作者が思いつきで書いたほぼ繋がりなしの物語
にじさんじ所属バーチャルライバーの方々で妄想に妄想を重ねた作品です
ときには、誰かの配信、企画での出来事をネタに。
ときには、何か他のアニメ、漫画、ゲームを元ネタに。
ときには、完全オリジナル(もしかしたら何かの影響)。
そんな物語を書いていこうと思います。
ストーリー性がほとんど無く、物語一つ一つで完結することが多いため、どの話を読んでも楽しんでいただけると思います。
作者の完全な趣味であり妄想すので、不快に思われる方は閲覧を控えて頂いた方が、よいかもしれません。
誤字脱字、下手な表現は許してください、報告してくれたら即時直そうと思います。

あるていど溜まることがあればまとめて
にじさんじ 異世界冒険記 とかそれっぽい名前で連載小説が書けたらなと思っています。

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さんばか 覚醒編 (戌亥とこ)

「うぅ…アカン、一瞬気ぃ失ってもうた…」

 

雷の轟く豪雨の中、意識を取り戻した戌亥

 

「くそっ、やっぱあんだけ殴られたら身体中が…

…そうやっ!リゼはん!アンジュはん!」

 

2人の仲間、リゼ・ヘルエスタ、アンジュ・カトリーナの安否を確認すべく、満身創痍になりながら顔を上げて見ると、倒れてピクリとも動かない2人に近づく敵の姿が

 

「させるかっ!」

 

2人を助けるべく、ダメージを負っているとは思えない程のスピードで敵に近づき顔面に蹴りを喰らわせる

 

「ぐふっ…流石だな、その体でこの威力の一撃。だが無駄だ、お前たち3人でも俺に勝てなかった。お前一人でどうにもできるわけが無い。」

 

「勝てなかったのは2人が本来の力を発揮できんかったからや!対錬金術用の結界と対セバスピヨの妨害電波。それさえなければ…!」

 

「そうだな、だが今はもうそれらが無くともお前一人だ。どのみち俺には勝てん。」

 

(確かに、コイツ相手にウチ1人では勝てん…どうしたらええんや…)

 

「まぁ、とりあえずは先にこいつらにトドメを指してからだ。お前は邪魔だ大人しくしいろ。」

 

パチンと指を鳴らすと、地面がグニャリと手の形に変形しながら戌亥を押さえつける

 

「しまった!離せ!」

 

「そう言われて素直に離すやつがいるわけないだろう。大人しくそこで仲間が殺されるのを見てるんだな。」

 

「やめろ!2人とも逃げるんや!リゼはん!アンジュはん!早く起きて!」

 

敵はリゼの前に立ち腕を振り上げる

 

「まずは…この皇女からだ」

 

そしてその剛腕はリゼの頭目掛けて振り下ろされ…

 

「リゼはーーーーーーん!!!!」

 

その瞬間、その腕がリゼに当たる前に敵は吹き飛び壁に激突した

 

「……なんだ!?くっ、お前どうやって地面から抜け出し…!?」

 

敵は己に蹴りを喰わせた張本人である戌亥に向かって怒鳴りつけ、彼女が沈んでいた地面の方を向き固まった

 

「……っ!?」

 

そこにもまた戌亥がいた、そして彼女もまた敵と同じように、呆然としている

 

「これは、どういう…?」

 

敵と戌亥、2人は今現れたもう1人の戌亥を頭に疑問符を浮かべながら観察している

そして、その戌亥はリゼとアンジュを抱えながら地面に沈んでいる戌亥の方に歩き出した

 

「あぁ〜、これは本人もわかってない感じやなぁ」

 

すると突然、沈む戌亥の後ろから声がした

そしてその声は、とても聞き覚えのあるものだった

 

「「……!?」」

2人の頭の中はさらに疑問符で満たされた

 

「まぁ、説明する前に」

 

新しく登場した戌亥は、変形した地面を両手で破壊し戌亥を拘束から解放した

 

「…何が…起こっている?」

「…どういうことや?なんでウチが2人もおるん?」

 

「はぁ、やっぱり無意識かいな。そうや戌亥、リゼはんとアンジュはんはそこの壁を背に寝かしておいて」

 

「はーい」

 

「さ、仕方ないから説明しよか。ウチらはな、戌亥や」

 

「いや、ウチも戌亥やねんけど!?君らは一体なんなん!?」

 

「だから戌亥や言うてんやろ?ウチも戌亥、あんさんも戌亥、あっちで2人の担いでんのも戌亥や

ようなんも分からんのに出来たなぁ、ウチ」

 

「いや、だから何も説明になってへんやんウチが聞きたいんは…」

 

「後ろ、危ないで?」

 

戌亥の言葉を遮った戌亥の言葉、その直後に敵の背後からの一撃を回避する2人の戌亥

 

「…よくわからんが、弱いのが1、2人増えた所で変わらない。まとめて殺す」

 

