイ!そいつの名はーーーーッ!?宇井戸 翔ーーーーー!!!』

 

湧き上がる歓声と共にゴール地点に姿を現したのは宇井戸 翔だった

 

 

『そして!……ありゃ?おいおいバイクに乗っていた2人は何処に消えタァッ!?しかも速度全然落としてねぇしどういうことだ!?』

 

 

そう、ゴール地点に現れたのは宇井戸 翔()()だった。それを知った相澤はこの後何が起きるか予想がつき、プロヒーローのセメントスに壁を作るよう指示していた

 

 

『セメントス!急いで壁を作れ!!早く!!』

 

 

咄嗟の指示であったが早急にこなし壁を作ることができた

 

 

そして次の瞬間

 

 

 

 

 

BooooooooooooM!!!

 

 

 

 

宇井戸はそのままバイクごと壁に突っ込み、爆発し大炎上を起こした

 

 

『……おいおいおいおい!?消火活動急げ!!救護班は宇井戸を救出して搬送しろぉ!!』

 

 

我に返ったプレゼント・マイクは的確な指示を出し消火活動及び救護を行い始めた。プロヒーロー達が消火器を持って現れ、消火活動に参加するも火が思いのほか激しく、意味を成さなかった

 

 

「ハァ……ハァ……ッ!翔!?」

 

「ゼェゼェ…、クソッ、まじかよ」

 

 

遅れてゴールした耳郎と寺島は目の前の惨状に息を飲んだ。激しく燃え続けているあの中で宇井戸がいる。そう思うと頭の中が真っ白になる

 

 

「っ!」

 

「おい!待て耳郎!おい!!」

 

 

激しく燃え続ける火の中に飛び込もうとした耳郎を寸前で止めに入った寺島。寺島は後ろから耳郎に羽交い締めをかけるが意外と力が強く解かれようとしていた。それに気づいたプロヒーローの一部は寺島と一緒に耳郎を止めに入った

 

 

「離してっ!離してよ!なんで止めるの!?」

 

「落ち着け耳郎!お前がいく必要なんてないだろっ!!」

 

「そうだ!我々プロヒーローに任せておけb」

 

「任せておけないからウチが行こうとしてるのっ!離してっ!離せよっ!!」

 

 

瞬間、再び爆発が起こり黒煙が上がる。それを見た耳郎は身体の力が抜け、地面に膝をついた。この爆発で宇井戸は本当に大丈夫だろうか。爆発した付近にいたプロヒーロー達の一部は軽い火傷を負った

 

 

「ガァッ!?腕がぁ!!?」

 

「誰か手を貸してくれ!負傷者だ!!」

 

「おいおい無理だろコレっ!?一向に火が収まんねぇぞ!?」

 

「んなこたぁわかってる!無理だと知っても火を消し続け……」

 

 

生存は絶望的。誰もがそう思った時、空から()()()()が落ちてきた

 

 

「……ぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁあああああああああっ!??

 

 

「親方ぁっ!空から生首がハァッ!!?」

 

「おい大丈夫か!?」

 

 

降ってきた生首はプロヒーローに直撃し気絶させ、そのままゴロゴロと数メートル転がり

 

 

「あーめっちゃ怖かった……あ、ただいま」

 

 

ニッコリと笑顔を見せた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宇井戸side

 

 

「ふっふっふ〜ん♪」

 

 

やあ皆んな、俺ちゃんだ。何故鼻歌を歌いながらスキップしてるかって?実はさっき相澤センセーからな

 

 

「お前のもう一つの個性の禁止を解除する。その代わり出すのは一個までかつ、無茶するな。おかげでこっちは大変だったぞ」

 

 

てなわけなんだよね。いや〜1位だけじゃなくこうなるとは俺ちゃんビックリ!

 

え?その後はどうなったって?耳郎とプロヒーロー達からこってり説教されたぜ、全国中継されたままな。こりゃある意味有名人に慣れるだろ(他人事)。さて話は置いといて、ともかくこれで優勝は射程圏内だ(慢心)。後は面倒事が起きなけりゃ大丈夫だな!!

 

 

 

 

 

「ん(手フリフリ)、見に来た」

 

 

……なんでここにいるの?シーちゃん(死柄木 葬)??


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