俺が右手を振り下ろせば同じ様に振り下ろし。
俺が蹴りを出せば同じ様に返してくる。
うっとおしいにも程があるぜ。
………向こうは引いてった。後はコイツだけか。
俺の真似っ子してるのは良いが猿真似野郎。一つ教えてやるよ。
「膂力が!違ぇんだよ!」
一気に押し切り、体制を崩す。そのまま放った蹴りは防がれずバーサーカーを吹っ飛ばしてった。
暫くは時間が稼げんだろ。
またまた逃げるぞお前ら!
取り敢えず、だ。
ジークフリートの呪いを解くために聖人がもう一人必要だと。
当ては?勿論無い。
二手に分かれることになった。
ジャンヌ マリー マシュ立香ちゃん
モーツァルト 俺 市 所長
まぁ、順当…か?
正直俺の勘が次の街に立香ちゃんを連れてくなと囁くからな。
案の定というかなんというか。
何だこの姦しい蜥蜴娘共は。
「ピーチクパーチク!!!」
「ピーチクパーチク!!!」
喧しい。
二人とも拳骨で黙らせる。
まったく。
青髪の方が清姫。
あれか、清姫伝説の奴か。
日本の英霊だと分かりやすくて助かる。
ピンクの方がエリザベート・バートリー。
…………コイツさっきのアサシンの子供時代って事か。
どちらにせよ。聖人とは程遠いな。
『…こちら長政。こちら長政。こっちは外れ。オーバー。』
『長政さんですか?こちらはゲオルギオスさんと合流しました!』
おお、ゲオルギオス。よく分からんが向こうが正解だったか。
『了解。こっちもそちらに向かう。オーバー。』
『了解しまし…敵です!すいません!一度切ります!』
あ、おい!マシュちゃん!?
チッ。合流するしかねぇか。
ジークフリート、アマデウス!移動だ移動!
ここから西の…「■■■■ーーェ!!!!!!」おいおい嘘だろ!?追っかけて来たのか!?
これだから狂戦士は嫌なんだよ!!!ブーメラングサー
所長!市!先に行ってろ!コイツはここで始末する。
「大丈夫ですか?」
当たり前だろ?劣化コピーに負けてたまるかよ。
来な。終わらせてやるよ。
「■■エエェーーーー!!!!!!」
何なんだ、この違和感は。
おかしい。俺は、俺はこの動きを知っている。
何時だ、何時見た。
小太刀で受ける時に必ず半歩引く。
太刀を振るう前には大抵左足から踏み込む。
そして___左右の攻撃に僅かに。僅かに違和感がある。
なんというか、まるで…
それ程に左右の構えが違う、
小太刀は素早く刻み、守りを兼ね。
太刀はリーチを生かして相手を斬ることを第一としている。
だがまだ練度が足りないな。
槍を高飛びのように地に叩き付け、反動で跳躍する。
そのまま中空からの一撃を叩き込む。
決まった。
「………チチ…ウエ……」
え?ッ!!!…浅い。クソ、油断した。
今アイツは何と言った?
アイツは………
「……………■■■■……!!!」
………逃げられた、か。
なぁ、狂戦士。
オマエは一体、誰なんだ?
「ちょっとちょっと!無視しないでよ!」
「きゅう。」
ああ、お前らか。
文句言うな。巻き込まれそうだったから外野まで運んでやったろ?
清姫の方はちょっとギリギリで気を失ってるけどまぁいいだろ。
どうする?お前も来るか?それともあっちに与するか。
「…一応聞いとくけどあっちに着くって言ったら?」
ここで首を撥ねる。
「連れてってください。」
よろしい。
合流したが、マリーが犠牲になったと。
王族にしちゃ見上げた奉仕精神だ。
これでこっちの戦力は俺、市、マシュ、ゲオルギオス、復活したジーク
モーツァルト、蜥蜴娘二人か。
まぁまぁの物量だ。正面突破がベターか?
折角マスターが二人居るんだ。上手く使おうぜ。
……成程。乗った。それで行こう。
ジークフリート。そっちに付けた俺の子孫を頼んだぜ。
で、俺たちの仕事は、敵サーヴァントの各個撃破。
いいねぇ。
丁度勝負を付けたいのが二つあったんだ。ハハッ。
決戦の地はオルレアン。
誰か分かったら凄いと思う。