新訳・とある時王のハイスクール   作:海神アグル

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episode6

一誠side

 

 

雷花がトレギアと戦ってる頃、俺達はアンチモンスターの掃討にかかっていた。

 

ゼノヴィアが木場に言う。

 

「木場、悪いが聖剣を一振り創ってくれ」

 

「了解。君は二刀流の方が映えるからね」

 

木場が素早く手元に聖剣を一振り造り出すと、駆け出したゼノヴィア目掛けてそれを放り投げる。

 

空中で聖剣を受け取ったゼノヴィアはアスカロンとの二刀流で魔獣共を蹴散らしていく!

 

流石はパワータイプの騎士だ!

 

アンチモンスターの一匹が口を大きく開き、ゼノヴィアを背後から狙う!

 

光が口内に溜まっていきそれが放たれる瞬間。

 

「させないわ!」

 

イリナが光の槍を投げ、アンチモンスターを口から貫いた!

 

貫かれたアンチモンスターは崩れるように塵になっていく。

 

ナイスだイリナ!

 

その近くでは光の攻撃が連続で木場へと放たれていた。

 

まともに受ければ防御力の薄い木場はアウトだ。

 

だが。

 

「当たらなければどうということはない」

 

ジグサグと高速で光の攻撃を交わしながらアンチモンスターの群れに接近。

 

直後に十体近くのアンチモンスターが細切れになり、四散した!

 

放たれたのは超高速の斬撃!

 

木場の動きも成長してるな!

 

冬麻…ガタックは肩のガタックバルカンから弾を連続で放ち、次々とアンチモンスターを貫いて塵に帰していく。

 

たまに光の攻撃を受けても頑丈な鎧にはあまり効かず、ガタックは無言でただただガタックバルカンを撃ち続けていく!

 

流石は戦いの神だな。

 

よし!

 

俺もやりますか!

 

ジオウ・鎧武アーマーの俺はアンチモンスターの群れへと突っ込むと、両手の大橙丸Zを横や縦に振って斬り裂いていく!

 

「ハッ!フッ!おりゃ!」

 

更には足にも着いてる大橙丸Zや、サブアームの大橙丸Zも使って、六刀流でアンチモンスターを殲滅していく。

 

そして素早く1回転する事で斬撃の波状攻撃をかましてやった。

 

「そりゃぁぁああああああああ!!」

 

直後に俺は2つのウォッチのボタンを押して、ドライバーのロック解除。

 

《フィニッシュターイム!鎧武!》

 

ドライバーを回す。

 

《スカッシュターイムブレーク!》

 

「細切れにしてやるぜ~!!」

 

そう言って俺は大橙丸Z2本を構えてアンチモンスターの群れへと突貫。

 

「秘技・みかん斬り!」

 

そして大橙丸Zを横に振るってアンチモンスター達を輪切りに切り裂き、オレンジの爆炎で包んだ。

 

「だからイッセー君、それ輪切りだよ……」

 

木場が何か言ってるが今はスルーする。

 

俺達の連携攻撃により、五百はいたアンチモンスターの群れは開始早々に数十体まで数を減らしていた。

 

しかしレオナルドが次々と影からアンチモンスターを生み出していく!

 

やっぱり、本体を叩くのが手っ取り早いな。

 

そう考えた時、俺のもとに襲来する影が複数。

 

制服姿の女の子が数名。

 

「赤龍帝ジオウは私達が!」

 

槍や剣を携えて俺に突貫してくる。

 

「やめておけ!君達ではジオウに勝てない!」

 

腰に何本も帯剣した白髪の優男が叫ぶ。

 

ジークフリートか。

 

まぁ確かに奴の言う通りだな。

 

この娘達では俺に傷をつけることは出来ない。

 

そう思って大橙丸Zで受け止めようとしたその時!

