ポケットモンスター グレイ   作:ぴんころ
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ちょっと短めー


休憩休憩

 エンジュジムを終えた後、マツバにミミッキュの交換を提案しそれが了承されたことで俺のところにはゴーストがやってきた。とは言ってもゴーストは交換と同時にゲンガーにまで進化して、それと同時にレベルリセット。俺のパーティーに実際に加えられるかどうかはともかく、一度ゲンガーを育ててみたかったのでいい結果になったと思う。

 

 さらにその翌日。アサギジムもクリアしてきた。ジョウト地方であればスウはどうやら自由自在に行き交うことができると発覚したので、一日で行ってクリアして戻ってくることができたのだ。便利すぎるし、野良バトルが難しくなるのでそこまで使うつもりはないが。はがねタイプは俺の普段の三匹には鬼門なので、俺のパーティーで唯一ほのおタイプを持つウルガモスのカナ、ヒードラン相手にも勝ち目のあるリフィ、じめんタイプあるいはいわタイプ持ち複合タイプのポケモンであれば弱点を取れるミロカロスのマイの三匹と安パイで行かせてもらった。

 

 

「そういうわけで少し休憩だな」

 

 

 スウの能力を多用すれば、それこそ一週間とかからずに全ての街を回ってジム戦を挑むことができる。けれどそれをすればリーグ大会まであまりにも暇ができすぎて、ジム戦(良質な経験)を長時間得られない。チャンピオンロードなども無視できる。それでは、まともに時間をかけて登ってきた相手との差ができるかもしれない。そう思えばこそ、少しの休暇を入れることにした。ゲンガーもレベルリセットは終わらせているので修行をできるのだが。

 

 

「まずはお前の育成だよ、スウ」

 

 

 伝説種と戦う予定はない。けれどもしも戦うことになった時の戦力。それがスウに与えられた役割である以上、育成は早いこと済ませておいて損はない。ゲームと現実は違うのだ。ロケット団が他の組織を見て伝説の悪用を考えました、なんてシャレにはならない。故に、ホウオウ相手にはきっと使えないだろうスウは対ルギア戦に調整する。()()に与えられるのは一つ目が戦闘のためのフィールド構築。海の上、海の底、あるいは空を飛んでいるのがデフォルトだろうルギアと戦うのであれば、まずは足場の構築が最低条件。

 

 

「だからまず、お前にはぜったいれいどを鍛え上げてもらう」

 

 

 それこそ、うずまきじまから周囲百キロは完全に凍りつかせることができるレベルにまで。伝説種の最低レベルを理解しているからこそ、一撃必殺は通用しないと当たり前の事実を理解している。だからそもそも攻撃には使わない。そう言葉にして、ボールからすでに出していたスウに視線を向ける。

 

 

「それは別にいいが───本当にこれをしないとダメなのか?」

 

「やれ」

 

 

 彼女にさせることは半径数百メートル、木々によって覆い隠されている中にある空き缶だけをぜったいれいどで凍らせること。範囲を広げることと、周囲にいるトレーナーを巻き添えにしないことを目的とする特訓。その理屈には納得しているようだが、理屈にしか納得していないスウはマジでか、という視線をこちらに向けている。人語を喋る時点でわかる通り、今の彼女は擬人種になっている。紫のたてがみを思い起こさせる髪は二つのお団子をサイドに作ってなお余るほどの長さと多さ。頭には彼女の水晶の飾りをモチーフにしたティアラ。体色を思わせる水色のレオタードとグローブ、そしてニーソックスだけが彼女の体を覆っていて、そこまで露出が多くないはずなのに慣れていない人物であれば性的な目で見てしまいかねない装いがそこにはあった。

 

 

「でんきタイプとかくさタイプとかに関しての弱点耐性をつける必要は今はないからな。PPが切れてぜったいれいどが打てなくなっても打ち続けてもらうからな」

 

「ぬわーーーーーっっっっ!?」

 

 

 半強制的にぜったいれいどを引き出す。育成能力が限界を超えている俺を前に使用しないなんてことはできはしない。思う形に育て上げるのが育成能力なのだから、呼吸するようにぜったいれいどを使うスウなんてものを作成するのも自由だ。さすがに、ほとんど育てていない今は無理矢理に引き出すのが限度だが、最終的には常にぜったいれいどを纏ってくれるだろう。己の思ってもみないタイミングで強制的に発動させられたのでスウは驚き変な声を上げていたが、そこに関しては気にしない。少しくすぐったそうに、頬を紅潮させて涙目になっているのは格好と合わせてエロいなぁ、なんて思うが、それ以上のことを思うことはない。

 

 

「それじゃ、しばらくの間は頑張ってくれよ。俺は今日はリフィに付き合うから!」

 

「お、おいていくつもりかぁ!?」

 

 

 その言葉にサムズアップで返し、うちのボックスにいる空間制御に優れたバリヤード数十匹程度に作らせたこの出口のない家からテレポートで脱出する。

 

 今日は、朝一で起こしてくれたリフィに付き合って欲しいところがあると言われたから、そこに付き合う予定なのだ。俺としても都合がいいので、それを断るつもりなどなかった。

 

 

* * *

 

 

 リフィの付き添いでやって来たのは自然公園。リーフィアである彼女からすれば自然の中というのは無条件に気持ちがいいのかもしれない。俗にデート、と呼ばれるような行為ではあるがポケモンとトレーナーであればこうして一対一でどこかに出かけるのもそこまで変なことではない。信頼関係が重要となる間柄である以上は、一対一で本音を語り合ったり、仲を深める行為はどこにでもある光景だ。

