肉体を腐らせる瘴気、精神までも蝕む穢れ。
 あらゆる汚染に塗れたその不毛な地、嶮しい魔界にて繁栄せし魔なる一族。
 魔神族を統べる王には三人の子女がいる。

 才気あふれる長男は愛を知り、血気盛んな一族を見限った。
 生真面目な次男は恋に目覚め、内側からの変革を為そうとした。

 敵しかいない現実から忌み子である長女は、同胞たちの守護者へと成り下がった。

 ―――これから紡ぐは、とある女の話。
 誰よりも将来を憂い、悲観しきった女の物語。
  異端なる王女様()
  別れは潔く、ハッキリと、そして遠慮なく()
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