優しく殺してやると言ってくれた貴女が好き   作:荒屋

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ドーモ ミナ=サン アッシュデス。
どうにか年を越すまでに出せました。(ギリギリ
いつもの様に駄文ですがどうぞ。


オルレアン

 

 

 広い平原、澄み渡った綺麗な空、そして遠くの方に見える母なる海。

 

  え?ここは何処かって?

 

 「……」

 

  特異点だよ馬鹿野郎。

 

  しかも、立香達は居ないし。何なの?レイシフト中の不具合か?ふざけんなスタッフ仕事しろ、あ〜やっぱり今すぐに帰りてぇ。俺、この特異点を修復したらカルデアから出るんだ…………あ、そういえば人類史は崩壊してたんだっけか糞が。

  …いかんいかん、流れる様に暴言が出てしまう。一旦落ち着こうじゃないか。えーっと、今俺は立香達とはぐれていて、俺のサーヴァントであるゴルゴーンしか居ない。周りを見渡しても木、木、木。うん、森の中で遭難とか死亡ルートまっしぐらじゃないか。おいおい、死ぬわ俺。

まぁ、死ぬのは勘弁なので立香を探す事にする、早い内に見つけなければ魔物とかに喰われてサヨナラバイバイなんて事もあり得る。ゴルゴーンとかサーヴァント特有の魔力とか出して立香達に気づかせられないかな?

 

  「そんな事できるか」

 

  なぁんで聞こえてるんですかねぇ?

 

 

  ーーーー

 

  

  「藤丸君、初めてのレイシフトは大丈夫だったかい?」

 

  「うん、大丈夫だったよ」

  本当はちょっとだけ酔ったけど。そういえば、今回一緒にレイシフトに参加した彼の姿が見えない。

 

  「ドクター、彼は?」

 

  「うーん、それがどうやら、レイシフトに不具合起きたらしい」

  ドクターがそう告げる。レイシフトの不具合、と言っても彼の顔色は悪く無かった様だし、大した事は無かったと思う。

 

  「大丈夫、急いで彼と合流するようサポートするよ」

  そうは言ってくれるが心の中では少し心配だ。まぁ、彼には彼のサーヴァントがいるし、大丈夫だとは思うけど…。

 

  「先輩、あの人なら大丈夫ですよ」

  心配して、顔に出ていただろうか、マシュが励ましてくれた。…駄目だ、もっとマスターらしくちゃんとしないと…。

 

  「そうだね、ありがとうマシュ」

  皆んなに心配されない様笑顔でマシュに返事する。

 

  「いえ…そんな………こちらこそありがとうございます……」

  …?どうしたんだろうか、マシュの顔が赤い。風邪か何かだろうか?確かサーヴァントは風邪を引かないらしいのだが、マシュはデミサーヴァントだ、普通に風邪を引いてもおかしくない。

 

  「マシュ大丈夫?顔が赤いけど?」

 

  「い、いえ!私は大丈夫です!」

 

  「本当?無理はしないでね?」

 

  「はい…」

  まぁ、マシュが大丈夫なら良いんだけど、彼女が無理しない様、気を引き締めないと。とりあえず、今は彼と合流しなければ。

 

 

  ーーーー

 

 

  「あれ?ここら辺来たことあるんじゃ?」

 

  「これで何回目だ」

 

  「お前に着いていってんだよこっちは!」

  誰か助けて立香助けて…。森の中って真っ直ぐ歩けば出れるものじゃ無いの?

 

  「こっちだな」

 

  「いやそっちはさっき行っただろ!ほらお前の尻尾の跡があるだろうが!」

  ゴルゴーンが指指した先の道には何か太いものを引きずった跡が付いている。気づいて無かったのか。

 

  「……ふん。なら貴様が先導すれば良い」

  あ、拗ねた。

 

 

  ーーーー

 

 

  「やっと出れたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

  やっと出れたよこんちくしょう!一生あの森の中で彷徨い続けるのかと思った……。

 

  「疲れた、ちょっと休ませて……」

 

  「ふん、貴様にしては良くやった」

  偉そうにしやがってこの野郎…。

 

  「む。」

  ゴルゴーンが何かに気づいた様な素振りを見せる。どうした。

 

  「ふっ、貴様の匂いを嗅ぎつけたか低脳な獣達が集まってきたな」

 

  「何その戦闘が始まりそうな台詞」

  そう言うと空から何か蜥蜴頭に翼を生やした生物が飛んで来た。しかも涎を垂らして。

 

  「ドラゴンじゃねーか!」

 

  「よく見ろ、あれはワイバーンだ」

 

  「どっちでもいいわ!死にたくねぇぇーー!!助けてゴルゴーン!!」

  あばっばばばばばばばやばばい死ぬぅ!!まだ死にたくないぃ!!

 

  「貴様大人しくしてろ、周りをうろちょろするな」

 

  「そんな事言われてもよぉ!死にたくねぇから逃げるしか無いだろぉ!?ってあちちちちち!火を吐くんじゃねぇ!熱っ!」

 

  「はぁ…貴様ならまぁ放っておいても良さそうだな」

 

  「やめて助けて!!助けてください!?」

  尻が!尻が燃える!燃えてる!熱っつい!

 

  「何、心配するな。直ぐに終わる」

  するとゴルゴーンの気配が変わったかと思うとワイバーンに手を向け黒い光が放たれた。

 

  「すげぇ……」

  光が消えたかと思うと辺りは焼け野原になっていた。何だよこいつこんなに強かったのか。これからはあまり怒らせない方がいいかな、なんか負けた気がする。

 

  「ふっ、どうだ私の力は。余りの恐怖で声も出ないか」

  と、ドヤ顔でこちらへ向くゴルゴーン。

  

  「ありがとう助かったわ」

 

  「は?」

  あっ、しまった。口に出てたか、小恥ずかしいな感謝を述べるのは。

 

  「貴様、それは違うだろう」

 

  「何が」

 

  「怖くて泣きそうだーとか、僕はこんな恐ろしい怪物と一緒に居たのかーと認識するところだろう」

 

  「…?そうか?別に対して怖くは無いが」

 

  「なっ!」

  何かゴルゴーンがショックを受けた様な顔をしている。何か悪いこと言っただろうか?

 

  「……………もういい」

  そう言うとトボトボと何処かへ歩いていくゴルゴーン。

 

  「あ、おい、何処行くんだ?」

 

  「貴様となんぞ居てられるか、別のあのマスターの所に行く」

  は?

 

  「お前…結局知ってたのか……」

 

  「マスターの気配なぞ、私が分からないとでも?」

 

  (^ω^#)

 

  「お前…意地でも怖がらんからな…」

 

  「面白い…せいぜい頑張る事だな」

  そう言ってドンドン進んで行くゴルゴーン、次第に歩くスピードも上がって行く。

 

  「おい!お前!速いって!やっぱり怒ってるだろ!待て速いって!待って!」

  結局追いつくまでに倒れてゴルゴーンに運んでもらった、なんか負けた気がした。




皆さん良いお年を。カイニスちゃん出ますように。

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