新訳・とある時王のハイスクール   作:海神アグル

168 / 190






episode14

第三王女アレインを助けるために、精鋭の騎士43名と、それらを束ねる騎士団長・手塚海之、そしてクーデターの首謀者であり、カーテナ=オリジナルを握るキャーリサを前にして、第三王女アレインを抱えながら雨崎 蒼輔=仮面ライダーナイトは立ち塞がった。

 

かつて幼い頃に日本に誘拐されたアレインを保護し、ここまで守ってきた功績を称えられて、騎士になる筈だった、傭兵崩れのごろつき。

 

ナイトは、ウイングランサーをまっすぐに振り下ろした。

 

それだけで地面が爆発し、衝撃波が周囲を襲う。

 

それと同時に発生した莫大な粉塵が、騎士たちの視界を遮った。

 

また、それによってもたらされた衝撃で、屈強に訓練された軍馬さえも怯えの嘶きを上げる。

 

「チッ!」

 

敵の意図に気が付いた手塚が舌打ちし、その部下たちが爆発の中心地に矢を放った。

 

しかし、粉塵が夜風に払われた後、そこには亀裂しか残っていない。

 

「なるほど。まず第一にアレインの安全を考えたの。この場で乱戦となれば、まとめて死にかねないしな」

 

第二王女キャーリサは、自分の軍馬を宥めながら呟いた。

 

「いかがいたしましょう」

 

手塚の問いかけに、キャーリサはつまらなさそうに息を吐いた。

 

「首を2つ持って来い。旧知の『敵』になるが、手を抜かないように」

 

「敵兵の知り合いなど、心当たりはありません」

 

手塚はそれだけ言うと、軍馬には乗らず、直接闇の方へと足を向ける。

 

敵は近い。

 

この距離ならば、己の足で進んだ方が早く着く。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

真っ暗な森の中で、大きな爆発音が絶え間なく響き渡る。

 

そこは戦場だった。

 

そこはある種の乱闘だった。

 

『精霊大国』で強化された騎士達に向かって、リアスは滅びの魔力をぶつけ、朱乃は雷光を放ち、ルフェイと黒歌は魔術や仙術を行使して、彼らを無力化していく。

 

そしてそのすぐ側では、14人のライダーと2人のウルトラマンが乱闘を繰り広げていた。

 

ジオウ・ディケイドアーマーはライドヘイセイバーを駆使してアクセルを相手取り、ゲイツはジカンザックスを振るってメテオと戦っていた。

 

ウォズ・フューチャーリングキカイは、両肩から伸ばしたロボットアームでバースを捕らえると、何度も地面に叩きつけ、ベルデはクリアーベントで透明になると、バイドワインダーを使ってスペクターを翻弄する。

 

ファムはブランバイザーでビーストの武器『ダイスサーベル』と剣撃の応酬を、ゾルダは未だに威吹鬼と弾の撃ち合いを展開していた。

 

そしてメビウスはマッハと激しい格闘戦を繰り広げ、グレートは右手から出した光の剣『グレートスライサー』を使ってバロンの『バナスピアー』と鍔競り合っていた。

 

ここでグレートはちらりとメビウスの方を見る。

 

戦況が変わったのか、メビウスはマッハにヘッドロックを決めていた。

 

するとグレートの視線に気づいたのか、メビウスはグレートの方を見ると、一度頷く。

 

グレートも頷くと、バロンのバナスピアーを右に受け流して体勢を崩させ、その腰を背後から抱えると、思い切り空中に放り投げた。

 

「ジュワァァア!!」

 

同時にメビウスもマッハに膝蹴りを叩き込んで一瞬だけダウンさせると、その下に体を滑り込ませ、マッハを持ち上げる。

 

ジタバタもがくマッハだが、メビウスは無視してマッハを空中にいるバロンに向かって放り投げた。

 

「テヤァァァア!!」

 

グレートに投げられたバロンと、メビウスに投げられたマッハは空中で激突、無抵抗になるその僅かな隙を狙って、メビウスは『メビュームシュート』を、グレートは両拳を突き出して『ディゾルバー』を放った。

 

「セヤァァァァ!!」「ジュオッ!!」

 

2人の光線は見事にバロンとマッハに命中し、空中で大きな爆発を巻き起こす。

 

轟音を立てて四方八方に広がる炎。

 

そこに2人のライダーの姿は無いが、代わりに炎の中から2つ程、何かが落ちてきた。

 

メビウスとグレートは怪訝に思って近づき、それを拾う。

 

