麦わらの男は旅をする   作:大明神覇王

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六旅

 

 シロップ村に住んでいた少年ウソップを加えたルフィ一行は村を救った事で手に入れたゴーイングメリー号に乗り、旅を続けていた。メリー号を手に入れる前に乗っていた中型船は鎖で繋ぐ事によって共に航海していた。

 

 

 

「へえ、上手いなウソップ」

 

「だろ。昔から人んちの壁に落書きしてたからな」

 

 ルフィは『このままじゃ味気ない』として、ウソップが書いた船旗のマークを見て絶賛した。それは麦わら帽子を丸のマークとして中央には『自由』と文字が書かれており、『旅団』という字が一番下に書かれているその字から左右の半円が構成され、円となっている感じだ。

 

 

 

「自由な旅団……良いわね、そういうのも」

 

「ああ、縛りが無いってのは良いもんだ」

 

 ナミとゾロも旗を見て納得の表情を見せた。その後は談笑しながら航海をつづけていると……。

 

 

 

 

「おーい、助けてくれぇっ!!」

 

 岩山近くで助けを呼ぶ声が聞こえたので近寄って見ると小舟があり、その上でグラサンをかけ、左頬に『海』の字がある男が手を振って助けを求めていた。

 

「待っていろ、今すぐそっちへ行く」

 

「ん、お前……ジョニーじゃねえか」

 

 ルフィが男に応じ、船を近づけるとゾロは男を知っているらしくそう訊ねた。

 

「ぞ、ゾロの兄貴っ!? と、とにかく大変なんだ。ヨサクが……」

 

 ゾロと組んだことがある賞金稼ぎのジョニーはゾロが居る事に驚きながらも傍で横たわり、息絶え絶えの様子である額当てをした坊主頭の男、ヨサクを見る。

 

 

 

「どれ、ちょっと様子を見よう」

 

 ルフィは軽々とジョニーとヨサクが乗っている小船へと着地すると右掌をヨサクの胸に押し当てた。

 

「このくらいなら……」

 

 生命感知によってヨサクの容態を把握したルフィは次の瞬間、掌に光、オーラを生じさせそれはヨサクへと流れて彼の身体を包む。生命エネルギーを譲渡する事で彼の身体を治癒しているのである。

 

 少しすると……。

 

「治ったぁぁぁっ!!」

 

「うおぉぉぉっ、やったぜ相棒っ!!」

 

 ヨサクが元気良く立ち上がると共に両手を勢い良く上げ、ジョニーもヨサクの復活を両の拳を天高く上げる事で祝福した。

 

 

 

「スゲェ、ルフィって神通力みたいなのが使えるんだなっ!!」

 

「まだ悪魔の実の能力者っていう方が色々と納得がいくんだけどね」

 

「可能性って奴を感じられるからおれとしては喜べるけどな」

 

 ウソップはヨサクを自分が理解できない力で治癒したルフィに興奮し、ナミは自分の中の常識が崩される事に嘆息、ゾロは人間が鍛え続ければ到達できる指標と出来るので笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

「いやー、本当に助かりましたルフィの兄貴」

 

「流石はゾロの兄貴が認めただけの事はありますぜ」

 

 メリー号の上へと上がり、ジョニーとヨサクは改めてルフィに感謝を告げる。

 

「おう、どういたしまして」

 

 彼らの感謝を受け取ると二人との会話で話題に出た、船をレストランとして改装し、営業しているという『バラティエ』にルフィ一行はジョニーとヨサクを加えて向かったのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 海上レストランである『バラティエ』で働く副料理長、金髪で左目は隠すようになっているという特徴的なそれ、右目の眉は丸く跳ねているというやはり、特徴的な男サンジには夢があった。

 

 しかし、それはオーナーへの恩故にサンジは胸に抱いたままであるが……。

 

「クリークの海賊船……だが妙だ」

 

 麦わら帽子を被った男や三刀を持った男、鼻の長い男にやたら兄貴、兄貴と呼ぶ二人の男に紛れていた素敵な女性をお持て成し出来て満足していたサンジは、他の客や店員達が騒いでいたので、外を見るとぼろぼろであるが『首領・クリーク』の海賊船の特徴と一致する船と旗を見つけた。

 

 というよりも数日前にクリークの部下の男にシェフとしての流儀を通したばかりなのだが……その、礼ではない様子だった。

 

 

 

「す、すまん。水と飯を貰えないか……金なら、幾らでもある」

 

 そして、少しするとバンダナを巻いたギンという男が大柄の男を抱えるようにして連れてきた。特徴からして首領・クリークである。

 

 だが活力は感じないし、憔悴した様子だ。言葉通り、飢えているのだろう。

 

「はっはっは、こりゃいい!傑作だ!日頃の行いってのはこういう時に出るんだな」

 