 

突如俺の左右を火炎弾とビームが通り過ぎ、少女達の腹を打ち抜く。

 

「「げはっ!?」」

 

威力が押さえられていたのか、ビームと火炎弾は彼女達の腹を貫く事は無かったものの、ハンマー程度のダメージはあったのだろう。

 

少女達は腹を押さえて吐瀉物を吐いていた。

 

俺は彼女達に少し同情しつつも、背後を振り返る。

 

そこには紫の体を持つ鬼のような戦士と、銀色の重厚な鎧に覆われた水色の複眼を持つライダーがいた。

 

それは『仮面ライダー響鬼』と『仮面ライダーカブト・マスクドフォーム』だった。

 

つまり海未さんと絵里さんだ!

 

結界の中に入って来れたんだな!

 

「絵里さん!海未さん!」

 

「待たせたわね?」

 

「大丈夫ですか!?」

 

俺は響鬼の海未さんと、カブトの絵里さんと合流して話し合う。

 

「2人はどうやって結界の中に?」

 

海未さんが答える。

 

「元々結界が張られた感覚はあったのですが、私達だけ弾かれてしまったので、士の力を借りたのです」

 

成る程。

 

確かにあのオーロラなら結界だろうと何だろうと関係ないな。

 

海未さんは言う。

 

「とにかく私達も手伝いますよ。絵里!」

 

「分かってる」

 

言って2人はアンチモンスターに向かって駆け出した!

 

響鬼は『音撃棒・烈火』に炎を灯し、そこから『鬼棒術・烈火弾』を見舞いながら前進。

 

「てりゃあぁぁぁぁ!!」

 

烈火弾がアンチモンスター達を焼き付くし、煙が上がる中を進み、接近すると炎を灯した烈火を次々に叩き込んでいく!

 

「ハッ!てりゃ!ちぇりゃぁぁああああああ!!」

 

凄い攻撃だ!

 

一方でカブトはマスクドフォームのままゆっくり前進。

 

その間は自分から一切攻撃は仕掛けず、アンチモンスター達が放つ光の攻撃を『カブトクナイガン』のアックスモードで全て防ぐか、他のアンチモンスターに反らして自滅させる手段を取っている。

 

そして接近するとカブトクナイガンを振り下ろして攻撃!

 

全て一発で仕留めていく。

 

たまに英雄派から攻撃されるも全て紙一重で避けてカウンターの一閃、背後からアンチモンスターの光線が来てもアックスモードで叩き斬っていく!

 

本当に絵里さんは戦闘慣れしてるって言うか、スタイリッシュだよな。

 

めっちゃ憧れるわ~。

 

そうやって2人を見てると、ジークフリートが声をかけてきた。

 

「噂以上だね、赤龍帝ジオウ」

 

「ようやく前に出てきたか、ジークフリート」

 

「僕の事まで知っているとは……やはり君は侮れないな」

 

奴のさっきまで爽やかな顔が一気に警戒心露な顔に変わる。

 

すると木場が近づいてきて、俺に訊ねる。

 

「イッセー君、彼が……」

 

「ああ。英雄派の幹部の1人、ジークフリート。英雄シグルドの末裔だ。戦闘スタイルは4本の伝説級の魔剣を使い、腕が4本も増える神器を持ってる。スピードも中々だ。二つ名は『魔帝(カオスエッジ)ジーク』」

 

そう言うとジークが補足する。

 

「そこまで知っているのか……実に君は厄介だな。ついでに言うと仲間からは『ジークフリート』と呼ばれているけど、好きなように呼んでくれて構わないよ」

 

イリナが叫ぶ。

 

「ジークさん!あなた教会を……天界を裏切ったの!?」

 

「裏切ったってことになるかな。今は禍の団……英雄派に属しているからね」

 

「なんてことを!教会を裏切るだけじゃなく、悪の組織に身を置くなんて!万死に値するわ!」

 

「……少し耳が痛いな」

 

ゼノヴィアがポリポリと頬をかいていた。

 

うん、お前も破れかぶれで悪魔に転生してるからね。

 

イリナの怒りを聞いてもジークフリートはクスクス小さく笑っている。

 

「いいじゃないか。僕がいなくなったところで教会にはまだ彼がいる。あの人だけで僕とデュランダル使いのゼノヴィアの分を十分に補えるだろうさ。さて、紹介も終わったところで、そろそろ始めようか」

 

そう言うとジークフリートの持つ剣から異様なオーラが発せられる。

 

グラムか。

 

「ここは僕がいこう。イッセー君達にはここを任せるよ」

 

木場はそう言い残すと一人、ジークフリートに斬りかかっていった!