 

 ただ、さすがにこんな風に押し倒されるのはおかしな光景かもしれないが。

 

 

「おまっ、甘酒か何かでも飲んだな!?」

 

「そんなの飲んでないわよ〜?」

 

 

 喋り方はいつもより間延びしている。頬は紅潮している。普段の彼女であれば決してこんな状態を人には見せようとしない。この自然公園で行われている祭りで配られている甘酒、それを飲んだに違いない。彼女はアルコールに弱いのはうちのパーティーでは周知の事実。甘酒一口ですら酔っ払うのだが、毎回次こそは、と無駄なあがきを見せるせいで一切止まらないのだ。

 

 デートということで彼女も多少は服装に気合を入れている。けれどそれもすでに見る影がない。若草色のワンピースはすでに暴れまわったのか解れている部分があって、チラチラと見えている肌にもポケモンバトルの関係でついた傷がわずかに見えて性的なことを感じるよりも先に痛々しさを感じさせる。これでは周囲の人のように祭りの熱気に当てられて人の少ないところに擬人種のポケモンを連れ込む、なんてことも考え付かないだろう。ポヤポヤとしている彼女の一瞬の隙をついて、今の状態の彼女が平静を保てる顔の距離だったものを、無理やりに近づける。

 

 

「うぇええ!? ちょっ、ぐれ」

 

 

 最後まで言葉にさせずにキスをして無理やりに黙らせる。こういう場合はショートさせてしまうのが一番いいとは誰が言っていたのか。そういう類のスキンシップすらも擬人種が相手であるのなら有効だと教えてくれたのはグリーンさん。とりあえず、異性で擬人種のポケモンを連れている時点で周囲からすればそれはもう恋人を連れているのと同じこと。よってそこまで気にされることなく、周囲の視線は流れていく。ただ、リフィからすればそれでも恥ずかしく、周囲から見られているような気分になったのかショートし、わずかに時を置いて強すぎるショックに冷静になった。

 

 

「ほら、落ち着いたか?」

 

「……落ち着いた」

 

 

 そんな言葉を発するリフィの顔は胸元に埋められているので見えないが、耳元が真っ赤になっているのでその状態は予想に難くない。そんな彼女の様子を眺めて、何か彼女の様子を元に戻せるものはないかと探してみたところ、発見したのは自然公園の掲示板にあった張り紙。最近ゴミの不法投棄が増えています、と言ったよくある紙、それよりも目立つ位置に貼られたポスターはこの自然公園の祭り、その余興として行われる予定の大会について。

 

 数百メートルは優に離れている距離にあるにもかかわらず見えるあたり、自分もこの世界の人間に近づいてきたことを認識してしまうが、それはそれ。少し目を凝らせば、その細かい内容についても目に入ってくる。大会優勝賞金が100万。この辺りとなると、ポケモンリーグ出場を目指してやってきたエリートトレーナーたちを狙ったイベントに思える。スポンサー狙いのトレーナーももしかしたら参加しているのかもしれないし、もしかしたらこの大会にポケモンリーグで戦うことになる相手がいるかもしれない。

 

 

「リフィ、あの大会参加してみるか?」

 

「やっ!」

 

 

 なので、彼女を元に戻すこととポケモンリーグに出てくるかもしれない相手と戦える、と二つの意味で有意義になりそうなポケモンバトルに参加しようかと思ったのだが、その当の彼女がいやだと言うのであれば仕方がない。微妙に幼児退行を起こしているようにも見えるしやめておくとしよう。

 

 これがスウみたいな新入りであれば無理やりに参加させることもやぶさかではなかったのだが。

 

 

「なら、二人でこのバトル大会を見るとしようか」

 

「……うん」

 

 

 普段よりも優しい声を心がけ、同時に彼女の頭を撫でながら言葉にする。周囲にいる参加しそうな面々に視線を向ければ、かなり戦意をむき出しにしているのがわかる。これでもポケモンリーグ用に戦術をいくつか隠し持っておくんだろうな、と思えるからトレーナーというのは厄介だ。見た目と中身が一致していないことが多い。心は熱く、頭はクールに。それを普通にできてしまうのだから。それでも、そこまで力量が高くなさそうに見える。おそらくはジムリーダーの本気には届かないのではなかろうか。

 

 そんな彼らを視界に収めながら起き上がり、リフィをすっぽりと膝の上に収めてしまう。そのまま大会会場の方に視線を向ければ、どこかで見たことがあるような姿。……というかジムリーダーたちがいる。お前ら仕事しろよと思わないわけではないのだが、ここにわざわざ来ているということは今日は休みということなのだろう。さすがにジムリーダーだからと言って毎日ジムに詰めて一切の休みなく過ごすということは無理だ。あいつらも人間だから。そういうことで各ジムには必ず休みというものが存在する。その休みすらもこうしてバトルに使うのがトレーナーなので、休みという気もしないが。

 

 ちなみに大会のベスト8は全員ジムリーダーだった。お前ら少しは手加減しろよ。




名前:カナ
特性:ほのおのからだ
性格:おだやか
レベル:94
トレーナーの呼び方:主
一人称:私

 このパーティーでは珍しく、普通のポケモンとして普通に捕まったメラルバが進化した。あまりにも普通すぎるせいで書くことがない。

技術的なもの

・だいにのたいよう

 出現と同時に天候を「ひざしがつよい」に変化させる。
 自分の使うほのおタイプの技を1.5倍、受けるみずタイプ、こおりタイプの技の威力を0.8倍にする(この効果は「ひざしがつよい」と相乗する)

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