まず始めに140件ものお気に入り登録ありがとうございます!!
毎回書くたびに伸びていって…本当に読者の皆様には感謝しております!!
自分としては感謝の気持ちを返せる機会は小説しかないのでこれから楽しみになれるような小説をどんどん書いていけるよう頑張ります!!
燐子から先日、カフェに行こうと連絡が来た
場所は学校から30分近く歩いた所にある、商店街の中にある喫茶店だそうだ。なかなか評判がいいらしい。
そこまでは別にいいのだが
遡ること1時間前
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「燐子がいいなら…いいよ」
少し緊張したような様子で誘いをOKした俺は心が落ち着いたところで噛み合わない部分について聞こうと思い
「そういやさ、カフェに行くのはいいけどさ、なにすんの?」
すると少々予想はしてたけど、返ってきてほしくなかった答えが返ってきた
「テスト前だし、勉強…教えてもらったり?」
おいおい待て待て、勉強するって予想はしてたけど教えてもらうだと?しかも俺の記憶が確かなら燐子はまぁまぁ勉強出来るし、そこで教えてもらいたいとなるとかなりハイレベルな問題になりそうだ
これはまずい
だが、一度OKしたことを断る気にもなれず、
「分かった、その日は開けとくな」
そうとだけ言って、燐子が通話を切るのをまって、通話が終わって大きなため息を吐いた
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そして今に至るわけだ
勉強はできる方じゃないのは分かってるけど、何となくガッカリさせたくもないから、どうしたものかと悩んでいたところ、ある人物が思い浮かんだ
「アイツなら、出来る」
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「それとここと…生物基礎のここなんだが…」
「あぁこれか、これならワークシートのここを何回か復習すれば」
勉強が出来る人と言って、俺の頭に真っ先に思い浮かんできたのは龍樹だった
「ここまでの範囲を来週の火曜日中までに終わらせたいんだが」
「テストの2日前だな、よし分かった、それまで毎日、部活終わったら駅前の図書館行くぞ」
「よろしくお願いします!」
そう言って、タイムリミット付きの、テスト勉強が始まった
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龍樹に教えてもらうと決まった日から、今日までは、かなりあっという間だった。
結果からいくと、勉強は大成功
容量の悪い俺のことを知っているからこそできるの上手い教え方だった為、スルスルと頭に入っていった
龍樹に、燐子のことは伝えてはいなかったが、全力で協力してくれて、今度いつかお礼をしないとなと考えている
集合時間は10時30分に現地集合、地図情報が送られてきたから見てみると、羽沢珈琲店という店みたいで、雰囲気はかなり好きだ
んでもって今の時間は9時50分、異性と出かける時は、相手を待たせるのは良くないかななんて、俺らしくないことを考えて、こうして早く来ている
それは片思い中の人がやることみたいだななんて、少しおかしなことを考えていたら、そんな些細なことから、俺の脳は動き出した
単純に思い浮かんだ疑問は、俺にとっての燐子って何だろう、だ
幼馴染にしても空いた期間が長い分、感情にブランクが働くし、ただの同級生というわけでもないし…
「ごめんね、待った?」
「うおっ!?おぉ燐子、おはよう」
こんな風になにかを考えてる時に燐子に急に話しかけられるのも二回目だ、存在感がそこまで濃くないから余計にビックリさせられる
「そんなに驚かなくても…何か考えてたみたいだけど…結構前からいたの?」
「いやいや、俺も来たばっかりだから、それじゃあ入ろっか」
そう言って俺たちはカフェに入った
「いらっしゃいませ!!」
カランカラン、という音と共に俺たち二人を出迎えてくれたのは弾けるような笑顔の少女だった
「お二人様でよろしいでしょうか?」
「は、はい、お願いします」
少し見入ってしまっていたのもあって反応が遅れてしまったが
「それでは窓側の席にどうぞ!」
反応することなく慣れたような対応をしている、仮にバイトならたまげたものだ。
そういえば前龍樹が言ってた羽丘の可愛い喫茶店の子ってこの子だったりするのかな?
「何に、しようか…」
燐子が注文に迷う声を聞いてようやく現実に戻ってきた
「俺はこれにしようかな、燐子は?」
「じゃあ、私もそれにする」
俺と燐子は同じブラックコーヒーを選び、注文をした
「それでさ、教えてもらいたいって言ってたけどどこか分からないところがあるのか?」
「それがね…数学Iのここなんだけど…」
燐子が開いた教科書のページには俺が一番の苦手としている公式の問題が載っていた
今までならば
「あぁこれね、これはまず展開して項をまとめる、そしたらマイナスを外に出して…」
「おぉ…!すごい、和士君ってこんなに勉強できたんだね…昔のイメージだと出来ないイメージがあったけど…」
「いやいや、俺も教えてもらった身だからさ、なかなか頭の冴える友達がいてな」
「そうなんだ、和士君が勉強してるって、ふふっ、あはは…なんか面白いかも…」
「おい!それはちょっと失礼じゃないかい?」
「いや…だって昔は授業中で嫌になると…急にいなくなったりしてたからさ…そういうところも変わったんだなぁってね」
「確かに…変わったよな俺も燐子も」
そんな会話をしていると
「おまたせしました!ブラックコーヒー二つです!」
「あれっ」
喫茶店で出てくるコーヒーだか、カップではなく、蓋つきの紙製のカップに入ってでて来た
「お二人さん共、勉強をしているようでしたので、こぼさないように蓋つきにさせていただきました!勝手にすみません…」
「いえ…お気遣いいただきありがとうございます…」
燐子が慣れない口調で辿々しく言葉を返すと、少女は笑顔を向けて仕事場へ帰っていった
燐子に気づかれないように、筆箱に入っていた赤いマーカーで、蓋の部分に少し色をつける、間違えないための工夫だ。防げる事故は防いどきたいからね
「そんでさ、俺からも聞きたい問題があるんだけどさ…」
「うん、いいよ…これはね…」
やはり燐子の頭の良さは尋常じゃなく、問題を解くスピードも明らかに違った。
だけど分からないところがあるのは一緒で、そこを教えあって、理解しあって笑う
こんな情景に昔一緒にゲームとかをしてた時の事を思い出す
「確かに前はこういう教え合うっていう時間は、ゲームだけだったね…」
「えっ、俺声に出てた?」
「ううん、そんなこと考えてそうだったから…」
なんだこの少女は、エスパーなのか、確かに周りから顔に出やすいと言われたことはあるが流石にそこまでは普通分からないだろ
「なんかエゲツないな…、こう昔の話を気軽に出来るのも燐子のおかげだよ、本当にありがとう」
「ううん、私はしたい事をしてるだけだから…こっちこそ、急に誘ってごめんね…」
「ううん、本当に楽しかった、ありがとう!」
「本当にありがとね…」
「それじゃ、そろそろ出るか」
俺はそう言って手前側に置いてある自分のカップに残っているコーヒーを飲み干した、燐子も釣られて一緒に飲み干した
と、思ったが
飲んでいる燐子が急に顔を赤くしてテーブルにカップを置いたのでまさかとは思ったが
燐子が置いたカップの蓋には、何故か赤いマーカーの印が付いていて、
俺のカップの蓋は真っ白だ
「あっ」
燐子も気づいたのか、窓から照らす夕日に負けないくらい頰を染めている
二人両者が気づいた途端、苦いはずのブラックコーヒーが無性に甘く感じられた
今回もお読みいただきありがとうございます!!
ようやくテストも終わり、どんどん投稿していけたらなと考えています
ここから展開を広げていくのでこれからもよろしくお願いします!!