「あんさん、なんもわかってないないなぁ。ウチが増えても変わらない?そんなことないと思うで?」

 

「負け犬の遠吠えか?さすが犬だな」

 

「ふんっ、言ってな。説明は後や、こいつを先に倒すで。戌亥、リゼはんたち運び終わったか?」

 

「終わったで」

 

「よし、じゃあ今度はこいつ倒すで。戌亥、今はとりあえずこいつを倒すことだけ考えや」

 

「わ、わかった」

 

3人の戌亥で敵を囲むように対峙する

 

「いくで!」

 

戌亥の合図で他2人も動き出す

 

「速いっ…!」

 

素早い戌亥3人に、囲まれた敵は多方向から飛んでくる猛攻に反応は出来ても対処までは追いつかない

拳、蹴り、爪あらゆる攻撃が当たり続ける

 

「確かにさっきはリゼはんとアンジュはんとのバランスのいいコンビネーションやったけど、2人が無力化されて十分に戦えんかった。やけど、今は本領を発揮出来るウチが3人!スピード寄りのコンビネーションはあんさんに対処出来んはずや!

 

(確かに、こいつらのスピードに対して為す術はない。だがこいつらでは俺の体に致命傷を与えるだけのパワーは無い。耐え続けて隙を見せたところを1人ずつやっていけば勝てる!)

 

…とか思うとるんやろ?」

 

「なっ!?」

 

「さっきの戦いの中で、ウチの持ってる最大の一撃は出す余裕があらへんかった!それがどういうことかわかるか?」

 

「まずい!ここは一旦撤退を…」

 

「逃がさへんで!?2人ともやるで!」

 

3人の気力が爆発的に上がっていく

そのパワーを全て両手に集め

戌亥のもつ最大の一撃が放たれる

 

「「「亜・波ーーーーーー!!!!!(アハーーーー⤴︎⤴︎⤴︎)」」」

 

「これは…!耐えられぬぅわあぁぁぁああ!!!」

 

曇天を晴らす余波を生んだ3人の攻撃

その後には敵の欠片すら残さない程であった

 

「ふぅ、やってやったなぁウチたち!」

 

「やってやったなぁ、じゃない!さっさと教えてや!」

 

「ん?あぁ、そうやったな、後で教える言うてたな」

 

「そうや、だから早くなんでウチがもう2人おるんか教えてれへん?」

 

「悪い!ほんまごめんやけど、今なめっちゃ眠ねん。先に寝かせてくれん?その後、教えるから」

 

「はぁ?寝るぅ?いいわけあらへんよ?先に教えてくれんとウチの身に何が起こってるか…わから…へん…あれ?」

 

戌亥に向かって説明を催促する戌亥だったが、突如激しい睡魔に襲われ千鳥足になる

 

「…眠い」

 

「おぉ!そうよな、眠いよな。ほら戌亥もこう言ってることやし、今は寝ることを優先に…ってなんやウチも眠そうやんけ」

 

「急に…眠気が…いや、でも教えてくれんと…」

 

「いいから、先寝や。寝たらちゃんと教えるか」

 

「ほんまかぁ?」

 

「ほんま、ほんま」

 

「わかった、じゃあ…起きたら絶対に…教えな…」

 

「あぁ、それは多分無理やな。多分起きたらウチら2人は消えてんで?」

 

「それなら、尚更今教えてくれんと…」

 

「だから言うとるやろ、寝たらその後に教えるて。いいから今は寝とき。説明は絶対にするから」

 

「…?まぁ、教えんのやら…ええけど…あかん…も…限界や…寝る…」

 

「はい、おやすみぃ、ほら戌亥も寝て…って、もう寝てるし」

 

「じゃ、ウチも寝るかぁ」

 

こうして、3人の戌亥はバタバタと眠りについた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

昨夜の豪雨の影響でぬかるんだ地面が乾き始めた頃

むくりと起き上がるひとつの影

 

「…………?」

 

イマイチ状況が飲み込めてないのか寝起きの回らない頭で色々と思考をめぐらす

 

「……っは!?リゼ!?戌亥!?」

 

目覚めた赤髪の少女 アンジュ・カトリーナは慌てた様子で起き上がりキョロキョロと辺りを見回す

そして、横で壁にもたれ掛かるように寝るリゼ・ヘルエスタと、少し遠くで大の字になり寝ている戌亥とこの姿を発見した

 

「リゼ!…は大丈夫そうだな。見た感じただ寝てるだけだ。そして…」

 

戌亥の方を向き、走り出し、そして叫ぶ

 

「いにゅいぃぃぃいいーーーーーー!!!!!!!!」

 

戌亥の元にたどり着いたアンジュは舐め回すような目で就寝中の戌亥を観察し

 

「大丈夫か?戌亥!?敵は!?あぁもう、こんなに服汚して。怪我は!?これ寝てるだけ!?ねぇ?寝てるだけだよね?ね?ねぇぇぇぇええ!?」

 

