探偵見習いの物語   作:海人

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今回は蟹VS黒龍です。


4話 Mの日常/掴んだ仮面

…キィィィィィン……キィィィィィン…

 

「悪いが話す気はない、君には消えてもらうよ」

 

 

 

 

 

警告音と宣告は同時に俺の耳に届き俺は側面から迫ったナニカによって突き飛ばされソコに往った。

 

 

 

 

 

 

 

目に映る全ての光景の物が鏡越しで見たかのように映る場所にして嘗て殺し合い(ライダーバトル)が繰り広げられた世界(ミラーワールド)に。

 

 

 

 

 

 

「……ミラーワールドか・・・ヤバい、な」

 

何がヤバいかというと戻れるかが分からない。

最初の時だって『リュウガのカードデッキ』を渡されなかったら出られなかったのは間違いなかったからな。最悪懐のコレ(・・)を使おうかと決めかねていた時、その声が響きその姿に絶句する。

 

「悪いね、氷川君」

「?! その、姿は…」

 

金色に彩られている身体。

蟹の目と触角を連想させる頭部。

契約モンスターの一部を模したであろう左腕の鋏型の召喚機(バイザー)

そして腰に装着されたベルト、Vバックルに嵌め込まれた蟹の紋章が描かれたカードデッキ。

 

 

現れたそれは両手を上げ高らかに謳う。

 

 

 

「この街では僕の様な存在をこう呼ぶのだろう?」

 

 

 

『仮面ライダー』と………

 

 

 

 

「悪いが君には死んでもらうよ、僕が変身した『仮面ライダーシザース(ゴールドクラブ)』によってね!!」

 

 

 

 

 

 

高らかに口に出すその言葉に思った事……

 

 

 

 

 

「……名前ダサすぎ」

 

 

 

 

ひょっとしたら俺よりネーミングセンスが無いんじゃないかと思ってしまう。

翔兄の場合必殺技名とか良いんだよな、俺も幾つか考えてもらったし……

 

「冗談を言えるのも今の内さ」

 

考え込んでいたら接近されていたので慌てて距離を取りロストドライバーを装着、【ETERNAL】メモリを取り・・・・・

 

「仕方ない…えっ・・・無い!!!??」

 

慌てて辺りを見渡し・・・ミラーワールドの外に落ちているのを見つけてしまった。

 

「最悪だ!?」

「ちょこまかと!」

「いや、死にたくないからな」

 

ゴールドクラブの攻撃を全力で避け続けている俺は諦め懐から取り出したソレを起動させた。

 

「俺、これからギャンブラー白夜(はくや)って名乗ろう」

【SHUFFLE】

 

 

鳴り響くと共に無色のガイアメモリは俺の手を離れ、空中で目紛るしく変色しながら輝き始めた。

 

 

 

 

「さあ、ナニ(・・)が来る?」

 

 

 

『SHUFFLE』メモリ

 

トランプで言う「切り混ぜ」の記憶を内包したメモリ。

使用者の適合率の高い記憶を宿すガイアメモリに変化する特殊なメモリであるそうだが俺はあの時(・・・)の経験からこう解釈している。

 

 

 

 

 

『使用者が必要と思う記憶を宿したメモリに変化する』と。

 

 

 

 

 

だからこの状況ではーーーミラーワールドから脱出する為に適した手段に関わる記憶ーーーを宿したガイアメモリに変化する。

 

そう思っていた。

 

 

 

 

 

 

【RYUGA】

 

 

 

 

 

 

 

だが、響いたのは始まりの……

既に俺からは失われた仮面の名前だった。

 

「ッ?!……変身!!」

【RYUGA!!】

 

そして起動させた【RYUGA】メモリをロストドライバーのスロットに挿し込み斜めに倒す。そして俺の体に複数の鏡像が同時に重なり、姿を懐かしさを覚える物へと変化させた。

 

 

 

闇夜を纏う身体。

赤く光る複眼。

暗黒龍(契約モンスター)の頭部を模した左腕の召喚機(バイザー)

頭部に描かれた黒き龍の紋章。

そして腰に装着されたベルト、Vバックルに嵌め込まれた黒龍の紋章(ライダークレスト)が刻みこまれたカードデッキ。

 

「なんだ、その姿は?!」

「……リュウガ」

 

驚くゴールドクラブを横目にカードデッキから取り出したカードをバイザーに装填し告げる。

 

「この姿は仮面ライダーリュウガだ!!」

【SWORD VENT】

 

認証音と共に空中から現れ手元へと落ちて来たドラグセイバーを右手に握りゴールドクラブに振り落とした。

 

 

◇◇◇

 

 

 

こんな筈じゃなかった。

氷川をミラーワールドに入れ込み消滅させようとした。だがあのモンスターを撃退したのを思いだし確実にトドメを刺す為に変身し終わらせる、その筈だった。だが現実は俺と似たような仮面ライダーに変身した氷川に圧倒されていた。

 

「遅い!」

「嘗めるな!!」

【STRIKE VENT】

 

呼び出した武装(シザースピンチ)を右腕に装着し殴り掛かるが当たらない。焦る俺に氷川はこう言って取り出したカードを左腕の機械に差し込む。

 

「爪っぽい武装2つで益々蟹に近付いてますね、ならじっくり焙ってやるよ」

【STRIKE VENT】

 

その音声と共に氷川の右腕に装着された龍の頭を模した黒い籠手で左頬を殴らたれ俺はその衝撃で地面へと弾き飛ばされたと同時にその言葉を耳にした。

 

