「よぅ、待たせたな。」
目の前にはバーサクランサー。
コイツは強いからな。所長ちゃんの指示期待してるぜ?
「任せなさい。その代わりしっかりと私を守りなさい!」
了解。さて、やろうか。
槍と大太刀がぶつかり合った。
膂力、速さでは長政が上回るが、ランサーはそれを技量と能力で補う。
数百に登るかという打ち合い。しかし終わりは唐突に訪れる。
槍を一度背中に背負い、大太刀のみを構える。
「ほう?何か策でも思いついたか?」
ああ、そうだよ。
如何せん俺は技量ってのは今一つでな。
どんなに努力しようが一流が限界。
超一流の天才、英雄とは比ぶべくもない。
でもな、だからこそ、策を巡らせ、小細工を仕込み。
汚い手も使って勝ちを拾ってきたのさ。
「そうか…貴様も軍人としては優秀よな…ならば、その策、正面から破ってみせよう。」
上等。来い。
ランサーが突っ込んでくる。
まだだ。
槍が迫る。
まだまだ。
槍が身体に食い込む。
今。
ガギャァァァンッ!!!
金切り音と共に展開された刃はまるでバターのようにランサーを切り裂いた。
吸血鬼なのが仇になったな。
コイツは鬼丸国綱。…伝承では鬼を切ったと言われるこの刀はその性質上。
魔性の存在を断つのさ。惜しかったな。
「………見事…なり……」
今度は吸血鬼じゃないアンタと戦ってみたいな。ハハッ。
こっちは終わった。そっちはどうだ?
見ると、ファブニールを打ち倒したジークフリートの姿。
セイバーとアサシンも倒されたようだ。
エリザベートと戦っていたアサシンは致命傷を負い、消滅しかけてた。
…形勢逆転ってか。
邪ンヌとギョロ目が逃げ出す。追え、マスター!
俺?ちょいと寄り道をね。
ああ、そう掛からない。
すぐに追いつくさ。
よぅ、年増のアサシン。
「…………憎たらしいわね。嘲笑いに来たのかしら。」
まぁ、そんな所だ。
どうだ?過去に否定された気分は。
「…最低ね。二度とゴメンだわ。」
そりゃ興味深い。一度インタビューをしたいね。
「……それで?私はもう消えかけてるのだけど。」
……何も言わず、消滅しかけたアサシンを抱き締めた。
「ふふ…今更情欲でもしたかしら…?」
____辛かったな。
「…………?」
____誰も、誰も気付いてくれなかった。誰も言ってくれなかったんだよな、間違ってるって。
____そして最期には、真っ暗で、独りで。怖かったな。
「ッ…………」
____ああ、寂しかったな。でも今度は独りじゃない。良かったろ?ハハッ。
「………あなた、本当に良い性格してるのね。」
ハハハ。まぁそう言うな。ちょいとばっかし迷子をほっとけない質でな。
「…本当に、独りじゃない?」
そうとも。だから、安心しろよ。
「………ああ、こんな気持ち…初めて…ふ…ふふ…悪く…ない…わ…」
そのままアサシンの姿は掻き消えて行った。
…良かった。最後に笑ってくれたな。
よーし!切り替えて行くかエリザベート!
「………んぇ?あ、ああぁ!?」
エリザベートを担いで追い掛ける。
後ろから殺気。
奴も来てるか。丁度いい。着いてきな!
到✩着。
立香ちゃんパース!
この蜥蜴娘も持っていけ!
「何すんのよぉぉぉぉー!!!」ポーイ
マシュちゃんに蜥蜴娘二人は立香ちゃんと行って、決着付けてきな!
俺か?またまた用事がな。
どーも俺のストーカーがねぇ。来てるんですわ。
そう呟いた刹那、扉を破壊してバーサーカーが現れる。
「■■■■ェ!!!!!!」
来たな!ストーカー野郎!
行ってこい立香ちゃん!終わらせろ!
「………うん!長政さんも、負けないで!」
ハハッ。まさかぁ。
だがまぁ、うん。
そう言われちゃ、より気合いが入るってもんだな。
さて…律儀に待つか。御丁寧にドーモ。
「終わらせようか!なぁ!?」
俺が武器を抜くと同じ所作で奴も武器を取る。
…ようやく。ようやくお前の正体が掴めたんでな。
ここで終わらせる。それが
「■■■■ェェェェェ!!!!!!!!!」
ああ、終わらせてやるよ。
もうすぐ一章ラスト!序章より書きやすかった!
Q、カーミラの下りはどうゆう事?
A、長政君のクラススキルです。
無償の愛EX…たとえ相手がどんな存在であれ、不幸な生い立ちである(所謂悲しい悪役)
場合に効果を発動。ほぼ無条件に敵意を薄れさせ、精神を安定させる。
……と書くと聞こえは良いが、このスキルの発動条件は基本自らよりも相手が歳若い事だが、
精神が幼い、もしくは彼が娘(息子)のようだと感じるとノータイムで発動する。
狂化EXにより娘息子の定義がかなり吹っ飛んでいる為、
生前に苦しみを抱えたほぼ全ての悪サーヴァントキラーとなっている。
カーミラやジャンヌ、アルトリアの各種オルタを初め、その気になれば
新宿のアベンジャーやゴルゴーン、某アルターエゴ達さえ無力化できる。
狂化との相性の影響でチートスキルになりかけている。
別名・父性の暴力。