自分の身体を覆う鉄の車に乗ったシャケ。正面からの攻撃は受け付けないが、がら空きの背後が弱点。
・マニューバー
両手に一つずつ銃をもった、二丁拳銃のようなブキ。最大の特徴として、銃口の反対側からインクを噴射して高速で移動する、スライドが使用できる。
「初心者の私でも簡単にレベルアップして、報酬を受け取ることが出来ました!まだ駆け出しの冒険者ですが、街を守るアルバイトができてとてもやりがいを感じています!」
「髪型や服装は自由ですし、どんな武器を使って戦ってもいいので、覚えたてのスキルをすぐに試せる点はとても嬉しいです。サーモンランを通して、仲間との絆も深まった気がします」
受付の横に置かれたパンフレットには様々なサーモンラン経験者の声が記載されている。3号の世界でも同じような物を見た事があるが、このパンフレットの写真に写っているのは全て人間だ。
3号はパンフレットをまじまじと見つめているが、内容に特に驚くことは無かった。金イクラを集める目的ではなく、大量に現れるザコシャケの駆除が目的になっているが、駆け出しの冒険者に
とってはこちらの方が都合が良いだろう。他にはランクアップ制度や報酬について詳しく記載されているようだ。しかし、気になる点が1つ見つかった。
サーモンランにおける注意事項として、オオモノシャケを見かけたらすぐに連絡して逃げるよう書かれている。このパンフレットによれば、オオモノシャケはアルバイトを何度もこなした熟練の
冒険者や、ごく一部の限られた冒険者のみが戦えるらしい。3号はその文を見つけると、小さくため息をついた。
正直に言ってしまえば、3号が1人でオオモノシャケと戦うのは楽ではない。3号の世界のサーモンランでは主に4人一組でシャケが現れる隔離海域に向かうことから、サーモンランが決して安全
ではないことが分かる。
3号も自分と同じインクリングや、カズマ達のようにオオモノシャケにある程度対抗できる冒険者が増えてほしいと考えていた。
3号がパンフレットを読み終えた頃、アクアがまたしてもクマサンに詰め寄っている。アクアは注意事項に納得できなかったのか、カズマが戦ったように自分も戦わせろと訴えているようだ。
『先ほどから話している通り、カズマ君がバクダンと戦ったのは本当に偶然の出来事なんだ…… 彼はたまたま高額なほうしゅうを受け取っただけなんだよ』
「まあ、カズマが偶然戦ったってのは理解したわ。ただね、上級職のアークプリーストであるこの私が戦えないなんて納得できないわ!あのカズマでも勝てたんだから、私にも勝てるはずよ!」
あのカズマと散々な言われようだが、あれはカズマ1人の戦闘ではない。ザコシャケを倒す3号とカズマに、めぐみんの爆裂魔法が合わさって得られた勝利だ。だれか1人でも欠けていれば、きっ
とシャケを討伐することは不可能だっただろう。
3号は読み終えたパンフレットを棚に戻すと、食事をするためテーブルに向かおうとするが、何やら背後から視線を感じる。なぜだか無性に振り向きたくない3号だったが、威圧感に負けた3号は
ついに振り向いてしまう。そこには、3号に向けて満面の笑みを浮かべるアクアが居た。
「ねぇ3号、このごく一部の特別な冒険者って、3号のことよね?」
嫌な予感がする。カズマに助けを求めるべくギルドを見渡すが、残念なことにギルドに来ていないようだ。目の前に本人がいるので口が裂けても言えないが、3号はアクアを上手くコントロール
できるのはカズマぐらいだと思っているので、これから起こるであろう出来事に不安を抱いていた。アクアに連れられクマサンの前に来ると、アクアが得意げに話し始める。
「アークプリーストに達人バイトボーイがいるんだから文句は言わせないわよ。私をオオモノシャケ狩りに連れていきなさい!」
