鬼滅の雨   作:ほにゃー

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今回凄く短いです


さがしもの

煉獄杏寿郎の訃報は、すぐに産屋敷と他の柱たちに伝えられた。

 

そして、あの男にもその情報は伝わった。

 

「ご報告に参りました、無惨様」

 

猗窩座はとある屋敷へと向かい、子供のような姿をした鬼舞辻無惨の前へと現れた。

 

「例のものは見つけたのか?」

 

「調べましたが確かな情報は無く、存在も確認できず、“青い彼岸花”は見つかりませんでした」

 

「………で?」

 

「無惨様の御期待に応えられるよう、これからも尽力いたします。ご命令通り、柱の一人も始末して参りました。御安心を」

 

「何を勘違いしている、猗窩座」

 

無惨は猗窩座に指を突きつけた。

 

すると、猗窩座の体が軋み、血が噴き出た。

 

「たかが柱一人、ソレを始末したからなんだと言うのか?鬼が人間に勝つのは当然の事だ。私の望みは鬼殺隊の殲滅。一人残らず殺し、二度と私の前に立たせないこと。難しいことではないはずだ。それなのに未だ叶わず。どういうことだ?」

 

静かに怒りながら、手にした本のページを掻き毟る様に破る。

 

「得意気に柱を殺したと報告するが、あの場にはまだ四人鬼狩りが居た。しかも、聞けばその内の一人はあの透明の日輪刀を持つ雨の呼吸の剣士だ。なぜ始末して来なかった?わざわざお前を向かわせたのに!」

 

無惨からの仕置きを、猗窩座は黙って受け入れていた。

 

「お前には失望した。透明の日輪刀を持つ雨の呼吸の剣士から一撃を貰ったに留まらず、柱でもない剣士からも一撃を受けるとは、上弦の参も堕ちたものだな。下がれ」

 

無惨に言われ、猗窩座は静かにその場を離れた。

 

「ちょっと部下に厳し過ぎやしないか、無惨」

 

いつの間にか部屋の中に居た上弦の零は、壁にもたれ掛かりながら無惨に声を掛ける。

 

「零か。一々私の背後を取るな。それで、何故殺さなかった?」

 

さっきとは違い、無惨は静かに上弦の零に尋ねる。

 

「お前には透明の日輪刀を持つ雨の呼吸の剣士の抹殺を命じたはずだ。それに、聞けば奴はまだ真の力を発揮できない子供だ。お前なら容易く殺せたはずだ」

 

「そりゃ、殺ろうと思えば殺るのは簡単だったさ。だが、あんな小童殺したところで面白くもなんともねぇしな。どうせなら、もっと剣士として成長した奴と戦いてぇんだよ」

 

上弦の零は軽口を叩く様に言い、そんな上弦の零に無惨は溜息を零す。

 

「もういい、下がれ。お前にはお前なりの考えがあるんだろう」

 

「悪いな。それじゃあな」

 

上弦の零は軽く会釈だけし、屋敷を出ていく。

 

夜風に吹かれながら、上弦の零は夜空を見上げる。

 

「………必ず殺してやるさ。雨の呼吸の剣士は、俺が殺さなきゃならないんだからな」

 

そう言う上弦の零の表情は、冷たい感じだったが、何処か寂しい様にも見えた。

 


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