魔法科高校の妖精遣いだよ……え?そんなにチートかな?   作:風早 海月

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ギリギリ間に合った…
今日の話、200文字位しか今日の朝の時点で出来てなくて、焦りました。


感想・お気に入り・評価ありがとうございます。






新人戦開始。

スピード・シューティングから始まる新人戦初日。

 

予選は特化型CAD1つで妖精のアシストなしに栞は戦うつもりだ。

 

「本当にこれでいいのか?」

「問題ないよ?」

「……そうか。」

 

担当のエンジニアである達也が疑問を呈するほどのピーキーなCADを調整していた。

 

特化型のレギュレーションを通る処理速度を起動式ストレージのあまり容量も処理速度に割り振って高速さを目指したCAD。

某世界では『ビームサーベル』や『ライトセーバー』や『光剣』などと称される物の柄の部分みたいな筒状のCADだ。

そして、その表現は正解だ。

 

「…振動単一系魔法「ビームサーベル」………本当に使う人がいるとは思わなかった。」

 

元々、インデックスと呼ばれる国立魔法大学の編纂する魔法大全に記載されている魔法の中で最も厨二臭いと言われる魔法だ。

高出力のレーザーを魔法でさらに強化するというピーキー仕様で、特に特化型であるにもかかわらず照準補助をレーザーを照準できるようにしている。無駄が多い方法の魔法であるにも関わらず、インデックスに追加され削除されないのは単にロマンだと噂になっている。

ちなみに、光剣という魔法もあるが、それの方が本来のSFの剣に近い。

そちらは、予め指定した同形状のCADの先の空間に放出系魔法を掛けて空気をプラズマ化させた熱で物体を切る。

 

「まあね。さ、調整終わったら他の子の所に行って。私は予選くらいで負けないから大丈夫。古式魔法も使わずに勝てると思える程ね。」

「…分かった。これで大丈夫なはずだ。試して見てくれ。」

 

栞はCADにサイオンを流し込んで起動式を取り込む。だいたいの魔法師はここでCADの調整のの善し悪しが分かる。とはいえ、達也だ。ソフト面は完璧と言える。

 

「うん、完璧。」

「一応競技用で言われてたとおりアジャスター幅―いわゆるゆとりは極端に狭くしてある分レスポンスはいいと思うけど、外れたら一気にパフォーマンスは落ちるから体調・精神共に整えといてくれ。言うまでもないと思うが。」

「ありがと。決勝トーナメント用のCADも用意出来てる?」

「ああ。起動式も栞の用意したものをアレンジしてあるが…あっちの方がピーキーだな。」

「まあね。」

「そもそもなんであれが使えるのかは疑問だが…まあそれは置いておく。俺はエイミィの方に行ってくる。」

「いってらっしゃい。」

 

達也はピーキーな魔法選択に引き気味になりつつ、この間のことが頭に離れないで若干ソワソワしながら出ていった。

それが意味することをまだ達也は知らない。

 

そう、達也が栞を見る眼が深雪に向ける眼と同じ色をしていることはまだ達也自身も知らない。

 

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

 

『新人戦1日目の午前の部が終わりました!新人戦は事前情報の少なさがまた面白いところではありますが、解説に来ていただいたA級魔法師にして東北広域行政区警察機動隊の竹中さんと午前中を振り返って解説してまいります。竹中さん、よろしくお願いします。』

『よろしくお願いします。』

 

栞を初めとして1年女子メンバー+達也等は有線の九校戦を中継する番組を一高テントで見ていた。

 

『午前中に行われた競技はスピード・シューティング予選とバトルボード予選の半分弱ですが、まずはバトルボード予選、これまでで特に注目すべき選手はいますか?』

『そうですね…まずは第一高校の光井ほのか選手ですね。最初の強烈な光学系魔法での水面干渉からのスタートダッシュは目を見張る速さがありました。これまで光学系魔法での妨害でのスタートダッシュを成功させている人は実業団含めていませんでしたから、彼女は卒業後各実業団から引っ張りだこになりそうです。しかしながら、逆を返すと対応されやすい妨害でありますので、そこを次どう出し抜くのかが大事になります。あとは午後に出てくる三高の事前情報組の1人である四十九院沓子選手のプレーで大分わかると思いますよ。』

 

テレビの評価にほのかは少し怒る。

 

「達也さんが考えてないわけないじゃない!」

「そうだね。」

 

『なるほど。』

『男子の方はやはり海の七高が強いです。魔法力自体は恐らく一高や三高や二高の方が優秀なんでしょうが、それ以外の項目で差をつけられてますね。機動隊員の立場からさせてもらうと、魔法力だけあっても身体的に強い人間でなければ実戦では役に立ちませんし、ここぞの踏ん張りも足りません。今年の1年男子は現実を知らな過ぎるようですな。特に一高では魔法力によって学科が分けられていますが、その間で差別がまかり通っているとか。一高の評価基準である国際基準では測れない力がこの七高新人戦男子のバトルボード躍進を支えていると思います。』

 

この放送を少し遠くから見ている真由美と摩利は少し顔を歪ませる。

 

「いい加減にしなければいかんな。」

「そうね…竹中さんは十師族に反対する勢力である陸軍の派閥と近い関係だからある程度の大袈裟な攻撃を覚悟してたけど…正論よ。全くのね。」

 

どうやら竹中は反十師族ではあるもののこの国の将来を憂う人格者の1人であるようだ。

 

『スピード・シューティングはどうでしょうか?』

『面白かったという意味では、一高女子の御巫栞選手でしょう。まさか日本中の魔法研究者がロマンでインデックス登録を削除しなかったビームサーベルを使ったということで、同僚とのメールチャットでも《伝家の宝刀抜かれる》とか《エクスカリバーを抜いた少女》とか話題になってますよ。』

『イギリス大使館のホームページでも《日本のサムライもレーザーソードの時代に》と紹介してますね。』

『そうですね。かなり他の魔法で代用可能な魔法なだけに意外でした。特に高速で飛び交うクレーをバッタバッタと切り伏せる姿は私も目を疑いました。必ず一振で1つ叩き落としてました。先程審判委員に見せて頂きましたが、見事な断面でした。この時点でかなりの高火力だったことが分かります。御巫家は古くからある古式魔法の大家で、その象徴とも言える妖精の姿も今大会で見れると嬉しいと思います。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ちなみに男子は―――』

『本命が三高のカーディナルジョージこと吉祥寺真紅郎選手、大穴で一高のクイッカー森崎駿選手ですね。どちらも地はいいのに、あまり派手さがない上に美少女・美少年って訳でもないので玄人好みの試合展開になりそうです。』

『確かに、顔かたちは整っていますが、周りと比べてしまうと花がないですね…魔法師は左右対称になりやすい傾向がありますから、いわゆる美人が多くなります。芸能界などでも活躍する魔法師の方はいますからね。』


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