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完結させるまで、小説で読者様たちに感謝の気持ちを伝えていきたいと思いますので、よろしくお願いします!!!
この前は燐子とカフェに行って勉強をした。
彼女自身の要領の良さもあり、テストは良く出来た
でも、どうしたって気になることは
カフェでの出来事だ
お互い話を続けるのは恥ずかし過ぎて、燐子の家の前まで送って「じゃあね」って言うまでずっと無言だった
今でも思い出すだけで顔が爆発するぐらい熱くなる
「はぁ……落ち着かないなぁ」
「バリーン!!」
「!?」
燐子との事に落ち着かず多少気分が高揚している事を楽しんでいた最中、下の階から何かが割れる音がした
急いで下に降りて確認すふ
何を確認するかはもちろん今この家にいるもう一人の、母さんの無事である
「母さん!!大じょ……」
目の前の光景に、自分の目を疑った
ーーーーーーーーーーーーー燐子サイド
先週のテストは、和士くんが教えてくれたお陰で、かなり手応えがあって、完璧だったようにも思えた。
最近、自分が思っていたよりも和士くんと良くコミュニケーションかを取れてる気がする。
周りから感情の起伏が少ないと言われる私だけど、和士君と仲良く出来てるという事実には自分でも分かりやすいやように気分は高揚している
「今日誘ったらいけるかな?」
そんな事を心の中で呟いてみて、今日はゲームに誘ってみようかな?なんて考えてみた
良く考えてみたら私がダメ元でゲームを始めて欲しくて話しかけた時も、和士君はもうゲームはやってたし、昔からそんなことは多くあってなんか本当に嬉しかったな。
「白金!!」
「はっ、はい!」
「大丈夫か?全然授業に集中してないじゃないか、放課後職員室に来てくれ」
「はい……すいません……」
普段なら絶対やらないのに完全に問題児みたいな事をやってしまった
呼ばれちゃったのなんて初めてだけど、和士君を誘うのが出来なくなっちゃったことを怒られた今でも、一番残念に感じる
「はぁ、ダメだなぁ……」
そう呟いて残りの授業に取り組んだ
ーーーーーーーーーーーーーーーー
結局、他の授業も全然集中できなくて、呼ばれたのはあの時だけだけど、自分にがっかりしている
そうしているうちに先生がプリントを持ってやってきた
「じゃあ白金、これが一応補習分のプリントだ。いつもの白金ならすぐ終わるはずだと思うぞ、それにしても今日はどうしたんだ?白金らしく無いぞ」
「すいません、少し寝不足でして……次からはしっかりします…」
「そうか、無理だけはするなよ、じゃあな」
「はい、さようなら」
こうして先生との会話を終えて職員室室から出ようとした時
「はい、私だがどうした品崎」
和士君の名字が聞こえたので少し聞いてみることにした
「あぁ、体調は……うん、は!?お母さんが倒れた!?お前、体調が悪いからって……」
お母さんが倒れた。…そう聞こえた気がする、私には
「羽丘総合病院か……お前も無理はするなよ、じゃあ」
どうなのかは分からない、けどとっくに私は走り出していた
ーーーーーーーーーーーーー和士サイド
「はい、そうですか……」
昨夜、母さんが倒れた。原因は脳のなんからしい、詳しく聞けるほど今の俺に気力は無かった
そこまでならまだどうにかなったんだが、話をほとんど聞き流してる中、嫌という程鮮明に聞こえてきた言葉
「意識不明の重体で、命にも関わってきていまして…」
本当に人生の絶望を感じた。
自分が生きていく上で、欠かせない存在、欠かしてはいけない存在、母親。
その母親の命が危ないかもしれないと、目の前の赤の他人に言われている。
そんな事実に耐えられるはずもなく、話が終わって小さく挨拶をしてから診察室を出た
「っざけんなよ……」
そう言いながら学校に電話だけして今日は病院にずっと居ようと思い、屋上に向かった
ーーーーーーーーーーーーーーー燐子サイド
「はぁ……はぁっ、」
どうにも自分でも訳の分からないくらい走っている。
目的地は、羽丘総合病院。
学校から病院までは4キロ、聞いただけではそこまで遠く思わない距離だが、普段運動と縁がない私からしたら、喉の奥から血の味がしてくるくらい大変だ。
