鬼夜叉と呼ばれた男   作:CATARINA

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繰り返される風呂問題


天丼

…………

 

「………」

 

……上がろうか?

 

「!あ、いや、別に今回は良く見てなかった私が悪かったというかその、」

 

 

 

……にしても、随分と風呂場に縁があるな、お互い。

 

 

 

 

 

 

…おい、何か話したらどうだ?

 

「ふぇ!?」

 

確かに俺達とお前はこの戦線限りの関係だが…お互いを知ることは必要だと思わないか?

…まぁ、俺達はそもそも話す内容も忘れてるがな……おい、ここは笑う所だぜ?

 

「意外と冗談とか言うんですね…?」

 

あぁ、恐らく本来の俺はこういう性格だったらしい。

あくまで推測だがな……何も覚えて無いんでね。

 

覚えてるのは死んだ瞬間だけだ。

 

全身を撃たれ、瓦礫に消えた東洋人。

逆上した民間人に殺されたイタリア女。

撃墜され焼死したドイツ軍人。

残虐性から味方にも疎まれ、謀殺されたアメ公。

見捨てられ孤立し、酒に溺れながら死んだロシア人。

 

……その記憶だけが俺達の中核を成している。

最期にして唯一の記憶ってな。

 

………悪いが語れることは全部だ。

お前の話を聞こう、新人。

 

何時が最期になるか分からんからな。


 

 

………昨夜、少数精鋭による襲撃があった。

既に撃退済みだからそれは良いとして…どうも敵斥候にこちらの位置はバレてるらしい。

誰かさんのせいでな。

 

…過ぎた事は仕方が無い。幸いにも件の斥候は既に捕らえて(始末して)ある。

しっかりと隠形をすれば暫くはバレんだろう。

 

そして目標地点も分かった。斥候はかなり拒んだが俺と02で説得(拷問)した結果

快く(泣き叫びながら)ラーマの妻…シータだったか?の位置を吐いてくれたよ。

 

 

「うっわ…昨日の担当あの二人だったのか……」ヒソヒソ

「つくづくツイてないですねその斥候…敵ながら同情しますよ…」ヒソヒソ

「01が殺して02が蘇生する…ジュネーブ条約が助走つけて殴りに来るなこりゃ…」ヒソヒソ

 

 

 

例によって分隊を二つに分ける。(ゲンドウポーズ)

 

アルカトラズ島に捕らえられたシータの救出を行うチーム。

新人…ないしカルデア組、エリザベート、フローレンス、ラーマ

 

敵将クーフーリンの暗殺チーム。

ジェロニモ、ロビンフッド、ネロ帝

 

で、俺らだが…03、拠点防衛と通信を任せる。

要請に応じてエアストライクが必要な場合がある事を留意しろ。

「了解。」

 

02,05。お前らは救出班に追従しろ。

04は俺と暗殺側だ。

 

失敗は許されない、良いな?

 

「「「了解。」」」

 

以上だ、各員準備を始めろ。

 


「へーい司令!また新人を風呂に連れ込んだってマジか?好きだねぇ…」

「(°A°)ファ!? 私という者がいながらなんて事を!?」

「……ん…ちがう…02のじゃない……01私の……」

 

………03,エアストライクを頼む。

「ハハハ……流石に室内に撃ち込むのは…ね?」

 

チッ、肝心な時に使えんな…

 

「で?何処が気に入ったワケ?胸か?尻も良いよなぁ。」

「むむ!ほら先輩!私だってバルンバルンですよ!ほら!」

「………01は幼児性愛者(ロリコン)……無駄乳にはキョーミ無し…」

「貴女が言います!?この中で一番年上の貴w女wがw」

「……02コロス…MIA(作戦行動中行方不明)にしといて…」

 

鬱陶しいわ!仕事に掛かれ!

後ロリコンじゃねぇから。

 

「でもやたら仲良いよな?」

 

………確かにな。

別にそうだな…性的な目で見てるとか、そんなのじゃなくてな…

 


「マスター向こうの隊長とお風呂に入る仲ってマ?お赤飯炊く?」

「………卯松…その…デリカシーを…ね////」

「えっと、先輩?おめでとうございます?」

 

取り敢えず卯松ちゃんはこんどお父さんに叱ってもらおうか。

君本当にお父さんに似てきたね、その顔すっごい腹立つ。

何もめでたくないからね?違うよ?マシュ?

 

違うんだってば!

そういう関係ってワケじゃなくてさ、

なんと言うか…その…

 


 

『成程、浅井長政…ねぇ…アンタらがそんだけ褒めちぎるんだ、良い男なんだろうよ。』

『そういや、お前見た所かなり若いが…親はどうした。』

……そりゃ勿論……あれ?

お父さん…?お母さん?

顔が思い出せない。居ないはずがない…

何故だ?何故?

 

『……ふむ、何やら面白い事になってそうだな、新人。

まぁ、気にする事ないさ、俺なんか自分の名前も忘れちまった。

……最早思い出す気にもなれないような俺よりよっぽど救いがあるさ。

新人と呼ぶには随分な経歴だが…ヴァージンを守ってる内は、まだまだ。

…大事にしておけ、その手を汚すのは簡単だが…二度と白には戻らないからな。』

 


 

 

 

「もしもだが、俺にガキが居たなら…」

「もし私にお父さんが居たとしたら…」

 

 

「「あんな()だったりするのかも…って思っただけだ(よ)。ハハッ、気にすんな(しないで)!」」




別に重要なフラグとかじゃありません。

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