『……わかった。3号、丁度オオモノシャケの報告が入っているんだ。近くにイクラコンテナを設置しているから、金イクラの納品はそちらで行って欲しい…… 頼んだよ』
3号はせめてあと3人、カズマやダクネス、めぐみんがギルドに来るまで待つべきだとクマサンに伝えたものの、隣のアクアは3号の意見に反対する。
「カズマとめぐみんは散歩に出かけたわよ。ダクネスは実家で筋トレするって言ってたし、何より私の生活が懸かってるのよ!今すぐ出発して借金生活から脱出したいの!」
『2人でのサーモンランは大変危険だ…… それでも出発するのかい?』
前は自分1人に依頼を任せたのにどうしてここまで心配するのか疑問に思ったが、アクアは覚悟を決めたようだ。こうなっては仕方がないので、1人でも多くの仕事がこなせるブキを支給しても
らうようクマサンに注文した。
『スプラマニューバーコラボか…… 良い選択だろうね。後で届けよう……』
「そうと決まれば早速腹ごしらえよ!カズマに負けないぐらい稼いでやるんだから!」
数分後、3号とアクアは食事を終え、今回の目的地である街の湖へと出発した。前のように沢山のシャケが相手でなければ楽だが、今回はどうなるだろうか。
道中にクマサンからブキを受け取り準備は万端、後は湖でシャケが現れるのを待つだけだ。
湖に到着してすぐ、ザコシャケの襲撃が始まった。とはいえ、3号が持つスプラマニューバーコラボは射程こそ短いものの、機動力と攻撃力を兼ね備えた万能なブキなので、ザコシャケ相手に特
に苦戦はしない。3号が今最も気にかけている事は、アクアがどれだけシャケと戦えるかである。
「余裕よ余裕!この程度の相手なんてあのカエルに比べたら大したことないわよ!」
手にした棒のような物を振り回し次々とシャケを討伐していくアクア。いや、よく見れば手に持っているのは馬小屋の近くにあった物干し竿ではないだろうか。3号は質問をするか迷ったもの
の、アクアの邪魔をしては悪いと思った3号は自分に襲い掛かるシャケを次々と討伐していく。
その後も難なくザコシャケを倒していったが、アクアの戦闘力は3号の想像以上に高い。カズマによればアークプリーストは回復が得意な職業だそうだが、こうもシャケをなぎ倒す様子を見てい
ると武闘家や戦士と勘違いしそうだ。
『オオモノシャケが現れたようだね…… 慌ててはいけないよ。だが、急いで探すんだ』
クマサンからの通信を聞いた3号はすぐさま周囲を確認し、こちらに向かうオオモノシャケを発見した。アクアを狙ったテッパンがこちらに突進してきているため、アクアに向かって警戒するように叫ぶ。
「あれがオオモノシャケ?全然大きくないじゃない。見てなさい3号、今からあいつを一瞬でやっつけてやるわ!」
嫌な予感がした3号は群がるシャケを片付け、アクアの方へカーリングボムを使って泳いで行く。テッパンはバクダンのように大きくはないが、イカした鉄の車に乗ってこちらへ突進してくる
のが特徴だ。鉄の車はインクの攻撃を受け付けないが、攻撃し続けて姿勢を崩し、がら空きの背後を射撃すれば討伐できる。
どうやらアクアは正面からテッパンに突っ込み、姿勢を崩してくれるようだ。テッパンの背後に回り込んだ3号は、アクアの攻撃を静かに待つ。
「これが女神の生活を掛けた一撃よ!ゴッドブローおおおおっ!!相手は死ぬっ!!」
テッパンに向けて強烈な一撃が放たれた。まともに受けたテッパンは見事に姿勢を崩し、背後が隙だらけになる。すかさず3号がマニューバーのスライド射撃でテッパンを討伐、3つの金イクラを
落としていった。
テッパンを一撃で行動不能にするほどのパンチを放ったためか、シャケ達が一度撤退したが、何やら先ほどからすすり泣く声が聞こえてくる。シャケが一度撤退したので金イクラを運んでいる3
号だったが、視界にうずくまって手を抑えるアクアが見える。様子を見るため近くに行った3号。なんと泣き声の主はアクアだった。
