模倣妖怪の世界管理   作:春告精の田んぼ

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 一度投稿すると制作意欲が思った以上に向上してびっくりしてる春告精の田んぼです。

 サッと脳内にネタが降りてきたので上げちゃいます。


 ゆっくりしていってね!


第一話 初めての出会い

 模倣妖怪、異世界翔であるらしい俺が生まれてからおよそ一世紀が経った。

 

 え? 早い?

 しょうがないでしょ何にも無かったんだから。

 

 強いて言うなら妖怪らしき化け物には会ったが、どいつもこいつも知能が無いただの獣だった。

 

 その間俺はずっとエネルギー操作を鍛え続けた。まあやることなんて何も無いし。

 

 結果、一度に数千もの弾幕を張れるようになった。細かい弾だけならサッと一万ぐらい出る。しかも連続でそれが出来る訳だ。毎秒数万発。どこのPhantasmだよ……。

 

 

 

 

 

 今日、俺は食料を狩るために拠点を出た。この間狩った熊擬きの肉が無くなったのだ。

 

「熊の気配は……あっちだな…………ん?」

 

 デカい熊擬きを見つけた俺は、近くで襲われそうになっている小さな気配に気が付いた。

 

 急いでそこに向かうと、赤と青の奇抜な服の女の子が熊の前で腰を抜かしているのが見つかった。

 

「……い……いや…………」

 

 

 女の子は動けないらしい。このままでは食われて終わりだろう。

 

 しょうがないな……。

 

「っせぇいっ!!」

 

 大き目の弾を顔面に叩き込んだ。案外強い攻撃力があったらしく吹っ飛んだ。

 

「そこの子! 掴まってろよ!」

 

 俺は吹っ飛んだ熊に目もくれず女の子を抱えて空に飛んだ。

 

 

 

 十メートルぐらいに達したところでようやく俺は落ち着き、腕の中の子を見た。

 

「えっと、大丈夫か?」

 

「う、うん……」

 

 ……見れば見るほど不思議な格好だな……。

 

 

「私、八意××って言うの……さっきはありがとう」

 

「なるほど、八意××か。よろしくな」

 

「あれ? 発音できるの?」

 

「ん? ああ、言われてみると不思議な発音だな。まあ多分俺の能力のおかげだろうな」

 

 

 そういえば、俺の能力は認識が変わったことで内容も少々思っていたものと違っていた事に気がついた。イメージの模倣だと思ったが、模倣だけでは性質の反映は出来ない。貼り付けるというものが必要だ。模倣と貼り付け、つまり俺の能力はコピーアンドペーストということだ。

 

 その結論に至った瞬間、今までの能力への認識を改めてみた。コピペってことはデータ操作みたいな感じじゃないかと考えた。そしてその仮説は的中。脳内に能力表が浮かび上がった。内容はこうだ。

 

 

 

──────────

 

コピーアンドペーストする程度の能力

 

妖力を操る程度の能力

 

気力を操る程度の能力

 

あらゆる薬を作る程度の能力

 

──────────

 

 

 

 ここに載るのは能力のみで、裏で幾つもコピーされてる。この子の話す言語もコピーされたんだろう。

 

 気力は変に強い熊を見た時に操れるようになった。身体強化する変異種みたいな奴だったのかもしれない。恐らくさっきの熊もだと思う。

 

 あらゆる薬を作る程度の能力ってのはこの子の能力かな?

 

 

 

「お兄さんの能力……分かった。一応周りの人には永琳って呼ばれてるの」

 

「永琳か。そっちの方が呼びやすそうだしそっちで呼ぶ事にするよ。よろしくな」

 

「よ……よろしく……あの、お兄さんは?」

 

「ああ、俺の紹介忘れてたよ。百年近く人と話してないからな……俺は翔、異世界翔っていうんだ」

 

「かける……さん?」

 

「ああよろしくな、永琳。……でも何でこんな所にいるんだ? 危ないぞ?」

 

 

 自己紹介が終わったところで気になったことを聞いてみた。ここから数キロ離れた所に人がたくさんいる所は見つけていたが、もし退治されるなんてことになると面倒なので不干渉を決め込んでいた。この子は恐らくそこから来たんだろう。

 

 

「……私、生まれつきあらゆる薬を作る程度の能力っていうのを持ってるから薬屋をしてるの。けど材料が切れちゃって……」

 

「なるほど……」

 

 

 そういうことか。でも危機管理が成ってないな。こんな森の奥深くに来たらあんな獣どころじゃない化け物に襲われてもおかしくなかった。

 

 

「翔さんはどうしてここに?」

 

「俺はこの辺に住んでるんだ。妖怪だからな」

 

「えっ!? 妖怪!!?」

 