「アンジュはんうるさい」

 

「よかっったあぁぁぁぁぁぁぁあ!!!大丈夫だった?戌亥?敵に1番ボコられてたよなぁ?ごめんなぁ!?私が不甲斐ないばっかりにぃ!そうだ!敵はどこやぁ!戌亥を痛めつけたこのアンジュ・カトリーナ様がやつを成敗してくれる!」

 

「いや、アンジュはん錬金術使えなくて真っ先にやられたやん」

 

「ぐはっ」

 

戌亥の一言がアンジュの心に深く突き刺さる

 

「それに…もう敵は倒したで」

 

「戌亥が!?1人で!?」

 

「まぁ、ウチが倒したけど1人というか、さんに」

 

「すごいねぇぇぇえ!!いにゅいすごいねぇぇぇえ!リゼ聞いた!?戌亥が1人で敵を倒したんだって!」

 

「とこちゃんが!?」

 

戌亥の名を聞き飛び起きたリゼがアンジュ同様に駆け寄り戌亥に抱きつく

 

「凄いよとこちゃん!私たちでも苦戦した敵を1人で倒しちゃうなんて!」

 

「いな、だからな?」

 

「あぁ!!リゼずるい!私も戌亥にギュッてしたいのに!」

 

「ウチの話聞いて?」

 

「フフーン、このハグは皇女の激励であって、皇女である私にしか許されない行為だからアンジュ、あなたには出来ないわ」

 

「だから、話…」

 

「いいもん!私は錬金術士の激励するからね!」

 

「まぁ、でも今は皇女の激励中だから邪魔したら」

 

「リゼはん、アンジュはん、いい加減聞いてくれへん?」

 

「「…はい」」

 

3人の無事と戌亥の健闘に興奮する2人を制し、戌亥はみんなが気を失ってから敵を倒すまでの経緯、そして、夢の中(・・・)で聞いたもう2人の戌亥との会話を語った

 

 

何も無い空間の中向かい合う3人の戌亥

そこで約束通り戌亥から戌亥への質疑応答が行われた

 

『つまりはなに?君らはウチの分身、ウチが無意識に生み出した自分ってこと?』

 

『せや、あんさん…ウチが超絶な危機に陥ったことで力が覚醒したわけや。一種の術、技やな』

 

『術…でもウチはアンジュはんなんかと違って魔法はからっきしやで?』

 

『別に技が全部魔力をベースとして出来てはないで』

 

『あいつを倒した亜覇だって気力を放出するだけの技やろ?』

 

『まぁ、確かに』

 

『それに!この分身、並の輩には真似出来ないほどの強さ、完成度を誇るウチらの切り札、奥の手にできるほどとても協力なものや!』

 

『ほぅ、いくつか質問あるんやけど?』

 

『なんや?』

 

『なんで本体のウチじゃなく、分身体のウチがこの事に詳しいん?なんで知ってる?』

 

『あぁ、いやいや、別にウチだけが知ってるわけやないで?』

 

『え、それはどういう…』

 

『本来なら本体のウチも知ってることなんやで?だから最初うちの方も驚いてん。あ、知らないんやぁ…って』

 

『本来ならウチも知ってる?』

 

『せや、分身体は本体と全く能力を持ち、記憶・知識・知恵があり、それはそれ以上でもそれ以下でもない。分身体は個々に意思はあり完全に自律的に動ける。こういうのは全部ウチらの記憶やから3人のうち1人だけ知らないなんてことはないと思うねんけど?』

 

『考えられるのは…オリジナルが忘れてる』

 

『おぉ、せやな、それも十分ありえるわ』

 

『ウチが忘れてる?』

 

『ま、忘れたならまた学べばええだけや』

 

『このことについて忘れてる、なら、名前も?』

 

『いや、ウチらは戌亥とこやろ?それは忘れてないわ』

 

『いや、こいつが言うてんのはうちらの名前じゃなく』

 

『そう、この技の名前』

 

『え、この技名前あんの?』

 

『そりゃあるやろ。それはもうかっこいい名前が。発動した時にバーンと言ってやるわけや。』

 

『えー、なになに?教えてぇな』

 

『ふんっ、教えるまでもない。この技は自分で名前付けたんやで?こればっかりは自分で言えるやろ』

 

『ウチが思うこの技の名前。言おか』

 

『うーん、せやなぁ。うん、これやな』

 

『お?わかったか?』

 

『わかったって言うか、自分の中で付けるならこれしか無いなってのはあるわ』

 

戌亥たちは笑みを浮かべながらこの技の名前を口にした

 

 

『『『ケルベロス!!!』』』




敵は別ににじさんじの誰とかでなく。魔物とか魔人とかとりあえず敵であればどう捉えてもらっても大丈夫です

戌亥さん、喋り方こんな感じだっけ?やっぱ方言は難しい…


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