投稿してすぐに修正したので、気が付かなった方がほとんどだと思いますが‥‥‥‥
お詫びという訳でもありませんが、もう一話投稿することにしました。
ぜひお楽しみいただければと思います。
達也は、真由美の反応が少し不思議だった。どうしてこの人は他人の事を自分の事のように話し、喜んでいるのだろうと。
「どれだけ凄いと言われようと、それはあくまでもペーパーテストの成績です。その証拠に、自分にはエンブレムがありませんし」
深雪にも言ったが、魔法科高校生の評価として優先されるのは、テストではなく魔法技能の評価なのだ。
達也は愛想笑いを浮かべようとしたが、実際に浮かべられたのはかなり苦い笑いだった。そして自分の左胸を指さし、テストの点数など何の意味もない事を示す。生徒会長である真由美に、達也の意図したことが分からないはずはない。
しかし、真由美は嬉しそうな顔を変えることなく首を左右に振った。
「そんな事ないわよ。少なくとも私には無理だもの。こう見えて、理論系も結構得意なのだけどね」
どう見られているのだろうかと思いつつ、達也は余計なことは言わなかった。知り合って間もない相手の話を途中で遮ることは、さすがの達也でもできなかったという表現の方が正しいのかもしれないが。
「入試問題と同じ問題を出されたとしても、司波君のような凄い点数はきっと取れないと思うな~」
「そろそろ時間ですので‥‥‥失礼します」
「え?あ、ちょっと!」
まだ何か話したそうな真由美にそう告げて、達也は横を通り過ぎていく。背後から呼び止める声が聞こえたが、追いかけてはこなかった。生徒会長が新入生を捉まえて入学式に遅刻させたとなれば、問題になると分かっていたからだろう。
達也は足早に真由美から距離を取り、講堂に向かった。自分が何かに恐れているとは気づかずに‥‥‥。
生徒会長と話し込んでいたせいで、達也が講堂に入った時にはすでに半分の席が埋まっていた。そして座っている生徒を見て、ため息を吐きたくなった。
特に座席の指定はないのに、前後で綺麗に一科生と二科生に分かれているのである。同じ新入生でありながらこの有様であることに、達也は呆れを通り越して感心してしまった。
一体この中の何人が達也と同じ意見だというのだろうか。
分かれているのが意識的にしろそうでないにしろ、この流れに逆らって波風を立てるのも面倒なので達也も倣うことにした。
達也が座ったのは、二科生の集まっている後列の中でも後ろの方、しかも端があいている場所だった。横に誰が座っても別段気にしないのだが、できることなら端の方が気が楽なのだ。
席に腰を下ろして時間を確認すると、まだ開式まで二十分ある。何かをして時間をつぶそうにも、中途半端で終わるのは目に見えていた。通信制限が掛かっている講堂では端末でアクセスできないし、そもそもこんな場所で端末を広げるのはマナー違反だ。
こういう時は、寝るに限る。そう決めた達也は、腕を組んで目を閉じた。
「あの、お隣空いてますか?」
寝ようとしていた達也は、体勢を直して声がした方を確認する。そこに立っていたのは、女子生徒。先ほどの声は、間違いなく自分に向けられたものだと理解した。
「どうぞ」
まだ空きは多いのになぜこんな所に来るのだろうか。達也はそう思いつつも、声を掛けてきた女子生徒を隣に座らせる。
「よかったね~」
「これで一緒に座れるね」
「五つとなると探すの大変だもんね」
どうやら彼女一人ではなく、五人組だったようだ。
なるほど、と達也は納得した。
だが、この五人はどういった関係なのだろうか。
中学からの友人だとすると、一人くらい一科生でもおかしくない。
五人の関係を考えながら、達也は再び腕を組んで目を閉じた。
いかがでしたでしょうか。
今回は短めで終わってしまいました。
他の作者様方のように、文字数を一定に保つのは難しいです。
私ももっと精進しなければ。
さて、話は変わりますが、次話でいよいよオリ主(一名)が登場します。
オリジナル要素を無理なく入れられるかどうか不安ですが、ご期待ください。