それはライドウォッチだった。

 

バロンとマッハのライドウォッチ。

 

何故こんなものが? と思った2人だが、その思考は中断させられる。

 

「「きゃっ!!」」

 

「ッ!! 月ちゃん!!」

 

「あんじゅ!」

 

目の前にファムとベルデが飛んできたからだ。

 

小さく悲鳴を上げながら転がった2人に、メビウスとグレートは近づき、抱き起こす。

 

「大丈夫!? 月ちゃん!!」

 

「う、うん……」

 

「しっかりしろ、あんじゅ!!」

 

「大丈夫よ、京一くん……くっ!」

 

負傷したのか、左肩を押さえるあんじゅ。

 

そんな彼女を気遣ってグレートはファムをゆっくり寝かせるが、不意に視界の端に走り寄ってくる2つの影を視認した。

 

それは仮面ライダービーストと、仮面ライダースペクターだ。

 

彼らは各々武器を持っていた。

 

それで2人を斬り飛ばしたのだろう。

 

それを一瞬で理解したグレートは、邪魔だと言わんばかりにグレートスライサーを伸ばして横に一刀両断、真っ二つにされたビーストとスペクターは爆発炎上した。

 

そして、やはり先程のバロンやマッハのように、爆発した箇所から彼らのライドウォッチが落ちてきた。

 

それをメビウスは拾い、首を傾げた。

 

「う~ん……何で召喚されたライダーからウォッチが出てきたんだろう?」

 

 

 

その一方で、ゾルダも威吹鬼を下そうとしていた。

 

互いに弾を連射し合い、放たれた弾と弾が衝突し合ってビリヤードのように何度も周囲を跳ね返る中、ついにゾルダの弾が威吹鬼のトランペット型の銃『音撃管・烈風』を弾いた。

 

弾かれた痛みで威吹鬼が自分の利き手を押さえてる隙に、ゾルダはマグナバイザーにカードを装填。

 

《シュートベント》

 

両肩に二門の砲『ギガキャノン』を装備すると、何の躊躇いもなく発射して威吹鬼を攻撃。

 

ドゴオオォォン!! という発砲音の直後に、ズドオオォォン!! と轟音が上がり、威吹鬼は炎に呑まれて消滅した。

 

その場所に『威吹鬼ライドウォッチ』を残して。

 

ゾルダであるアリサは、それを一瞥すると周囲を見渡し、カオスな乱闘になってる事を理解すると、音も立てずにこの場から去った。

 

「こういうゴチャゴチャした戦い、嫌いなんですよね……」

 

 

 

ウォズもまた、バースにトドメを刺そうとしていた。

 

何の恨みがあるんだと訊ねたいくらい、執拗に地面に叩きつけてボロボロの再起不能にすると、ジカンデスピアのパネルをスワイプして技を発動する。

 

《フィニッシュタイム!爆裂DEランス!》

 

「はっ!」

 

そして跳躍し、うつ伏せで倒れてるバースの背中にジカンデスピアを突き刺し、腕力だけで頭上に持ち上げると、

 

「はぁぁぁぁああああッ!!」

 

空中に放り投げつつ黄色の歯車型のエネルギーでジグザグに吹き飛ばし爆発させた。

 

そして当然のように、バースが爆発した箇所からバースのライドウォッチが落ちてきた。

 

それに気づいたレイヴェルは真っ直ぐにバースライドウォッチの元に向かい、拾い上げる。

 

「……何故召喚されたライダーからウォッチが?……ん?」

 

ふと右隣を見れば、少し離れた所に威吹鬼ライドウォッチも落ちていた。

 

ゾルダが威吹鬼を倒した時に生まれたものだ。

 

レイヴェルはしばらくじっと見つめてから、息を吐いた。

 

「まぁ、考えても意味がありませんわね。これらは我が魔王に献上しましょう」

 

そう言って威吹鬼のウォッチも拾い上げると、レイヴェルはウォズの変身を解いた。

 

 

 

ゲイツはメテオに対して大いに苦戦していた。

 

「ホォ~~~~~~~!!」

 

「ぐっ!?」

 

メテオの助走をつけた二段蹴りをジカンザックスで受け止めるも、威力の大きさで押されて後退。

 

続けて左回し蹴りでジカンザックスを持ってる右手と右肩を蹴られるとその反動で横を向いてしまい、がら空きの脇腹に右ストレートを食らってしまう。

 

「ホワチャア!」

 

「ごはっ!?」

 

