鬼滅の雨   作:ほにゃー

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猪突猛進な奴

今回の任務は、二人で行うらしく、事前に聞いてた今回の仕事の相棒の名は、嘴平伊之助。

 

このイノシシの頭が、そうだ。

 

聞いてた話しだと、俺と同期らしいんだが、こんな奴、最終選別にはいなかったはずなんだが…………

 

「なぁ、伊之助。お前、鬼殺隊の最終選別に居なかったよな。本当に鬼殺隊なのか?」

 

「知らねぇよ!七日間居ろって言うから七日間、あの山で適当に戦って、適当に帰った!」

 

なるほど、だからあの場にはいなかったのか。

 

「なら、日輪刀はどうしたんだ?」

 

「力比べした奴から奪った。ついでにソイツから鬼のこととかも聞いた」

 

コイツに日輪刀とられた人、可哀想だなっと思い、俺は蕎麦を啜る。

 

今、俺と伊之助はこの町にある定食屋で飯を食っている。

 

俺の隣で、伊之助は親子丼をかっ食らっている。

 

「それで、伊之助、今回の任務だが」

 

俺は飯を食いながら、周りには聞こえないように今回の任務のことを離す。

 

今回、任務で訪れたこの町は、山に囲まれた観光地だ。

 

自然が豊かで、近くには川も流れている。

 

そして、この町ではイノシシの肉を使った料理が有名で、それ目当てで訪れる観光客が多く、大いに賑わっていた。

 

だが、最近、ある事故があり、イノシシを取る猟師が山に入らなくなった為、最近では客足も衰えている。

なんでも、三ヵ月前に一人の猟師が、自分の店で出すためのイノシシ料理のイノシシを捕りに山へと入っていった。

 

すると夜になっても帰って来ず、さらに急に天候が崩れたこともあり、村の男衆は天候が回復次第、その猟師を探しに向かうことにした。

 

それから三日後、天候が回復し男衆は猟犬や猟銃を携え、山に捜索に向かった。

 

そして、見つかったのはその猟師の千切れた腕だった。

 

腕には何かに噛み付かれた跡があり、男衆は熊に襲われたのだと思い、すぐに山狩りが行われた。

 

だが、男を襲ったと思われる熊は見つからず、代わりに何人もの猟師が消え、その殆どが体の一部だけ見つかり、中には体をズダズダにされて見つかった遺体もあったそうだ。

 

そんなこともあり、今では猟に出られない状況なのらしい。

 

(ま、そんなことがあったら行きたくても行けないよな)

 

 

蕎麦の汁を飲み干し、食後のお茶を飲んでいると、外から騒ぎ声が聞こえた。

 

外を見ると、猟銃を持った男たちがいた。

 

「なぁ、おっちゃん。あれはなんだ?」

 

近くを通りかかった店主に尋ねると、店主はああっと言って答えてくれた

 

「山狩りだよ。この町の名物はイノシシの肉料理だからね。イノシシが捕れないんじゃ、この町は終わったも同じさ。だから、今度こそは人食い熊を退治してやるって、息巻いてるのさ」

 

「なるほど」

 

勘定をし、店を出ると俺は伊之助と共に山へと向かった。

 

「伊之助、店主の話によると、猟師たちは明朝山狩りに向かうらしい。それまでに片付けるぞ」

 

「はっ?なんでだよ?」

 

「これ以上犠牲者が出ないようにするためだよ。鬼を倒す以外にも、人を鬼から守るのも俺たちの役目だ」

 

山の中を歩き、鬼を探す。

 

しかし、昼間だって言うのに、山の中は意外と暗いな。

 

草木が鬱蒼と生い茂って、日光を遮ってる。

 

夜なんかも月明かりも届かないだろう。

 

そんな所で灯をぶら下げるなんて、鬼にどうぞ襲ってくださいって言ってる様なものだ。

 

何としても今日中に鬼を倒さないと。

 

その時、山中に一発の銃声が響いた。

 

「なんだ今の!?山の主の足音か!?」

 

「違う!今のは銃声だ!でも、山狩りは明日のはず………まさか!」

 

俺は嫌な予感を感じつつ、銃声が聞こえた場所へと向かおうとした。

 

「うおおおおお!俺が倒す!テメーはそこで待ってやがれ!」

 

すると、伊之助は山の斜面を駆け上がるように上り、銃声がした方へと向かう。

 

「あのバカ!何のための相方だと思ってるんだよ!」

 

流石に何の整備もされていない山の斜面を登るわけにもいかず、俺は山道を使い、銃声が聞こえた方へと向かう。

 

向かう途中急いだ様子で走る猟師数人が、やってくるのが見えた。

 

(やっぱりか……)

 

そう思い、俺はその猟師たちを止めた。

 

「待ってくれ!」

 

「な、なんだよお前は!」

 

「そこをどけ!早くしないと、アイツがくる!」

 

「それは、猟師殺しの犯人だな」

 

そう尋ねると、猟師たちは驚いた表情になり、そして、重々しく頷いた。

 

「ありゃ、熊なんかじゃねぇ……もっと恐ろしい化け物だ……」

 

「俺達、早くこの事態を何とかしたくて本当なら明朝するはずだった山狩りを、今始めたんだ」

 

「そしたら、アイツが現れて…………」

 

「今ソイツは何処にいる?俺はこの事態を治めに来た者だ」

 

そう言うと、猟師たちはさっきよりも驚いた表情になるも、すぐに後ろを指さした。

 

「ここを、道なりに進んでいった先にある開けた場所だ……」

 

「今、イノシシの被り物をしたおかしな奴が戦っていて………」

 

「俺達、怖くて、ソイツが化け物と取っ組み合いしてる内に逃げて来たんだ………」

 

イノシシの被り物、伊之助か!

 

「情報感謝する!アンタたちはこのまま山を下りてくれ!いいか、何があっても俺たちが戻るまで山には入るなよ!」

 

そう言い残し、俺は先へ進む。

 

死ぬなよ、伊之助…………!

 


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