……さてと。集合には成功した。そいつは重畳。
でだ。
「お父様!お父様よね!」
「おお!夜叉!夜叉では無いか!久しいよな、余は嬉しい!」
…………おい。拠点のステルス機能の点検担当は誰だったっけ?
そうかそうか…随分とご機嫌なステルス機能だったようだなぁ?
…………ああ!うっとおしい!
だから俺はお前らなんざ知らねぇっての!
『スキャン・サーヴァント
情報を照合中……全隊員記憶領域に該当者無し。推定・赤の他人。』
一々スキャンしなくたって分かるわ。
「あれ………?エリちゃん…?」
「!?ど、どうしたのあ、貴……子イヌ!?」
『追加スキャン……サーヴァント、真名はエリザベート・ヴォイド。
しかし体内に二つの霊基パターンを確認。真名カーミラ。
エラーの発生によってクラスが変化した様です。』
「助けて子イヌ!時々身体を乗っ取られ…あら何の話かしら!?」
えぇ……
まぁいいか…
取り敢えず離せ。
「嫌じゃ!」「嫌よ!」
………そうか。
01は半歩腰を引くと二人の重心を操作する。
結果前方方向に転ぶ二人は頭から衝突し、星を見上げる事となった。
「……システマ…いいせんすだ……」
そうかい。
にしても数ばかりは揃ったな。
ロビンフッド、ジェロニモ、ネロ帝、エリザベート
そしてこっちの俺たちとカルデア、ナイチンゲールに、ラーマ。
尤もラーマは敵大将クーフーリンのせいで瀕死だがな。
悪いが呪いやら魔術やらは専門外だ。
そっちに詳しいのが居ないか?
一先ず目下の目標は定まったな、
1,ラーマの呪いを解く。
2,どうにかしてエレナ達の陣営と和解する。
……まぁ、これはあくまで可能なら、だ。
さっきは幸い出て来なかったが向こうには『カルナ』っうヤバいサーヴァントが居る。
正面切って殴りあえるのはそこで死に掛けてる男だけだろうな。
3,最終目標だ、ケルト兵共の総大将、クーフーリンを討つ。
2をやるにせよやらないにせよ、1は急務だろう。
自慢じゃないが、俺たちは弱いぞ。
外殻を装備した所で精々Cランク相当のサーヴァントと同等だ。
神仏に匹敵する化け物とドンパチ出来るような性能じゃねぇ。
さて、話は以上だ。質問は?
無いならこれにて終了だ。
……飯にしよう。新人、何が食いたい?
飯と風呂が終われば各々思う事こそあれ、皆就寝するものだ。
兵士以外は。
………一人で夜襲とは、随分と余裕じゃないか。
『解析・サーヴァント
「そちらこそ、報告だと貴様らは数を揃えるのこそが強みだと聞いたが?」
___確かにな。だがまぁ、態々全員を叩き起すワケにも行くまい。
それに…此方から出向く手間が省けた。恨みは無いが仕留めさせてもらうぜ。
「ほう…?これは強いな。一筋縄ではいかんようだ、他のとは違ってな。」
他の?
「お前で四人目だ。」
成程……道理ではぐれの数が少ないワケか。
まぁ、丁度良い。
お前で28人目……恐れるな、死ぬ時間が来ただけだ…なんてな。
無機質なバイザーに目を赫く煌めかせ、兵士は告げる。
ドリルのように回転する刃を紙一重で躱しながら腰から引き抜いた拳銃を速射する。
その抜き打ちは一切の無駄無く、性格無比。
「……早いな。あまりにも。」
…だろ?
クイックドロウだったか…
だがまぁ、これだけ撃ち込んでも致命傷にはならんか。
まったく、嫌になるぜ。
「よき戦いであった!…だが終いとしようか。
真の虹霓をご覧に入れよう……!
……使ったな、宝具を。
そいつを待ってた。
05,擬似宝具展開を許可する。
『……りょーかい……
次の瞬間、彼方より紅き閃光が走る。
それは今のまさに地に突き立てられんとしたカラドボルグに命中。
練り上げられた魔力が瞬く間も無く霧散する。
魔力を阻害する宝具…を模した弾丸。
驚くフェルグスが我に返る隙も無く、アンダーバレルに装填された榴弾が
一騎打ち…騙して悪いが、これも仕事でな。
………カラドボルグ…
ラストからキナ臭さ溢れる