鬼滅の雨   作:ほにゃー

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赫灼の子との出会い

爺ちゃんに言われ、俺は雨柱の曽良山弦常さんの屋敷を目指していた。

 

爺ちゃんの話だと、雨柱はとある山の山奥に居を構えてるらしく、会うことは難しいらしい。

 

「だからって…………一年以内に屋敷に着かなかったら修行無しってなんだよ!?」

 

実家を出て二ヵ月、俺は未だに雨柱の屋敷を見つけられずにいる。

 

爺ちゃんから大まかな方向と位置を聞いているのだが、そこから先は自分で探せと言われ、最低限の路銀と刀を渡され、放り出された。

 

その時に、手紙に一年以内に着かなければ修行の件は無しと言うのも聞いた。

 

「後十ヵ月、早く屋敷を探さないと」

 

竹筒から水を飲み、口元を拭って俺はまた歩き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いかん………完全に迷った………」

 

そして、半年が過ぎた。

 

残り四ヵ月…………ダメだ、どうやっても期限内に屋敷に着くのは無理そうだ。

 

それに路銀も尽きた。

 

もう一週間近く何も食ってない。

 

水は小川とかで汲めば何とかなるが、食いものはどうしようもない。

 

鳥とか兎とか狩ったり、魚を釣って、食ってはいるけどいつもいつもうまい具合に狩れたり釣れたりはしない。

 

「腹減った…………」

 

とうとう動く事すら億劫になり、俺は近くの手頃の岩の上に座り込む。

 

このまま当てもなく歩き続けるのはダメだ。

 

とりあえず、休憩して体力が回復したら、近くの村まで行こう。

 

そこで道を尋ねるか。

 

「あの~……大丈夫ですか?」

 

すると、俺の前で誰かがしゃがんで、俺の顔を覗き込んでいた。

 

それは少年だった。

 

少年は、額の左側に火傷の様な痣があり、日輪が描かれた花札風の耳飾りが特徴的だった。

 

後、髪と目の色に赤みが掛かってる。

 

「ああ、大丈夫だ。ちょっと休んでるだけだから気にしないで―――」

 

その時、俺の腹から空腹を訴える音が鳴り響いた。

 

「気にしないでくれ」

 

とりあえず平静を装い、何事もなかったように言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すまない。この恩は必ず返す」

 

「そんな気にしないでください」

 

俺は少年、竈門炭治郎からおにぎりを貰った。

 

なんでも竈門の家は炭焼きの家らしく、炭を作るための薪を集めに行った帰りで、おにぎりは家族にお腹が空いた時様にと持たされたものらしい。

 

空腹も限界だったので、有難く頂くことにした。

 

「打鉄さんは、何処かに行かれる途中だったんですか?」

 

「辰二でいいぞ。敬語もだ、歳もそう離れてないだろ?」

 

「じゃあ、俺も炭治郎でいいぞ」

 

「分かったよ、炭治郎。ちょっと爺ちゃんの紹介で、ある人の所でお世話になるんだよ。で、今はその人の屋敷に向かってる途中だ」

 

「そうだったのか」

 

「そこでなんだが、この辺に村はないか?ちょっと道に迷っていて」

 

「なら、ここの道―――」

 

炭治郎から村までの道を聞き、俺は炭治郎に礼を言う。

 

「助かったよ。この礼は必ず返させてもらうよ」

 

「本当にいいんだけど……」

 

「だとしてもだ。いつになるかは分からないけど、必ず礼をしに戻ってくる」

 

「じゃあさ、今度着たらウチに来てくれよ。妹や弟たちと会ってやってくれないか?」

 

「ああ。楽しみにしてるよ」

 

最後に握手をし、俺は村へと向かった。

 

しっかし、見ず知らずの俺を助けて、飯まで恵んでくれるなんて、良い奴だな。

 

ああ言う奴の為にも、良い未来を残してやりたいな。

 

新たな決意を胸に、俺はもう一度拳を握って歩き出す。

 

残り四ヵ月。

 

早く、雨屋敷に行かないとな。

 


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