忙しかったので疲れました、、(´・×・`)
「…なんか視線を感じる」
みなさんどうもお久しぶりです。阿宮 輝耀です。
綾辻の料理の襲撃を受けてから早数ヶ月。
罪悪感で涙を流した綾辻をなんとか慰め、何故か僕の奢りで今度飯を食べに行くことになった。
前世同様、無趣味の僕はFate技を模倣する案を黙々と思考するだけが日課なので資金はそこそこ残っている。B級だがネイバー討伐数は断トツで多いのでそこで稼いでるのだ。
多めの軍資金を持って昨日、僕自身も少々興味があった少し高めの店に綾辻を連れていったのだが、翌日にはその情報が拡散されてた。
そして、直感が告げた。
───槍を殺せ、と。
シフトが入っていないにも関わらず、珍しくボーダーに足を運んだ僕はこれまた珍しく、模擬戦で散々槍バカのポイントを徴収してきた。
その時のざわめくボーダー隊員の視線かと最初は思っていたが、ボーダーを出てから数十分は視線を感じる。
不意打ちに視線の方向を見るが、人影などやはり皆無だったのだ。
少々不気味に感じるが、いざとなればトリガー使って逃げればいい。
そう思っている時だった。
「…っ!………ネイバーの反応?」
僕のサイドエフェクトが警告した後すぐに警告のアラームが町中に響き渡る。
勿論、今僕がいるのは危険区域ではない。一般人が数多く生活している住宅街だ。
現在進行形で、老若男女皆が避難を始めている。
「…休日出勤なんて絶対にしないと決めてたがやむを得ない」
文句を言いながらも、緊急事態なのでトリガーを使用する。
トリオン体に変換されると、周りの人もボーダー隊員だと理解し、悲鳴が僅かだが収まった。
そうもしている間にゲートは開く。その近くに人が居ないことが直感でわかると、簡単にだが避難者に指示をだす。
「…今回の事態は改めてボーダー側から報告があります。今は避難を開始してください」
この近くで店を経営しているのだろう大人の男性にそう伝え、他の避難者を誘導してもらう。
「…こちら阿宮。市街地にネイバーと遭遇。これより対処を──ッ!?」
『またイレギュラーのゲートか。阿宮、隊員の中で一番近いのは君だ。避難を指示しつつ撃破を………どうかしたのか?』
人がいなくなったことを改めて確認して本部に連絡を入れ始めたその時、強烈な視線が突き刺さる。
まるで───
「…某序盤で手に入るヤンデレバーサーカーの視線だ」
まぁ、実際はそんな視線貰ったことないけど。
『バーサーカー?何を言ってるんだ。そんな事より、異常はないのか?』
「…少しぼーっとしてました。すみません忍田さん。異常は…見たこともないネイバーだということくらいしかありませんね」
『それは完全な異常だ!』
通信が繋がっていた忍田本部長の呆れた声が耳に入る。
確かに、なんか大きめの魚みたいな新種のネイバーは未知数の相手だ。
普通なら慌てる事態だがここに居るのは元社畜。予想外のイレギュラーなんてなんのその。いつも通り対応してあげましょう!
「…幸い危険区域に近いですので、そこに誘導して情報を収集して撃破します」
『阿宮なら可能か……。わかった頼んだぞ。念の為、回収班と非番の隊員を向かわせる』
「…その前には終わらせます」
後処理をするのは面倒だから。
「…バイパー」
なんか爆弾?的な何かを落とそうとしていた魚ネイバーだが、その全てをバイパーで迎え撃つ。
書類を早く完成させるために磨いたパソコンのキーボード早打ちの如く正確無比の打ち漏らしの無さ。
衝突した爆風で民家の窓ガラスが割れてしまったが、後で上に直談判してくれ。
「…さて。こっちだ不味そうな魚」
実際、見た目からしてこの魚は不味そう。いや、食べないよ?あくまで見た目ね?
ついでに、最初のバイパーの残りを本体にぶつけたのだがカスリすらしない。
鱗が硬すぎるとか、絶対中身も硬いだろ。
あっ、2度目だけど食べないからね?