後方によろめいて体勢を立て直した所に、メテオの右裏拳が顎を掠ったのでヴァーリは脳震盪を起こしかけ、そこにメテオの右上段回し蹴りが顔面に直撃。

 

「ホワチャア!」

 

「ぐうっ!!」

 

軽く仰け反った所に追い討ちでメテオの連続パンチが胸に飛来、怒涛の打撃がゲイツを襲った。

 

「ホォ~~~~~~~ッワチャァア!!!」

 

「ぐおおおおおおおおッ!?」

 

最後の一撃で大きく吹き飛び、ゲイツは地面を転がった。

 

「がは……っ!!」

 

『大丈夫か、ヴァーリ!?』

 

「ああ……予想以上に強くて驚いているよ。これは……こちらも本気で行くしかない」

 

そう言うと、ゲイツはアルビオンの力を解放する。

 

《アルビオン!》

 

そして左スロットに装填すると、右拳でドライバーのロックを解除、ドライバーを回した。

 

《アーマーターイム!ディバイディバイディバ~イ!ディバイディバイディバ~イ!ディバイドドラゴン!アルビオ~ン!》

 

ゲイツ状態での『白龍皇の光翼』を展開した姿、アルビオンアーマーになると、ゲイツは左手をメテオに向けた。

 

直後、

 

《DivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivide!!!!!!!!!》

 

メテオは力を半減され、脱力したように膝をついた。

 

その隙にゲイツは、亜里沙から貰ったカイザライドウォッチを起動して、ジカンザックスのスロットに填め込む。

 

《カイザ!》

 

《フィニッシュターイム!》

 

するとジカンザックスの斧刃部分に黄色いエネルギーが集まり、ゲイツは上段に構えると、メテオに向かって左下に振り下ろし、続けて左上に構えると右下に振り下ろした。

 

「はぁぁッ!!」

 

《カイザ!ザ・ッ・ク・リ・カッティ~ング!!》

 

「ぐおおおおおおッ!?」

 

黄色いХ字がメテオに浮かぶと爆発、メテオは吹き飛ばされ、地面を転がる。

 

ゲイツはジカンザックスを『ゆみモード』にすると、今度はディエンドのライドウォッチを起動。

 

《You!Me!》

 

《ディエンド!》

 

そして先程と同じようにジカンザックスのスロットに填め込み、トリガーを引き絞る。

 

《フィニッシュターイム!》

 

銃口にシアンカラーのエネルギーが集まり、最大に達すると、ゲイツはトリガーを離して撃った。

 

《ディエンド!ギワギワシュート!!》

 

直後に放たれたのは、ホログラム状のシアンカラーの光線。

 

まるでディエンドの『ディメンションシュート』を彷彿とさせるその光線はメテオを呑み込み、爆炎に包んだ。

 

聞き慣れた轟音の後に炎と黒煙が昇るも、それはすぐに吹き消され、焦げ跡をヴァーリに見せる。

 

そこにメテオはいなかった。

 

だが代わりに、1つのウォッチが落ちていた。

 

ゲイツはそれに気づくと近寄り、そのウォッチを拾い上げ、絵柄を合わせる。

 

描かれていたのは、メテオの顔だった。

 

「……メテオのライドウォッチか……」

 

特に何の感慨もなく呟いたヴァーリは、ジオウの方を見る。

 

そこでは、バイクみたいな形態になった仮面ライダーアクセルに翻弄されるジオウの姿があった。

 

「うわっとっとっとっ……!!」

 

バイク特有のスピードで周囲を走られ、その途中にタックルを貰いまくるジオウ。

 

「…………なんだあれは?」

 

思わずヴァーリはそう漏らすが、ジオウに対しての感想ではない。

 

バイクになってるアクセルに対しての感想だ。

 

ライダーがバイクに乗るのは分かるが、バイクそのものになるのは見た事がない。

 

だから彼にしては珍しく、物凄く困惑していた。

 

一方でジオウはファイズのウォッチを取り出し、起動させていた。

 

《ファイズ!》

 

「アクセルにはアクセルだ!千歌さん、力をお借りします!」

 

そしてディケイドライドウォッチのスロットに装填する。

 

《ファイナルフォームターイム!ファ・ファ・ファ・ファイズ!》

 

するとディケイドアーマーの文字とバーコードが立体的に浮かび、ディケイドの文字はファイズに、バーコードは白一色の『アクセル』の文字に変わると、再びアーマーに戻る。

 

