鬼滅の雨   作:ほにゃー

43 / 54
長らくお待たせしました。

口内炎が舌にできて、執筆どころではなかった為遅れました。

申し訳ありません


諦めるな

上弦の………零?

 

なんだそれ?

 

師匠の話だと、十二鬼月は、下弦の壱から陸と上弦の壱から陸に分かれた十二体の鬼から成るって話だ。

 

零がいるなんて、聞いたことがない!

 

そう思った瞬間、上弦の零は俺の前に立ち、槍を振り下ろそうとしていた。

 

(しまっ――)

 

反応が出来ず、俺は刀で防御することも、避けることもできなかった。

 

「うおおおおおおおおっ!!」

 

だが、一瞬で煉獄さんが俺と上弦の零の間に割り込み、槍を防ぐ。

 

防いだ瞬間、煉獄さんの足が僅かに地面に沈み、踏ん張ったことで、胸の傷が余計に開き、出血が酷くなる。

 

「煉獄さん!?」

 

「案ずるな、辰二!この俺が生きてる限り、俺の後ろにいる者に指一本触れさせはしない!」

 

「おいおい、まだ立ち上がるのか?死なないにしろ、少なくとも暫くは戦闘出来ないぐらいの重傷のはずだぜ?」

 

「だろうな……一見、ただ右胸から左わき腹まで切り傷に見えるが、斬られた衝撃で肋が数本砕けている。それに、内臓も傷ついてる。正直、こうして立つだけでも血反吐が吐きそうだ」

 

「おまけに、俺の一撃を防いだことで出血も酷くなってる。このままだと死ぬぞ?なのに、何故まだ戦う?」

 

「決まっているだろう。柱として、彼らの先輩として、無様な姿だけは見せたくないからだ。もっとも、こうして傷を負った時点で無様ではあるがな(炎の呼吸 弐ノ型 昇り炎天!)」

 

上弦の零の槍を弾き、そのまま昇り炎天で上弦の零を切り裂こうとするも、上弦の零はあっさりと躱し、槍を煉獄さんの脇腹へと突き刺し、素早く抜いた。

 

「ぐっ!?」

 

「血を流し過ぎたな。それに、呼吸で痛みを和らげるのも無理になってきている。いいからそこを退け。俺の狙いはそこにいる透明の日輪刀を持つ、雨の呼吸の使い手だけだ。それ以外に手を出す気はない。おい、雨の呼吸の使い手」

 

上弦の零は煉獄さんの後ろにいる俺に声を掛けてくる。

 

「今のコイツに、俺の頸を斬るだけの力はない。このままだと死ぬ。だが、お前が死ぬって言うなら、コイツを殺すのはやめてやる。ついでに、お前の仲間も、汽車の乗客もにも手は出さないでやる。歴戦の剣士である柱と、成り立ての剣士のお前、今後の為に生きる必要があるのはどっちなのか、子供でも分かるぞ」

 

上弦の零の言う通りだ。

 

俺が死ぬのと、煉獄さんが死ぬの。

 

どっちが鬼殺隊にとって不利益なのか、誰にだってわかる。

 

俺一人の命で、皆が助かるなら安いものだ。

 

「辰二!」

 

煉獄さんの声が聞こえ、俺はハッとする。

 

「死ぬことは俺が許さん!諦めるな!」

 

俺はいつの間にか、刀を鞘に納めていた。

 

無意識の内に、俺は戦うのを諦めていた。

 

「何があろうと諦めることは俺が許さん!鬼殺隊ならば!弦常の継子ならば!……君の父上の願いを果たすならば!こんな所で死んではならない!」

 

最早立つことすら辛いだろうに、煉獄さんは俺を叱咤する。

 

「やれやれ、自分の事もお構いなしか。今のご時世、他人の心配しても損するだけだぜ」

 

溜息を吐き、上弦の零は煉獄さんに止めを刺そうとする。

 

「おい、待て」

 

上弦の零を止めたのは、猗窩座だった。

 

「なんだよ、猗窩座?まさか、殺すなとか言うんじゃねぇだろうな?」

 

「ソイツにはまだ用があるんだ。お前は下がってろ」

 

「おいおい、助けられておいてそんな態度はないんじゃねぇのか?お前、俺が来なかったら今頃死んでたぜ」

 

上弦の零は茶化す様に笑ってそう言う。

 

一方で、猗窩座は何も言わずに黙っていた。

 

「……………分かったよ。さっさと用事を済ませろよ」

 

上弦の零はそう言って、猗窩座の後ろに下がった。

 

「さて、水を差されたが、これでようやく話ができるな。杏寿郎、これで分かっただろ?どれだけ鍛えようとも、人間は鬼に勝てない。生身を削る思いで戦ったとしても、全てが無駄だ。お前と、そこの餓鬼が俺に与えた傷は既に完治している。だが、お前はどうだ?胸からの大量出血、砕けた肋骨、傷ついた内臓。このままでは、お前は死ぬ。だが、鬼なら瞬きする間に治る。鬼になれ、お前はただ頷けばそれでいい」

 

「言っただろ。俺は断る!俺は、俺の責務を全うする!(生きるにしろ、死ぬにしろ、これ以上の戦闘は無理だ。一瞬で多くの面積を根こそぎ抉り斬る!)」

 

煉獄さんは、脚を停めて気を最大限に練り上げ、両腕を含めた全身を捻った構えを取る。

 

今まで、各技を瞬時に、どのような体勢からでも放っていた煉獄さんがそうしていることから、大技だと分かった。

 

それは猗窩座も同じらしく、興奮していた。

 

「素晴らしい闘気だ!それ程の傷を負いながらもその気迫!その精神力!一部の隙も無い構え!やはりお前は鬼になれ!俺と永遠に戦い続けよう!杏寿郎!」

 

「炎の呼吸 奥義!」

 

「術式展開!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      「玖ノ型 煉獄!」「破壊殺・滅式!」

 


 ▲ページの一番上に飛ぶ
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。