「い、痛い……滅茶苦茶痛いよぉ……手が、手がゴンって変な音鳴ったのよ。うぅ……これ多分骨折れてるわ。ぐすっ」
テッパンを殴った反動で手を痛めてしまったようだ。とはいえ、アクアは回復呪文が得意なアークプリースト。3号は回復呪文を使わないのかアクアに尋ねる前に、アクアが急に立ち上がり金イ
クラを運び始めた。大した怪我ではないようで安心する。
「取り乱して悪かったわね。3号も怪我をしたらすぐに治してあげるから、すぐに言いなさいよ!」
まさかシャケを倒し過ぎて自分が回復呪文を使えることを忘れていたのではないだろうか。3号は金イクラを運び終え、次のシャケの襲撃を待つが、湖底からエンジン音が聞こえてくる。
テッパンが再び陸地に上陸したとたん、ザコシャケ達も一気に湖から姿を現した。一気に相手をするのは骨が折れるので、ここは先ほどのパンチをもう一度お願いしたい。アクアにゴッドブロー
をテッパンに放つようお願いする。
「えっ?あれもう一回やらなきゃだめ?そ、そのぉ、手が痛いからもうやりたくないかなー」
お互い生活が懸かっているのだ。金イクラの数だけ報酬が増えるので、出来ればすべてのテッパンをゴッドブローしてもらいたいと、3号はアクアに頼み込んだ。
「生活のため……生活のため!やってやるわよおおおぉゴッドブロおおおおお!ぬあぁぁ痛いっ!」
ゴッドブローはテッパンに効果抜群のようだ。3号は難なく討伐し、金イクラを回収。アクアが怯ませ、3号がとどめを刺しているが、アクアから抗議する視線が突き刺さってくるので、一度役
割を交代する。今度は3号が怯ませ、アクアが討伐する番だ。
「最初からこれで良かったと思うんだけど……あのね、3号。これ結構ブラックなバイトよね?私が想像してたのは、こう、弱ーい魔物と戦ってお得に稼ぐって感じなんだけど」
確かに、この世界のサーモンランの表向きの目的はザコシャケを討伐すること。しかし、ザコシャケばかり倒していてはオオモノシャケが一向に減らない。高額な報酬の代わりに危険なシャケ
を討伐し金イクラを集めるのが、このアルバイトの裏側の目的なのだ。
高額な報酬と聞いたアクアはさらに気合が入ったようだ。ザコシャケを蹴散らしつつテッパンの本体を的確に殴るその姿は、さながら熟練バイトガールの動きに見える。
しかし、大量にシャケを討伐しても金イクラを納品しなければ報酬は増えない。アクアには金イクラの納品もお願いしたいが、これ以上アクアの仕事を増やすのは難しそうだ。
「ねえ3号ー!急に緑色の雨が降ってきて足を動かしづらくなったんだけどー!今日って晴れてたはずよね?」
それを聞いた3号は金イクラを運ぶのをやめ、アクアに今すぐ攻撃するのをやめて逃げるよう叫ぶ。これまでテッパンだけが相手だったが、新たなシャケが湖から現れたようだ。アクアが3号の
元へ走ってきたことを確認し、追いかけるように突進するテッパンの動きを止め、何とか2人が合流することができた。
「なーんだ、やっぱり晴れてるじゃない。それで3号、あの雨はなんだったか分かる?」
3号は離れた場所にいる奇妙な黒いドームのような物体を指差し、あれの仕業だとアクアに伝える。3号が新たなシャケを説明する前に、ドーム状のシャケから一発のミサイルが放たれ、弱点で
ある本体が露わになった。あのミサイルを撃ち落とさないと、もう一度雨が降ることになる。
「なんかシャケってファンタジー感の欠片もない生き物よねぇ。……見間違いかしら、あのミサイルがこっちに来てる気がするんだけど」
勿論見間違いではない。3号は急遽溜めていたジェットパックを使用し、空へ浮き上がった。背中のバックパックで宙に浮き、強力なインクランチャーでミサイルを跳ね返し、ついでに他のシャ
ケにも数発撃ち込む。8秒ほどの短い時間だったが十分な仕事をこなせたと判断した3号は、元の場所に着地し、アクアにドーム状のシャケを説明する。
