麦わらの男は旅をする   作:大明神覇王

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二十六旅

 クロコダイルが本拠地としていたレインディナーズにて、クロコダイルとの勝負に勝ち、彼が意識を取り戻しても動くことが出来ないようにしてから担ぎ上げて裏口から出てゾロにエースとガープが待つ場所へとルフィは戻った。

 

「そいつがクロコダイルか?」

 

「ああ、間違いなく本人だ」

 

 ルフィが地面へと下ろした者を見てゾロが尋ねてきたのでルフィは頷いた。

 

 

 

「やっぱり、勝ったな。それでこそだ……なぁ、ジジイ」

 

「うむ。流石は自慢の孫じゃ」

 

 エースとガープはルフィがクロコダイルを倒した事に満足げな表情を浮かべ、頷きあった。

 

「さて、それじゃあ後は海軍であるわしらでやっておくからルフィ達は王女さんたちの方へと行ってやれ」

 

「なら、おれはこれで別れさせてもらうぜ。捕まる訳にはいかねぇからな」

 

 ガープがルフィ達に告げるとエースが続けて言う。

 

「助かったよ義兄さん。やらなければいけない事があったのにありがとう」

 

 ルフィはエースに礼を言った。

 

 レインベースに向かう道中、エースがアラバスタまで来た理由を聞いていたのだが、それはドラム王国を滅ぼした『黒ひげ』なる人物、元は白ひげ海賊団の二番隊員の男でエースの部下だった男が海賊たちにおいて最悪で最大の罪、仲間殺しをした事でその男に報いを受けさせるためであるとの事だった……。

 

「なぁに、義弟を助けるのは義兄として当たり前の事だから気にするな。それとこいつを渡しておく」

 

 エースはルフィからの礼に微笑むと懐から何かを渡した。

 

「ほう、ビブルカードなんか作っておったんかい」

 

 ビブルカード、別名『命の紙』は濡らしても燃やしても平気な特殊な素材の紙に人の爪の切れ端を混ぜる事でその者の命の大きさを示すものであり、破片として持てばビブルカードに使われている者の居場所の指標にもできる優れものである。

 

 

 

「そいつがあれば、再会も簡単になる」

 

「分かった、しっかりと持っておくよ。それじゃあね」

 

「おう、じゃあな。ジジイもまあ、元気でやれよ」

 

 ルフィはエースへと近づき、共に抱擁を交わすとエースはルフィより離れ、ガープへ声をかける。

 

 

 

「ふん、それはこっちの台詞じゃ。今回は見逃せる状況じゃし、協力もしてもらったからこのまま見逃してやれるが本来ならこうはいかん。頼むからわしが動くような状況にするなよ」

 

「アンタとやり合うのは俺だっていやだよ。上手く立ち回ってみせるさ。それじゃあな」

 

 最後にガープへ笑いかけるとエースは去って行った。

 

「それじゃあ、俺たちもビビ達の元へ向かうよ。また後でね、爺ちゃん」

 

「おう、後でな」

 

 ルフィもガープへ告げるとゾロと共に国王軍と反乱軍の争いを止めるために行動しているビビにカルー、イガラム、ナミにウソップ、サンジにアルビダ、ピクチャとヴァルチィ、チョッパーらの元へと電伝虫で連絡しつつ、向かったのだった……。

 

 

 

 

 

 

 結果としてはアラバスタの内乱は止まった。

 

 国王軍にも反乱軍にもバロックワークスの者が潜んでいたとはいえ、裏方全般を担当していたアンラッキーズであったピクチャとヴァルチィが上手く誘き出した事で対処する事が出来た。

 

 

 又、反乱軍のリーダーであるコーザはビビと幼馴染であったことも功を奏し、反乱は止まったのだ。無論、クロコダイルの悪事が暴かれた事もあるが……。

 

「皆、上手くやったようだな。お疲れ」

 

「そっちこそ、お疲れ。王下七武海の一人まで倒しちゃうなんて本当、あんたの強さは底なしね」

 

「そして、クロコダイルを倒した事で名も広まるねぇ……あんたはもっと世界に知られるべき男だ」

 

 

「おれは最初から信じてたぜ、こっちはピクチャとヴァルチィのお蔭で楽だった」

 

「内部情報を持ってる奴ってのは頼りになるよな」

 

「そうか、良くやったなピクチャにヴァルチィ」

 

 ウソップとサンジの言葉を聞くとルフィはピクチャとヴァルチィの頭を撫でると二匹は嬉しそうな表情と照れた状態になる。

 

「おれも頑張ったぞ、ルフィ」

 

「みたいだな、良くやった」

 

 チョッパーが帽子を取りつつ、頭を差し出してきたのでルフィは優しく撫でた。

 

 

 

 

 そして……。

 

 

 

「ルフィさん、ありがとうございました」

 

「ああ、どういたしましてだ。上手くいって良かったよ」

 

 ビビがルフィに近づき、礼を言い、ルフィは笑顔を浮かべて頷く。

 

「全部、ルフィさんのお蔭ですよ」

 

「それは違うぞ。アラバスタの人たちを救おうと必死に動いたビビの尽力あっての事だ。素晴らしい王女様との縁が出来ておれは誇らしいし、嬉しく思う」

 

「……っ、褒めすぎですよルフィさん。それとこれ」

 

 ビビはルフィの言葉に照れながらも預かっていた麦わら帽子を差し出した。

 

 

 

「ありがとう。ああ、そうだ……」

 

 それを受け取り、被りながら何かを思い出した様子で言う。

 

「何ですか?」

 

 ビビがそれを尋ねると……。

 

「アラバスタへの入国許可を頂けますか、王女様?」

 

 恭しい態度でルフィはビビへと尋ねる。

 

「……はい、歓迎します。そして、ようこそ私たちの国、アラバスタへ」

 

 彼の言葉にビビは微笑みを浮かべて歓迎したのであった……。

 

 

 

 

 


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