戦闘描写もそこまでな気がしますし、本当何してんだろ。
(脳内で色々なSS考えててこうなったとは言えない。)
「うう、あ?どうなってんだ……」
目が覚めると校庭が悲惨な光景になっていた。しかし、この程度なら学園のスーパー用務員さんにとっては雑草が数本生えてきたのと何ら変わらんだろう。二人の少女による戦闘を除いて……ほんと何してんの。
目の前で現在進行形で行われているものは流石のスーパー用務員さんでも止めるのは無理だろう。いや、出来ないわけではないか。
……しかしまぁ、流石にどうにかしないといけないらしい。
主な理由は起き上がったと同時に後ろから凍てつく視線を向けられているから。十中八九、生徒会書記の摂津さんだろう。振り返ると、さらに後ろに何人か教職員がいた。
「俺のせいではない、と言いたい。」
「なるほど、起きた原因が自分であるという自覚はあるのですね。」
「で、これって何?非難する案件なの?」
「当たり前ですよ、本来は職員が片づける予定なのですが……あのバカは何をしているのでしょう。」
怒り半分呆れ半分といった目で七条の方へと目をやる。と言ってもその目から読み取れるのは怒りしかない。矛盾してるぞ、俺。
(そういえば……)
この人と会ってから思うのだが、いつも不機嫌なのだろうか。もう少しカルシウムを摂った方が良い。どっかのヤンデレゲームで習った。どうでもいいけどカルシウムだけじゃ背は伸びないらしい。
摂津を見つめていて気付かなかったが、七条はかなり劣勢だ。何も考え無しに突っ込んでいったのだろうか、それだと風に煽られて体力を消耗するだけだが。敵の力は俺のとほとんど同じ……てか、何であいつ一人なんだよ。
これは七条にも言えることなのだが………何故放置したままなのだろうか。何となく、妹が仇なのは分かるが、それでも誰か手を貸すべきではないだろうか?
『復讐など考えとる阿保に手出しするわけがなかろう。』
ふと、師匠の言葉が頭をよぎった。あの時の俺の返答は何だったろうか。確か、師匠の考えには半分賛同した気がするが……
『でも……止めるぐらいのことはするだろ?爺さんでも』
あ、そういやこんな小生意気なこと言ってたな。そん時のあいつの阿保を見る目……なんかイラっと来た。でも、あの発言自体、師匠は止めに入ってくれたと言えるのかもしれない。
「摂津、これどうすんの?」
「……放置かしら。そもそも力の使用自体、教師の許可がない限り行えないものなのよ……一部を除いて。」
「へー、緊急事態でもか?」
「ええ「いえ、その結果次第で処分がない場合もあります。」あの、生徒会長。」
俺ににっこりと微笑む彼女は摂津から言われていたように生徒会長、名前は確か……
「筑後 華、生徒会長です。それと、皆さん…何を眺めているのですか?」
一瞬悪寒がした。生徒会長…実力はかなり上だろう。たぶん戦って勝てるかなんてものでもない気がする。これより上の学園最強ってもう、ほんとヤバそう……ほら、摂津足震えてるし。膝が笑うのって基本二択だからなぁ。
すると、生徒会長は不思議そうにこちらを見つめる。俺はそんなに異様ですか。
「適当に圧を送れば大体の人は何か反応があるんですけどね。」
「え、あーゾクッとはしましたね。さすが生徒会長と言うべきか。」
「ふーん……」
適当に流すのに失敗した。この人とはもう二度と絡まれたくない。なんだか面倒ごとが起きる予感がする。
幸いまだ先のことなのか何もしてこなかった。ただ、一つ些細な問題ができた。
「透明人間って楽でいいよなぁ。」
「………」
「確かに、公共機関の一部が無料、一部が使用不可になりますからね。」
「生徒会長…そういう話ではないと思います。」
薄い風の膜に入ってきた瞬間、誰か合流したのかと思ったが、何より存在を確認できなかった。このご時世……そういう力の持ち主がいても不思議ではない。
「んじゃ、あとは任せますね。アレのお世話で忙しいんで。」
