この日、慎一はあるビルに来ていた。数日前からネットである
「とりあえず乗ってみるか」
関係者と思わしき5人が乗り込んだエレベーターに乗り込んだ。
結局慎一以外が降りてもなにも起こらなかった。やっぱりデマだったのか……がっかりしたような嬉しいような複雑な気持ちのまま1階に戻るためボタンを押す。エレベーターが1階に向かってる最中あの音が響いた。後ろを向くと壁に大きな鏡が取り付けられていた。気づかなかった自分にがっかりした時にはもう遅かった。ミラーワールドから鏡ごしに獲物に狙いを定めるようにこちらを見てくる。
「やっぱりいたのか!」
急いでデッキを取り出し鏡に向かって突き出し、出現したベルトを装着する。右腕を左上へ斜めに突き出し腹から叫ぶ。
「変身!!」
デッキをベルトに装填し、仮面ライダー龍騎に変身した。
「シャッ!!」
目の前の鏡に向かって走りだしミラーワールドの中に突入する。
ライドシューターから降り、都市伝説の正体──ゼブラスカルと改めて対面する。
《ソードベント》
ドラグセイバーを召喚し横一文字に切りつけるが、ゼブラスカルの体が縦にバネのように伸びたせいで斬撃が効かなかった。そして体が元に戻るとドロップキックを繰り出し、大きく吹き飛ばされてしまった。壁に激突し痛みにうずくまってると、バネをいかした大ジャンプでビルの屋上に飛んで行ってしまった。
「嘘だろ、まじかよ!!」
ゼブラスカルほどの大ジャンプができない龍騎はビルの外階段を全速力で駆け上がっていく。
それを地上で眺めているミラーモンスターがいた。ゼブラスカル──アイアン。同じ種族のブロンズと同じビルを狩場としていたのだ。すると後ろからライドシューターが走ってきた。そこから降りたのは緑の仮面ライダー──ゾルダ。右腰にぶら下げているマグナバイザーで狙い撃ちするがアイアンもブロンズ同様に縦に伸びて銃弾を避けてしまった。
「避けれるのか……なら大きいのはどうだ?」
デッキから1枚のカードを抜き、バイザーで読み込む。
《シュートベント》
ゾルダ自身よりも大きなサイズの大砲を召喚し両手で持ち、構える。そしてアイアンに照準を定め腰を落として発車する。大きすぎる反動により後ろに引き下がるが、アイアンはバネのように縦に伸びても避けきれず大爆散した。
「ふぅー。案外大したことないんだな」
そう呟いたゾルダは自身が入り込んだ鏡に向かって立ち去っていった──
なんとか屋上に上がることができた龍騎。そこにはまだブロンズがいた。
《ストライクベント》
ドラグレッダーの頭部にそっくりなドラグクローを召喚しドラグクローファイヤーを放つ……が再びバネのように縦に伸び、勢いを押し殺してしまい致命的なダメージを与えることはできなかった。
「それなら!!」
《ファイナルベント》
ドラグレッダーとともに空中に飛び上がり、回転しながら、ドラグレッダーの吐いた炎を纏ったキックをブロンズのボディーに叩き込んだ。このドラゴンライダーキックの勢いは殺せずブロンズも大爆散した。
都市伝説の正体を倒した慎一はビルから出て駐車場に向かおうとしていた。その途中で同世代と思われる青年とすれ違った。慎一はまだ、彼が緑のカードデッキを持つライダーだとは知らない……
いかがだったでしょうか?
お盆休み中は少し時間があるので執筆を進めたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!!