 まあびっくりするよな。多分俺みたいなのはいないんだろうし。

 

「ああ、つい百年ぐらい前に生まれたばっかの妖怪だよ」

 

「……翔さんは私を食べるの?」

 

「いや? 多分俺は心を食べるタイプの妖怪だから大丈夫だ。さっきの驚きを見た時少し腹が膨れたし」

 

 

 そう、俺は人喰いじゃないらしい。

 俺の断片的な記憶によれば、心を食べるタイプと体を食べるタイプがいるらしい。心の方は人を傷付けることがないから、元人(自分の性格的にそう思ってる)としては人喰いじゃなくて助かった。

 

 

 

 

「……さて、あっちに見える光が永琳の家がある方かな?」

 

「えっと、うん」

 

「じゃあ送っていこう。もうすぐ日が沈むから危ない」

 

「あ、ありがと」

 

 そして俺はそっちに飛んで行った。

 

 

「わぁ! 速い速い!」

 

 さっきまで落ち着いてたけど、こういう所を見ると子供っぽいなぁ。

 

 

 

 

 

 

「到ー着!」

 

「楽しかったー! ありがとう!」

 

 空を飛んでいる内に永琳とは仲良くなった。

 まあさすが子供と言ったところだ。

 

 

 

 

 街のようなところは既に近未来的な文化を持っているらしい。遠目にもビルとかが良く見えていた。

 

 街の入口に立っている門番っぽい人の所へ向かった。

 

 

「すみません、この子森で迷ってたので連れてきたんだけど」

 

「そうか、それはありがとう」

 

 よし、これで大丈夫だろう。

 

「じゃあ俺は帰るから」

 

「え? 翔さん来ないの?」

 

「帰るとはどういうことだ?」

 

 永琳と門番に聞かれてしまった。

 

 

「えっと……俺妖怪だし中に入るのはまずいでしょ?」

 

「妖怪だと!?」

 

「あ、ああ、俺は敵対する気は無いんだけど信じられないだろうしな。人外は大人しく外で暮らすべきだ」

 

「あ……いや、その理屈は分かるが……本当に妖怪? 全然そうは見えないんだが……」

 

「そうか?」

 

 俺ってそんなに妖怪っぽくないのかな? やっぱり俺って突然変異的な存在なのか?

 

 

「私の知る妖怪ってのは本能的に暴れる奴だったからな。理性的なのもいるんだな。と言うか悪事する気がないなら入っても問題ないぞ。お前は人にしか見えない」

 

「へぇー……じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな」

 

「うん! 美味しい食事処知ってるの!」

 

「……俺金持ってないぞ?」

 

「命の恩人に払わせるわけがないでしょ?」

 

「むしろ俺より小さい女の子に奢ってもらう方が嫌なんだが……」

 

「文無しが何言ってるの?」

 

「反論できねぇ……」

 

 

 

 

 

 

 

 結局奢ってもらってしまった。もちろん今まで食べたこともないぐらい美味しかったが。と言うかまた食べたいあのオムライス擬き。

 

 

「……なあ、ここに住んで働くことも出来るかな?」

 

「翔さんが? 妖怪なのに?」

 

「んー……金はあって損しないし、何よりここ住みやすそうだし」

 

「なら私のところで働いてよ! やっぱり一人じゃ大変なの」

 

 

 永琳が期待の目を向けて来た。家に帰っても一人らしい永琳にとっては寂しい気持ちの方が大きいんだろう。

 

「……そうだな。そうさせてもらうよ。あらゆる薬を作る程度の能力もコピー済みだし」

 

「やった!」

 

 

 

 

 

 

 そういう訳で俺は永琳の家に来ていた。

 

 

「ここが私の家でお店なの。薬屋『八意』ね」

 

「へぇ、中々デカいな」

 

 お店というよりもお座敷と言った方がいいだろう。そんな豪邸が建っていた。

 

「薬屋って儲かるんだけど使い道が無くて……」

 

「なるほどね」

 

 

 

 

 家の中を案内された後、俺達は製薬室に入った。

 

「私はさっき取ってきた材料で薬を作ってるね」

 

「じゃあ俺も早速何か作ってみようかな?」

 

「あ、なら胃薬が切れかけてたからそれ作って。最初は簡単なのからした方がいいと思うし」

 

「わかった」

 

 

 

 

 三十分後には百錠分ぐらいできてしまった……。あらゆる薬を作る程度の能力の効率半端ないな……。




 この主人公はロリコンではありません。ちょうどいい就職先と住処を見つけたぐらいにしか思ってません。

 でも、出会ってすぐの美少女と同居し始める……。書いててこいつ大丈夫か心配にはなってきた。




 次回作もよろしくお願いします!

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