 

ガギィィィィンッ!!

 

木場の聖魔剣とジークフリートの魔剣が激しく衝突し、火花を散らす!

 

「魔帝剣グラム。魔剣最強のこの剣なら、聖魔剣を難無く受け止められる」

 

「ならば、君に直接刃を届かせるまでだ」

 

二人は鍔ぜり合いの状態から後ろに飛び退くと、すぐに壮絶な剣戟を繰り広げ始めた!

 

木場はフェイントを混ぜながら高速で斬りかかるが、ジークフリートはそれを受けとめ、反撃に出る!

 

木場の攻撃を最小限の動きでいなし、自身の魔剣を繰り出している!

 

木場もジークフリートの攻撃を読むように余裕を持って回避、そこから高速移動による残像を生み出していく!

 

今のところ、二人の実力は拮抗している。

 

俺が事前に与えた情報を木場が上手く役立たせている証拠だ。

 

ジークフリートは笑みを浮かべながら言った。

 

「聖魔剣の木場祐斗!想像以上に楽しませてくれる!ならば、これはどうかな?」

 

ジークフリートは空いてる方の手で帯剣しているうちの一本を抜き放った。

 

二刀流か!

 

「バンムルク。北欧に伝わる伝説の魔剣の一振りだよ」

 

振り下ろされた新たな魔剣を木場は体を捻って回避!

 

手元にもう一本の聖魔剣を造り出して、木場も二刀流となった!

 

二人とも二刀流になり、再び鍔ぜり合う。

 

するとジークフリートは背中からドラゴンのような腕を生やして三本目を振るう。

 

しかし木場は口に三本目の聖魔剣を咥えてそれを防ぐ!

 

ジークフリートは笑みながら言う。

 

「これは僕が持つ神器、『龍の手(トゥワイス・クリティカル)』さ。ありふれた神器だけど、これは少し特別でね。亜種にあたるのさ」

 

「それも知ってるさ」

 

木場はそう言うと再び激しい剣戟を繰り広げる。

 

2人はまだ余力がある。

 

しかし互いに本気を出せば……。

 

 

 

 

 

ズドォォォォォォン!!

 

 

 

 

そんな時、すぐ近くで激しい衝撃音とデカイ煙が上がった!

 

これには木場もジークフリートも戦いを中断。

 

ガタックも、カブトも、響鬼も戦いを止め、トレギアに逃げられたのか、タイガの変身を解いて戻ってきた雷花も唖然としている。

 

煙の中心、そこから出てきたのは曹操だった!

 

奴は血まみれでボロボロ。

 

そこにジークフリートが駆け寄る!

 

「曹操!大丈夫か!?」

 

「ああ……少し計算外な事が起きてな……まさかジオウが2人もいるとは……」

 

2人?

 

ちょっと待て!?

 

ジオウは俺1人しかいない筈!

 

2人なんてあり得ない!

 

そう思ってると、俺達の側にアザゼル先生が降りてきた。

 

「お前ら!」

 

「先生!一体何が……!?」

 

俺が慌てて訊ねると、先生は「それがな……」と言いながら苦渋の顔で背後を振り向いた。

 

俺達もそちらを見て、意外な存在に目を見開いた。

 

そこにいたのは、全体的に黒と金だけで構成されたライダーだった。

 

たすき掛けのような金の時計バンドが悪趣味さを出し、赤く灼熱のように燃える顔のライダー文字、そして背中にある時計の長針と短針。

 

俺はそいつを知っている。

 

そして、そいつも俺を知っているのか、アザゼル先生と同じ声で言ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「こうやって会うのは初めてだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

若き日の私よ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーマジオウ。

 

奴がやって来た。

 

 

 

 


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