同時に両腕両足は『ファイズ・アクセルフォーム』の様相に変わり、頭部スクリーンも『ファイズ・アクセルフォーム』の顔に変わる。

 

ジオウは『ディケイドアーマーファイズフォーム』になると、すぐに左手首にある『ファイズアクセル』のボタンを押して10秒のカウントを始める。

 

《Start up》

 

刹那、ジオウの姿は消え、今度はアクセルが高速の連続タックルに襲われる。

 

いや、ジオウの場合タックルの他にパンチやキック、ライドヘイセイバーによる斬撃も混ぜているので、尚更質が悪い。

 

アクセルはジオウの猛攻を受け続けた結果、いつの間にかバイクフォームから通常形態に戻っていた。

 

そこでジオウのカウントも終わりが来る。

 

《Three》

 

それと同時に、ファイズウォッチのボタンを押して技を発動する。

 

《ファ・ファ・ファ・ファイズ!ファイナルアタックタイムブレーク!!》

 

《Two》

 

そして跳躍し、大量のパラボラ状の赤いレーザーをアクセルに突き付け、

 

《One》

 

全て一瞬で通り抜けて、アクセルに連続蹴りを放った。

 

「はぁっ!てりゃあ!やぁっ!はぁっ!はぁぁッ!!」

 

《Time out・Reformation》

 

必殺技を受けたアクセルは断末魔を叫ぶこともなく赤いΦのマークを浮かばせて爆発。

 

そしてやはり、他の召喚されたライダー同様、その場に彼のライドウォッチが現れた。

 

着地した一誠はジオウの変身を解くと、『アクセルライドウォッチ』を拾った。

 

「何で召喚されたライダーからウォッチが出てくるんだよ……?」

 

怪訝そうに首を傾げた一誠。

 

そこへ、リアスやヴァーリ達も集まってくる。

 

「イッセー!」

 

「イッセー君!」

 

「我が魔王!!」

 

リアス、朱乃、レイヴェルが真っ先に一誠に近寄り、無事を確かめ合う。

 

「大丈夫、イッセー!?」

 

「普通に大丈夫だよ、リアス」

 

「あら? 新しいライドウォッチですわね」

 

「うん。なんか倒したら普通に出てきた」

 

「我が魔王もですか?」

 

「って事はレイヴェルも?」

 

「ええ……」

 

頷いたレイヴェルは、一誠に威吹鬼とバースのウォッチを見せる。

 

それに一誠は驚愕に目を見開くが、続けて報告してきたヴァーリとジルバの言葉に更に驚いた。

 

「俺もだ。メテオを倒したら奴のウォッチが出てきた」

 

「他も同じだよ。ビースト、バロン、マッハ、スペクター。ディエンドに召喚されたライダー全てがウォッチを生み出してる」

 

「なっ……!? 一体どういう事だよ……」

 

通常、ライドウォッチはそのライダーの変身者から渡されるもので、召喚されたライダーを倒せば自然と手に入る等という、ゲームみたいな方法は無い。

 

だが現にこういう方法でウォッチが手に入った。

 

イレギュラーな事に全員頭を悩ますが、今はキャーリサを止めようという思考に至り、今回手に入ったウォッチは全てヴァーリが持つ方向に決まった。

 

 

 




鞠「果な~ん」

果「何? 鞠莉」

鞠「また作者から愚痴の手紙が来たわ」

果「どうせ低評価落とされてイラッと来た、とかでしょ? いつもの事じゃん」

鞠「そうでもないわよ? 最近評価バーの伸びに大きな改革があってからは、むしろ低評価もウェルカムになって、この作品をより良くしようと改善点を聞きに行くくらいよ、ここの作者」

果「じゃあ愚痴って何?」

鞠「問題は、最近低評価を落とした人の理由が、作者の人格や努力を否定する文面なのよ。反論しようにも、その人は『気に入った人以外からのメッセージはブロックする』設定にしてるから、作者のフラストレーションはマックスよ!」

果「何それ? 勝ち逃げならぬ、言い逃げじゃん。感じ悪いな~」

鞠「ウチの作者もここに書くかどうか結構悩んだみたいだけど、どこかに吐き出さないと、また精神的に発狂するからね~」

果「ウチの作者、結構打たれ弱いからね~。あ、これを読んで不快になった方は、本当にごめんね?」

更新スピードについて

  • このまま毎日投稿で
  • 1週間に二話のペース
  • 1週間に三話のペース
  • 1週間に1話のペース

 ▲ページの一番上に飛ぶ
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。