麦わらの男は旅をする   作:大明神覇王

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二十一旅

 

 海賊の襲来により逃げ出した元国王のワポルは少しの間、海賊と身分を偽って潜伏していた後、国王へと返り咲き、再び権力のままに栄華を謳歌せんと再びドラム島へと帰って来た。

 しかし、それをルフィは自分の仲間とドルトン、チョッパーらと共に撃退したのである。

 

 

 そして……。

 

「良し、怪我が治ったらお前たちは自分の能力を王であるドルトンとこの国のために使うんだ」

 

「はい、分かりました」

 

『了解』

 

 ルフィは生命エネルギーにより干渉して思考を支配する事により、新たな国のために人生を捧げるよう、ワポルとチェスマーリモの二人に強制したのである。

 

 取りあえずは怪我が治るまで元ドラム城の牢獄に入れられ、治った後も陰ながら働くという感じになるが……。

 

 因みに何故、ドルトンが王なのかというと昔、ワポルに仕えていた身であり、前国王への忠義からワポルの暴走を止められなかった罪悪感を抱えていた彼はそのまま、ワポルにトドメを刺して自らも命を絶とうという腹積もりだったからだ。

 

 それを防ぐために先じてルフィは島民に勝利を告げた後、『皆も見たようにドルトンが暴君ワポルを討ち取った。彼こそこの国の王に相応しいっ!』と大きく宣言すると島民もワポルが去った間、必死で自分たちのために尽くしてくれた彼を慕っていた事もあってそれに賛同、ドルトンを王として認める事を表現したのであった。

 

 

 

 

「待ってくれ、私は……」

 

「償いをしたいっていうなら、これが一番良い方法だドルトンさん。貴方には王としてこの島の人々の生活を支える責任や義務がある」

 

「お願いだ、ドルトンさん。おれ達の王になってくれっ!!」

 

「あんたしかいないんだっ!!」

 

 躊躇うドルトンにルフィと島の人々が説得の言葉を投げかけると……。

 

「分かった。ルフィ君や皆がそこまで言うのなら……」

 

 最後には頷き、今後、ドラム島の新たな王になる事を誓ったのだった。

 

 そして、余談だが医療大国としては勿論、ワポルによるバクバクの実の効果によるもので新たな形状記憶合金『ワポメタル』を生み出した事でその金属の輸出国としても名を馳せる事になるのだった……。

 

 

 

 

 

 ルフィ達はワポルを倒した事から宴によってもてなしたいとドルトン、島民らに言われそれをルフィは了承した。そして、ワポルの海賊船より必要なだけの物資を貰い、メリー号に運んでから元ドラム城へと戻って待っていたナミたちに宴の事を告げて一緒に村へと向かったのである。

 

 チョッパーとくれはも一緒である。

 

「その……ワポルを倒してくれてありがとうな」

 

「今更、遅いけど怪物なんて言って、ごめんな」

 

「こんな可愛いトナカイが居たなんて……」

 

 島民らからワポルを倒した事による礼や蔑んでしまっていた事の謝罪などをチョッパーは受ける事になった。

 

「別に良いよ、おれだってドクターの仇を取るためにワポルを倒したかっただけだから」

 

 

 苦笑しながらも島民らとチョッパーは交流した。そうしながらもチョッパーには心の奥底に芽生えた気持ちがある。

 

 

「(おれもルフィの仲間に……)」

 

 それはヒルルクのように自分を最初から受け入れてくれた事、オスとしてルフィに対して芽生えている憧れ、『彼のような男についていくべき』という動物としての勘など様々な要因からチョッパーはルフィについていく事を決めた。

 

 だからこそ、まずは……。

 

「ドクトリーヌ、おれはルフィ達と旅をするよ」

 

 宴を終えて元ドラム城へと戻ったルフィ達が診断に問題はなかったために旅立つ準備をしている中、くれはへとチョッパーは自分の意思を告げた。

 

「何だって?」

 

「おれも世界を旅するんだ。そして、もっと他の医術も学んでさ……世界一の医者になる」

 

「ナマイキ言うんじゃないよ。お前が旅だなんて出来る訳ないじゃないか、それにあたしよりも上の医者になんてなれやしないさっ!!」

 

「なってみせるよ、そう決めたんだっ!!」

 

「いや、無理だね。それにあのヤブ医者のように幻想に生きるのかい!?」

 

「幻想じゃないよっ!! ドクターは諦めなかったから夢を叶えたんだ。だから、おれも夢を諦めない。男はそういうものだってルフィにも教わったから……おれも男だっ!!」

 

 

 ヒルルクの事をルフィに話していた時に言われた事で固めた決意をくれはに宣言する。

 

「……そんなに出ていきたいなら、あたしを踏み倒していきなっ!!」

 

「わああああっ!!」

 

 くれははチョッパーの言葉を噛み締めるように沈黙すると突然、包丁を投擲し始め、チョッパーは逃亡する。

 

 

「どうやら、余計な事をあの子に吹き込んでくれたようだね」

 

「……すまない。責任は取らせてもらうと誓うよ」

 

「当然だね……でも、感謝もしているよ。あの子を変えてくれた事に」

 

 

 チョッパーが去った後、くれはが呟くと様子を隠れて窺っていたルフィが現れて話を始める。

 

「あんた、名前は?」

 

「モンキー・D・ルフィだ」

 

「ふ、ふふ……どうやらとんでもない男に惹かれちまったようだねぇっ!!」

 

「(生きていたのかい、Dの意志は……)」

 

 ルフィの名前を聞くとくれはは大笑いしたのだった……。

 

 

 

 

 三

 

 

 

 

 出航準備が終わりつつあるメリー号に……。

 

「ルフィ、皆……おれも仲間に入れてくれぇっ!!」

 

「ああ、勿論だチョッパー。そして、よろしく頼む」

 

 チョッパーが駆け寄り、仲間になる意思を告げるとルフィは頷いて受け入れた。

 

「ほう、これは」

 

「お、おお……ウオオオオオオオオッ!!」

 

 ルフィ達が出航した数秒後、祝砲がドラム島より打ち上げられ、それは雪を桜の花びらのような綺麗なピンク色に染め上げた。それはヒルルクの作った塵である事を察したチョッパーは感動の咆哮を上げる。

 

「さぁ、行っといでバカ息子」

 

 くれはは祝砲として使ったヒルルクの塵による効果を見つつ、チョッパーへと見送りの言葉を送ったのであった……。

 

 

 


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