ダンジョンで混じり子が戦うのは間違っているだろうか?   作:にわかDRPGプレイヤー

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前話でディアル(回復魔法)が第四位階とされていたのを第三位階に修正しました。
書き始める前に某所から貰ってきたメモにもはっきりと第三位階と書かれてるのに何故間違えたのか……

その修正のついでに、400字程度加筆しました。

以下200字程度での加筆の要約

ティオナが視野狭窄になってたのはティオナを戦闘に参加させないためのご都合主義ではあるものの、ご都合主義だから!で押し通すのではなく多少無理のある理由でもしっかり書いといた方がマシ。という考えでそこら辺をちょこっと加筆。

ちなみに、ティオナ70キロとした場合でもヘルハウンド強化種(子牛サイズのヘルハウンドの二回り以上でかい)の体重はティオナの7-8倍程度はあるので、その体当たりで吹き飛ばされるということについては普通であると考えているのでそっちは修正していません。
普通はしっかりと防御体勢をとるか、そもそも回避するべき攻撃ですので、無防備にくらったティオナには吹き飛ばされてもらいました。


第10話

 ヘルハウンド強化種が自身の群れの崩壊に気づいたのは群れのメンバーが自身と共にアルミラージ強化種と戦っていたヘルハウンドの首が宙を舞ってからだった。

 

 アルミラージの群れを焼き払い、その強化種との戦闘が始まった時、ウィズの魔法でバッドステータスが発生しているものも含めて十五匹程のヘルハウンドがおり、そのうち即座に戦闘できるのは三匹ほどだった。

 強化種とその三匹で俊敏に動くアルミラージ強化種を捉えようと攻撃を行っていたが、なかなか命中させることが出来ず、暫くすると通常のヘルハウンドは倒されてしまい、タイマンの戦闘へと移行していた。

 ただし、そのタイマン状態は長くは続かなかった。

 ウィズの使用した魔法の効果から脱したヘルハウンドが戦闘に復帰したからだ。

 最初は三匹増え、一匹がアルミラージ強化種に倒される時にはさらに復帰したメンバーが追加され五匹に、それからは波状攻撃によってアルミラージの攻撃の出鼻をくじき、あとはさらに復帰してきた同朋を加えて物量で押し潰してしまえばいい。

 ヘルハウンド強化種はそのように戦闘――否、狩りを進行させていたが、いつまで経っても追加のメンバーが来ない。

 まだなのか、と戦闘に参加できていなかったものたちが居た方向を向けばそこには何もおらず、そして気がつけば自分から最も離れたところにいたヘルハウンドの首が宙を舞っていた。

 下手人はアルミラージではなく、ヒトガタのナニカ。

 自らの住処へと侵入し、殺されてきたニンゲンとは異なる存在だった。

 

 何度も邪魔しやがって。と、怒りに身を任せて全力で火を放ったヘルハウンド強化種に対し、ヒトガタ――ウィズはそれを待っていたとばかりにニヤリと笑って呟いた。

 

「<バリコ>」

 

 突如として突風が吹き荒れ、ヘルハウンド強化種の吐き出した炎と衝突する。

 風は炎を押し返すことは出来ず、むしろ酸素を供給された炎はさらに強化される。

 

「おっと、一発じゃ足りないか。<バリコ>――もう一発追加<バリコ>」

 

 炎をさらに大きくしながらも、ウィズの放った風は炎を押し返し、そして()()()()()()()()()へと直撃させた。

 

 ヘルハウンド強化種が放っただけの炎ならば、大怪我とはなるだろうが即死はしなかっただろうアルミラージ強化種だが、ウィズの手によって異常に強化されたそれには耐えることが出来ず、肉体は溶け、魔石は消失した。

 

◆◇◆

 

「よし」

 

 アルミラージ強化種を無事に倒すことが出来たことにウィズは喜んだ。

 

 アルミラージ強化種とヘルハウンド強化種。どちらが強いかといえばどちらも強いが、タイマン戦闘に於いてはアルミラージ強化種の方が確実に強い。

 

 それは、アルミラージ強化種の強さは一芸に依らない純粋な肉体性能の高さに由来するものだからだ。

 さらに二足歩行であるため、人間のように前後左右に自在に動くことも可能であり、正面からタイマン戦闘で倒すのは無理だとウィズは判断していた。

 

 対して、ヘルハウンド強化種は炎こそ強烈だが、所詮は四足歩行生物。

 持続的な速度を出せるのは正面方向にのみ。

 左右へはサイドステップしかできず、後方への移動は下手だ。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()ウィズならば、側面背面を維持することで炎の攻撃を封殺することが出来る。

 となれば、群れを失った今のヘルハウンド強化種は、体がデカくて皮膚が硬かったりするだけのヘルハウンドと変わらない。

 

 故に、ウィズによる撃破順位はアルミラージ強化種>ヘルハウンド強化種であり、そしてアルミラージ強化種を自力で倒すことが出来ないのならばヘルハウンド強化種の力を利用してやればいいと考えたウィズは()()()()()()()()()を用いて風を発生させ、アルミラージ強化種をやき尽くした。

 