「こんがり焼かれてくれ!」

「ガアァァァァァァッ?!」

 

起き上がりかけた俺にそう叫ぶと共に突き出された氷川の右腕に装着された籠手から噴き出した黒炎に焼かれ地面に再び倒れ身体に受けたダメージの多さに踞る。そしてそれが全てを決めたのだ。

 

「先生、思いっきり足加減するからさ…」

 

【FINAL VENT】

 

氷川の言葉と同時に響いたのは、これで終わりだと(チェックメイトを)告げる宣言。

 

「ハァァァァァァ……」

 

氷川が気合いを込めた声を口から漏らすと同時に宙に跳び上がる、その周囲を黒龍が飛来し、ある程度の高さまで到着した瞬間……

 

「……ハァッ!!!」

 

黒龍が放つ黒い炎を纏い、飛び蹴りの体勢に入った氷川の姿が近付いて来た。

 

「動くなよ、動くと……痛いぞ!!」

 

身体を起こし逃げようと足掻くが分かってしまった。

避けられない、と。

 

「…る……な…」

 

終わりたくない! 俺はまだ……

 

 

 

 

 

「来るなああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!??」

 

 

 

 

 

 

そして俺の身体に氷川の必殺技が直撃し激しい衝撃と共に俺の意識は薄れ……

 

 

……消えた。

 

◇◇◇

 

◇◇◇

 

 

『文月学園教師柴田勝政被告、殺人及び生徒への性的暴行の疑いで逮捕』

 

 

 

その日の夕方のニュースはこの一件が飾った。

内容は、過去に交際していた被疑者と被害者が口論の末に起きた殺害現場を帰宅した被害者の娘が偶然目撃してしまい口封じ目的に性的暴行を行った。

 

 

……表向きはそう伝えられた。

 

 

◇◇◇

 

風都警察署の一部屋で集まる風都に()仮面ライダー達(3人)の姿があった。

 

「……それでどうだった?」

「駄目だ、柴田は本人の供述通り巻き込まれただけだな、ガイアメモリはフィリップに調査が終わり次第メモリブレイクする」

「ブレイクしないと効果は消えないから仕方無いですけど」

 

竜さんと翔兄の会話に思わず口を挟んだ俺を2人して見てくるがその顔には仕方ないと描かれていた。だって押収した【TEACHER】メモリを調べた最初の段階と供述でとんでもないことが分かったんだからな。

 

「新型のメモリ、か」

「コネクタ無しで起動出来た訳だからな」

 

そう、【TEACHER】メモリは本来必要であるコネクタを使用しないタイプ(新型)のガイアメモリだった。なら詳しく調査するためにメモリブレイクしない方が良いのでは?とも考えた。

 

だが時間を掛けずにメモリブレイクしなくてならない理由が出来た。

 

「羽柴 旭は?」

「駄目だ、完全に壊れてる」

「男性が視界に入っただけで御主人様とよび性行為を行おうとするそうだ。今は女性警官を中心に監視させている」

「最悪ですね」

 

あの時、柴田が俺の提案を断った理由がそれだった。

柴田は羽柴 旭に【TEACHER】メモリを使用した。

 

 

 

 

 

 

 

----羽柴 旭は自身が親に売られた(・・・・)存在で自身の言葉に従う性奴隷であると『教えられ』強姦されていた。----

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、フィリップに聞いたが『メモリブレイクしても記憶の再認識から精神崩壊する可能性が高い』と言われたよ」

 

やりきれないと表情に出ている翔兄に同感しつつも俺にとっての本題を聞く。

 

「……カードデッキの方は?」

「真昼との戦闘の衝撃で壊れたからな、使い物にならないそうだ」

「けど、ミラーワールドの調査ならコレがあります」

 

懐から漆黒の色のガイアメモリを取り出し2人に見せる。

 

「『仮面ライダーリュウガ』の記憶が宿ったガイアメモリ、いや『ライダーメモリ』って呼ぶべきか」

「使えるのが氷川だけなのが気がかりだが…」

 

リュウさんはそう言うが俺としてはエターナル以外の選択肢(・・・)が出来た事に安堵していた。そんな事を考えていた俺に何か気になったのかリュウさんが尋ねてきた。

 

「そう言えば氷川の学校の方はどうなった?」

「落ち着いてはいますけど行事が入れ替わったんですよね」

「行事?」

「ああ、『清涼祭』か」

不祥事(今回の一件)のほとぼりを冷ますために先に『学力強化合宿』持ってきやがった、2年生()達には良い迷惑だよ」

 

因みに『清涼祭』は他校の文化祭の様なモノと思えばいい。

更に言えば今年の『清涼祭』、実はFクラスの召喚戦争で去年より1週間程遅く開催される予定だった。

裏事情を思い出す俺に翔兄は何かに気付いたのか俺に問いかけた。

 

「まて、確かその合宿って4日はなかったか?!」

「なんで知ってんの?」

「俺、文月卒業生だからな」

「納得」

「まあ真昼は暫く学業に集中ってことで良いな」

「はいはい」

「ところでその合宿って何時からだ?」

「来週」

 

今日は木曜日だから3日後に開始される。

 

 

 

そしてこの時、俺は翔兄の『学業に集中』の言葉にこう突っ込まなければいけなかったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

それフラグじゃねえ?って。

 

 




次回はバンドリキャラを出します。
予定では・・・

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