鬼滅の雨   作:ほにゃー

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強敵との再会

「はっ!」

 

目が覚めて、俺は真っ先に自分の首を確認した。

 

斬れてない、血も出てない。

 

良かった、どうやら夢の中のことは影響してないみたいだ。

 

「辰二!」

 

「炭治郎!お前も、目覚ましたか!」

 

「ああ!でも煉獄さんたちがまだ………!」

 

炭治郎に言われ、煉獄さんたちを見ると、三人ともまだ眠っていた。

 

「俺達だけ目が覚めたのか……」

 

「後は、禰豆子のお陰だ」

 

「禰豆子の?」

 

「禰豆子の血鬼術で、俺と辰二の縄が焼かれてるんだ」

 

見ると俺の腕に結ばれていた縄は燃えていた。

 

恐らく、禰豆子が炭治郎の縄を燃やした時、血が俺の縄にも付いたりしたんだろう。

 

後でお礼を言わないとな。

 

そう思いつつ、俺と炭治郎は座席の下に隠しておいた日輪刀を取り出し、腰に差す。

 

「この縄、斬ったらダメな気がする……」

 

「斬ってどうにかなるんだったら、苦労しないしな。恐らく、斬ったらヤバいだろう」

 

「禰豆子!三人の縄も燃やしてくれ!」

 

炭治郎に言われ、禰豆子は頷き三人の縄も燃やした。

 

「煉獄さん!起きてください!」

 

「善逸!伊之助も!起きろ!」

 

三人の体を揺するも、三人はまだ眠っていた。

 

「ダメだ、辰二!起きない!」

 

「こうなったら、俺と炭治郎、禰豆子の三人で鬼を探して炭治郎!」

 

俺は咄嗟に、炭治郎の腕を掴み引き寄せる。

 

同時に、煉獄さんと繋がっていた女性が錐で炭治郎に襲い掛かった。

 

「何てことしてくれるのよ!あんたたちのせいで、夢を見せてもらえないじゃない!」

 

鬼に操られている風にも、鬼に脅されている風にも見えない。

 

「なっ!一体どうして………!」

 

「恐らく、この人は自分の意思で鬼に従っているんだろう。そして、他の人たちも…………」

 

周りを見ると、他に俺達と縄で繋がっていた人たちは、それぞれ錐を持ち、俺達に近寄ってくる。

 

そんな中、やせ細った男の人と、涙を流して呆然としていた少女はただ黙って、立っていた。

 

席の位置から考えるに、俺と炭治郎と繋がっていた人だろう。

 

「アンタたちも!起きたなら加勢しなさいよ!結核だとか、死んだ家族に会いたいとか知らないけど、ちゃんと働かないなら、あの人に言って夢、見せてもらえないようにするからね!」

 

なるほど……人の弱みや心に付け込んで、やらせていたのか。

 

自分は手を汚さず、他人に汚いことをやらせる。

 

最低だ…………!

 

「ごめん……それでも、俺は行かないといけないんだ」

 

「悪く思うなよ」

 

そう言い、俺と炭治郎は、俺たちと繋がっていた二人を除いた他の三人の人たちを殴り、気絶させた。

 

「暫く眠っててくれ」

 

全員を席に横にして、残りの二人を見る。

 

この二人からは殺気が感じられなかった。

 

だから、俺も炭治郎もこの二人だけは傷つける様な真似はしなかった。

 

「聞きたいことがあるんだ。この女性が言ってたあの人ってのは、鬼だな?」

 

そう聞くと、少女はこくりと頷いた。

 

「そうか……君の苦しみを俺は知らない。でも、その苦しみはいつか晴れる。だから、それまで生きるべきだ。勝手だろけど、生きてくれ」

 

少女にそう言って、俺は外に出ようとする。

 

「あの!」

 

すると少女が声を掛けてきた。

 

「私たちに、貴方たちの精神の核を壊せって言ってきた鬼は、汽車の上に居ます。先頭の車両です。それと、左目に、下壱って文字もありました」

 

「………そうか、ありがとう。後は俺たちに任せて隠れていてくれ。炭治郎!」

 

「ああ、分かってる!禰豆子、この人たちを頼む!」

 

炭治郎の言葉に、禰豆子は頷く。

 

俺と炭治郎は一緒に車両を出て、屋根に上がる。

 

「炭治郎、匂いはどうだ?」

 

「風上から匂ってくる。凄い匂いだ……密閉されていた車両とは言え、気づかなかったなんて不甲斐ない……!」

 

「反省は後にしろ!前に…………!」

 

前に行くぞっと言おうとした瞬間、俺は後方を見た。

 

この気配は…………!

 

「炭治郎……先頭の鬼は任せる」

 

「辰二?」

 

「後方にも鬼の気配だ。それと、この気配………アイツだ!」

 

「………分かった!先頭の鬼は任せてくれ!」

 

「頼むぞ!あの子の話によると、先頭にいる鬼は下弦の壱!下弦の鬼の中では、一番の実力を持つ鬼だ!」

 

「ああ!」

 

炭治郎と別れ、俺は後方へと向かう。

 

そして、最後尾の車両の屋根の上に、ソイツは居た。

 

「来たな、餓鬼。魘夢の野郎の術に掛かった時は、少し焦ったが、テメーなら抜け出せると思ってたぜ」

 

「お前が俺をそう高く評価してるとは驚いたぞ、下弦の弐!」

 

下弦の弐は、前にあった時とは少々変わった風貌でそこに居た。

 

「何であの方がお前に対してご執心だったのか知らないが、お前は俺が殺す。そう決めてたんだよ!」

 

「奇遇だな。次に会ったら、お前は俺が必ず斬る!そう決めてたんだよ!」

 

日輪刀を抜き、俺は下弦の弐を見る。

 

今度こそ、俺はお前に………………勝つ!

 


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