「……近づけるんですか?」
「あ?あーあいつ膜張ってんのか。見えなかったし気付かなかったけど、そりゃ会長も突っ込まないのが気になるか。」
俺はそう言って今までの疑問を自分の中で勝手に解決し、黒い翼を展開させる。と、同時にに黒い風を周りに発生させる。いつも思うのだが、この翼はどうにかならないのだろうか?妖怪ウォ〇チの烏天狗とそう大差ないが、邪魔でしかないのも事実。
「それが君の……烏天狗の力ね。」
「………」
生徒会長は興味津々、摂津は片腕の包帯に手をかける 。臨戦態勢、いつでも近くの敵に対応できるという訳か。それにしちゃ会長は不用心すぎませんかね。
会長は俺の肩を軽く叩いて微笑みを見せてくる。その表情から妙な親しみやすさが伝わる。俺にはそんなコミュニケーション能力がありません。
俺は正面に向き直って全力で地を蹴った。周囲に砂ぼこりが舞い上がり木々が騒めく。今までで最もいい飛び出し方だったかもしれない。見栄えがね。
一時停止をする気のない俺は、そのままこちらに気づいた二人へと突っ込んだ。
僕は今、親の仇を前に苛立ちを感じている。仇である目の前の少女、よりも自分自身にイラついているのだ。必ず敵を討つ、と両親の墓前で誓ったのに……目の前の敵に遊ばれたままなのだ。
さっきからこちらの攻撃をのらりくらりと躱し、たまに攻撃を衝突させてくるが力の差は向こうの方が上だ。何とか耐えているが……
「ふわぁ。……そろそろ飽きてきたかなぁ。」
「何を…ッ!」
奴の突然の竜巻に一瞬たじろぐが、持ち前の身体能力を生かして躱す。が、それも相手の手の内。躱した方向に既に奴が動いていた。
「くッ…」
「せっかく兄さんと再会できたのに……残念だなぁ。もう時間が近い、や!?」
突如として暴風が巻き起こり、僕と奴に数十メートルほど間隔ができるができる。遠方から黒い風が弾丸のようにこちらへと飛来してきたのだ。
その風は僕と奴との間隔の丁度ど真ん中で数秒ほど停滞、のちに消滅した。替わりについさっき会ったばかりの青年がぺたんと尻もちをついていた。
「いってえ…数週間動かなかっただけでこうなるか?」
「鞍馬…」
「あー七条、お前はあとだ。先に聞き分けのない馬鹿を片づける。」
「へぇ、私は兄さんからそんな風に思われて、たん…だ!」
通常の竜巻は縦にまっすぐ縦に、空に向かって伸びるのだろう。しかし、奴の竜巻は鞍馬に向かって独特な軌道を描いて伸びていった。
このままでは直撃する……と思われたが、その直前で何事もなかったかのように消滅する。
「同じ力を持つ憑き者が、力のみで衝突した場合…相殺されるんだっけか。」
「兄さんの風、見えないんだけど……」
「ハッ、お前みたいに独学やってるとそうなるんだよ。京都にUターンして山のジジイにしごかれてろ。」
「言わせておけば!……クソッ時間みたいだ。君のせいで予定を狂わされてしまったよ、七条の令嬢さん。」
そう言って奴は風を纏い始めた。少し癇に障る言われようだったが、私は少しはしゃぎすぎて手出しできない。何度も手足を動かそうとしたが、体が思うように動かない。
彼は、どうするのだろう……
「俺とお前、どっちが速いんだろうなぁ?」
「……兄さん、今はまだ…捕まるわけにはいかないんだよ。」
「何を……チッ消えたか。」
風をまとっていた奴はまるでSF映画とかによくある透明人間のような逃げ方をした。予想外の出来事に頭が追い付かなかったが、そういう力の持ち主がいてもおかしくはない。
僕は彼から、学ばなければならない。奴から兄と言われていたこと、天狗なりの修業……想像で胸を膨らませてしまう。しかし、それも束の間…面倒ごとが起きそうだ。
「鞍馬翼、生徒会と島内警備隊の者です。少し、お話をさせてくれませんか?」
本当は彼、悪い人ではないんだけどなぁ…
以上です。……まず戦闘描写?なのかなという疑問が生まれてしまいました。
個人的にあまりにも少ないので……
次回「クーとツンが合わさると」