わかりやすくバイパーで誘導して数分。
危険区域内に追い込んだ魚ネイバーとやっと正面からご対面だ。
「…今回は近接系トリガーも趣m───実験用トリガーもないから普通に倒すか」
だが、槍バカが泣いたエグい
「…アステロイド」
先ずは小手試しのバイパーより威力が高い通常弾を使う。
対象がデカいだけに確実に当たるのだが、威力が足りない。装甲がかなり厚いようだ。
「…これはどうだ?アステロイド×アステロイド=ギムレット」
弾バカに合成弾の作り方は教わったので四つの徹甲弾を瞬時に作り出す。
そして魚ネイバーの真下に移動して、装甲が一番分薄いだろう場所に撃ち込んだ。
「…ギムレットなら十分だな」
トリオン量が多い僕が四分割したギムレットは魚ネイバーの装甲を突き破り、巨大な身体と比べると微塵ではあるが風穴が四つ空いた。
「…これで倒れないか。では、弱点だと思う目を……ん?あれ?歯?」
身体に穴が空いたネイバーは空中で方向転換する。
ネイバーの弱点である目のような器官が真正面にくるので、槍バカにした攻撃をしようと思ったがやめた。拍子抜けだと思って。
しかしどうだろう。
魚ネイバーは口元を頑丈に閉じて、今までは地上に降りようとしなかったが僕目がけてまっすぐに突っ込んで来た。
「…爆撃型だと思ったが、自爆機能付きか。他の隊員だと相性によっては何人か必要だろうな」
射手ならギムレットを使えばいい(結構ムズい)が、孤月やアイビスで貫通できるかまだ分からない。
太刀川さんや二宮さんなどの高火力を誇る御方なら楽だろうが、火力不足なら手こずるだろう。
だが、僕は手こずらない。
これ以上長引かせるのは効率が悪いし、めんどーだし。
だから、
「…”我が弓と矢を以って太陽神(アポロン)と月女神(アルテミス)の加護を願い奉る
この災厄を捧がん───”」
Fate/Apocryphaに登場して赤のアーチャーとして活躍した、妙に人気な(自分もお気に入りだった)サーヴァントの宝具を模倣しよう。
迫り来る魚ネイバーに目をくれず、片手に大きめのキューブを出現させる。
勿論、バカ正直にギムレットで無理矢理強行突破するのではない。
バイパー×メテオラ=トマホーク
何度も分割させ、大きな塊として遥か上空に一度、トマホークを浮かばせて、
「──『
設定したように、流星となったトマホークの雨が魚ネイバーの背に降り注ぐ。
ぶつかった衝撃で大量の爆発が起こり、巨体を蝕んでいく。
勿論、ギムレットでも防げなかった装甲が幾度と続くトマホークの雨に抵抗できるわけはなく、垂直に落下していった。
「…これ、かなり使えるな」
米屋も言ってた。たとえ避けても周りで爆発が起こりまくってて何発もトマホークの雨が降ったら防ぎようないって。
流石、最大補足レンジが100人の大軍宝具。これからも重宝しよう。
後に、後輩の黒江に使ったら泣かれた。模擬戦では封印しよう。
***
謎の魚ネイバー襲撃から数時間。
結局、報告書を書かされて優雅な休日が殆ど消えたのだった。
忍田本部長。手抜きしないんで隣で書かせないで欲しい。
えっ?作戦室ないからだろって?
だってランク戦とか面倒だしなー、お金ならB級雇用だけで十分だし。
長い拘束から解放された僕は、今日は一人外食しようと三門市を探索中だ。
「…はて、今日は何を食べようか」
『昨晩はイタリアンのパスタだったのでぇ、今晩はお好み焼きはどーですかぁ?お昼は色々あったのでぇあまり食べられていないでしょお?』
「…確かに。ガッツリ食べたい気分だ。影さんの店に寄って帰ろっかな」
『あっでもぉ、食べすぎはダメですよぉ?最近は野菜を摂取してないのでぇ』
「…明日の朝食はサラダにしようか。朝食べる気力はないし」
『ダメですよぉ
「…小腹が減った時に食べれば平気だろ。一応、健康については考え……て…る……誰?」
スムーズに進む会話に、相手が誰なのか確認していなかった。
聞いたことのない声は甘ったるく、今気づいたが身震いする不気味な女の声だった。
恐る恐る、僕は声のした後ろに振り向くと──
『や〜っとぉ、見てくれましたねぇ?はじめましてぇ。私は“ダイヤ”。ちょ〜っと不思議なブラックトリガーでぇすぅ〜』
輪っかの中に銀色の五芒星。左右には翼があるちょっと所ではないほど不思議な物体が浮いていた。
『早速ですけどぉ
“僕と契約して、魔法少女になってよ”ぉ?』
色々とツッコミたいとこがあるが先ずはこれ。
──何処か次元間違ってない?
既に“ますたぁ”呼びとか、本当にブラックトリガーなのかとか、なんで喋るんだとか聞きたいことは山ほどだが真っ先に思い浮かんだのがこれだ。
一人称を僕にしたのに、最後に疑問形にしたのは謎だが。
プリズマイリヤのルビー、サファイア。次はダイヤでしょ(。 ・`ω・´) キラン☆
ヤンデレ風甘ボイスはいいぞー(・ω・)
尚、作者はドMじゃない───はずである(´・×・`)
リメイク予定ですがこっちの更新も必要?
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必要!
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いらない!