 鉢巻を巻いた体格の良い男、パティがクリークに対して飯を与えないとサンジには納得のいかない事を言った。

 

 

 

 彼のコックの流儀として『メシを食べたいものには食べさせる』というものがある。なので……。

 

「どけ、パティ。ギン、そいつに食わせろ」

 

 料理と水を持ちながら、サンジはパティを蹴り飛ばし、数日前に飯を与えたギンに声をかけて持っているものを手渡した。

 

「すまん」

 

 クリークが泣きながら、料理を貪っては水を飲む。

 

「おい、サンジ。そいつがどういう奴か知っているのかっ!!」

 

 

 シェフの一人が言うには、クリークはだまし討ちを得意としていて、それによって悪行を働いてきた正真正銘の外道だというのだ……。

 

 

 

「ふ」

 

 そして、実際、クリークは笑みを浮かべながら立ち上がり……。

 

「がばっ!!」

 

 クリークの行動を『見聞色の覇気』によって未来予知とすら言えるレベルで把握していたルフィが密かに、そして、素早く接近すると共に肩からの接触による衝撃、それをクリークの体内で爆発させた事で彼を倒した。

 

 

 

 

「恩を受けたなら、返すのが筋だろうが」

 

 痙攣しているクリークを見て吐き捨てつつ、ルフィはギンの方を見る。

 

「なぁ、あの船にはこいつと同じように飢えた奴らがいるのか?」

 

「あ……あぁ。百人ほど」

 

「金は」

 

「ある。それだけは本当に幾らでも……」

 

「……なぁ、バラティエの皆。金はあるそうだ。海軍には通報するとしてクリークの船にいるやつらに料理と水を出してやれないだろうか?」

 

 

 

 ルフィの言葉にサンジは勿論として、他の店員たちも何故だか彼の求めに応えたくなった。それは彼の誇り高き精神、風格が出ているからだ。

 

「……良いだろう」

 

 コック帽を被り、それなりに年老いた男が答える。彼には右足が無く、義足となっていた。

 

 

 

 彼こそこのバラティエのオーナーがゼフ、彼の答えを聞くとルフィはゾロにギンを伴ってクリークの船へと移動する。

 

 

 

 

 

 

「お前たち、降伏するなら飯と水が貰えるそうだぞ」

 

『ああ、する。生きられるなら絶対にするよ!!』

 

 ルフィとゾロはもしもの時に対応するための待機であり、ギンはクリークの部下の説得のためにいるようにした。

 

 そして、バラティエが用意した料理と水を船まで運ぶのを手伝いつつ、様子を見ていると……。

 

 

 

 

 

 

「ゾロ、誰か強い奴が来るぞ」

 

「分かった」

 

 ルフィは何者かが来るのを感知したのでゾロと共に船の船首へと向かった。

 

 

 

「あれは……鷹の目の男か……」

 

 小船で近づいてきたのは、十字架にも見える大剣を背負った眼光の鋭き男で、帽子を被っており、首には十字架をかけていた。

 

「ほぅ」

 

 興味深げにルフィとゾロを見る彼こそゾロが言う『鷹の目の男』として有名な世界最強の剣士ジェラキュール・ミホークである。

 

 

 

 

「今、ちょっとした救助活動中だが何か用か?」

 

「やり残した事を片付けようと思ったが……まさか、こんなところで良い覇気を持った若者に会えるとはな」

 

 

 

「……」

 

 ルフィの言葉に応じるミホークへ挑戦的な視線をゾロは送る。世界一の剣豪を目指す彼にとっては挑みたい男であるがルフィの剣になる事を決めたが故にルフィが許可しない限りは耐えるしかない。

 

 

 

「……良いだろう、此処は退こう。そして、そこの剣士、名は?」

 

 ルフィと視線を交わしたミホークは次にゾロの方を見る。

 

「ロロノア・ゾロ、いずれお前を超える男だ」

 

「ならば、もっと世界を回り、力をつけろ。その男といればそう遠くないうちに俺に挑めるようになるだろうがな」

 

 言うとミホークはこの場より去って行った。

 

 

 

 

「悪いな、ゾロ」

 

「謝る必要はねぇよ」

 

 いずれ、お前の気持ちを果たさせる事を誓うとルフィは目で伝え、ゾロも目で了承の意を伝える。

 

 その後、クリークにギン、彼らの部下たちが海軍によって連行されるまでをルフィ一行は見届けた。それからルフィは、ゼフに対して、バラティエがどういった店か良く知りたいとアルバイトのようなものとして一日だけの店員になった。

 

 因みにだが育てられた村にて姉代わりであったマキノが経営していた飲食店で手伝い、旅をするならと叩き込まれた自給自足するための技術があるので十分、バラティエでも働くことが出来たのであった……。

 

 


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