 さて、先程攻撃魔法が多いグループの第四位階魔法を使い尽くしてしまったウィズが何故第四位階の攻撃魔法を使えたのか。

 それは、回復、補助魔法が多いグループの第四位階にも攻撃魔法があったからである。

 それが、先程ウィズの使ったバリコ――剃刀のように鋭い風を発生させる魔法だ。

 ちなみに、第四位階には第一位階の傷を開く魔法、バディオスの上位であり、第三位階の回復魔法、ディアルで塞げる程度の傷を開くバディアルという攻撃魔法もあったりする。

 

 閑話休題。

 

 アルミラージ強化種強化種を倒し、二種族の通常種が居ない今、ウィズとヘルハウンド強化種はタイマン状態である。

 そして、前述の通りウィズはヘルハウンド強化種を完封することが出来る。

 故に、ウィズは時間こそかかったものの無傷でヘルハウンド強化種を倒した。と、経過を省いて結果だけを残すことにする。

 

◆◇◆

 

「さっきは助かりました。アレ(大剣の投擲)がなければ回復するまもなく死んでいました」

 

 ヘルハウンド強化種を倒したウィズは、未だ部屋の入口に立っていたティオナに礼を言った。

 ついでにティオナが投げてくれた大剣を拾って返却まで済ませた。

 

「それでは自分は下に行きますので」

 

 ウィズはこの部屋に集まっていたのがコノフロアのほぼ全てのモンスターだということを知っている。

 それを倒した今、このフロアにいるかもしれないのは下層からやって来ているかもしれないモンスターのみだ。

 それならばさっさと下に降りる方が賢いだろう。というのがウィズの判断である。

 

「ちょ、ここまでの戦闘をしたんだし普通は帰らない? 精神力(マインド)だって沢山使ったでしょ?」

 

 踵を返して下層への階段へ歩いていったウィズをティオナは呼び止めた。

 冒険者の常識から言ってウィズの行動は異常である。あれほどの魔法を何度も使い、数十匹のモンスターを倒し、強化種二体を倒したのだから、普通の冒険者ならば地上に戻る。

 戦闘の途中に大部分の魔石は失われてしまったが、稼ぎだってヘルハウンド強化種の魔石だけで十二分である。

 消耗があり、稼ぎだって足りているのならば、それ以上ダンジョンにいる理由はない。ましてやさらにしたに潜るなんて言うのは異常である。

 

「確かに精神力(マインド)はかなり使いましたが……自分の魔法は変なんでまだまだ使えますよ」

 

 ウィズは第四位階のカートリッジこそ使い果たしたが、第三位階以下のカートリッジはおよそ半分ほど残っている。

 これだけあれば強化種などのイレギュラーがなければ余裕で探索が可能であろう。

 ついでに言えば、やろうと思えばダンジョンの壁を破壊して二十分弱ほど休憩すれば精神力を吸い上げてカートリッジは全回復するのだ。

 その場合既に消耗している精神力からカートリッジ回復分の精神力が減るため、残る精神力は三割ほどになってしまうため、もう一度先程までと同じような戦闘を行うことは不可能であるが。

 

「それでも普通は帰るよ。防具だってなくなってるし、危険だもん。下に行くって言うなら流石にファミリアの仲間として見逃せないかな」

 

 ティオナの言うことは一般常識からして正論である。防具がないのはティオナも同じではあるが、それは初めから装備していないだけ。防具があったのにそれがなくなったのならば、モンスターを避けての帰還が普通である。

 その防具が、ウィズが普段から要らないなと実感していたものであると知らないティオナは、ウィズからすればやや的外れである理由で帰還を促す。

 

「分かりました。それでは帰りましょうか」

 

 ウィズは、素直に頷いて帰還することにした。

 その理由は、ティオナが完全に善意から言葉を発しているというのもあるが、仮に強行した場合、実力行使で帰還させられる可能性があったからである。

 高レベル冒険者であるティオナとの手合わせができると考えれば悪くない選択肢かもしれなかったが、その後、フィンらからダンジョン探索の自重を求められたり、説教をされる可能性があることを踏まえれば帰還に頷く方が利口であったのだ。




日付が変わったあとくらいに第四位階までのウィズが使える魔法をまとめて投稿しておきます。
こちらは使える魔法が増えたら加筆していく感じになるんですかね。

以下前話を含めて戦闘でウィズの使った魔法

<ディルト>
魔法使い系第二位階
敵の眼前に暗闇を生成する。いうほど視界を制限できていない。
<ソピック>
魔法使い系第二位階
自分の存在感を薄れさせる
<ポンチ>
自分の敏捷をブースト
<カンティオス>
魔法使い系第三位階
敵を混乱させる
<マモーリス>
魔法使い系第三位階
敵を恐怖させる
<リトフェイト>
魔法使い系第四位階
浮遊させる。所謂レビテト。飛行魔法ではない
<ダルト>
魔法使い系第四位階
氷の攻撃魔法
<ディアル>
僧侶系第三位階
ディオス(第一位階)よりたくさん回復する
<バリコ>
鋭い風で敵を切り裂く。ソニックブームとか鎌鼬系ではなく今回みたいに何かを押し返すことも可能

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