「コウモリ傘みたいな装甲を着てるからコウモリって、名前を付けた人は単純ねー。それより3号、さっきのアレって私も乗れる?一回使わせてくれない?」
ジェットパックの話をしている時間は残念ながら無い。雨を降らすコウモリ、突進するテッパンの2種類が出現した今、これまでと同じように楽に金イクラは集まらないだろう。
カズマとめぐみんでバクダンと戦った時のように、相手が増えるとこちらの手間が1つ増えるため、今まで行えた行動のどれかが犠牲になってしまう。実際に3号がミサイルを跳ね返している
分、テッパンに攻撃する時間を削っているため、現在アクアがテッパンに追いかけられている。
「ちょっと3号、さっきのアレ早くやってよ!アレを使えば何とかなるんじゃないの?」
ゲージがリセットされてしまったため、暫くの間はジェットパックを使えない。多くのオオモノシャケが現れた時に重要な事は、効率良く数を減らすこと。3号は戦いながら作戦を練った結果、1
つの案を思いついた。テッパンの弱点は強い衝撃を受ければ姿勢が崩れること。同じくコウモリの弱点もミサイルの衝撃で本体がむき出しになることだ。つまり……
「……え?とりあえずオオモノシャケ全員を一発殴ってほしい?い、いやー、それはちょっと厳しいかなぁ」
拳がだめならその手に持った棒でもいいのでは、と3号が質問した瞬間、アクアがテッパンへ向けて走り出した。あの目は完全にシャケを現金として見ている目だ。
「何してるの3号!早く金イクラを運ぶのよ!これで借金を返済してみせるわ!」
借金を返済できると分かった瞬間、手に持った棒でオオモノシャケを蹴散らしていくアクア。もはや1人でシャケを全滅させられそうだが、一気に倒してしまうと金イクラを集めきれない。3号は
必至にイクラを集めるが、アクアの勢いは収まる気配がない。湖の遠くからタマヒロイが現れ、金イクラを回収するのを確認した3号は、もう既に手遅れであると確信した。
『3号、オオモノシャケの反応が次々と消えている…… 何があったのか分かるかい?』
アクアが湖のオオモノシャケを全滅させそうな事を報告する。が、話している間に本当に全滅させてしまった。恐るべき戦闘力だが、こちらに帰ってくることに夢中で大量の金イクラが持ち去ら
れている事に気が付いていない。
『すばらしい活躍だ…… さて、金イクラは幾つ集まったのかな?』
「そうね!あれだけ倒したんだから、きっとかなりの金額になるはずよ!」
アクアが1人でシャケを狩り初めてから3号はずっと納品し続けていたが、それでも15個ほどしか集まらなかった。タマヒロイを倒しつつ集めたものの、大半の金イクラを持ち去られてしまった。
『それを差し置いてもすばらしい戦闘力だろう…… 失敗は誰にでもある、また今度頑張ればいいよ…… では、今日はここまでだ。ギルドに帰ってきてくれ……』
「3号、持ち去られたってどういう事?私なにかやらかしちゃったの?」
アクアの活躍は素晴らしかったし、特に悪いことは無かった。今回は単純に人数が足りなかっただけなのだ。
3号は、次に来る時はもう少し人数を増やして挑もうとアクアに話し、アクセルへと足を進めた。アクアがいるのでスーパージャンプで帰るわけにはいかないが、カズマの普段の様子やパー
ティの話を聞きながら帰っていたら、あっという間にアクセルに到着した。あとは、クマサンに報告し報酬を受け取るだけだ。
「で、なんでこいつはこんなにテンションが高いんだ?アクアが夕飯を奢るなんて何があったんだ?頭でも打ったか?」
「ふふん、今の私はカズマに何を言われようが女神の清く寛大な心で許してあげるわ。ほら、どんどん食べなさい!私もシュワシュワ1つ!」
今回のサーモンランの結果、2人に合わせて30万エリスの報酬が支払われた。オオモノシャケを討伐した分で15万、金イクラの分で15万エリスといった所だろうか。