でも、今急がなかったら自分の大切な"何か"を失ってしまいそうな気がして、私は足を止めなかった
いくつもの景色がゆっくり流れていって、いくつもの交差点を超え、例え景色が変わらなくても、進んでいると信じて走り続ける。
転んでしまった。制服が汚れたけど関係ない
自転車にぶつかってしまった。肩が痛むけど関係ない
そうし続けて、どれくらい経っただろうか、大きな病院が姿を現した
「あれがっ……!」
羽丘総合病院、屋上の所を見るとそう書いてある。目的地には着いた。
下から見えたのは文字だけじゃなく、自分のよく知る人物も同時に目に入ってきた。
「かっ、和士君!?」
表情なんて下からじゃ見える訳ない、でも私の知っている彼とは違って、手すりに体重をかけて、猫背の状態で、どうにも元気があるとはお世辞にも言えそうにない状態だった。
また衝動に駆られて気づいたら走り出して居た。
大切な"何か"を失ってしましそうな悪寒が、確かなものだったのかも知れないと思わせられたからだろうか、いまならどこまでだって走れそうだ。
エレベーターを呼ぶ、もちろん早くは来ないから諦めて階段で駆け上がって行く
院内の人にぶつかりそうになる。止まらずに謝りながら駆け上がっていく
警備員の人に注意される。それでも止まらず駆け上がっていく
ついにたどり着いた屋上への扉を開け、走り出した
ーーーーーーーーーーーーーー和士サイド
命を失うって、どんな感覚なんだろう
今までは、そんなことも考えたことなかったから、気軽に「死にたい」とか呟いてた奴に向かって助言とかしてたけど
今その気持ちが少しでも分かってしまう俺は、結局偽善者の所業をしていたことになる。
大切な人を俺のせいで二人も失いかけて、今ここで俺が居なくなったらどれだけ楽なのだろうか
「俺が悪いんだよな……」
そう呟いた時、右からとてつもない衝撃を受けた
部活でやってるから分かる、俺は横からタックルされた
しかも、かなりのナイスタックルを
「いったっ、誰だ……!?」
俺が倒れた後視線をそちらに向けると、ここにいるはずがない人間がそこには居た
「和士君……これ以上自分を責めたらっ、ダメだよ」
そこに居たのは、俺がよく知る幼馴染、燐子だった
息はひどくきれていて、なぜか泣いている
「燐子……なんでここに」
「とりあえず話そう……?立って」
そう言って手を差し伸べてくれたので、立ち上がってから二人でベンチに向かった
「燐子……なんでここに居るんだ」
「たまたま職員室で聞いたの……和士君のお母さんが倒れたって、そう聞いたら…どうにも和士君がっ、心配で……」
「まさか学校から走ってきたのか?俺なんかの事で」
俺が辛暗いトーンでそう話すと、燐子は表情を一転させて、目から沢山の雫がこぼれ落ちた
「和士君のっ……バカ!!」
「えっ……?」
「私は和士君を失うのが怖いから……駆けつけたんだよ、大切な人がだから失いたく無いんだよ…!私には他にそう言える人なんて少ないんだよ!?だから、だからっ、簡単に俺なんかなんて……言わないでよ……」
「……、ごめんな燐子……、俺さ、氷川さんに酷いこと言っちゃって突き放されちゃってさ、それでも他の人さえいてくれれば良いなんて考えてた…、そしたら母さんまで倒れちゃってさ、逃げてきたのが悪く出たんだなって分かったんだよ」
「うん……」
「でもそれでもさ、どうしようか迷ってるばかりでさ、結局何も行動に移せない、俺なんかそんな程度のつまらない人間なんだよ」
「それは……ちがう!!」
「っ!?」
「和士君は……なんでも一人で解決しようとして…それで無理して悩んで……そんな調子じゃ、和士君が報われるはずないよ……!」
燐子はこう言ってくる。だけど今の俺の脳は妙に現実的で、どうしても確かなものが欲しかった
「そうは言うけどさ……根拠なんて……っ!?」
俺が俯きながらそう言った時、目の前が真っ暗になった。
屋上から感じる都会の素っ気ない香りとは違って、自分をどこまでも包み込んでくれるような香りがした
「これが確かな根拠だよ……?今度は私が和士君を助ける番だから……!」
燐子は俺を抱きしめながらそう言った
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