今回はアクアの活躍があってのサーモンランだったので、報酬を3号が10万エリス、アクアが20万エリスの割合で分割したところ大変喜んでもらえたようで、勢いのままアクア主催の宴が始まっ
たのである。借金は大丈夫なのだろうか。
「3号、一体アクアに何があったのですか?正直、あのアクアがこんなことをするなんて信じられないのですが」
先ほどのサーモンランの話をしたところ、なぜか同情しているような目をしためぐみんに、今日は休むように勧められる。理由を尋ねる前に、カズマまでこちらに来て逃げるように勧めてきた。
2人の押しに負けた3号は、食べ物を持ってそっとギルドを抜け出し、馬小屋に帰った。カズマやめぐみんは3号が疲れているだろうと考えて3号を休ませたのかもしれないが、3号はまだそれほど
疲れていなかった。近所でブキの試しうちをしてもいいが、カズマとめぐみんには何か考えがあるのだろう。
馬小屋で食事を済ませた3号は、そのまま朝まで眠るべく横になったが、ここで着信が入ってきた。相手がクマサンとも言い切れないが、確認のため通話を開始した。
『パーティの主役がいなくなってどうするのよぉ!シュワシュワを用意してるんだからとっとと戻ってきなさい!……ちょっとカズマ、受話器をスティールするなんてどういうことよ!』
『もしもし、カズマだ。今のギルドは酔っぱらったアクアを筆頭に滅茶苦茶になってる。ここはなんとか俺とめぐみんが食い止めるから、3号は今すぐ寝るんだ。もし寝てなかったら、多分馬小屋
で2次会が開かれるからな!頼んだぞ、3号!』
今日の最後の任務は眠ることになってしまった。3号はすぐ横になり、目を瞑って必死に眠ろうとする。アクアとカズマが馬小屋に帰る頃にはぐっすり眠っている3号だったが、帰ってきた2人が
3号が中々寝付けず困っていたことは知る由もないだろう。
2次会は中止となり、残念がるアクアの隣で、ほっと安心するカズマだった。
翌日。クマサンから呼び出しがあったわけではないが、早く寝た分早起きしたので、早速ギルドへジャンプした3号。そこには昨日と打って変わってひどく落ち込むアクアと、それを慰める2人の姿があった。一体どうしたのだろうか。
「おはよう3号。アクアは昨日の宴会で20万エリスをほぼ使い切ったそうでな。またサーモンランで稼ごうとクマサンの所に早朝から押し掛けたんだが、今日はオオモノシャケがいないって言われたそうだ」
「多分明日はもっと稼げるから今日ぐらいはいいやって思ったんでしょうね。まさか不定期の開催なんて考えもしなかったのでしょう」
パンフレットの隣のマニュアルには不定期開催としっかり記載されているはずだが、思えばアクアがマニュアルを読んでいた覚えはない。3号の1日は、アクアを慰めるところから始まった。
3号がひたすら昨日の活躍をナイスを使って褒め続けたら、見る見るうちに元気を取り戻したアクア。ギルドから飛び出すと、アルバイトへ出かけて行ったようだ。カズマとめぐみんは散歩に行くようで、3号だけがギルドに残った。
オオモノシャケの報告が無ければ、普通のギルドの依頼を受けるしかない。しかし、魔王軍の幹部の影響で3号が受けられる難易度の依頼は残っていなかった。
こうなってしまうと、今日は休日のような扱いになるのだろうか。この世界の休日の過ごし方は分からないが、とりあえずギルドの外に出る3号だった。
・コウモリ
コウモリ傘のような装甲に覆われたシャケ。インクの雨を降らすミサイルを放つが、そのミサイル自体に攻撃力は無く、何よりもその後の雨が厄介。
・サーモンランの報酬
クマサン曰く、カズマの報酬が高額だったのは人を集めるきっかけがほしかったからだそうだ。3号の世界では、現金の他にバトルに役立つアイテムを受け取ることができる。